狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「マシュの方は終わったし今度はアトラス院班の方だねー」

そういえばアロンダイトって竜属性持ちに追加ダメージあるのね。調べて初めて知ったよ。

裁「あー…」


第335話 アトラスの洞窟

「うーん……防衛機構は少しだけ生きてるねー…」

 

防衛装置を変異泥で強化した拳で砕き、ナーちゃんの方を見る。……一応同族?を燃やすナーちゃんってなんかシュール。

 

「所々壊れてるがな……どこを壊していいか分からんかったんじゃねぇかな、多分。……それにしても、ナーサリーが本を燃やしてると本が本を焚書するっていうなんとも奇妙な光景になるんだよなぁ…」

 

「ごく簡単な術式が書かれただけの防衛本に意味はないもの。焚書と同時に完全封印しておいた方が帰りが楽よ。」

 

「……マジで本に関してはナーサリーとありすが強すぎるんだよな…」

 

〈ふふふ、やろうとすればどんなことでも知れるけれど…あたし(ありす)に負荷がかかりすぎるのよね。本に限定すれば長時間使えるから魔導書の完全封印は任せなさいな。〉

 

流石に預言書の封印は無理だけれど、と呟いたのには苦笑いした。人類悪を封印ってできるのかなぁ…

 

「終わりました…リッカさん」

 

「あ、お疲れさま静謐さん。…さっきから思ってたけどそんなに距離取らなくてよくない?」

 

「えっと、その…」

 

毒の娘───全身が毒になった少女型の毒殺兵器。…簡単に言えばだけどね。でも私達───お兄ちゃんも含めて毒が効かないのはここに入ったあとに実証済み。だからそこまで離れる必要はないんだけど…

 

「……」

 

あ、視線逸らした。やっぱり気になるのかなぁ…

 

「……ナーちゃん。」

 

「…いいわよ」

 

……毒とは。体内に入ると真の力を発揮するもの。それは劇毒であっても同じ。ならば───

 

「静穏───」

 

変異泥を使って静穏化、気配隠蔽。普通なら効かないけど私から視線を逸らしていた今なら。

 

「……?あれ、リッカさん…?」

 

サーヴァント相手だとしても完全に見失わせることができる。“藤丸リッカを強く認識していない”ことが重要で、お兄ちゃんやナーちゃんには特に効かない。…だから、これからすることも完全に見られてる。

 

「どこ………っ!?」

 

背後に回って手に触れて強制的に認識させたあとそのまま顔を引き寄せて唇を奪う。手を触れただけでは信用しきれず、距離を取ってしまうというのなら。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。お兄ちゃんやナーちゃんはともかく私であれば獣の権能の1つである“ネガ・ヴォイド”、つまり虚無の理で打ち消してしまえるから。偶然私の方が身長が低いから必然的に静謐さんが前屈みになって私の口の中に唾液が流れる形になる。

 

「!?!?!?」

 

「ファーーーー!?!?!?」

 

…まぁ、そうでなくとも割と深めのキスにしてるから確実に唾液は飲んでるはず。そう思って唇を離した。

 

「ぷはっ……ね、大丈夫でしょ?」

 

「は、はぃぃ……」

 

「……深すぎて腰が立たなくなってるわよ、リッカさん。」

 

あちゃー…ちょっとやりすぎちゃったかな?

 

〈トライヘルメスは近いし、防衛機構は全部再使用不可能にしてきてるからこの先に何も出なければ問題は………ねぇ、待って、何その目線は…〉

 

いや、どうも何も…

 

「ロマン……そういうのをフラグって言うんだぜ」

 

〈うっ…で、でもフラグ云々以前に近くに何かの生体反応は複数確認されてるんだ、気を付けた方がいい。〉

 

生体反応…ねぇ。

 

「ナーちゃん」

 

「?」

 

「あそこの白い像みたいなのが動き出すにジャルタさんのところのケーキ1つ。」

 

「奇遇ね。じゃあアリス(あたし)はあそこの灰色の岩が動き出すに。」

 

「んじゃ、俺はあそこ。あそこの壁が動き出すに賭けるわ。」

 

「我はそこの骨だな。骨の頭を被る者などよくいるだろう。」

 

〈ギルまで何してるんですか……〉

 

マリーに呆れられた……でも実際───

 

