狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
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(0) 救わない
?「運命は定まった。創り手。」
あ…うん。私達の票を追加すると…
運命の選択 竜の魔女に襲撃されたマリー・アントワネットを
(10) 救う
(0) 救わない
…ん。ありがとね。
?「構わない…私は、ただの観測者だ。」
裁「…消えた。」
えっと…救う展開は…っと。
裁「…マスター…今の人は?」
…多分、私が考えてるコラボ特異点に登場するキャラクター…だと思う。私がやってるゲームに、そんな人がいる。
弓「ふむ…」
さぁ、始めよう。選択による結果を。
「来たのね、サンソン」
「あぁ、来たとも。処刑には資格があるからね。する側にも、される側にもだ。」
一人残ったマリーと処刑人、シャルル=アンリ・サンソンが対峙する。
「僕以外に君を処刑する資格を持つ者はいない。それは君も実感しているだろう?マリー。」
「……えーと。ちょっと待ってね、サンソン。」
マリーは頭を押さえて少し困ったような表情をした。
「貴方が素晴らしい処刑人であることは理解しています。残忍で冷酷な非人間ですけれど、貴方は決して罪人を蔑みませんでしたから。深い敬意をもってギロチンの番をしていた貴方を、確かに私は信頼しています……が。」
マリーはサンソンをまっすぐに見つめた。
「ええ、確かに処刑人としては信頼しています。…ですが……サンソン。貴方は、私を殺すためだけに。私を処刑するためだけに、竜の魔女側についたのかしら。」
「あぁ、そうだとも。僕は待っていたのさ、君を。竜の魔女に召喚されてからというもの、フランスの人々を殺し、殺し、殺し、殺し…そうやって僕は君へ捧げる一撃を磨いてきた。」
そういうサンソンの手にある刃は血塗れであり、赤く光を反射する。
「僕は処刑人の家に生まれ、処刑のことだけを教え込まれた。そこに妥協はないさ。いい処刑人が罪人に苦しみを与えないのは当然のことだ。だから僕は、その先を目指した。」
ゆっくりと、しかし正確に狙いを定めるサンソン。
「それはつまり───快楽さ。その瞬間、まさに“死ぬほど気持ちがいい”。それだけを追い求めた僕の生涯最高の断首が、君に向けた斬首だ。」
「………」
「聞かせてくれないか、マリー。」
サンソンは少し呆れたような表情のマリーに問う。
「僕の断頭はどうだった?君、最後に絶頂を迎えてくれたかい?」
「…残念だけど、その問いには答えられないわ。倒錯趣味の方はもう間に合っているし…そもそも言いたくないことですし。ごめんなさいね。」
「知ってるさ。でも君はきっと喜んでくれる。僕はあの時よりも、もっと巧くなった。僕に機会をくれないか、マリー。」
「…えぇ、どうぞ。貴方が本当に処刑人として巧くなったのなら。私の首を落とせるはずよ。貴方がこのフランスで積み重ねたものが正しいものだったのか、試してみなさいな。」
そう言ってマリーはその首筋を見せる。
「…あぁ、君はやっぱり最高だ。」
サンソンはその刃を構え、マリーへと襲い掛かる。
「もう一度君に、最後の恍惚を与えてあげよう───」
その刃は、マリーの首を狙う一撃。
だが。
その刃は、届かなかった。
「ばか…な…!?」
原因は、マリーの周囲に展開された結晶。主を護るように。大切な者を護るかのように、結晶がマリーを守っていた。
「どうして…僕が打ち負ける…!?」
「…哀しいわね、シャルル=アンリ・サンソン。」
そう告げると同時に、サンソンの刃と結晶が砕ける。
「な…嘘だ…嘘だと言ってくれ…!!」
「…この地で再開した時に、言ってあげればよかった。あの時、既に貴方との関係は終わっていたと。本当に、貴方の刃は錆びついていたんだもの。私の護りすら貫けないほどに。」
マリーは告げる。サンソンの身に、サンソンの技に何が起こっていたか。
「貴方はこのフランスで、多くの人間を殺してきた。竜の魔女が命じるままに。それは罪人を救う処刑人とは遠い。殺人者としての切れ味を増すことになる。貴方は竜の魔女についた時点で、私の知るサンソンではなかったの。」
「嘘だ…嘘だ…!!僕は…君が来ることを信じていて…!!もっとうまく首を刎ねて…!!もっともっと最高の瞬間を与えたいと思っていたからここまで来たのに!!」
