狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「ん……」

大妖精「あ、お目覚めですか?」

裁「あれ、大ちゃん……?それにここ、私の部屋……」

大妖精「先日の観測終了後、リカさんは急に倒れてしまいましたので…失礼ながら覚醒までお部屋の中で待たせていただきました。」

裁「それはいい、んだけど……大丈夫?寝れてる?」

大妖精「大丈夫ですよ?」


第338話 方法模索中

「…とりあえず分かったことは。石と石の要を壊したところで部位破壊には至らないし、地層みたいに何層も重なっているというよりは1つの岩みたいな感じになってるってことかな。」

 

「1つの岩…ねぇ。」

 

「要を壊すにしても多方向から衝撃を徹して要に集束させるのが良いんだと思う。」

 

「“兇叉”みたいなやり方ってことね?」

 

「そう……なんだけど。問題があって、兇叉だと1撃にならないの。…さっき打ち込んだ感じで分かった。1撃以外───つまり1HIT以外は打ち消される。」

 

私の言葉にお兄ちゃんとナーちゃんが困った表情になる。

 

「打ち消される、なぁ…」

 

「……打ち消されるというか判定方法が1HITごとのダメージ量なのかもしれないけど。」

 

「あー…つまり1HITずつで計算されてそのダメージ量が規定値を上回るかどうか、ってことか。」

 

「あたしは規定値を上回るか、だけじゃないと思うわ。見たところリッカさんは加減していたわね。規定値を上回るだけなら加減なんて必要ないでしょう?それなのに加減したということは、“規定値突破”ではなく“規定範囲内”なのだと思うのだけれど。」

 

「……ナーちゃん、よく私が加減してたこと分かったね……」

 

「ホントリッカのことよく見てんな、七海…」

 

「技を覚える、記録するために観察するのは当然じゃないかしら……」

 

あー……そっか、本の英霊だから記録系入ってるのか…な?……………いや、入ってないよね?確か。…まぁ、いっか。

 

「とりあえずどうするかだね……単純に強化して叩き込んだだけじゃ無理そう。」

 

「岩……いわくだきなぁ…」

 

うーん……

 

〈……すまない…少しいいかな。〉

 

「リューネちゃん?」

 

声、辛そう…っていうか起きたの?

 

〈こら、ゆっくり寝てなさいよ。ていうかどうやって無効化してるのよ…〉

 

〈はは……一瞬声が聞こえてなんとか起きたのさ…僕も、ルーパスもね……〉

 

「もしかして心意か…?」

 

あー……

 

〈なに、少しで終わらすさ……リッカ殿と話させてくれるかな…?〉

 

〈……分かった、でも短くすること。〉

 

〈相棒もそれでお願いしますね?〉

 

ルーパスちゃんの声は聞こえなかったけど代わりにミラちゃんがため息をついた。

 

〈さて…確認だが、リッカ殿達が困っているのは……岩竜“バサルモス”の岩殻…その一撃破壊についてで合ってるかい?〉

 

「えぇ、そうよ。…それがどうかしたの?」

 

〈…岩竜の身体といえば、それこそ本物の岩のように硬いのが特徴的だ……実際、岩竜の背中から鉱石が採掘できる程度には岩そのもの。高い痛撃色をもってしても、刃が通らずに弾かれるのが岩竜だ…〉

 

「高い痛撃色……具体的には?」

 

〈弱点である脚やお腹でなければ青でも弾かれるな…〉

 

……まって、青って確かそれなりに高くなかった?

 

〈だが……一部の岩竜は一時的に柔らかくなることがある。〉

 

「柔らかく……なる?一時的に?」

 

〈あぁ……“赤熱化”、というんだが……岩竜が火の攻撃をしてきた際、岩竜の身体がその火に熱せられて赤くなるんだ…熱せられて赤くなった場所は、一時的に柔らかくなるのさ……〉

 

……なるほど

 

〈リューネ……問題が、あるよ……〉

 

「問題?」

 

っていうかルーパスちゃんも辛そうな声…

 

〈あいつ……溶岩竜や、炎戈竜と……違う……〉

 

〈……あぁ…アレか……〉

 

……?

