狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
弓「そのままよな。」
裁「そのままだよね…」
少しして、私達は滅びた街、と言っても間違いはないほど廃れた街にたどり着いた。
「ここが…リヨン」
賑やかであっただろうその街にあったのは、静けさと私の嫌いな血の匂い……
「……これをしたのは、私なのでしょうね。」
「…違うよ」
ジャンヌさんの言葉を即座に否定する。
「え…」
「…確証は、ないけど。違うと思う。」
私は私の直感を信じる。それは、何年か前から決めていることだし。私の直感は、“これをしたのはジャンヌさんじゃない”って叫んでた。
「…そうだと、いいのですけど…」
「そら、早く探せ。人も多いのだ、探せばすぐに見つかるであろう。」
「…うん。じゃあ、手分けして探そう。」
「では、私とアマデウスは西へ行きますわ。」
「僕達も行こう。ただの補助師だがそれなりには力になれるはずだ。」
「ハンターランク999がにゃにを言ってるんですかにゃ…」
「ォン」
「…私も」
「では、私達は東ですね…ルーパスさん達はどうしますか?」
「私も東。ジュリィとスピリスはどうする?」
「私もマスターさん達についていきます。」
「私も同じくですにゃ。」
「…マスターについていく」
…ってことは、こっちの人員は私、マシュ、ルーパスちゃん、ジュリィさん、スピリスちゃん、アル、ギル、ジャンヌさんの8人みたい。
「…人数均等じゃないけどいいかな?」
「構わないさ。こちらには音に長けたサーヴァントが2人なのだからね。」
「そっか。」
ということで、分かれて探すことになった。
「…かつて美しい街であったはずなのに、“竜の魔女”はどうしてこんな惨状を作り出したのでしょう。」
…見知った場所が焼け落ちるという風景を、私は知らない。でも、ジャンヌさんからすればここは知った場所。
「顔を上げよ。アレは貴様ではないであろう。」
ギルがそう呟いた。
「え…」
「我の所感のみであるが、アレと貴様には決定的な違いがある。貴様という…“ジャンヌ・ダルク”という枠を使っただけで、贋作に過ぎんであろう。そう思わぬか、贋作者よ。」
〈───〉
「贋作者?」
ここで初めて気がついた。カルデアとの通信が繋がらなくなってることに。
「…ふむ?医者もマリーめも整備や仕事は怠っておらんはずだが。…まぁ良い、管理者にも分からぬことはあるであろう。」
〈マスターとの直通通信も繋がらなくなってます。…なにか、事情がありそうですね。調べてきますね。〉
フォータちゃんがそう言った。
「…今はただ、亡くなった方々への安らかな眠りを祈りましょう。」
「ふむ。そうであるな。…一つ、真相の欠片をやろう。あやつは、人の温かさを知らぬであろうよ。」
人の、温かさ…?
「…そう、ですか。…亡き者達に、安らぎがあらんことを…」
ジャンヌさんが両手を合わせた時に、その事は起こった。
「安らぎ…安らぎを望むか。それは、あまりにも愚かな言動だ。」
歌うような、その声。それと同時に、私の頭の中に声。
≪立香さん、状況報告です!敵サーヴァントの領域内であることによって、カルデアへの音声通信が途絶している模様!ですが、カルデアからの召喚はできるみたいです!音声通信は復旧に少しだけ時間がかかるので時間を稼ぐか敵サーヴァントを倒してしまってください!≫
それだけできれば十分といえば十分だと思う。私達の前にいるのは、ボロボロのマントに長い爪、半分われた悪魔のような仮面をつけた存在。
「…彼らの魂に安らぎは泣く。我らサーヴァントに確実性は存在しない。この世界はとうの昔に凍り付いている…」
「サーヴァント…!」
「何者ですか。」
「然様。人は私を───
ファントム・オブ・ジ・オペラ───オペラ座の怪人…となると、この人は…
「…ファントム───エリック?」
「おぉ…その名で呼ぶとは。君はもしやクリスティーヌ…?」
「先輩、エリックとは…?」
「オペラ座の怪人───“ファントム”と呼ばれた人の本名。万能の天才だけど、生まれつき酷い容姿を持った人───さっきこの人が言ったクリスティーヌの師匠。」
「───然様。我が真名、ファントム・オブ・ジ・オペラ。しかし我が個人の名それを“エリック”と言う。」
ファントム・オブ・ジ・オペラ───面倒だからエリックさんでいっか。エリックさんはそう言った。
「微睡む君へ私は歌う…愛しい君へ私は歌う。醜き者を私は呪う、故に私をこそ私は呪う。始めよう…望みのままに、願いのままに…愛しい君と共に愛を歌おう…」
