狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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時間かかるなぁ…

裁「大丈夫…?」

うん。


第31話 竜の魔女

 

ラ・シャリテに着いて。私達はその町の中にいたジュリィさんの話を聞いていた。

 

「…そっか、ワイバーンと骸骨兵は粗方追い払ったんだ。」

 

「はい。…ただ、まだ嫌な予感は消えません。ですから、相棒たちが早めに来てくれて助かりました。」

 

「…ここから遠くに複数の影。情報集めるなら早めにした方がいいか…」

 

「それでしたら、私が持っている情報と交換を。このラ・シャリテに来てから今の現状を聞いてはいたので。」

 

そのジュリィさんの言葉にルーパスちゃんが苦笑する。

 

「流石編纂者というか…まぁいいんだけど。それじゃあ情報の擦り合わせ。…それでいい?立香。」

 

「あ、うん…」

 

…相棒。なんていうか、立香さんって意志が弱いというか…自我が弱い感じがしませんか…?

 

…しっかり確立できてるんだけどね。何だろう、変な違和感がある…

 

「どうか…した?」

 

「いや、なんでもない…」

 

「?」

 

ルーパスちゃんたちが竜人語で話してたから全く分からなかった…え、翻訳礼装?あれの翻訳効果は私だけ切ってある。聞く方だけだけど。

 

とりあえず、今の情報をまとめると。

 

 

“ジャンヌ・ダルク”という人物が火刑に処されたのが数日前。

 

原因は“魔女”、つまり“異端者”だとされたこと…魔女裁判的なもの。

 

そして、そのジャンヌ・ダルクさん───私達の方にいる特異点のジャンヌさんが正方のジャンヌさんだとすれば敵は負方のジャンヌさんとして───が負方のジャンヌさんとして蘇ったとされるのが火刑に処された数日後。

 

その負方のジャンヌさんが契約したのが悪魔だとされ、使役するものが竜種であることから“救国の聖女”から一転、“竜の魔女”とされている。

 

…ぶっちゃけると、“竜の魔女”そのものが味方にいる気もするから全くって言っていいほど怖くない気がするの気のせいかな?

 

そして、その負方のジャンヌさんもクラスは裁定者。……なんだろう。そのクラス設定に凄く違和感があるような…

 

…で、正方のジャンヌさんは裁定者だけど聖杯戦争に対する知識がほとんどない状態。おまけにほとんどのスキルを失っているような状態だからあまり役に立てるかは分からない模様。

 

ルーラーの能力は対サーヴァント用の令呪たる“神名裁決”。サーヴァントの真名を見抜く“真名看破”。それからサーヴァントの広域探知。

 

これらの能力は正方のジャンヌさんから強制的に剝が(カット)されて負方のジャンヌさんに貼り付けら(ペーストさ)れたもの、というのがギルの見解。

 

一方で、同じ存在が2つ存在するため(同じ気はしないけど…)にその調整のために片方はほぼ完全な状態で、もう片方は器のみというような状態で…人の正と負を切り離したような状態で顕現させた、というのがお兄ちゃんの見解。

 

さらに、そもそもが別存在で、“ジャンヌ・ダルク”という枠組みから新しく生み出されたのが負方のジャンヌさんで、何者かが正方のジャンヌさんの弱体化を図った、というのがジュリィさんの見解だった。

 

…何だろう。どれも合っているようで合っていない、そんな感じがする。

 

 

〈立香、お前の直感は何だと言ってる?〉

 

「…多分、だけど…ジュリィさんのが一番近い…と思う。ギルのも近いけど…その前に、来る。」

 

私が呟いたと同時に、ルーパスちゃんが頷いて弓を構えた。

 

「…凄いね、気づけるんだ…」

 

〈サーヴァント反応だ!数は…5騎!〉

 

〈気をつけなさい!速度は結構あるわ!!恐らくその速度を維持できるのは…!〉

 

〈ライダー…!〉

 

〈キャスター2騎、ハンター5騎、アルターエゴ1騎、アーチャー1騎…くそっ、戦力としては足りるかもだが万が一の事態もある!逃げることを…〉

 

「しません。それをしてしまえば、この町にいる人が…!」

 

ジュリィさんがそうはっきりと宣言した。

 

「…相棒!力を、貸してくれますか?」

 

「…うん。」

 

そう言ってジュリィさんは大きな剣…“大剣”を。ルーパスちゃんは槍…だけど槍じゃない何かを。リューネちゃんは大きな刀…“太刀”を構えた。

 

〈あぁもう、どうすればいいんだ!!〉

 

「気を抜くなよ、者共。特にアルターエゴ、貴様は下がっておれ!貴様戦闘能力もないのであろう!?」

 

「っ…!」

 

