狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
?「あの…本当に申し訳ありません、ご迷惑をおかけして…」
星海「貴女が謝ることじゃないですよ。…アレはこの世界の特性にしてこの世界の異常。私達でも完全な予測はできませんから。」
?「……あの、私はいつ帰れるのでしょうか…」
星海「……予測では1ヶ月かかるかどうか……可能性としてはもっと長いです。アレが……“暴走した世界間の歪み”が現れないことには正常に帰ることはできませんから。追加でお母さんの接続状態が悪くなっているので帰還用の歪みが観測できるのがいつになるか…」
?「…理由は、歪みが正常に閉じないから…ですよね。香月さんが教えてくださいました。」
星海「えぇ。歪みが正常に閉じなければ致命的な欠陥を起こすことに繋がりかねませんから。あちらには連絡しておきますので…しばらくの間はこちらでお過ごしください“大妖精”さん。」
大妖精「…ありがとう、ございます。」
裁「う……」
星海「…と、リカさんも目覚めましたね。」
裁「……まだ夢…なの?大ちゃんがここにいるのって…」
星海「残念ながら現実です。」
大妖精「えっと…しばらくの間、お世話になります。」
「……」
バサルモスと私達が見つめ合う中。カタン、という小さな音が魔法の壁───封紋、だっけ?その方から聞こえた。
『封印に挑みし者よ。火の錠を担う竜、並びに封印の管制竜として告げる。』
「っ…!?」
普通の…人間の言葉!?竜人語だけど…
『秘されし龍の錠は他の錠を開けば示される。龍の錠を担う龍も、またこの地に現る。そして───我司りし火の錠、既に試練は達されている。』
「既に…達されている?」
『我等が試練、即ち擬態を見抜くこと也。よって我が擬態を見破りし汝らは既に我が試練は達している。…しかし。』
そこでバサルモスが封紋を見た。
『封印の錠、それを認めず。本来であれば解錠される火の錠は解錠されず、未だ閉じたままである。…よって、新たな試練を汝らに課し、これを火の試練とする。』
新たな試練……?
『汝らに課すは力の試練。我が甲殻、我背負うは岩石の如く硬き殻。───これを、
「「「…………はっ?」」」
岩を……破壊…?って、砕けってこと!?
『手段は問わぬ。だが生半可であれば即座に再生すると知れ。』
そう言ってバサルモスはその場に座り込んだ。
〈……胴の一撃部位破壊かぁ。いや難しくない?〉
「その前にミラちゃん、1つ聞きたいんだけど…さっきバサルモスがいきなり人の言葉喋り始めたのってミラちゃんが何かしたの?」
〈え?〉
私の問いかけにキョトンとしたミラちゃんは即座に首を横に振った。
〈あれは封紋の基本機能だよ。封紋を解除する相手が人間であるのなら封紋を解除するための方法を理解できないとダメでしょ?だから封紋には最初から“獣魔に人の言葉を与える”、並びに“獣魔が人の言葉を理解する”っていう効果の術式が組み込まれてるの。私がその術式を使わないのは割と組むのが面倒な物だからで……今回の封紋は止まってたんだけど……“問い”によって正常に起動させたから問題なく話せるはず。〉
へ、へぇ……あ、それと……
「ミラちゃん。この子ってもしかして女の子?」
〈……正解。よく分かったね、声低かったのに。〉
「ちょっとだけ高かったから。」
「いやマジで少しだけなのによく分かったな……」
「リューネちゃんも気づいてたんじゃない?コンラさんから音で女の子って分かったって聞いてるし。」
〈…リューネさんは今寝てるよ。というか、眠らせたが正しいか。ルーパスさんも同じくね。〉
あー……確かに寝かせとかないと色々とやってそうだもんね……
「……ちなみにどうやって眠らせたんだ?簡単にゃ眠らんだろ、あいつら。」
〈ん?ウルムメア……浮眠竜“パオウルムー亜種”と夜鳥“ホロロホルル”に添い寝してもらった。〉
「パオウルムー亜種…というとあの紫色のもこもこ毛並みの子よね?……羽毛布団って暑くないかしら?」
〈耐暑は入れたから大丈夫。そんなことより今はバサルモスの部位破壊だよ。〉
……確かに。“試練”というからには達成しなければ先には進めないんだろうし。
〈とりあえずエスナの付与は必要だと思うけど……一応聖都の門を破壊する可能性があるからあまり無理はさせたくないんだよね。〉
あー……それは確かに。
「となるとエスティナの付与に頼らない方向がいいのか?だからってリッカの創造と複製だけで処理するのは無理があるだろ…」
「結構私に負荷かかるからね、アレ…」
「創造は人間にもとから備わっているとはいえ、現実世界に具現化するならそれは神の力なんだから当然だろうが。」
〈私達の“呪式具現魔”みたいに“魔力の状態で形を具現化”するならともかく、リッカさんの“創造”と“複製”は“魔力から物質を0の状態から組み上げてる”からね。負荷がかかるのも当然だよ?〉
「無から有を作り出す、ってことよねそれ…」
無から有を作り出す……かぁ。
〈あの……提案なのですが〉
「?」
〈私の武器を使うことはできませんか?〉
「「〈え?〉」」
エスナさんの…武器?
