狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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遅くなりました…
弓「ふむ…」


第58話 歌声

 

「このっ…!!」

 

「鬱陶しい…ですわ!この、私!!」

 

杖と、槍。それが交差する。

 

「それはこっちの台詞よ!どうして、アンタなんかがサーヴァントに…!!」

 

槍を持つはエリザベート・バートリー。私達についた赤い槍兵。

 

「何を言うかと思えば…!私からすれば私が私のままサーヴァントになる方がはるかに忌まわしい…!」

 

対して杖を持つは吸血鬼カーミラ。真名、エリザベート・バートリー。敵についた、暗殺者。

 

自分同士の戦い。それを私は、機会を窺いながら見ていることしかできない。

 

「私はカーミラ、誰もが恐れ敬った血の伯爵夫人。貴女のような未完成品とはわけが違う、恐怖を喰らった反英霊。」

 

カーミラさんの爪がエリザベートさんを襲う。

 

「貴女の末路───エリザベート・バートリーを逃がさない罪の結晶!」

 

「───そんなのは分かってるわよ!アンタはアタシの本性で、アタシの結末だって!」

 

エリザベートさんを襲っていた爪を押し返す。

 

「…そうよ。アタシはアンタそのもの。アンタになる前の“エリザベート・バートリー”。」

 

ポツリとそう呟く。

 

「アンタを否定するってことは自分の罪から逃げること。そんなの、自分勝手だと言うでしょう。アタシの犠牲になった奴らや、その家族たちはきっとそう言うでしょう。」

 

エリザベート・バートリー───確か、自身の美しさを維持する為に“人の生き血”を用いたという史上名高い連続殺人者。言葉巧みに誘い込んだ700人もの娘を殺し、その血で湯浴みをしたという逸話もある人。記録では最終的にその悪行が露見し、一切の光を通さない密閉された塔の中に幽閉され、発狂しながら死に絶えた…そんな人。

 

「だけど!それでもアタシは叫ぶ!アタシは、アンタみたいにはなりたくないって!!自分の不始末を、放っておけないって!!」

 

「愚かな…私達は過去の亡霊、未来は既に定まっているというのに。」

 

「そんなこと百も承知なのよ!!」

 

そう叫んだ直後、エリザベートさんが私の方を向いた。

 

「───子ジカ!!力を貸してちょうだい!アタシがたまに夢見るあの子リスよりはグレード落ちるけれど、ガッツと魔力は一流クラスだし!」

 

その手は、私に対してまっすぐに。

 

「どうか───アタシに歌わせて!この醜いアタシと決着をつける歌を───全力で、歌わせて!!」

 

「───うん。いいよ。システムコード:FD」

 

〈リングシステム、フルドライブ───正常稼働。やれ、リッカ!〉

 

私はお兄ちゃんに聞いていた指輪の力を上げる。

 

三重礼装概念状態(トリプルスタイルモード)礼装概念型式設定(スタイルスロットセット)、1.“魔術礼装・魔術協会制服”、2.“魔術礼装・アトラス院制服”、3.“魔術礼装・カルデア”。主人技能稼働(マスタースキルアクティベート)───1.“全体回復”、2.“霊子譲渡”、3.“イシスの雨”、4.“オシリスの塵”、5.“瞬間強化”、6.“応急手当”。稼働技能(アクティベートスキル)対象指定(ターゲットセット)、“エリザベート・バートリー”───活性化(アクティブ)

 

癒し、霊基を強化し、デメリットを打ち消し、守りを与え、力を強化し、さらに癒す。流石に負荷をかけすぎたみたいで、指輪が少し赤くなってるけど…

 

「───ありがと。すっきりした。…これなら、全力でやれる!!」

 

エリザベートさんはそう言ってカーミラさんに飛びかかり、槍を自在に振り回す。

 

「こいつ…急に…!!」

 

「いつもは頭痛のせいで集中できないけれど…それすら消えた今なら!!」

 

「調子に…乗って!!」

 

エリザベートさんの背後から現れたアイアンメイデンがエリザベートさんの体勢を崩す。

 

「うっ…!」

 

「総ては幻想の内───けれど少女はこの箱に───」

 

