狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
弓「そうなのか?」
うん。
「Arrrrr…!!」
「…はぁっ!」
ルーパスが黒い騎士の突進に対して穿龍棍で迎え撃つ。何度か連携を放った後、僕が磁界弾を撃ったのを見て、ルーパスがその場から離脱する。それを見て僕はマグネットスパイクの磁力を起動させる。
「いけっ…!!」
僕がそう呟くと同時に磁界弾の磁界に僕もろとも引き寄せられる───“磁界接近”が行われる。
「“垂直───落下振り”!!」
垂直落下振り。打モードのマグネットスパイクで使える技の一つだ。
「Arrr!?」
「磁力二連振りからの…ふんっ!」
磁力を利用した二連振り、さらにそこからバックスタンプ。少しスタンかかりかけの彼には丁度良いだろう、と思い選択した。が、彼はそのまま持ち直し、僕の方へと襲いかかってくる。
「っ…!」
間一髪でガードするとそれは弾き飛ばされる。だが、それは想定内だ。というのも───
「…ふんっ!」
そもそも打モードのガードは成功すると磁力が反応して後ろに大きく飛び退くというものだ。それから派生して、“ガード強襲”なる技に派生できる。
「rr!?」
スタンしたのを見て、僕は“磁界離脱”を用いてその場から離れる。
「たぁぁぁ!!」
直後、空からルーパスが襲いかかる。穿龍棍秘伝、地の型“滞空蹴り”───これは、
「Arrrrr!!!」
「離脱───間に合わないっ!」
ルーパスは穿龍棍を交差させて騎士の攻撃を防ぐ。その直後、騎士が枝を拾ってルーパスに打ち付けた。
「───!?なに、これ…!重い…!!これってまるでマスターランクのラージャンの叩き付け…!?なんで…!?」
重い。その言葉に疑問を覚える。騎士が拾ったのはただの枝だったはずだ。それが、ルーパスが声を上げるほど重い───?
〈嘘だろ、あの枝からDランクの宝具反応…!?あのサーヴァント、まさかとは思うが
背後からロマン殿の声が聞こえる。
〈恐らくその性質は相手の武器を奪って倒したという話から来ているはずよ!〉
なるほど、立香殿がルーパスに弓を、矢を放つなといった意味が分かった。もし矢を放ち、その矢を取られた場合。その場合、あの騎士に武器をこちらから与えてしまう事になるだろう。
「Arrr!!!」
その瞬間、騎士が一瞬で飛び退いたかと思うと驚きの現象が起きた。まるで龍識船のようなものと、まるでヘビィボウガンのような、何かが虚空から現れたのだ。直感する───あれは、不味い。
〈魔力反応増大!宝具の本領発揮、来るぞ!!〉
「ミラ、マシュ殿、立香殿達を守れ!!」
「了解っ…!!」
「はいっ!」
「間に合え…っ!!」
僕は磁界弾をルーパスの方に向けて放ち、磁気を使って接近、さらに翔蟲でその場から離脱した。
「Arrrthurrrrrr!!!」
そんな咆哮のようなものを上げながらこちらに向かってそのヘビィボウガンを打ってくる。僕は
「アー、サー…?それにあれって“JM61A1”…?」
〈よくわかるな、おい。…ってか。アーサー、ってことは…〉
〈アーサー王伝説…となるとあのサーヴァントの真名は、ランスロット…湖の騎士ランスロットよ!!〉
『騎士だというのに、バーサーカーのクラスだと?ギルドナイトたちは……あ、アレはアサシンか。』
『ギルドナイトはアサシンになりそうだよね…暗殺専門の対ハンター用ハンターだもん。』
≪うん、待ってくれ。なんだいそれは。≫
『詳しい話はあとにしよう。あちらもこちらの様子を窺っているようだ。』
僕はそう言って翔蟲を回収し、マグネットスパイクを斬モードで構えた。ルーパスは片手剣を戻し、穿龍棍を長モードで構える。
「Urrrr…」
「…ルーパス、そちらの蓄積龍気はどうなっている?」
「もうちょっとかかる。そっちの磁気は?」
「こちらもだ。アレを使うにはもう少し足りない。」
「…そっか。お互い鈍ったね。」
「6年の差があるからな…はてさて、どうしたものか…」
ちなみに立香殿たちは全員無事なようだ。流石
「…磁纏強化、起動」
マグネットスパイクの磁纏強化を発動させる。これによって、マグネットスパイクの力は強化される。ランスロット殿と戦い始めた時は、斬モードを使っていたために斬モードの磁気は溜まっていた。後は、ランスロット殿に磁気を溜めること。ルーパスが言っていたのは、ランスロット殿に蓄積されている磁気のことだ。
「Arrrrrr!!!」
「───せいっ!」
飛びかかってくるランスロット殿に向けて磁力二連斬り。
「まだだっ!」
さらに追撃で回避斬りからの磁力二連斬り。その時点で、ランスロット殿の頭に電気のような靄のようなものが見えた。それを見た僕は瞬時に飛び上がる。
「喰らうがいい───“磁縛”ッッッ!!」
「Arrrr!?」
僕はマグネットスパイクから発する強力な磁場でランスロット殿を拘束する。磁縛───磁気に耐性を持つ、もしくは怯まない相手の場合は効果がないような技だが、果たして…
「A、Arrrrrrthurrrrrrrrrr!!!!!」
「……!なんて、馬鹿力なの!磁気を無理矢理捻じ伏せようとするなんて───!!」
基本的に磁気に耐性を持たなければ10秒位は拘束できるこの技───!!それを、純粋な力で捻じ伏せるって!!ランスロットさんはラージャンか何かなの!?…でも、負けるわけないでしょうが!!