≪アサシンの二名は出撃可能です!どうしますか!?≫
『うん…それじゃあ』
「
私は魔術礼装を素早く変換する。私が放つは理論を教わった魔術が一つ───
「───“ガンド”ッ!」
ガンド。対象の身体活動を低下させる指向性の呪い。お兄ちゃん曰く、私は魔力は多いけど、サーヴァント維持以外の通常の魔術───ガンドとかを使う魔術に転換させることができない謎の性質をもってるらしい。これに関しては現時点では魔術礼装自体がどんなに素人でも魔術礼装を介することで通常の魔術へと転換出来るようなコンセプトで作られてるらしいから問題はないらしい。…まぁ、よくわからないけど。けど、初歩の魔術のガンドは、サーヴァント4騎の現界維持を可能にしている私の魔力だと、凄まじい威力になるって確か言ってた。
「ガッ…!?」
「今───お願い、“佐々木小次郎”!!」
「承った」
私の声にカルデアから現れる小次郎さん。
「秘剣───」
彼は言ってた。“自分は佐々木小次郎本人ではない。老人の剣を物にしようとしたただの農民だ”と。“老人の置き土産である刀を手にし、農民生活の傍らただただ剣を振るい続けた人間だ”と。
“我が宝具、我が奥義は生涯最後に完成させたもの。ただ燕を切らんとして編み出したもの。”そう彼は言った。それこそが───
「───“燕返し”!!!」
三太刀同時の斬撃…なのだという。
「ぐはっ…!!」
三度の斬撃に襲われたエリックさんは血飛沫を上げて倒れた。
「貴様…アサシンであったな。日本の侍はアサシンに分類されるのか?」
「拙者は武士ではなかった故。それ故にアサシンに分類されたのでしょう。」
「ありがと、小次郎さん。」
「いえ。拙者は主の命に従ったまで。それでは失礼いたす。」
そう言って小次郎さんは退去していった。
「…絶命したのか?とりあえず、コードスキャンしてみろ。」
「死んだ人とかにも…っていうか幽霊にできたね、コードスキャン。」
「おう。」
レンポくんの言葉通り、エリックさんをコードスキャンしてみる。
「…おぉ、クリスティーヌ?あなたは今何を…?」
「生きてるしっ!」
「っつーかコードスキャンは人間に対してやると気づかれねぇが、サーヴァントにやっても気がつかれねぇのかよ!」
ちなみにコードスキャンはちゃんと出来てるみたいで、私が開いているページに“ファントム・オブ・ジ・オペラ”って書いてあった。…これ、敵に会った時、とりあえずコードスキャンしてみるしかないかな?
「───私の役目は終わった。来る。来るぞ、クリスティーヌ。」
「来る…?」
「…!?龍気が近く…!これは…!!」
「喝采せよ、聖女!お前の邪悪は、お前以上に成長したぞ!!」
聖女の邪悪。それを示すのは…
「ルーパス、立香殿、無事か!?」
「リューネ!?それにマリア達も!!」
〈ロマニ、復旧した!?良かった!!〉
「マリー!?」
同時に、リューネちゃんたちとマリーさん達が合流。カルデアとの通信も復旧する。
〈撤退を推奨するわ!!サーヴァントを上回る超極大生命反応───竜種が来る!!〉
〈それと同時に、3騎のサーヴァント反応!ハンター達とギル様がいると言っても、安心はできません!!〉
「…だ、そうだ。どうする、マスター?無駄骨に終わるか、逃げ回るか。」
「それは…」
「ここで逃げたら、また機会が訪れるかどうか…!指示を、マスター!」
マシュに問われる。もしもここで逃げて、竜殺しが殺されてしまったら意味はない。だったら、私達が出来ることは一つ。
「…探そう。竜殺しを…」
「いいのか?」
「うん。」
「ふむ。それでこそ我が認めしマスターよ。ならば足止めが必要だが…」
「…私がやる。」
そう言って立候補したのはミラちゃん。
「皆は探しに行って。ここは私一人で十分。」
〈何言ってるんだ!?竜種だぞ!?確かにハンターには“滅龍”っていうクラススキルがあることは分かってるけど、君はほぼほぼ持ってないんだぞ!?〉
「あなた馬鹿なの?邪竜くらい一人でどうにかできないと、“全ての竜に愛された少女”の名が泣く。私をあまり舐めないで。ここまで私は、全く本気を出してない。」
〈なっ…!!〉
「倒すことは出来なくても。時間を稼ぐことくらいならできる。王女でありながら国一番の召喚術師と呼ばれた人間だよ、私は。───全属性砲門展開」
ミラちゃんが杖を振ると、赤色、青色、黄色、水色、茶色、白色、緑色の波紋が展開された。
