狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
星乃「難しいもんねー」
筆速上げたいねー……
この刃が私に向けられれば確実に私はここで死ぬ───それが一番最初に思ったことです。それほどまでに、その刃の威圧感は凄まじいものでした。とはいえ───
「…もし、戦闘になったとしても。死ぬわけには、いきませんけどね……!」
約束、ですから。先輩との大切な……そして、恋敵との大事な。それを破るわけには、いきません。たとえそれが酷く難しい事であったとしても。……破るわけには、いきませんけども。
「死ぬわけにもいかず、退くわけにもいかず───推定G級個体相手に、ホント無理難題ですね……!」
この個体の威圧感はG級個体のもの。もしくはそれ以上───凄腕、特殊許可などと呼ばれるそれ。ルーパスさんがG級個体と対峙していたのを見ていましたから知っています。たとえG級のドスジャグラスやドスランポス相手でもこの威圧感は存在したと。…流石に結界越しではなく実物を見るのは感覚が段違いですが。そんなことを考えていると、燼滅刃がその刃を持ち上げました。
「っ……シールドエフェクト、発揮」
ガードを崩さず静かに呟いた言葉に私のスキル“誉れ堅き雪花の壁”が起動。このスキルは味方となる存在に薄い防御の盾を展開させるものですが……まさか、ギャラハッドさんの盾を持たない状態で起動できるとは。……うん?
「………あ…れ?」
違和感……いえ、違和感というよりは本来とは違う挙動。狩猟笛の旋律と同じく私達のスキルというのは効果を発揮する対象を選べます。私のスキル“誉れ堅き雪花の壁”の基本発揮対象は“味方”。何も意識せずにスキルを使った場合は基本発揮対象にのみ発揮するのです。…だというのに……
「……まさか…」
私が呟いた時、燼滅刃の顔がこちらを向きます。身構えますが───すぐに燼滅刃はボルボロスに顔を向けました。
「ギャァァォォ」
少し唸って刃を持ち上げ───その刃先が向くのは、ボルボロス。恐らくその敵意の向き先も、ボルボロス。
「……言葉はわかりませんから、信用はできませんからね」
危険ですが、一旦放置します。深呼吸したあと、起き上がったボルボロスを見据えながら納刀。
───動きにくいというのなら納刀するといい。無防備に近くはなるが動きやすくなる。
なるほど、背負う重みはありますが抜刀時の重さとは違う。これなら、跳べます。…最初からこうしておけばよかったですね。
「───行きますっ!」
私が高く跳躍すると同時に燼滅刃が刃を研ぐのが見えました。前方向に跳んだのもあってあの場所から振り回しても当たりはしませんけども。
「はぁっ!!」
上空から抜刀斧変形叩きつけ、その着地姿勢の頭上を黒い刃が通過します。……いや怖いですね
「……って言うかあれって爆発するって書いてありませんでしたっけ」
燼滅刃は黒い刃───“尻尾爆熱状態”の時の攻撃に爆発が伴う、とあった気がするのですが……はて。
「───せぇっ!!」
縦斬りから斬り上げ、再度縦斬り───と繋げようとした斬り上げで斧を何かに掴まれる感覚。
「…?って、なっ!?」
斧刃の方を見ると、燼滅刃が斧刃を咥えていました。すぐに離しましたが───斧刃に、黒い粉塵。
「……一応斧刃なだけじゃなくて盾なんですけどね……!」
そう呟きながらも剣モードに変形、溜め二連斬りから回転斬り、溜め二連斬りで剣撃エネルギーを回収。粉塵が危険すぎて盾を構えられない分、燼滅刃が敵視を取ってくれてるのは実際ありがたいです。チャージすることでビンは五本、盾強化はまだ続くのでその後同じことをして剣の柄が赤く点灯する状態───“剣撃エネルギー蓄積【大】”へ。
「そこの方!少し隙を作ってもらえますか!!」
「お任せあれっ!」
紫の鎧の方に声をかけるとすぐに怯みを取っていただけました。……あの人の剣ってこちらの世界の剣ですよね?どうしてあんなにも通るのでしょう。それはさておき───
「榴弾───全解放っ!!!」
超高出力属性解放斬り───しかしそれは先程とは違い、ビン爆発だけでなく高い爆破属性すら秘める一撃。放ち終わりに斧から剣と盾に自動的に変形するのは盾に圧縮したビンの負荷を放出するためだとか。簡単にいえば排熱ですかね。……それはそうと。本来この武器に爆破属性はありません。燼滅刃が強制的に爆破属性を付与しただけ。…必要以上に負荷がかかってそうです。ジュリィさんに怒られないでしょうか…
「リチャージ」
即座にチャージでビンを5本取得。爆破は
「───っ!」
起き上がってこちらを向いたのを見てビンを使用する振り回し。…これだけでもビン4本は消費してますからやはり斧強化のビン燃費は悪いのでしょう。とはいえ榴弾ビンの炸裂でボルボロスが転倒。溜め二連斬りと回転斬りで剣撃エネルギーを回収し、斧強化が切れたあとにチャージ……そういえば、ボルボロスの動きが遅い気がします。…弱ってる、のでしょうか。
「……」
ふと燼滅刃の方を見ると、刃を地面に下ろしていました。……“使えるものはなんでも使え”。私の考えが吉と出るか凶と出るか───
「“時に煙る白亜の壁”───畳み掛けます!!」
3分間の
「ギャァォォォ!?」
燼滅刃が驚いて刃を振り上げた、その勢いを利用して───高く跳躍
「最果てに至れ。限界を超えよ。彼方の王よ、この光をご覧あれ───!」
声と魔力の高まりに目を向けると紫の鎧の彼が自らの剣から凄まじい光を放っていました。あれは───宝具。
「───“
「───っ!?嘘、でしょう!!?」
本来宝具であれ通用しないはずのこの世界の武器で───ボルボロスを一撃で転倒させた……!?……いえ、考えるのは後です!今は───!!