「であれば下がっておれ!!その命、無駄にするな!!マシュ、貴様はマスターとアルターエゴを守れ!!」

 

「は、はい!」

 

ギルって優しいね…あ、ジャンヌさんがルーパスちゃんの渡した外套みたいなのを脱いだ。

 

〈来るぞ、普通に視認できるまでもう少し!〉

 

その時、私が視認できたのは。

 

黒い旗。そして、正方のジャンヌさんと瓜二つの黒い鎧に身を包んだ銀髪の女性。

 

それから騎士みたいな剣を持った…ごめん、女性なのか男性なのか全くわからない人…と仮面をつけた女性。それと…十字架を持った女性と白髪の…うん、なんて言ったらいいんだろう?よくわかんない男性。

 

それと…竜。飛竜…ワイバーン。

 

それが、全員の視界に入った時、その黒い旗の女性が笑った。

 

「…あぁ、なんて、こと。まさか、まさかこんな事が起こるなんて。」

 

その声は、正方のジャンヌさんと同じ。間違いなく、この人が負方のジャンヌさんだと思う。

 

「ねぇ。お願い、誰か私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。やばいの、本気でおかしくなりそうなの。だってそれぐらいしないと、あんまりにも滑稽で笑い死んでしまいそう!」

 

≪…立香、水風船いるか?≫

 

≪いらない。≫

 

「ほら、見てよジル!あの哀れな小娘を!何、あれ羽虫?ネズミ?ミミズ?どうあれ同じことね!ちっぽけすぎて同情すら浮かばない!」

 

「貴様もな、竜の魔女とやらよ。そら、水が欲しいならくれてやるわ。」

 

そう言ってギルが金色の波紋から取り出した水鉄砲の中の水を負方のジャンヌさんに当てた。

 

「冷った!?何すんのよ!」

 

「水が欲しいと言ったのは貴様であろう?それと…」

 

ギルが相手のサーヴァントたちを見た。

 

「……魔女、か。ただの子供の軍勢にしか見えないのだが?」

 

「……あ゛?」

 

「その上沸点も低いときた。そら、ただの子供にしか見えぬぞ?」

 

「クスッ…」

 

「ふっ…」

 

あ、仮面の女性と白髪の男性が笑った。

 

「何が可笑しいっ!」

 

「いえ、何も…」

 

「あちらの方が愉快そうなものでな、許せマスターよ。」

 

「ちっ…そんなことは別にいいわね。今は…」

 

そう言って負方のジャンヌさんは正方のジャンヌさんを見つめた。

 

「あ…貴女は、誰ですか!?」

 

「…属性が反転すると此処まで鈍くなるものかしら。まぁいいわ、答えてあげましょう。私は“ジャンヌ・ダルク”。蘇った救国の聖女ですよ。もう一人の“私”?」

 

「…馬鹿げたことを…貴女は聖女ではありません、私が聖女でないように。」

 

「…えぇ、私は聖女ではない、ジャンヌ・ダルクでありながら奇跡を、神を信じたりはしません。だって私は…聖女などではなく、竜の魔女なのですから。」

 

「竜の、魔女…」

 

その言葉にミラちゃんが視線を鋭くした。

 

「…答えて。あなたは本当に“ジャンヌ・ダルク”なの?」

 

「あら…貴女がそこの私の、そしてそこにいる目障りな大剣使いと金ピカ、デミ・サーヴァントのマスターかしら?」

 

「答えて。」

 

「…答えてと言って素直に答えるのは学校だけじゃないかしら?」

 

「貴様は学校など通ってなかろう。」

 

「…うるっさいわね、その口を閉じなさい、金ピカ。」

 

「ふん…あぁ、すまぬな、復讐に燃える魔女という遊びに付き合ってやれなかった我の落ち度よ。子供に正論を叩きつけても分からぬか。」

 

うわぁ……ってあれ?今気がついたけど()()()()()()()()姿()()()()()()…あとギルがたまに負方のジャンヌさんから視線を外しているんだけど…

 

「その旗は手製か?その文様は…おおかたそのドラゴン、ワイバーンとやらなのであろう?そのようなトカゲを描くとはどうかと思うがな。余程丁寧に教え込まれたのであろう?だがそんなもの、我が見て来た龍とは程遠いわ。」

 

あ~…そういえばミラちゃんが召喚する黒龍“ミラボレアス”の威圧感凄かったもんね…ちなみに名前は“ボレス”っていうらしい。

 

「黙って聞いていれば…好き放題言いますね、サーヴァント如きの分際で!!」

 

「そのサーヴァントに好き放題言われて激するのは貴様であろう?聖女ではなく愚者となっているではないか。…ふむ。」

 

ギルがちらりと空を見たと思うと、軽く笑って口を開いた。

 