「はぁぁぁぁぁ!!!」
「Arrrrrrthurrrrrrrrrr!!!!!」
磁気の出力を上げて拘束する私、それに必死に抗うランスロットさん。サーヴァントであっても、古龍であっても、存在である以上、限界は必ずある。あとは私が、その限界まで耐えられるかどうか!!ちらりと見えたけどルーパスが小刻みに突いてる!そんなの、私が負けられない理由には十分!!
「久しぶりに…全力全開、根競べだよ!!」
磁気出力最大、私の全力での磁縛…!!流石にルーパスも危ないと思ったみたいで、ランスロットさんから離れて様子を見てる。
「Arrrrrrthurrrrrrrrrr!!!!!」
こんな磁気で相手を縛ったのっていつぶりだろう。もう覚えてないな…
〈なんて磁場だ…!よくこんな磁場の中で平然としていられるなリューネちゃん!?〉
「あれはマグネットスパイクの特性だよ。基本的に武器にはそれぞれ特性がある。リューネが使うマグネットスパイク───磁斬鎚は磁場からの保護。私が使う穿龍棍は穿龍棍特有の龍気からの保護。太刀は錬気の発現。双剣は鬼人化。片手剣は攻撃、防御、回避の一体化。大剣は超攻撃力。スラッシュアックス───通称スラアクと呼ばれる武器種の斬斧と呼ばれる方は放出する属性からの保護。剣斧と呼ばれる方は斬斧よりも強い爆発への対応。チャージアックス───通称チャアクと呼ばれる盾斧はアックス系の属性保護と盾斧特有の属性による強化。アクセルアックス───通称アクアクと呼ばれる速斧は急加速への対応。ハンマー───鎚は強打、スタンを数多く取るのに対応してる。ランス───槍は堅牢なる防御に。ガンランス───通称ガンスと呼ばれる銃槍は竜撃砲などの打消しと疑似咆哮の効果上昇。狩猟笛は旋律の効果が発動する相手の選択───近接武器種はこれくらいかな」
〈ふむふむ…弓とかはどうなるんだい?〉
「弓はビンの効果の無効化。ライトボウガン───軽弩は軽さと静音化。ヘビィボウガン───重弩は重さとシールド。そして、遠隔武器の共通点として、通常弾Lv.1、及び矢は全て無限生成。残弾が無くて戦闘ができなくなることはない。」
〈なるほど残弾無限とはな…だからルーパスの宝具はあんな量の矢が放てるわけか…〉
“武器は相手を害するものであると同時に、自分を守る防具でもある”───そういえば、ルーパスのお父さんも私のお父さんも同じこと言ってたっけ。ルーパスの解説で思い出しちゃった。
「Arrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!!」
「しぶといね…!」
磁縛で動けないのは結構辛い。何か、止められたら行けそうなんだけど。そう思っていたその時───
「───“ガンド”ッ!!!」
「A!?」
「ッ!?」
立香さんの声とともに飛来する弾、それにぶつかると同時に硬直するランスロットさん。
「…ありがと!」
今しかない───そう思った私は、マグネットスパイクを振り上げて黒い球体の磁場を発生させる。
「───磁縛───フィニーーーッシュ!!!!」
それをそのままランスロットさんに叩き付ける。するとランスロットさんを中心に磁気の爆発が起きる。…基本的に、この技を受けて転倒しないのはいないんだけど…
「Ur、Urrrrr……」
ランスロットさんは立っていた。目の光は多少鈍っているけど、まだ戦意は衰えていない。
「…やっぱり鈍ったかなぁ…」
そのまま少し凹んでいると、ルーパスが隣まで近づいてきて、私の肩に手を置いた。
「お疲れ、リューネ。あとは私に任せて。」
「うん…お願い、ルーパス。」
「任されました。…あと、昔の喋り方に戻ってるよ?」
「え…あ。んんっ…まぁいいんだが。」
「いいならいいけどさ。私はどの喋り方のリューネも好きだけどね。」
そう言ってルーパスがランスロット殿と対峙する。僕は僕で翔蟲で立香殿の方へと退避する。
「すまない、心配をかけてしまったかな?」
「リューネちゃん…大丈夫、なの?」
「問題ない。死にかけるよりはまだいいさ。」
とはいえ、立香殿の術が決定打になったのは事実だ。それには素直に感謝しなくてはいけない。
「ありがとう、立香殿。立香殿のおかげで、状況を動かすことができた。礼を言おう。」
「そ、そんな…私はただ、できることをしただけなのに…」
「出来ることを…か。それを言うなら僕もできることをしただけだ。ここにいる者達はみんな、出来ることをした結果でここに在る。違うか、英雄達の王よ?」
「ふははははは!その通りであるな!ハンター…いや、リューネ・メリスよ!貴様を認めてやろうではないか!無論、あの狂犬を倒すことができたならばもう一人のハンターも認めてやろう!」
「問題ないさ、ルーパスならね。」