「全力全開───“疑似アックスホッパー”!!!」
以前リューネさんが見せてくれたチャージアックス鉄蟲糸技“アックスホッパー”の再現。空中で偶然燼滅刃が飛ばしてきた火球を反撃GP斧変形榴弾超高圧圧縮───超高出力属性解放斬り!!!榴弾ビン全弾直撃、割と爽快ですね。
「ギャァァァァォォォウ!!!」
着地直後、咆哮と共に燼滅刃がボルボロスに赤熱した刃を振り下ろします。
「───ァァォウ…」
その一撃で───ボルボロスは、沈黙しました。…終わった、のでしょうか……
「終わった……のか…?」
……あの、それをフラグというのですが…と思ったものの、もう戦う気力もなく。燼滅刃がいるというのに戦えるだけの力が出ません。…先輩の令呪の“必ず生きて”、“五体満足で帰ってきて”という指示があったおかげで逃げることはできそうですが…流石に戦うのは無理がありますね……
「……」
当の燼滅刃はというと。私の方を見つめたあと、そのまま近くに横たわりました。……ええと。
「……敵ではなかった、のですかね…?」
燼滅刃から回答はありませんでした。こちらに敵意は…感じられず。そう思うと急に、足から力が───
「おっと。大丈夫ですかな、可憐なる騎士よ。」
「……あ、はい……ええと…」
…支えてもらったのに衝動に任せていきなり殴りかかるのは流石に失礼ですし、とりあえず名前を聞きましょうか。
「あの…貴方の名は……?」
「私ですか?私は“ランスロット”。円卓の騎士が1人、湖の騎士ランスロットです。」
…あぁ、なるほど……
「───あぁ。お父さん、ですか…」
「……っ……その……すまない、その呼び方はやめてくれ……その…我が息子、ギャラハッドの意志を継ぎし騎士よ。心の準備ができていなければ、ショック死しかねない……」
……あはは…あ、ダメですね……
「…ごめんなさい、少しだけ…頼らせて、お父、さ…ん……」
「だから……!?大丈夫かね!?ギャラハッド!ギャラハッド!!」
私はギャラハッドではない……なんて、そんな状態で言えるはずもなく。私はそのまま意識を手放しました。
裁「ちなみにマシュは最終的に……というか、私が生きてた頃まででG級行けるくらいには強くなるよ。」
それ言ってよかったの?
裁「いいと思ったんだけど……ゲームのプレイヤーからするとG級行けるくらい=G級☆1なわけだからそこまで強くないって思うかもだけど根本的な火力不足・能力不足で下位すら倒せなかった人間がそこまで強くなるのも色々と凄いからね?実際英霊の攻撃が効きにくい時点で本来は私達人間の方がもっと不利なんだし。」
本来は…かぁ
裁「あと説明不足だったけど反撃機構に関しては受けた衝撃の力で高出力・超高出力のビン圧縮よりもさらに圧縮して放っているからビンダメージ斧ダメージ共に上がる、っていう考え方ー。」
……でも反撃GP空中超解放はやりすぎじゃない?
裁「まだ逆ガードしてないし攻撃や攻めの守勢に弱点特効【属性】乗ってない、なんなら武器が最終強化じゃないからここからまだ跳ね上がるよー。」
えぇ……(困惑)…って、あれ?弱点特効【属性】?
裁「……あっ。」
え…?