狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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描きたいのが描けたような描けてないような。とりあえず第3話です


第3話 襲撃者と味方

〈落ち着きましたか?〉

 

「…えぇ、落ち着いたわよ。」

 

〈相手はサーヴァントに近い存在なんですけどね……普通のサーヴァントより力が弱いのでしょうか…〉

 

「…そう、なのでしょうか?」

 

「それはないと思うよ、ドクター。」

 

私はドクターの言葉を否定した。

 

〈立香ちゃんはそう思うんだね?何故だい?〉

 

「直感ばかりなんだけどさ…猫ちゃん、力が出し切れてないように感じるの。」

 

〈力が、ねぇ…〉

 

「契約してないからでしょうか…?」

 

「サーヴァントなら確かにあり得るけれど…得体のしれない猫と契約するのは少し反対ね…」

 

ちなみにそんな猫ちゃん、今現在私に抱えられてる。

 

〈そもそも契約とか分かるんでしょうか?意思はあると思いますが言語も通じないような“猫”という相手です、契約云々の前に言葉を通じさせないと難しいかと…〉

 

「…でも、猫ちゃん私達の言葉分かってるような気がするんだけど…」

 

そう。気になるのはそこ。さっきから、私達の言葉に頷いたり首を横に振ったりしてる。これって、私達の言葉を完全に理解してるんじゃ……?

 

〈う~ん……それに関しては何も言えない……ん?その子、何か警戒してないかい?〉

 

「え?」

 

「……」

 

確かにドクターの言う通り、猫ちゃんの表情がさっきの骸骨兵が来た時のものと似た感じになっていた。

 

「どうしたの───」

 

「───あら。」

 

その、声。それが聞こえた途端、私の全身の鳥肌が立った。

 

「まだ居たんですね、生き残り。」

 

(直感が、反応しなかった───)

 

〈3人とも、気をつけろ!!その反応───〉

 

(───怖い。この感覚、これ、は───)

 

〈そこにいるのは、サーヴァントだ…!〉

 

(感じたこと、ない……!!)

 

「みゃぁぁぁ……」

 

猫ちゃんが威嚇する。でも、猫ちゃんに武器はもう、ない。戦いには、出せない。

 

〈魔力反応増大……!?逃げるんだ、立香ちゃん!!奴は敵だ!!〉

 

身体が動かない。逃げないとだめなのに、動かせ、ない。

 

「落ち着いてください、先輩!ここは私が───」

 

その瞬間、相手がマシュに距離を詰め、攻撃を振るった。

 

「………!!」

 

「あ…マシュ!!」

 

「何してるのっ!!」

 

所長が私を引き留める。

 

「あ…」

 

「ロマンの言う通り逃げるの!」

 

「で、でも…」

 

「でもも何もないわよ!!見えないの、あの光景が!!あんなのに入っていっても死ぬだけよ!!」

 

「…ぁ」

 

「それに、わかっているんでしょう?あなたも私も、奴の姿を見ただけでこんなに震えている。ただの人間に何ができると言うの?」

 

所長の、言う通りだった。私も、所長も、凄く震えている。

 

「マシュを信じなさい。同じサーヴァント同士よ、勝てないわけじゃないわ。」

 

「……同、じ?」

 

私はマシュを見た。

 

「……マシュと、あれが…?」

 

それは───

 

「違う、と思う…」

 

「…」

 

「だって、あの子は……」

 

その先を口にしようとしたとき、ガキィっという音がした。その方向を見ると、マシュの盾が弾かれたところだった。

 

「…助け、たい。」

 

「……」

 

視線を感じて腕の中を見ると、猫ちゃんが私のことをまっすぐに見つめていた。

 

「……にゃぁ」

 

まるで、“行くのか?”と聞いているかのよう。

 

「助けに…行きたい。でも…どうしたら。」

 

「…にゃあ!!」

 

猫ちゃんは一度鳴いて、地面に飛び降りた。

 

「……あああもう!!勝手にしなさい!!私は隠れておくわ!!」

 

「…死ぬつもりはない。けど…」

 

「にゃぁ!」

 

まるで、“死なせない”と言っているかのようだ。本当にこの猫ちゃんは、不思議。

 

「あの子も、死なせない!!」

 

私は、手ごろな岩をもって高台にのぼり、相手が武器をマシュに振るおうとする寸前で、飛び降りた。

 

「せん、ぱい……?」

 

「……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

「…ふざ、けるなぁ!!」

 

私に迫る、相手のビーム。だけどそれを、私は空中で躱す。

 

「なっ!?」

 

(スカイダイビング体験とかやっててよかったぁ!?)

 

と思ったけど多分あまり意味はない。

 

「っ!」

 

持ち直したマシュが盾を振るうけど、それは相手に阻まれた。

 

「この、小癪な……!」

 

「…にゃぁぁぁ!!」

 

〈そんな、猫の魔力反応増大!?これは…!?何故だ、一体どういうことだ!?〉

 

追撃。猫ちゃんの叫びと共に放たれた、()()()()()()()()が相手の肩を抉った。

 

「くっ…!?このっ!!!」

 

猫ちゃんはマシュの盾の後ろに隠れ、私はマシュと一緒に盾を支える。そこに攻撃を入れてくる相手。

 

「お、重い……!」

 

私とマシュの二人で支えてるけど、すごく重い。猫ちゃんも一緒になって支えようとしてくれてるけど、全く重みは軽減されない。

 

〈まずい…そのままだと押し切られる可能性が高いぞ!()()を出されれば、流石に分が悪い……!!〉

 

ドクターの慌てた声が私とマシュの間に聞こえる。私の直感も五月蠅いくらいに反応している。このままだと、危ない。

 

(私達の生きる道は、あるの……?)