「“救国から逃げた聖女”の末路がそんな愚者だとはな。救うよりも滅ぼすのが簡単そんなもの当然であろうが。“竜の魔女”と名乗っておきながら、その実態はそんなトカゲ如きを召喚するトカゲの魔女とは…な。愚かすぎて笑いが出る!フハハハハハハハ!!」

 

…あっ、負方のジャンヌさんの方からブチッて音聞こえた。

 

「貴様ぁぁぁあ!!!言わせておけばっ!!」

 

そう叫んで負方のジャンヌさんが旗を振った。

 

「滅ぼしなさい、ワイバーン!この地の、このラ・シャリテに生きる生命を、物品を!あらゆる総てを!!焼き払いなさい!!」

 

「いけません、まだこの地には…!」

 

号令が降り下ろされ、ワイバーンの総てがこちらに牙を剥こうとした、その時だった。

 

 

───“弓が戦いを制する究極の致命射術(アクセル・エクゼキュート・アロー)

 

 

その言葉が風に乗って私の耳に届いた時。その場にいる総てのワイバーンが空中から放たれた大量の矢に貫かれた。

 

「───!?」

 

「今の芸当…あんなことができるのは…!」

 

リューネちゃんがそう叫んだ直後、私の目の前に一人の人影が舞い降りた。その人影は───

 

「…ワイバーン、一匹残らず排除、完了。これでいいんでしょ、ギル。」

 

───いつの間にか、武器を弓に変えていたルーパスちゃんだった。

 

「うむ。よくやった、ハンター。」

 

「あれくらいなら何とかなるよ。あと時間稼ぎありがと。…でもサーヴァントは狙うなって…良かったの?」

 

「うむ。…そら、貴様の駆るワイバーン共はいなくなった。次は貴様の番になるぞ?」

 

「…金ピカ…!!あんたはなんもしてないでしょうが!!」

 

「ふん。我が出張ることでもない、竜狩り専門のハンターに任せただけよ。…そら、将を出すがいい。今度は我も体を動かすとしよう。」

 

「~~~!!バーサーク・ランサー!バーサーク・アサシン!バーサーク・ライダー!バーサーク・セイバー!殺せ!!奴らを八つ裂きにしなさい!!」

 

その直後、さらにワイバーンが追加される。

 

「マシュと田舎娘はマスターとアルターエゴを守れ。ルーパスとリューネ、ジュリィとアイルー、ガルク共はワイバーン共の一掃。ミラはマシュと田舎娘の支援だ。竜狩りの力、見せてみよ、ハンター。」

 

「分かった。やろう、ルーパス。」

 

「うん。…いくよ、リューネ、ジュリィ…みんな。」

 

「はい、相棒!」

 

「分かったのにゃ、旦那さん!」

 

「無理は禁物ですにゃ、旦にゃさん。」

 

「ォォ~ン!」

 

「…サーヴァント・ハンター、ルーパス!」

 

「同じくサーヴァント・ハンター、リューネ。」

 

「サーヴァント・キャスター…しかし今だけはサーヴァント・ハンターであれ!ジュリィです!」

 

「行くよ!!」

「参る!!」

「行きます!!」

 

「ふっ…さて、凡英霊共。クラス・プレミアのサーヴァント───英雄王・ギルガメッシュ!慢心せぬ我が力、思い知れ!!」

 

〈…premiere(始まり)?どういうことだ…?〉

 

ギルの名乗りを聞いてお兄ちゃんが呟いていたことが印象的だった。

 




弓「premiere…とな?」

うん。あ、そだ。無銘のステータス…っていうか現時点のマテリアル此処に出しておくね?

弓「できていないのではないか?」

出来ていないんじゃなくて作れないんだよ。この子は何を起こすか分からない。すべての情報がnullのような状態なんだから。



zero

真名:無銘

クラス:アルターエゴ

性別:女性

属性:不明

特性:人型 女性

ステータス:筋力A~D 耐久A~D 敏捷A~D 魔力A~D 幸運B 宝具?


クラススキル

不明


固有スキル

不明


宝具

不明


概要
謎の英霊。記憶を失っているが、何故かカルデアに召喚された。何かを為すために召喚されたのだと考えられるが、その真相は全くの不明。服装は白いワンピースに透明なヒール。容姿は18歳ほどの少女で白と青の髪のロングヘア。



弓「本当に何もできていないではないか!!」

ま、しばらくしたら解放されると思うよ。今作ってるけど彼女自身の宝具はまだ存在してない。別人格の宝具はあるけど。

弓「…どういう、ことだ?」

別人格もそれぞれ宝具に匹敵するものを持ってるってこと。ま、これに関してはまた今度かな…

オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 剣士、魔術師
  • 騎兵、暗殺者
  • 槍兵、騎兵
  • 剣士、剣士
  • 狂戦士、魔術師
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