サンソンの慟哭が周囲に響く。
「そうすればきっと、君に許してもらえると思ったのに……!!」
「…もう。本当に哀れで、可愛い人。」
マリーはサンソンの顔を持ち上げ、じっと見つめる。
「私は貴方を恨んではいないわ。初めから貴方は、私に許される必要なんてなかったの。」
「あ…ぁぁあ…」
サンソンは小さく呻きながらその場から消えた。
「…さようなら、サンソン。
マリーがそう呟いた時、竜の咆哮と羽ばたきの音が聞こえた。
「…ミラさん、ではないですわね。いくら彼女でもここまでは時間がかかるでしょうし。随分と遅いご到着ですわね、竜の魔女さん?」
「…サンソンは消えましたか。これで三人。見込んだものほど早く消えるとは、皮肉ですね。」
「そうですわね。案外、最後まで残るのは貴女が嫌っている吸血鬼なのかも。」
竜の魔女は不機嫌そうな眼でマリーを見た後、周囲を見渡した。
「…
「いいえ。彼女が希望の欠片を持っていったの。貴女を倒すための、大切な欠片。大切な一手を。」
「馬鹿馬鹿しい。たかがサーヴァント1騎仲間にした程度で、何が変わるというのですか。馬鹿馬鹿しいといえば───」
竜の魔女がマリーを見つめる。
「貴女がここに残っているのもまた、下らない。貴女を処刑したこの国を、何故貴女が守る理由になるのですか?」
「…魔女というものは、そんな理屈も分からないの?確かに私は処刑された。嘲笑もありましたし、蔑みもありました。ですが───それは私にとって、“殺し返す理由”にはなりません。」
「…何?」
「私は民に乞われて王妃になった者。民なくして、王妃は成り立ちません。」
マリーはそのまま、言葉を紡ぐ。
「民たちが望まないなら、私が望まなくとも退場しましょう。それが、国に使える人間の運命。それが、王族というものの運命。私の処刑は、次の笑顔に繋がったと信じています。」
告げる。彼女が憎しみを持たなかった、その心を。
「いつだって、
(…そうですわよね、若い異世界の王女さん。)
「…なによ、それ…」
「そして確信したことがもう一つ。竜の魔女、貴女は“ジャンヌ・ダルク”ではない。本当の貴女は一体何者なの?」
「───黙れ!!」
その声に反応したかのように、ファヴニールが咆哮する。
(…ごめんなさいね、アマデウス。ジャンヌ。ギルガメッシュ様。…そして、立香さんにミラさん。…さようなら。)
初恋の人。友人にして生前の憧れだった人。黄金の鎧を纏う優しい人。世界の運命に立ち向かう主たる少女。異世界にいた竜を従える王女。
その姿が、彼女の脳裏に浮かぶ。
(これが私の、マリー・アントワネットの生き方だから…!)
宝具を展開する。自分を犠牲に、それでも多くの民を救うために。
「宝具展開!!“
「───馬鹿───!!」
「───えっ!?」
それは、叶わなかった。一つの罵倒が、そして一つの轟音がその場を支配したからだ。
「フィィィィィィィ!!」
「「───っ!?」」
咆哮。甲高く、どこかの航空機のようなものを思わせる。それを発したのは、銀色の生き物。
「ありがと、“ファル”!」
その生き物の背中から降り立つ一つの人影。それは、紛れもなく───
「げぇっ!?」
「ミラ、さん!?」
総ての竜に愛された少女───“ミラ・ルーティア・シュレイド”だった。ミラは降り立った直後、本を掲げて告げる。
「我、汝と契約せし者。契約に従い、その姿をここに現せ。汝、親玉たる者の一つにして最弱の名を冠した者!我が名“ミラ・ルーティア・シュレイド”と魔導書の名のもとに応えよ───!!」
そして、彼女の宝具が解放される。召喚宝具の一つ、最弱の召喚───
「宝具開帳!“
召喚される黄と緑を基調とした鱗を纏い、背部には朱色の小さな棘が一列に並んでいる竜。
「グワワワワワワワ!!」
その咆哮はあまりにも小さく、誰も怯みなどしなかった。
「はっ!何よそれ、それの方がよっぽど蜥蜴みたいじゃない!」
「───これでいいんだよね、ジュリィさん!」
「はい!!ありがとうございます!」
ミラの言葉に、銀色の生き物の背中からもう一つの人影が降りる。
「大剣使い…!?」
「───それは、私の顕現。私という概念のもう一つの具現化。」
詠唱する人影───“ジュリィ・セルティアル・ソルドミネ”。彼女は本を開き、言葉を紡ぐ。
「我等の言葉、我等の示しは狩人を導く。」
それは、彼女の仕事の顕現。
「導かれた狩人は戦い、傷つき、そして時には何かを得る。」