〈私達のいた世界の素材で、私達の世界で作られた武器ですので神秘…でしたっけ、それはかなり多いはずです。ですのでこの世界で作るよりは有効に効くのではないかと…古龍種の武器であればなお効くでしょう。〉
「……あー…」
言われてみれば確かに。私やナーちゃんの太刀はこの世界で作ったからか少しだけ低めっぽいんだよね。担い手の神秘の問題もあるんだろうけど。
「でもエスナさん、それってエスナさんには問題ないのかしら?」
〈……と、いいますと?〉
〈エスナの今回使う武器がなくなるんじゃないかってことじゃない?〉
〈…なるほど〉
ナーちゃんの反応見る感じミラちゃんの推測で当たってるっぽい。
〈それでしたら問題ありませんよ。ミル姉様やルーパス様方と同じく、各種武器は揃えておりますので。…とはいえ、渡す武器は考えねばなりませんね……“一撃による”ということですから私の“
“
「そういえばエスナさん。気になったんだけど左手での攻撃があるなら右手での攻撃もあるの?」
〈はぇ?…あ、はい。存在しますが……よく分かりましたね?リッカ様方に話してはいないはずですが。〉
「ただの勘だけどね。」
〈勘といえどもすごいですよ。…とはいえ右手は火力が低いのであまり使わないのですが…〉
「…どうしてかしら?」
〈簡単な事ですよ。…“起源”による強化が効かないからです。〉
起源…というと
〈エスナの起源は“天女”…正確に言えば“天上の乙女”。そしてその逆は“地男”…正確には“地下の男”。夫婦系の武器を用いる場合は特にだけど左と右は一対にするのが基本だからエスナの右手での攻撃は逆転起源での強化になる。…でも、エスナが持っている起源は“天女”だけ。だからこそ起源強化ができなくて……自分の魔法だけでそれを補う必要がある。〉
〈ですが、起源での強化は他の付与とは比べ物にならないほど強力なものでして…起源強化をせずに“
え……エスナさんって魔力多い方なんじゃなかったっけ。
〈ちなみに私の…リミッター全解除状態でも再現には結構な魔力を持っていかれる。それだけ起源強化は凄まじい力を秘めてるの。〉
「はぇ……あれ、そういえばミラちゃんの起源って?」
〈私?“龍妃”、かな?元々私に起源はないはずだけど…融合の一件があってねー。〉
あぁ…なるほど
〈ま、起源の事は置いておいて……エスナ、どんな武器が使えそう?〉
〈そうですね……リッカ様は利き腕はどちらでしたか?〉
「利き腕?右…かな?」
実はあまり意識したことがない。
〈右……そもそも、片方の腕しか使わない場合はハーフナックルで十分なのですよね……〉
「そうなの?」
ハーフナックルは術式向き、ナックルは物理向き…ってロンドンの時に聞いたはずだけど。
〈確かに“ナックル”…別名“双拳”とも呼ばれる武器種は物理向きなのですが…そのナックルの本領は武器自体の軽さによる連続攻撃にあるのです。多重付与をかけながら連続攻撃を行うのは精神的にも疲れてしまいますので…それ故に連続攻撃主体のナックルは物理向き、単発攻撃主体のハーフナックルは術式向きなのです。〉
はぇ…
〈要はルーパスさん達の“双剣”と同じような性質ってことだね。ハーフナックルは“大剣”みたいな感じ?〉
〈恐らくは。…これが良いでしょうか〉
そう言われて転送されてきたのは、綺麗な配色の右手用の籠手だった。
〈あ、“ネロ・ウラシマ”。〉
「「「浦島?」」」
〈溟龍派生の武器だよ。対となるのは“ヒュドロスカラカサ”。〉
……なんかどこかで聞いたような
〈本当は屍套龍派生の武器とも
「えーと…ミラちゃん、“対化”って?」
なんかまた知らない単語が…
〈えーっと……“ペアリング”、って言えば分かるかな?2つのハーフナックルを1つのナックルとして繋げることをそう言うの。実はナックルの形って固定されてるわけじゃなくて、結構自由が効くんだよね。〉
カ、カスタマイズ要素……
〈ただ……素材元の獣魔が受け入れるかによって対化が成功するか左右されるんだよね。嵐龍と雷狼竜とかすっごく仲悪いから雷と水が反発しあって大変なことになるし。特に暴走嵐龍と金雷公とか手がつけられなくてさぁ…〉
〈あぁ……よく分からないまま対化した古びたハーフナックルが暴走嵐龍と金雷公のもので酷いことになったという話ありましたね…〉
〈そもそもよく分かんないハーフナックルを対化するなっての……それで執務中に急に呼び出された私とエスナの身にもなってよね。〉
〈私は結局役に立ちませんでしたが……ミル姉様の一喝でピタリと止まったのは驚愕しましたね…〉
〈あれ私というか私の中にいるミラルーナの力よ?私自身はそこまで何かした訳じゃない。〉
〈それでも一瞬であの場を収めたのは凄いことだと思います。〉
た、大変なこと起こってたっぽいねー……
「どうだ、使えそうか?リッカ。」
「うーん…どうだろう。」
〈……そういえばエスナ、あのハーフナックル大丈夫なの?〉
〈大丈夫…とは?〉
〈ほら、作成依頼者…つまり素材提供者以外が武器を装備すると低確率だけど暴れるじゃない。特に古龍種なんて気が強いんだから本人以外だと暴れる確率高いよね?〉
え、何それ……
〈あぁ…確かに普通でしたらそうなのですが……ミル姉様は既にお気づきだと思いますが、リッカ様は獣魔の皆様から認められていることが多いですから。〉
〈あ、そういえばそうね。私の使役する……というか、私の中にいる古龍種でも特に気性が荒い方のミララースですらリッカさんのこと認めてるし。〉
「ちょっと待ってどういうこと!?」
ミララース、ってロンドンで出てきたあのかなり怖い赤い龍だよね!?