「…ほら、行って。適当に時間は稼いでおくから。そもそも、竜殺しって私の仕事じゃないし。私の仕事は、民を守ること。元女王候補として、私は民を───あなた達を守る。それだけだし。」
「───行こう、みんな。」
「先輩!?」
「…女王様が言うんだもの。私達は私達にできることを。…そう、だよね?」
ミラちゃんが頷いた。
「民は王を支え、王は民を支える。これが私の掲げる…ううん、掲げた理想。二人三脚、だっけ。そんな状態で紡いでいきたい。民は民の出来ることで尽くしてほしい。それだけだからね。…さぁ、行って。」
「…分かった。すぐに戻るからね!」
「…うん。待ってる。」
〈近くに微弱なサーヴァント反応!急いでくれ!!〉
ドクターの声で、私達はその場所に向かって走り出した。
───side ミラ
「…行ったね」
私は全員がいなくなったのを確認し、竜の気配が大きくなった方向に視線を向けた。
「…ボレス。あなたみたいな黒龍じゃないし、ただの邪なる竜。あんなの、強敵でも何でもないよね。」
『…ですな。時間稼ぎ程度ならば、貴女一人でも十分でしょう。貴女は私の影にすら
「…ありがとね。」
ボレスが今言った“影”。これが、私達の世界で私達が対峙する敵。獣人族から牙竜、獣竜───果ては古龍まで存在する“シャドウ・モンスター”。そしてその影たちを謎の術式で使役する“ブラック・サマナー”。さらに強制的に自我を失わされた“ホロウ・モンスター”とそれを作り出し使役する“アウトロー・サマナー”。ルーパスさん達の世界と比べて私達の世界が平和なんじゃない。平和を乱す者がいる。それに対抗するために、私達“モンスターサマナー”はいる。
「…ふん。わざわざ来てみれば。ただの小娘一人ですか。」
そんなことを考えていたら、竜の魔女が私の前に来ていた。
「…そうね。私だって一人で散歩したいときもあるし。」
「なるほど…どこまでも舐めてくれますね、このファヴニールを前にして勝てると思いまして!?」
「…さぁ?───詠唱破棄。」
私は全属性射撃術式の詠唱を破棄する。
「やってみないと分からないでしょ?それと───私をただの小娘だと思ってると、痛い目を見るよ?」
「───ならば試してみましょう。ファヴニール、やってしまいなさい!!」
私は無言で茶色の発射体───竜種に効く“龍属性”の発射体を7つ、展開する。
「東シュレイドギルド所属、“ミラ・ルーティア・シュレイド”。サマナーランク999、サマナークラス───」
サマナークラス、というのはその人のサマナーとしての位。ノーマルから始まり、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ…と上がっていく。基本的に世界にいるのは第九位ゴールド。そんな中でも、私の位は最高位。今の世界には私しかいない───
「───
サマナークラスはそれぞれ、
「…龍属性砲門連射状態。水壁稼働」
吐く炎には水を、飛ぶ翼に射撃魔法を。それが私の、単独戦闘スタイル。…まぁ、多少リミッターかけてるけど。
「ほら、来なよ。ただの小娘なんでしょ?それくらい倒せなくてどうするの。」
「貴様───!!!」
民のことは、私が守る。私のことは、民と獣魔達が守ってくれる。だから───竜殺しは任せたよ、
今回はちょっとミラの世界の方の事情を説明しましたよ~
弓「ふむ…ポケモンと似ておらんか?」
似てるよ?ていうかほとんどポケモンだよ?
裁「そういえばマスターってポケモンいつからやってるの…?」
結構やってるけどねぇ…忘れた。それではまた次回、お会いしましょう。
弓「ところでマスターよ、ミラめはグランドキャスターではないのか?」
違うよ?ミラの世界での最高位のサマナーだけどグランドキャスターではないよ?
オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?
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剣士、魔術師
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騎兵、暗殺者
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槍兵、騎兵
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剣士、剣士
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狂戦士、魔術師