狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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第57話 音

狂い、それでいて鮮やかな剣技がマリーさんを襲う。

 

 

───でも、届かない。その剣はマリーさんの周囲に浮遊する煌めきの結晶に阻まれる。

 

 

次いで、血にまみれる杭がマリーさんを襲う。

 

 

───それも、届かない。杭はマリーさんが放つ花弁の大群に阻まれる。

 

 

それから、断頭の刃がマリーさんの首を落とそうと襲いかかる。

 

 

───けれど、届かない。その刃はアマデウスさんの放つ赤い光弾に弾かれる。

 

 

「キラキラキラキラ、輝くの!」

 

「ここで変調だろう?」

 

王妃と、音楽家。決して戦闘向きではないはずの2騎に、戦闘向きなはずの3騎のサーヴァント達が阻めていない。

 

「すごい…」

 

「マリーさんは軽やかに舞い───アマデウスさんは危ないところを補助する。ただ、それだけ…ですよね」

 

「うん…なのに、全く攻撃を寄せ付けてない…」

 

その様子を見た負方のジャンヌさんが忌々しそうな表情をした。

 

「何をしているのですかあのサーヴァントたちは…!!あんな小娘とあんな音楽家程度に苦戦するなど…!!」

 

「マリーはただの小娘ではありません!王宮という戦場で、自分を貫いた王妃です!!」

 

「こいつも…!!一体、何だっていうのよ…!!」

 

「───破ッ!」

 

力強い拳が負方のジャンヌさんの旗に叩き込まれる。

 

「ぐ…っ!」

 

「やぁぁぁ!!!」

 

「舐めるな…!!」

 

二人の聖女が、そのままぶつかり合う。

 

「…どうしたのかしら、デオン?貴女の力はそんなものではないでしょう?」

 

「王妃───」

 

「力強い貴方も。よろしければ私と踊りましょう?」

 

「ぬ───」

 

「───やれやれ、サンソン。マリアは君なんて眼中にないようだよ?…まぁ、僕が気にさせないようにしてるんだけどね。」

 

「黙れ…!!お前だけは許さない、僕がお前よりも下だなんて…!!」

 

アマデウスさんはサンソンさんの言葉にため息をついた。

 

「悪いけど、負けるわけにはいかないね。もうマリアを失いたくない。お前は僕が倒す。」

 

そこからアマデウスさんは指揮棒を振るったかと思うと音符型の弾を作り出した。

 

「…ルーパスにさ。聞いたんだ。どうやったら音で支援できるか。どうやったら、音のいい使い方があるか。本来はリューネに聞くべきなんだろうけどさ。」

 

その音符型の弾はどんどん増えていき、最終的に20程の弾があった。

 

「答えは示してくれたさ。“音を攻撃に転用するならば、音に対して属性を持たせるか炸裂させる”。僕が作るこの魔力弾は、ただの音だ。属性も何もない。なら───炸裂させるしかないだろう?だけどその前に、だ。」

 

アマデウスさんの力が高まっていく。宝具の、開帳。

 

「───聴くがいい!魔の響きを!“死神のための葬送曲(レクイエム・フォー・デス)”!」

 

その宝具から放たれる重圧が、サンソンさんを縛る。

 

「く…!僕はお前が嫌いだ…!死を音楽などという娯楽に落とす、君の鎮魂歌が嫌いで嫌いで仕方ない…!!」

 

「僕だってお前のことは嫌いだ。だからこの手で終わらせてやるのさ。終わらせてやるためなら、耳の一つや二つくれてやる!!」

 

そうアマデウスさんが叫んだ直後、アマデウスさんが作り出していた音符型の弾が破裂した。

 

 

ギィンッ!!

 

 

「「「〈〈っ!?〉〉」」」

 

直後、凄く高い音が私達の耳を襲った。鼓膜は破れないにしても、それは少し遠かったから───

 

「くっそ…耳が痛い。耳は聞こえるが結構きついな。」

 

「今の…何をしたの…?」

 

〈恐らくだけれど高い音を増幅させ、そのまま破裂させたんだと思うわ。〉

 

「…まるで“高周波”と“響周波”ですにゃ。」

 

高周波と響周波…

 

「まだ足りないって言うならまだやってやるさ!全力でな!!」

 

そうアマデウスさんが言い、アマデウスさんが指揮棒を振るうとサンソンさんの周りに音符が集まる。

 

「───主人技能稼働(マスタースキルアクティベート)、“瞬間強化”───対象指定(ターゲットセット)、“アマデウス・ヴォルフガング・モーツァルト”!!同時に“応急手当”、対象指定(ターゲットセット)、“アマデウス・ヴォルフガング・モーツァルト”!!」

 

同時に私が制服の力を行使する。それによってアマデウスさんの力が強化され、傷が癒える。

 

「サンキュー!そら、喰らいな!」

 

その音符型の弾は総て破裂し、サンソンさんを吹き飛ばした。同時にアマデウスさんも膝をつく。

 

「ぐ…やっぱり無理しすぎたか…?」

 

〈回復術式施行。対象、“アマデウス・ヴォルフガング・モーツァルト”。〉

 

指輪からそんな声が聞こえたかと思うと、アマデウスさんが立ち上がった。

 

「…痛みが消えた。ありがとう、リッカ。…さて。」

 

アマデウスさんが見る方向には、吹き飛ばされたサンソンさんがいた。

 

「───僕は、君にすら負けるのか。そう…か…」

 

そう言ってサンソンさんは消えた。

 

「…やれやれ。これだから面倒なんだ、こいつは。今度があるなら、嫌と言うほど鎮魂歌を聞かせてやるよ。…さて、マリアも終わったみたいだし、逃げた魔女を追おうか。」

 

アマデウスさんの言葉で気がついたけど、負方のジャンヌさんがいない。マリーさんも戦闘を終えてるし、次に移動することになった。…そういえば、ルーパスちゃんたちの方はどうなったんだろう…




遅くなりました。ちなみにルーラーとギルは寝てます。

オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 剣士、魔術師
  • 騎兵、暗殺者
  • 槍兵、騎兵
  • 剣士、剣士
  • 狂戦士、魔術師
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