 

〈岩竜“バサルモス”と溶岩竜“ヴォルガノス”の違いといえば……もしや、赤熱化…いえ、肉質軟化の条件ですか、相棒?〉

 

〈…そうだよ、ジュリィ…〉

 

……んーと?

 

〈相棒とリューネさんの代わりに説明させていただきますね。溶岩竜“ヴォルガノス”と炎戈竜“アグナコトル”。別のモンスターですが、同じ特徴があります。それは、“溶岩の鎧を纏っている”ということ。その鎧は溶岩に浸かったり、火属性の攻撃を受けることで溶けて柔らかくなるのです。時間経過、もしくは水属性の攻撃を受けるとその鎧は冷えて硬くなり、言葉通り“鎧”と化すのです。〉

 

「厄介な性質ね…」

 

「ってなるとそのモンスターは火属性でいった方がいいのか?」

 

〈いいえ。溶岩竜、炎戈竜の名から分かる通りかのモンスターは火属性に強い存在です。故に……単独での狩猟はかなり難しいと思われます。……相棒、辛い中申し訳ありません。ですが歴戦のハンターとしての意見をお聞かせください───溶岩竜、炎戈竜に挑む際の解はなんでしょう?〉

 

〈……水属性ガンランス…もしくは爆破属性弓……固定ダメージと…肉質無視でどうにかするのが一番簡単……あと、砲撃には…素で火属性があるから……肉質軟化も狙える……〉

 

その言葉の後に小さく呻き声。

 

〈…恐らく最適解は“心眼”…刃がちゃんと通る場所、通る斬り方、それから弾かれない動き方……精密に、確実に見定めて刃を通すの……でも、これは私の個人的な意見、だから……別の解があるかもしれない……〉

 

〈……なるほど。〉

 

〈でも…これはあくまで溶岩竜の話……岩竜だと、話は変わる……〉

 

「というと?」

 

〈岩竜ってね……自分の排炎でしか赤熱化しないの……〉

 

「…は?」

 

排炎ってことは……内側から出す火ってことだよね。

 

〈外部から熱を加えても赤熱化しない……当然だよね…岩竜の岩殻は私達の防具みたいなものじゃない、皮膚のようなものなんだから……それに、リューネも言ったけど赤熱化する岩竜って実は一部なの……地域差とか、個体差とか、あるんだろうけど…〉

 

「一部か……それでもやってみる価値はあるだろうな。…だが、問題はどう赤熱化させるかだ。外部からの熱で赤熱化しねぇんだろ?どうすりゃいいんだ?」

 

お兄ちゃんの言う通りだよね…う。

 

〈……前提として…この世界は、僕達のいた世界じゃない。ならば、世界における理論…物事を決める法則が変わるはずだ……〉

 

「……急に変なとこ突いてきたな、おい。頭大丈夫か?体調不良にやられてねぇ?」

 

〈失礼だな……と言いたいが、普段こんなこと言わないのは僕も分かっているさ……〉

 

うん、そういうのを言うのって普通は世界の管理者とか転生者とかその辺りだし。…転移者、ではあるけどリューネちゃんそこまで詳しくないと思うんだよね……

 

〈だからこそ……僕らにはできない方法で、赤熱化させられるんじゃないか…?〉

 

「リューネさん達にできない方法?」

 

〈例えば……()()()()()()()()()、とかね……〉

 

………なるほど?

 

「要するに、武器や環境による外部からの熱じゃなくて魔術で内側からじわじわと熱を加えて赤熱化まで辿らせる……ってことでいいのかな?」

 

〈……ご名答〉

 

「……そんなにうまくいくかしら。」

 

「やってみる価値はあるかもな。それで無理だったら……」

 

「…それで無理だったら、私が両腕を壊す覚悟で純粋に物理破壊するよ。」

 

「マジでそれは最終手段な、リッカ。」

 

むー…

 

「…自分の身体は大事になさいな、リッカさん。」

 

〈…ハンターも、編纂者も…サーヴァントも……皆、身体が資本だ……それはサーヴァント共に戦うリッカ殿も変わらないだろう…?だからこそ無理だけはするな、リッカ殿…〉

 

〈無理しすぎて倒れちゃったら……私達も心配なんだからね、リッカ……〉

 

