狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
私達の前からあの3騎のサーヴァントの姿が見えなくなった後、杖を持った男性が現れ、その直後弓を持った女性が空から降ってきた。
…うん、降ってきた、でいいと思う。降りてきた、なのかもしれないけど。って、またもう一人女性が、それも大きな剣を持った女性が降ってきた……いや、あれは下りてきたの方が正しいね。鳥みたいなのにつかまってたから。うん。
「ラ~ク!」
「みゃぉん」
「あっ…猫ちゃん!」
あとから降りてきた女性が言葉?のようなものを発した時、猫ちゃんがそちらに走り寄って行った。
(…あっ。あの人たち。あの子の…)
あとから降ってきた女性に抱きかかえられた猫ちゃんの表情を見て理解した。あの人たちが、あの子の飼い主だと。
〈なんだ…これは!?いったい、どういうことだ!!〉
「ドクター?」
ドクターの訳が分からないというような声にマシュが反応した。
(立香ちゃん、気をつけろ!!先ほどの猫…その子の近くにいる2人!!あれはサーヴァントだ!!それだけじゃない、あの猫も正真正銘サーヴァントだ!!)
え……
「どういうことよ、ロマニ!!」
〈先ほどまで、確かにあの猫はサーヴァントかどうかわかりにくい状態だった!だが今は違う!そこにいる2人と会った瞬間、完全にサーヴァントとして成立したんだ!!恐らく、それが正しい状態なんだ!!失われていた霊基が彼女らの手によって補填された!!つまり───〉
「この場所に───」
〈───
「なっ……!」
もし、あのサーヴァントたちが全員私達の敵だった場合、私たちの生存は───絶望的。
そう思った直後、ドクターがさらなる絶望に突き落とす言葉を放った。
〈なっ…!まずい、その場所に近づく
今いた4騎と、さらに来る3騎。合計、7騎。でも、それって……
「おかしいわよ!!」
所長が叫んだ。
「だって───聖杯戦争は、聖杯戦争で召喚されるのは7騎のはずでしょ!?さっきまでで倒されたのは4騎!この特異点に───
〈それ、は…っ!来たぞ!!〉
ドクターの声にサーヴァント達の方を見ると、一人の男性と犬と猫が空中から降りてきた。男性が背中に背負っているのは……ハンマーのような、何か。多分、鈍器で間違いないと思うけど。
「…」
直感は反応してない。なら、敵と断定して逃げるのはまだ早い…と思う。
「あ、あなた達は誰なの!?」
だから、まず私は問いかける。そしたら、マシュが私の前に盾を構えて立った。
「先輩、所長、私の後ろへ。敵意はなさそうですがあちらもサーヴァントの様ですので。」
そう言ったマシュの体は震えてる。…でも、今回はそれに頼ることにする。
「頼んだわよ、キリエライト!」
「はい、所長…」
「…ありがとう、マシュ。頼りにさせてもらうね。」
正直、私も怖い。
「……やれやれ、助けてやったのに随分と不審がられたもんだ。」
ローブ、だったかな。それを着た男の人がそうつぶやいた。
「ま、次々と襲われてちゃそうなるわな!」
私としての第一印象は、“元気”。そして“軽快”。
「んじゃま、緊張をほぐすために自己紹介と行くか!俺の真名は“クー・フーリン”!そこにいるあいつらは知らねぇが俺は話が通じるサーヴァントだぜ。」
クー・フーリン。それが、今話しかけてきた男の人の名前。
「…んで、そこにいるお嬢ちゃんらは何なんだ?」
クー・フーリンが猫ちゃんたちのいる方を向いてそう言った。
「こいつらを害しなかったってことはお前さんらも狂ってないんだろ?何もんだ?」
「……」
女性たちは何も答えず、私の方を見つめていた。
「あなたたちは…誰?」
「…」
大きな剣を背負った女性が口を開いたのが見えた。
「ディジュ?」
………うん?
「アーダ、サムレティカ?」
…あれ??