「…アリス(あたし)以外直感持ちなのだから外れるわけがないのよね。」

 

「それもそうなんだけど。ナーちゃんの読み、当たってるよ?」

 

「え?」

 

とりあえずナーちゃんのから答え合わせしようかな。

 

「“シングルシュート”」

 

足元に落ちていた石を持って投剣ソードスキル。…外でマシュが戦ってるんだし早めに終わらせないとなんだけど……無理そうかな、これは。

 

〈……岩竜“バサルモス”かぁ…通常状態だと肉質硬すぎて物理はあまり効かないから属性で攻めた方がいいよ。個人的にはレンキンスタイルかつ“絶対回避【臨戦】”、“狂竜身”、“金剛身”の構成で“龍頭琴【水戯】”があるとなおよし。〉

 

流石にないなぁ…

 

「魔術……効くのかしら?」

 

「ほとんど効かないと思ってやった方がいいだろ……俺は援護に回るぞ、流石に。」

 

「有効打を与えられるのはマスターとアリス、そして我のみか……ふむ。」

 

強さは……下位かー……

 

「下位なら…なんとかなる、かな?…連戦ってなると辛いけど。」

 

ジュリィさんの鍛えてくれた武器って曲がりなりにも上位武器だし、なんとかなると思いたい。

 

「ってか、リッカの場合穿龍棍の方がいいんじゃねぇか?一番拳に近いんだ、お前が素で使える技……八極拳、八卦掌、形意拳の3つが使いやすいんじゃねぇの?」

 

「流石にそこまで単純じゃないよー。…見た感じ完全に岩だし、中国拳法使ったら私の手の方がダメージ受けちゃう……はず。」

 

……受けちゃう、よね?

 

「……っていうか、あれ?特に敵対意思なさげ?」

 

私が投げた石に反応して地中から出てきたバサルモスだけど、私達を見つめるだけで何もしてくる様子はない。

 

〈……?確かに敵対意思無さそうだねー。元々大人しめだけど明確に攻撃されて黙ってるほど大人しくはないような……〉

 

……うーん。

 

「…ごめんドクター、ミラちゃん呼んでもらえる?私達じゃモンスター達の言語分からないから。」

 

〈あー……分かった、今繋ぐよ。〉

 

エスナさんは確か獣魔言語習得してないって話だったからねー。勉強はしてるみたいだけど、同じ世界出身のエスナさんでもやっぱり難しいらしい。…私にはまださっぱり分かんないし。

 

〈繋がったよ。何、リッカさん?〉

 

「あ、ミラちゃん。早速でごめんなんだけど、通訳をお願いしたいんだけど……」

 

〈通訳?……あー、なるほどね。…用件くらい先に言ってよ。〉

 

「ドクター?」

 

〈うっ…ごめん……〉

 

何も説明せずに唐突に呼んだんだろうなぁ……

 

〈……封印?〉

 

「ミラちゃん?」

 

〈……ちょっと待って、バサルモスとしばらく話をさせて…〉

 

そこからミラちゃんは私達には分からない言葉……獣魔言語で何かを一気に喋った。私達には唸り声のように聞こえるんだけどミラちゃんには言葉として聞こえてるんだろうね。…ロンドンのヴァルハザクの時もそうだったし。

 

〈………なるほどね〉

 

しばらくしてミラちゃんがため息を付きながら私の方を見た。

 

〈リッカさん、ひとまずバサルモスについていってもらえる?リッカさんと…七海さん、六花さんがいいかな?一度見てみないと分かんないと思う。〉

 

「バサルモスに…?」

 

私がそう呟くとバサルモスが私達に背を向けた。

 

〈この子がこの場所にいた理由がバサルモスの向かう先にある。他の人たちはここで待ってて、あとで戻ってくるから。〉

 

「「「はい、仰せのままに。」」」

 

ミラちゃんが指示してる間にバサルモスが奥の通路へと消えようとしていた。

 

「……行ってみるか、リッカ?トライヘルメスへの道に何かしら障害があってもだからな。」

 

お兄ちゃんの言葉に頷き、私達はバサルモスの導きに従うことにした。




お気に入り190て……ホントありがとうございます…更新相当遅いのに……

弓「更新遅すぎてまだまだ序盤だがな。」

ぐふっ…
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