「……ありがとうね、リューネちゃん、ルーパスちゃん。でも、今の状態で言われてもなぁ…」

 

〈これは主に私のせいだからルーパスさん達は関係ないよ。……流石に高圧すぎる龍属性は術式防御もないハンターの身には堪えたみたい。…ホントごめん〉

 

〈とはいえ、相棒達にはこの機会にゆっくり休んでもらった方がいいと思います。…1日でもいいのでゆっくりと。〉

 

〈はは……お手柔らかに〉

 

〈とりあえず……さっさと寝ろ。言いたいことは終わったんでしょ。〉

 

〈〈……はい。〉〉

 

わぁ…ミラちゃんちょっと怒ってる?

 

〈…よし、寝たね。……原因は私だけど、原因の後のケアを怠って死なれるなんて嫌だから。召喚術師、医師としてだけじゃなくて私個人として。…わがままだけどね。〉

 

……

 

〈ごめん、“龍気祓いの丸薬”調合するから少し黙るね。〉

 

「あ、うん……」

 

さてと……本当にどうしようか。

 

「石の赤熱……じわじわ熱する火の結界……か。火力調整難しそうだな…」

 

「あたしはダメージにならない程度の火力がいいと思うわ。ダメージが入るとリセットされる可能性があるもの。」

 

「…赤熱化ってそれでリセットされるもんか?水でもかけないと時間短縮にはならんだろ。」

 

「………確証がないことだから、否定もできないのよね。」

 

……うーん。

 

「お兄ちゃん、ナーちゃん、最大火力で火を扱い続けて魔力ってどれくらい持つ?」

 

「ええっ…と………」

 

「……試したことがないな、流石に。」

 

「…あたしもよ。」

 

「……じゃあ、耐熱……熱を反射するような結界は?」

 

「それなら数十分はもつな?…だが、熱反射?」

 

数十分か…それだけあれば……?

 

「レンポくん、精霊魔法の連発ってできる?」

 

「あ?あー…いや、できなくはないけどよ……」

 

「とりあえず、一回バサルモスに撃ってみてほしい。どれくらいの変化があるのか見てみたい。」

 

そう言いながら預言書を開いて“炎の角”を取り出す。これは装備するとレンポくんの精霊魔法の威力が上がるアイテムだから熱は通しやすくなるんじゃないかな。

 

「……わぁーったよ。そんじゃ、行くぜ!」

 

レンポくんの声と同時に預言書のページに触れて魔力供給を促す。

 

「いぃっけぇぇ!!“炎の精霊、その力ここに振るえ(ヴィオスフレイム)”!!!」

 

精霊魔法を使ったことで私とレンポくんの繋がりが強まり、コードポイント───預言書のページの完成度を示す数値の事───が加算される。これを続けていけばいずれ精霊の枷は外せるようになるはずだけど……まぁそれはそれ。大体、アヴァロンコード本編では異性精霊の場合は枷が外れると告白してきたから……先代、つまりティアさんの事を好きな彼らが私との繋がりを強めてくれるかどうか。

 

「……ダメだな」

 

「……赤熱した様子はなし…」

 

レンポくんの精霊魔法でも大したダメージは出なかった……けど。

 

「……表面。少しだけど熱くなってる。」

 

「熱くなってる…か。」

 

()()()()()()()()()()()()()。…これなら。

 

「お兄ちゃん、ナーちゃん、レンポくん。…お願い、します。」

 

「任せろ。」

「任せてちょうだい、赤熱化させてみせるわ。」

「魔力の続く限り精霊魔法ぶちかましてやるよ!!」

 

……頼もしいね。




……

星乃「とぅ!」

がふっ…!?

星乃「アタタタタタタタタタ!」

痛い痛い痛い、理由は分かってるから叩かないで!!

星乃「遅い!!!」

本当に申し訳ありませんでした!!!

星乃「……ホント落ちすぎじゃない、観測力というか書き起こし能力というか。」

んでいきなり素に戻らないで……?…能力低下の原因は分かってないけど本当に申し訳ないとは思ってるよ…

星乃「投稿してなかった丸々2ヶ月……200人近くが待ってくれてるし投稿してない間も10人くらい訪問してくれてるんだからどうにかしなよ……」

うぅ……本当にごめんなさい……
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