「えっと……え?」
「……ア、アーダー!」
大きな剣を背負った女性が弓を使っていた女性に声をかけた。
「サムレ、フェクトリスミダ…」
「デュー…サクタ、ラムセルミス…」
…うん。理解。分かりたくなかったけど、最悪の状態だって理解した。
───side ルーパス
「どうしましょう、言葉が通じません…」
「う~ん…困ったね…」
私達の言葉が通じない。相手の言葉の意味はなんでか知らないけど分かる。だけど、私達の言葉が通じないのは流石に辛い。
「速く警戒解きたいんだけどね…どうしたものかな」
「どうする、このままでは何もできないぞ?」
「言葉の壁だね……ん、言葉?」
私は何かを思い出せそうだった。
「どうしましたか?」
「言葉、言葉……嬢、そういえばさ」
「はい」
「穴の調査に来る前、大団長から何か渡されなかったっけ?」
「大団長から…?……あっ!!」
「ねぇ!あなたたちは誰なの!?名前だけでも、聞きたいんだけど!」
オレンジ色の髪の少女が叫んでいるのが聞こえる。
「ごめんなさい、ちょっと待って!」
「…やっぱり、言葉が分からない……」
そんな少女の呟きが聞こえた。やっぱり通じてなかったんだ…
「ありました、これです、相棒!」
嬢がアイテムポーチから取り出したのは一冊の本。編纂者としての本じゃなくて、いろんな言語が書かれてる本。
「ちょっと見せてもらえる?」
「はい!」
私はその本を受け取って中を開いた。
「……なぁ、早くしてくれねぇか。これ以上時間かけてっと、敵として認識するぜ…?」
その声を聴いて、私は言葉を探した。そして───
「あった」
“日本語”。そう書かれた言語の発音が、彼女たちの言葉と一致した。
「…この言葉を使えば、意思疎通できると思う。」
「ふむ…ルーパス、君達はこんな本をどこで?」
「今はそれどころじゃないからあとで話す。」
リューネにそう言って少女たちのほうに向きなおった。
「……言葉。」
「え…?」
「わかる?私の、言葉。」
少女が驚いた表情で頷いた。それに私は、肩をなでおろした。それと同時に、分かったことがある。
この世界は、
───side 藤丸立香
「……言葉。」
「え…?」
その女性が放ったのは、紛れもなく日本語だった。
「わかる?私の、言葉。」
慌てて私は頷いた。それと同時に彼女が安堵したように息を吐いた。
「よかった……通じなかったら、どうしようかと思って」
「え、えっと……え?え??」
「なんでい、普通に喋れる……違うな、その本のおかげか。じゃ、もう一度名乗るか。俺の名は…」
「クー・フーリン、でしょ?言葉自体は聞こえてたから、名乗ったのも分かったよ。」
「……お前さんら、何もんだ?」
クー・フーリンさんが警戒心を高めた。
「安心して、敵じゃないから。…多分。…それよりも」
彼女は猫ちゃんを抱き上げて私の方を見た。
「この子を保護してくれたのはあなた?」
「え、あ、はい!」
「…ありがとう。」
「みゃお!」
猫ちゃんが手を上げた。お礼を言ってくれてるのかな。
「…二人とも、言葉分かった?」
彼女はハンマー(一応ハンマーということにしておく)の男性と大きな剣の女性の方を向いてそう言った。
「はい、相棒。なんででしょう、別の言葉なはずなのにストンと認識できますね」
「同感だ。これは何故だ…?」
「…まぁ、それはあとにしようか。」
今まで私の知らない言葉を使っていた全員が日本語をスラスラ話しているのは少し違和感があるなぁ、とか思った。
「…とりあえず、移動しない?少し休めそうなところまで。私達もちょっと今の状況を把握したいから、安全な場所で話したいんだけど。」
「…だって、ドクター。」
私はドクターに指示を仰いだ。
〈僕より所長に指示を仰いだ方がいいと思うけど。まぁいいや、所長?〉
「…なんですか。」
〈どうか指示を。休むか、休まないかです。立香ちゃんは元々一般人、今倒れられても危ないと思いますが…〉
「…いいでしょう。休息も重要です、一度拠点に戻りましょう。そこのサーヴァントたちもです。」
「へいへい…っと。」
クー・フーリンさんは即座に反応した。だけど、猫ちゃんの飼い主さんたちは反応しなかった。
「なにしてるの、あなた達も早く来なさい!!
「…あれ、私達も呼ばれてたの?」
「あなた達もサーヴァントでしょ。呼ばれてないとでも思ってたの?」
所長がそう言ったとき、彼女たちが首を傾げた。
「「「サーヴァント……って何??」」」
「「……………はぁ?」」
所長が“何言ってんのコイツ”みたいな目で見てたのが印象的だった。そのあと、“いいから来なさい”って言われて霊脈の場所まで行くことになった。ちなみにフォウくんはなんかため息をついてた。
ハンマーのようなもの……うん、狩猟笛ってそのまま見たら鈍器にしか見えないような気もしなくもないのでこうしました。
ちなみにモンスターハンターの言語───この作品では“竜人語”と言うようにしますけど───の方は結構適当です。現時点で私の持っている資料が少なすぎて適当に設定するしかなかったんです。許してください。実際に言葉の翻訳ができるようだったらそれを使うようにします。
竜人語の意味↓
「ラ~ク!」→「お~い!」
「ディジュ?」→「あなたは?」
「アーダ、サムレティカ?」→「あなたたちが、この子を?」
「……ア、アーダー!」→「……あ、相棒!」
「サムレ、フェクトリスミダ…」→「これは、もしかしてですが…」
「デュー…サクタ、ラムセルミス…」→「うん…これは、多分…」