 

私の直感は、選択に対して特に強い。この選択は危険か、危険じゃないか。もしこの選択をすれば、死ぬか、生きるか。今まで、この直感に助けられたことは多い。私も、お兄ちゃんも…そして、私の友達も。だから、私はこの直感を信じてる。私のこの選択は、生きる道があったはず!!

 

(お願い。教えて!私達の、生きられる道を……!!)

 

そう、願って辺りを見渡した。

 

(…猫ちゃんに、反応してる?)

 

直感は、猫ちゃんを見た時に生きる道を示した。

 

(猫ちゃんに、何かできるの?)

 

〈まずい、魔力反応増大!!あれが来るぞ!!〉

 

ドクターの必死な声が聞こえる。

 

「…先輩、逃げて、ください。ここにいては、ひとたまりもありません。」

 

「冗談…言わないでよ…!」

 

迷ってる余裕は、ない。いちか、バチか。

 

「猫…ちゃん!」

 

「みゃ?」

 

「何か…出来る?この状況を…切り抜ける、何か……!!」

 

「……」

 

「おね…がい!!何か…私達を助けられるなら……何か…!!」

 

「……」

 

猫ちゃんは、少しだけ考えるしぐさをして、上空を見つめた。

 

〈なっ……!?猫の魔力反応増大!!それもさっきより大きい!!これは……まさか!?〉

 

猫ちゃんは、息を大きく吸った。そして───

 

 

「みゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

 

大きく、鳴いた。

 

「っ!?うるさ…」

 

〈ぎゃぁぁぁぁ!!耳がぁぁぁぁぁぁ!!〉

 

「鼓膜の部位破壊を達成しました」

 

〈何を言っているのかな立香ちゃんは!!〉

 

「いや……なんか言わないといけない気がして」

 

うん。唐突だけど、なんか言わないといけない気がした。

 

「みゃぁぁ、みゃぁぁぁ!!」

 

そしてさらに、空中から巨大なブーメランを投げる。

 

「なっ!?」

 

体勢を崩した。

 

「マシュ、今!!」

 

「っ、はぁぁぁぁぁ!!」

 

体勢を崩した相手にマシュの盾が刺さった。

 

「そんな…!!どう…して…!?」

 

その相手はそんな言葉を残してその場から消えた。

 

「き、消えた……?」

 

「…サーヴァント反応消失……か、勝てました……」

 

「勝ったの……?生き、てる……?」

 

私は安堵で腰が抜け、その場に座り込んだ。

 

「だ、大丈夫ですか、先輩!?」

 

「大丈夫だよ…ちょっと気が抜けただけだし……」

 

「…申し訳ありません、私が不甲斐ないばかりに…」

 

申し訳なさそうにするマシュ。それを見て、私はマシュを見つめた。

 

「何言ってるの?骸骨とかの時も、今も、マシュがいたから私は生きてるんだよ?…ありがとう、マシュ。」

 

感謝の言葉を伝えると、マシュの顔が赤くなった。

 

「…そんなこと、ありません…わたしはたすけられてばかりですから…」

 

「…さ、所長と合流しようよ!隠れてもらってるはず───」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

周囲に響く、所長の叫び声。嫌な予感がしてそっちを見ると、そこにあったのは───

 

「……う…そ。」

 

サーヴァントが、さらに3騎。それに、()()()()()()()()()()()()

 

「所長が、人質に……!!」

 

「その上3騎とも先程のサーヴァントと同等の魔力です…!」

 

(同…等!?そんなの、勝ち目がない…!!)

 

絶望的状況だ。こんな時に、私に何か力があればいいのに───

 

「マスター。」

 

「マシュ?」

 

「…今度こそ、逃げてください。巻き込まれたあなたはここで死んではいけない。」

 

「え…ちょっ!?」

 

抗議の言葉も聞かず、マシュはサーヴァントに向かって行った。

 

「何言ってるの、マシュ!止まって!!お願い!!」

 

私がそう叫んだ、その直後───

 

A(アンサズ)

 

(…声?)

 

その声がした直後、1騎が燃え上がった。

 

「な…!誰だ…!?」

 

B(ベルカナ)

 

その声が聞こえると、数瞬後に所長がサーヴァントの腕の中から脱した。

 

「まっ、待て貴様…!」

 

言葉を紡いでいる途中で、そのサーヴァントを木の皮みたいなので編まれた巨人が掴んだ。

 

「………!?ガハッ!!」

 

「我が魔術は炎の檻 茨の如き緑の巨人 因果応報 人事の厄を清める杜───」

 

(詠…唱?)

 

その詠唱と共に巨人が現れた。

 

〈この反応は魔術…?だがこんな大魔術、現代の魔術師が出来るはずがない…!!〉

 

(え…?)

 

それと、同時に。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「■■■■■!?」

 

〈なんだ、あれは!?大量の矢、それもこちらからは見えない場所から正確に襲ったのか!?〉

 

「…焼き尽くせ、木々の巨人」

 

「みゃぁぁぁぁぁ!!」

 

〈そしてなんだその猫のテンション!!ともかく、そんな遠距離攻撃とそんな大魔術、出来るとしたら二人……いや、2騎!!〉

 

私からすれば、猫ちゃんは喜んでいるように見える。

 

魔術師(キャスター)と…弓兵(アーチャー)のサーヴァント!!〉

 

「“焼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)”!!」

 

「スピリスーーーー!!!」

 

「にゃぁぁ!!」

 

男性の声と共に上空から女性の声。それと共に炎の柱が立ち上った。

 




ちなみにこの作品の立香さんはそこそこ強化されています。魔力量とか、直感の付与とか。そして最後に誰か出てきましたね……次回までのお楽しみでしょうか?
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