ルーパスの方に視線を向けると、既にランスロット殿のほぼ全身に赤い電気のような物が走る───龍気が蓄積し終わっている状態だった。
「全開!行っくよ───“龍気穿撃”!!!」
「A、Arrrrrr!?」
杭を打ち出し、その数瞬後に爆発が起きる。
「A……アー…サー………王…よ……」
それが止めとなったようで、ランスロット殿の消滅が始まった。
「…私はアーサー王じゃないよ。ただの狩人、ただの人間。…私は、それでしかない。」
〈ええ、そうですよ、サー・ランスロット。彼女はアーサーではない。貴方の求める王はこちらです。〉
通信の先からアルトリア殿の声が聞こえる。
「…王…?」
〈ええ。貴方達の、円卓の騎士を纏めていた…不甲斐ない王です。〉
「王……申しわけ、ありません…」
〈え…?〉
「私は…貴女を裏切り……貴女の妻、ギネヴィアとの不貞を働き…それを源として貴女のブリテンを、貴女を…破滅へと導いてしまった……」
〈…〉
「…これが、一つの夢であるかもしれません。ですが、私は…貴女に正しく裁かれたい…そういう思いで、私は今ここにいます……王よ。貴女の答えを、貴女の裁きを…お聞かせ願えますか。裏切りの騎士である…私に。」
〈……いいでしょう〉
少し長めの沈黙の後、アルトリア殿は口を開いた。
〈…サー・ランスロット。そもそもの話ですが、私は女性です。気がついていなかった騎士たちも多かったでしょうが…私という男ではない王。偽りの王である私の妻としていたギネヴィアに、負い目を感じていました。ですから、あなた達の不倫を知ってもそれを咎めようという気は全くなかったのです。…えぇ。全く、そんな気はなかったのです。むしろ、あなた達の関係を応援しているまでありました。〉
「…では、何故…私共を…」
〈…公になってしまったからです。公になってしまったからこそ、私はあなた達を罰するしかありませんでした。情けない、と言ってくれて構いません。かつて…こことは違う聖杯戦争で貴方とお会いした時、私は私というサーヴァントの存在理由を歪めたことがあります。今となっては、何を馬鹿げたことをしているのでしょう、とも思いますが。それでも…それでも、今ここで貴方にはっきりと伝えましょう。〉
そう言い、アルトリア殿はランスロット殿を見つめた。
〈サー・ランスロット。私は貴方を恨んではいません。私は貴方とギネヴィアに幸せになってもらうことを望み、不倫については感謝していました。たとえそれがブリテンの崩壊の源になったとしても、あなた達を咎めるつもりはありません。…かつて、サー・トリスタンは言いました。“王は人間の心が分からない”、と。全くもって、その通りです。私は人の心を理解できていなかった。何が人にとって嬉しいことなのか、何が人にとって嫌なことなのか。全て、私の合理的な決断により、ブリテンの最終的な崩壊を招きました。…すみません、話が逸れましたね。私は貴方を“裏切りの騎士”などとは思っていません。“湖の騎士”ランスロット───円卓において最優の騎士であり、私の親友だと思っています。…これが、私の本心からの答えです。〉
「…そう、ですか……」
〈…また、お会いしましょう。その時はどうか、私の言ったことを覚えているといいのですが…〉
「……ありがとうございます」
〈…?〉
「私を…まだ、親友と呼んでくださって…」
〈…もし、まだギネヴィアとのことを罪だと思っているのならば。ならば…〉
その先はアルトリア殿は言わなかった。しかし、ランスロット殿は深く頷いた。
「…それでは、またいつの日かお会いしましょう…我が王よ…」
〈…えぇ。…あぁ、それと。〉
「?」
〈貴方の…女性と見たらすぐに話しかける癖、どうにかした方が良いですよ。〉
「…善処します」
そう言ってランスロット殿は消滅した。
「…終わった、か。」
「終わった、ね…」
僕とルーパスはその場で息を吐いた。
地味に時間かかったぁ…
裁「お疲れ様…」
オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?
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剣士、魔術師
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騎兵、暗殺者
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槍兵、騎兵
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剣士、剣士
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狂戦士、魔術師