「───させるわけ、ないでしょうが!!」

 

その槍でアイアンメイデンを粉砕する。

 

「く…お見通しというわけね。」

 

「アタシ、なのよ?自分の手の内くらい、分かってないと意味ないでしょうが!!」

 

「ふふ…ふふふ…!!」

 

そのカーミラさんの足元から血が湧きだす。

 

「───来るわね。最高のヒットナンバーを聞かせてあげるわ!!」

 

「───来て、“エリザベート・バートリー”!!」

 

私はカルデアからエリザベートさんを呼び出す。

 

「───へぇ。アタシがいるところにアタシを呼ぶって、どういう…まぁ、いいわ。」

 

「二人とも思いっきり───歌って!!一人のファンとして、見守るから!!」

 

その言葉と同時に、令呪が二画消える。霊気が強化されたのを感じた二人のエリザベートさんが、苦笑した。

 

「───カルデアのアタシ───アンタ、いいマスターを持ったわね。」

 

「子ジカも子ジカでいいマスターなのよ。流石に子リスには負けるけれどね。さ、行くわよ、アタシ。」

 

「───えぇ。一夜限りの、コラボイベント。アタシとアタシのあり得ないはずのコラボよ!!」

 

うん、自分でやっておいてなんだけどちょっと謎だよね。

 

「「───サーヴァント界サーヴァント界最大のヒットナンバーを、聞かせてあげる!」」

 

二人のエリザベートさんが槍を地面に突き刺すと、なんか…アンプ?に改造されたお城みたいなのが召喚された。

 

〈あれは…チェイテ城!?〉

 

〈…なんでアンプなのよ…〉

 

マリーとドクターが困惑していた。

 

「「行くわよ!これが私達の全力全開───!!」」

 

「“幻想の鉄処女”…!!」

 

「───“鮮血魔嬢・二重唱(バートリ・エルジェーベト・デュオ)”!!Laaaaaaa!!

「───“鮮血魔嬢・二重唱(バートリ・エルジェーベト・デュオ)”!!Laaaaaaa!!

 

カルデアのエリザベートさんの私達を守ろうとする綺麗な歌声。そして、特異点のエリザベートさんの衝撃波。形を得たそれが、その場をかき乱す。

 

〈ぐぁぁぁぁぁ!!なんだこれは…!!〉

 

〈こちらのエリザベートさんのおかげで、少しは中和されているけど辛いわね…!!〉

 

「そうか…こんな使い方があるのか…」

 

アマデウスさん大丈夫なの…?

 

 

side リューネ

 

 

「…む?」

 

 

───Laaaaaaa!!

───Laaaaaaa!!

 

 

「…ルーパス」

 

「うん…」

 

「エリザベートの宝具だね…」

「エリザベート殿の宝具か…」

 

僕達は同時にため息をついた。

 

「あれ音爆弾とかにならないのかな?」

 

「なりそうだが…試すのも面倒だろう?」

 

「そうだね…」

 

はぁ…というかこの空中まで声が届くとは…さて、次々倒すか…

 

 

side 立香

 

 

「未来が過去を否定するのではなく、過去が未来を否定するなんて…なんてでたらめな少女。だからこそ…鬱陶しいくらい眩しいのかしら、ね───」

 

そう言ってカーミラさんは消えた。

 

「…さようなら、アタシの未来。悲しいほどに分離した、もう一人の自分。私は歌い続けるわ。なんどでも…」

 

そう言って、特異点のエリザベートさんはカルデアのエリザベートさんに視線を向けた。

 

「…アンタ、カルデアの方に召喚されてたのね。」

 

「えぇ、まぁね。ルーパスとリューネに声を叩き直されたけれど。」

 

「…そう。まぁ、助かったわ。」

 

そう言って特異点のエリザベートさんとカルデアのエリザベートさんは笑い合っていた。




なんか最近書けなくなってきてるんですよね…終盤だからですかね?

裁「さぁ…」

オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 剣士、魔術師
  • 騎兵、暗殺者
  • 槍兵、騎兵
  • 剣士、剣士
  • 狂戦士、魔術師
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