〈“マスターの小娘に請われれば力は貸すが我が主と認めるは我等が王と我等が宿主のみだ”、ってラースが言ってたよー。〉
〈彼がそう言うのは珍しいですね……?〉
〈英雄王と同じ感じなんじゃないかな、多分。まぁあの子、ちょっと素直じゃないというか……なんだっけ、ツンデレ?っぽいところあるから内心は認めきってるかもね。〉
「それは……喜んでいいのかな?」
〈いいと思うよ?〉
〈古龍に、それもミラボレアス種に認められるのはサマナーとして一種の最終到達点のようなものですからリッカ様がサマナーであればミル姉様と肩を並べる存在であったかもしれませんね。〉
「今もサマナーのようなものだけれどね。」
「まぁ確かにサーヴァントのマスターは見方によってはサマナーだわな。女神転生世界の悪魔も召喚できるわけだし。」
「女神転生世界の悪魔に関してはあなたのせいよね、六花さん?」
「
そういえば悪魔召喚できるってことは私
「んで、どうだリッカ?使えそうか?」
「……うーん……結構難しいけど……多分。」
砕くだけであれば極限まで火力を上げて叩き込めばいい。…本当に“砕く”だけであれば。条件が“生存させたまま砕け”であれば難易度は跳ね上がる。絶命ラインと破砕ラインを見極めなければいけないから。
「……とりあえず、やってみる。」
砕け、ってことはあの時のアルみたいな
「……」
───
「ふー……」
───
「……観えた」
───
「───一歩、加速」
地を蹴って高く跳躍する。
「───二歩、致命」
天井を蹴ってバサルモスの背に乗る。
「───三歩、静拳」
魔力で右腕だけ保護して手を引く───
「───“
疾く、鋭く、それでも静かに。バサルモスの一点、脆い“要”を突き徹す。
「………」
〈……〉
反応、なし。分かってはいたことだけど、この程度で壊せるわけがない。ただ───
「……困ったな」
以前、アルの心意防御としての
「…ナーちゃん、お兄ちゃん。アルの
「あるわけないだろ…」
「あたしもないわね……」
「…だよね」
〈ていうか、あの子の障壁…ボレアスの“劫火”とかフェナンの“王の雫”とか真正面から防いでるから生半可な防御じゃないからね。〉
「………待って?王の雫って相当強い技じゃなかった?」
アルテラさんの宝具を受けたところからも分かるけど王の雫ってたしか……フランスでルーパスちゃんがワイバーンを跡形もなく消し飛ばした技、だよね……?
〈相当強いどころか…回避方法を間違えれば即戦闘不能、ですね。〉
『告げる必要もないだろうが我がかの炎を耐えられると思うな。かの炎は古の龍の王が下す排除の光。あの光を浴びて生きることができる、また無傷でいられるは古の龍の王が力を制限しているだけに過ぎぬ。総ての力で振るうならば人間の身体はおろかその地の形すら原型を留めぬであろう。』
……………非常に危ない技だった…さてと、どうしようかな…
星海「お母さん。大妖精さんの状態、纏め終わったよ。」
んぅー……後で目を通しておくからそこ置いといて…
星海「たまには動画世界経由して幻想郷にも行きなよ?さっき連絡したら“最近全く会いに来てくれない”って紫さんがボヤいてたし。」
最近は動画世界経由せずに別ルートで行っちゃってるからねー…そもそも動画世界の方、現状止まってるから…
星海「早く動画世界も動かしなよ…」
流石に現状だと難しいかな……色々落ち着いたら動画世界側でも幻想郷に行って異変のお話とかするつもりだけども……
星海「っていうか、動画世界から行く幻想郷ってここから繋がる幻想郷と同じなんだっけ?」
同じだよー。
星海「……書けば?」
うちの幻想郷の歴史自体が相当面倒なので書きません。というか香月達の話書けないのってほぼほぼうちの幻想郷が原因だからね。
星海「歴史は書けなくても旅行みたいな感じで何か書けたりしない?」
…旅行……幻想郷旅行、ねぇ。まぁうちの幻想郷……相当賛否両論ありそうだけど。…第一部終わったあとに紫さんに相談してみるかなぁ…
星海「こんな調子で何年かかるのやら……」