狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
弓「ふむ…」
「このっ…!!」
「鬱陶しい…ですわ!この、私!!」
杖と、槍。それが交差する。
「それはこっちの台詞よ!どうして、アンタなんかがサーヴァントに…!!」
槍を持つはエリザベート・バートリー。私達についた赤い槍兵。
「何を言うかと思えば…!私からすれば私が私のままサーヴァントになる方がはるかに忌まわしい…!」
対して杖を持つは吸血鬼カーミラ。真名、エリザベート・バートリー。敵についた、暗殺者。
自分同士の戦い。それを私は、機会を窺いながら見ていることしかできない。
「私はカーミラ、誰もが恐れ敬った血の伯爵夫人。貴女のような未完成品とはわけが違う、恐怖を喰らった反英霊。」
カーミラさんの爪がエリザベートさんを襲う。
「貴女の末路───エリザベート・バートリーを逃がさない罪の結晶!」
「───そんなのは分かってるわよ!アンタはアタシの本性で、アタシの結末だって!」
エリザベートさんを襲っていた爪を押し返す。
「…そうよ。アタシはアンタそのもの。アンタになる前の“エリザベート・バートリー”。」
ポツリとそう呟く。
「アンタを否定するってことは自分の罪から逃げること。そんなの、自分勝手だと言うでしょう。アタシの犠牲になった奴らや、その家族たちはきっとそう言うでしょう。」
エリザベート・バートリー───確か、自身の美しさを維持する為に“人の生き血”を用いたという史上名高い連続殺人者。言葉巧みに誘い込んだ700人もの娘を殺し、その血で湯浴みをしたという逸話もある人。記録では最終的にその悪行が露見し、一切の光を通さない密閉された塔の中に幽閉され、発狂しながら死に絶えた…そんな人。
「だけど!それでもアタシは叫ぶ!アタシは、アンタみたいにはなりたくないって!!自分の不始末を、放っておけないって!!」
「愚かな…私達は過去の亡霊、未来は既に定まっているというのに。」
「そんなこと百も承知なのよ!!」
そう叫んだ直後、エリザベートさんが私の方を向いた。
「───子ジカ!!力を貸してちょうだい!アタシがたまに夢見るあの子リスよりはグレード落ちるけれど、ガッツと魔力は一流クラスだし!」
その手は、私に対してまっすぐに。
「どうか───アタシに歌わせて!この醜いアタシと決着をつける歌を───全力で、歌わせて!!」
「───うん。いいよ。システムコード:FD」
〈リングシステム、フルドライブ───正常稼働。やれ、リッカ!〉
私はお兄ちゃんに聞いていた指輪の力を上げる。
「
癒し、霊基を強化し、デメリットを打ち消し、守りを与え、力を強化し、さらに癒す。流石に負荷をかけすぎたみたいで、指輪が少し赤くなってるけど…
「───ありがと。すっきりした。…これなら、全力でやれる!!」
エリザベートさんはそう言ってカーミラさんに飛びかかり、槍を自在に振り回す。
「こいつ…急に…!!」
「いつもは頭痛のせいで集中できないけれど…それすら消えた今なら!!」
「調子に…乗って!!」
エリザベートさんの背後から現れたアイアンメイデンがエリザベートさんの体勢を崩す。
「うっ…!」
「総ては幻想の内───けれど少女はこの箱に───」
「───させるわけ、ないでしょうが!!」
その槍でアイアンメイデンを粉砕する。
「く…お見通しというわけね。」
「アタシ、なのよ?自分の手の内くらい、分かってないと意味ないでしょうが!!」
「ふふ…ふふふ…!!」
そのカーミラさんの足元から血が湧きだす。
「───来るわね。最高のヒットナンバーを聞かせてあげるわ!!」
「───来て、“エリザベート・バートリー”!!」
私はカルデアからエリザベートさんを呼び出す。
「───へぇ。アタシがいるところにアタシを呼ぶって、どういう…まぁ、いいわ。」
「二人とも思いっきり───歌って!!一人のファンとして、見守るから!!」
その言葉と同時に、令呪が二画消える。霊気が強化されたのを感じた二人のエリザベートさんが、苦笑した。
「───カルデアのアタシ───アンタ、いいマスターを持ったわね。」
「子ジカも子ジカでいいマスターなのよ。流石に子リスには負けるけれどね。さ、行くわよ、アタシ。」
「───えぇ。一夜限りの、コラボイベント。アタシとアタシのあり得ないはずのコラボよ!!」
うん、自分でやっておいてなんだけどちょっと謎だよね。
「「───サーヴァント界サーヴァント界最大のヒットナンバーを、聞かせてあげる!」」
二人のエリザベートさんが槍を地面に突き刺すと、なんか…アンプ?に改造されたお城みたいなのが召喚された。
〈あれは…チェイテ城!?〉
〈…なんでアンプなのよ…〉
マリーとドクターが困惑していた。
「「行くわよ!これが私達の全力全開───!!」」
「“幻想の鉄処女”…!!」
「───“
「───“
カルデアのエリザベートさんの私達を守ろうとする綺麗な歌声。そして、特異点のエリザベートさんの衝撃波。形を得たそれが、その場をかき乱す。
〈ぐぁぁぁぁぁ!!なんだこれは…!!〉
〈こちらのエリザベートさんのおかげで、少しは中和されているけど辛いわね…!!〉
「そうか…こんな使い方があるのか…」
アマデウスさん大丈夫なの…?
side リューネ
「…む?」
───Laaaaaaa!!
───Laaaaaaa!!
「…ルーパス」
「うん…」
「エリザベートの宝具だね…」
「エリザベート殿の宝具か…」
僕達は同時にため息をついた。
「あれ音爆弾とかにならないのかな?」
「なりそうだが…試すのも面倒だろう?」
「そうだね…」
はぁ…というかこの空中まで声が届くとは…さて、次々倒すか…
side 立香
「未来が過去を否定するのではなく、過去が未来を否定するなんて…なんてでたらめな少女。だからこそ…鬱陶しいくらい眩しいのかしら、ね───」
そう言ってカーミラさんは消えた。
「…さようなら、アタシの未来。悲しいほどに分離した、もう一人の自分。私は歌い続けるわ。なんどでも…」
そう言って、特異点のエリザベートさんはカルデアのエリザベートさんに視線を向けた。
「…アンタ、カルデアの方に召喚されてたのね。」
「えぇ、まぁね。ルーパスとリューネに声を叩き直されたけれど。」
「…そう。まぁ、助かったわ。」
そう言って特異点のエリザベートさんとカルデアのエリザベートさんは笑い合っていた。
なんか最近書けなくなってきてるんですよね…終盤だからですかね?
裁「さぁ…」
オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?
-
剣士、魔術師
-
騎兵、暗殺者
-
槍兵、騎兵
-
剣士、剣士
-
狂戦士、魔術師