彼女の魔力が上がっていくのが分かる。
「我等は、それを綴じる。集めた願いを綴じ、狩人に提示する。それが我等の役目。それが我等の仕事。」
それは、彼女に与えられた概念の力。編纂者ではない、狩人でもない。ギルドから───否、ルーパスから与えられた一つの名称。
「我等“ギルドガール”。今こそその願いの力をここに。───私は今、あなたを誰かの願いへと導きましょう。」
それが───“受付嬢”。クエストを管理し、そのクエストを狩人に提示する。かつてルーパスはその行動を見てジュリィのことを“大陸にいる受付嬢みたいだね”と言った。それが、その概念が、彼女の、
「それでは、クエスト一覧を開きます───宝具解放!“
彼女の持つ本のページがめくられる。そしてその本は、一つのページにたどり着いて止まった。
「───
“
「グワァァァァァ!!」
「え…うそっ、“咆哮【大】”!?」
下位、上位、G級、マスター…いくつもの強さがある中で、今回彼女が選んだそのクエストは上位のクエスト。しかし侮るなかれ、ハンターランク50以上ではなければ挑むことを許されないその最弱たる者を相手にするクエスト。生半可な防御ではそれを貫く最弱。その竜、誰が呼んだか───“歴戦王ドスジャグラス”。
「うそ…私が強化しても、ここまでできないのに…!!」
その結界の力は、ミラの強化をも上回る。それでいて、ドスジャグラスと強化者たるジュリィ。そして召喚者たるミラには何の影響もない。それを確認したミラは、はっきりと告げる。
「…行って、“ドラス”、“ファル”!」
「グワァァァァァ!!」
「フィィィィィィィ!!」
「なんなのよ…なんなのよ!!なんでアンタたちが───古の龍の王妃が、目障りな大剣使いが、ここにいるのよ!足なんて何も、なかったでしょう!貴女が竜を召喚できるからと言っても、絶対にここに間に合うわけがない!!」
その悲鳴に近い声に、ミラは竜の魔女をまっすぐに見据えた。
「…確かに、普通に来ただけじゃ…馬を使ったとしても、この場所には間に合わなかったかもしれない。けれど、私には龍達がいる。私に力を貸してくれる、大切な友達がいる。そのおかげで、私達はここまで来れた。」
「答えになっていないわよ!!どうして、ここにいるのよ!!古の龍の王妃───」
「それ。」
ミラは竜の魔女の言葉を遮った。
「“古の龍の王妃”。それは確かに、私の通り名の一つ。なんでそんな通り名をつけられたかというと、“古の龍の王の側に寄り添う者”という意味でつけられた。ここで、一つ考えて?“古の龍”というものの“古”は、どれくらい前の事を示しているのかな。」
「───」
「今から遠く離れた昔。神代というものがあったという。もしもその“古”がその神代のものであったなら?私達では近くできない、喪われた技術があったなら?それは、私達が理解できているもの?」
「───」
「…私が使役したのは、古の龍の一体。
「音の速さ……?赤い彗星…?ふざけるのもいい加減にしなさい!!」
その竜の魔女の言葉にミラがむっとした表情になる。
「ふざけてなんかいないよ。全て本当のこと。…姿を現して、ネルル。あなたの力を軽く見せてあげて。」
「ゴォォォォォォ!!!」
突如現れる棘の生えた龍。滅尽龍“ネルギガンテ”。
「一匹、増えたところで…!?ファヴニール、どうしたのです!?」
ネルギガンテを視認した時、ファヴニールが怯えだした。
「…あぁ。ネルルは“古龍を喰らう古龍”。ハンター達と同じように、“滅龍”の力を持つよ。そしてその力はハンター達よりも遥かに強い───“
その一言に強い力が宿っていたかのように、周囲の空気が一気に冷え込んだ。
「ミラさん…何故…?」
「……」
パシンッ
「あうっ!?」
「…馬鹿ッ!」
平手打ちの数瞬後に飛び出したその言葉は、さっきまでの事実を告げる声とは違う。一人の少女に近い声。
「……馬鹿。あなたがいなくなって、悲しむ人がどれだけいると思ってるの?」
「え…」
「確かに、貴女はこの国に処刑されたのかもしれない。貴女は命を捨ててでもこの国の未来を繋げるのが役目だったのかもしれない。…でも。でも!!貴女がいなくなったら残された人たちは?アマデウスさんは?ジャンヌさんは?私は?…マスターさんは?」
「それは…」
「私達だけじゃない。いまは敵にいる貴女の知り合いも。本当はこんなこと、望んでないんじゃないの…?貴女を処刑した人も、悲しむんじゃないの…??」
「…」
「笑うんでしょ?一緒に!また必ず逢うんでしょ!?でも、サーヴァントとして召喚されている以上!一度の顕現での記憶は、余程の例外じゃない限り引き継げないんでしょ…?」
それは、サーヴァントと座の関係。サーヴァントは、同じように召喚されることはほぼほぼない。同じサーヴァントでも、それは同じ名前を持つだけの別人。
「この特異点に召喚されたジャンヌさんが友達になったのは他の誰でもない。“今ここにいるマリアさん”なんだよ!!“マリー・アントワネットという名前の別人”じゃない!貴女なんだ!!もしも───貴女の前に別のジャンヌさんが現れて。それでもあなたは、彼女を自分の友達だと言える…?」
命というものは死者の亡霊であろうと、それが人でなかろうと。それはその命を持ったそれぞれのもの。
「…王妃様。覚えておいて…?命というものは一度きり。例え別の命に記憶が植え付けられようと、それが同じものである保証はないの。私はもちろん、今戦ってもらってるあの3匹だってそう。…お願い。自分の命を自分で絶つようなことはしないで……そして…もしもみんなを護るというのなら…!」
ミラがマリーを強く見つめる。
「こんな一つの街だけじゃない…この時代のこの国そのものを!!護りきって見せてよ!!この、魔女の脅威から!!護りきって、皆の前で笑ってよ!」
「───」
それは、ミラがマリーに告げた願い。この時代の国を護りきって皆の前で笑え───即ち、特異点の修正。
「───ありがとう、異世界の王女様。私もまだまだですのね。まさか年下の女の子に、言われてしまうとは。」
「…アマデウスさんの前で、リューネさんとルーパスさんの前で歌ってあげて?それが、笑顔に変わると思うから。」
そう言って、ミラは竜の魔女に目を向けた。
「くっ…!ファヴニール、撤退します!!」
「防戦一方。さっきまでの威勢はどうしたの?龍砲門展開」
そう言って、ミラが龍属性の砲門を展開する。
「この小娘…!!絶対、殺してやるんだから…!!」
そう言ってファヴニールと竜の魔女は飛び去った。
「…終わった、か。」
「はい。…それにしても、ネルルさん良くなったんですね。」
「ん…ありがと、ネルル。」
「ォォォ…」
ミラがネルギガンテの顔をなでると、気持ちよさそうな顔をした。
「…あの、ミラさん。」
「ん?」
「古の龍の王妃───古の龍の王。それはもしや、赤龍のことですか?」
そのジュリィの問いに、ミラは軽く頷いた。
「そう。私が召喚する獣魔達には、古龍の王───赤龍“ムフェト・ジーヴァ”も当然いる。私はその王に寄り添うもの。だから私は古の龍の王妃と呼ばれる。」
「…そう、ですか…ミラさんって、結構規格外とか言われませんか?」
「言われる。」
「…相棒たちみたいです」
ジュリィが頭を押さえ、ミラとマリーは笑った。
「…ありがとう、ミラさん。ジュリィさん。」
「ミルド」
「え…?」
「ミルドでいいよ。親しい人はそう呼んでたから。ミラだとミラボレアスをどうしても想起しちゃうらしいし。」
「あぁ…」
ジュリィが納得したような声を上げた。
「…ミルド。これでいいのかしら?」
「うん。さぁ、帰ろうか。」
「はい!」
ミラはドスジャグラスとバルファルクを送還し、ネルギガンテに全員を乗せ、認識阻害の術式を展開してから飛翔した。
ということでマリー・アントワネットさんは無事に救出されました。
裁「よかった…」
あ、遅くなりましたけどUA12,000突破ありがとうございます。
弓「急よな。」
昨日は書くの忘れてたから。
オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?
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剣士、魔術師
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騎兵、暗殺者
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槍兵、騎兵
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剣士、剣士
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狂戦士、魔術師