狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
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「あれ?こんな本あったっけ?」
霊脈のところに戻ってきた私たち。少しみんなから離れて周囲を見渡してたら見慣れない赤い装丁の本があって私は思わずつぶやいた。中を見たけど何も書いてない。
「…ま、いっか。」
私はその本を拾い上げてみんなのところに戻ることにした。
「マシュ、戻ったよ~」
「あ、お帰りなさい、先輩。…その本は?」
「今すぐそこで拾ったんだけど…」
「危険なものでは…?」
「なんも書いてないよ?ほら。」
私はマシュに本の中を見せた。
「……確かに、何も書かれていませんね。」
「でしょ?…で、所長は…」
マシュが所長のいる方を見た。
「…もうしばらく待った方が良いでしょう」
〈その方が良いだろうね。サーヴァントに対してサーヴァントとは何かを教えるっていうのはなんか変な気がするけど。〉
「……そっか」
…それからしばらくして、所長の話が終わったみたいだから所長たちと合流した。
「…サーヴァントは使い魔、かぁ…でもなぁ…」
弓を持った女性……あれ、よく見ると女の子?がそう呟いてた。
「あら、戻ってきてたのね。それじゃあ、説明してもらいましょうか。」
所長がそう言って女性たちのほうを見た。
「あなたたちは一体誰?どんなクラスのサーヴァントなの?」
「…私は…」
一番最初に言葉を発したのは弓の女の子だった。
「私は…“ルーパス”。“ルーパス・フェルト”。新大陸古龍調査団第5期調査団のハンターで、龍歴院ギルド所属のルーパス・フェルトです。それで、こっちが私のオトモアイルーの…」
「“スピリス”ですにゃ。助けていただきありがとうございますにゃ。」
〈キェェェェェェアァァァァァァシャベッタァァァァァァァ!!〉
「猫ちゃんが喋った!?」
「猫が…喋った!?」
「ネコさんが喋った…!?」
「フォウ、フォウ!?」
さっきまで私たちが保護してた猫ちゃんが喋って私達はそれぞれの反応をしてた。あとドクターはうるさい。
「えっと……そんなに驚くことなの?」
ルーパス、と名乗った女の子が疑問そうに話しかけてきた。
「はっはっはっ!お前さんら、さては神代の英霊だな?それだったら猫が喋ってもおかしかねぇ!」
「神…?アルバトリオンのこと?」
「は?」
「え?」
…なんか、話が通じてないみたい。
「と、とりあえず…!他の人の名前とかも聞きたいな。」
「あ、じゃあ次は…嬢。で、いい?」
「僕は構わないが…彼女はいいのかい?」
「はい、大丈夫です!」
そう言って大剣の女性が口を開いた。
「私は“ジュリィ”。“ジュリィ・セルティアル・ソルドミネ”です。新大陸古龍調査団第5期調査団の編纂者で、相棒…ルーパスのパートナーです!」
「ジュリィさん…でいいの?」
「はい!ちなみに私のモットーは“迷ったら食ってみろ”です!!」
「イビルジョーか…」
「…まぁ、嬢って新大陸にいる人たちの中でたまに“ウケツケジョー”って言われてるから…」
「なんだそれは…」
「相棒!?」
イビルジョー、というのが何か分からなかったけど、なんか仲良さそう。
「で、最後は僕らか。」
最後に、残っていたハンマーの男性が口を開いた。
「僕は“リューネ”。“リューネ・メリス”。ルーパスと同じで龍歴院所属のハンターだ。ちなみにこっちはオトモアイルーの…」
「“ルル”ですにゃ。」
〈マタシャベッタァァァァァァァ!!〉
「うるさいですにゃ。ちなみにこっちはオトモガルクの“ガルシア”ですにゃ。人見知りなので隠れていますがにゃ…」
ルルさんにバッサリ切られてドクターが落ち込んだ。
「じゃあ、よろしく…なのかな?ルーパスちゃん、リューネ君。」
「「……うん?」」
二人が首をかしげた。あれ、私何か間違えたこと言った?
「……君?」
「あれ?リューネ君って男の子…だよね?」
「ぐはっ…」
「あっ…」
リューネ君がその場で地面に手をつき、ルーパスちゃんが何かを察した表情をした。
「え、違うの?」
「…えっと…ごめん、名前聞いてなかった」
「あ、立香だよ」
「あ、ごめん…えと、立香、でいいかな…リューネは女の子だよ?」
「………ゑ?」
…って、いうこと…は……
「リューネ君、じゃなくてリューネちゃん…なの?」
ルーパスちゃんが頷いた。
「…ご、ごめんなさい、リューネちゃん!まさか女の子だと思わなくて…」
「ごふっ…」
「リュ、リューネちゃんーーー!?」
リューネちゃんが撃沈した。それを見たルーパスちゃんが遠い目でつぶやいた。
「なんか、この光景見るの久しぶりだなぁ…」
「いや、相棒?助けません?」
「よくあることだから何とも言えないけど…とりあえず秘薬飲ませれば少ししたら復活するよ」
「秘薬でも時間かかるんですか…」
「精神的なものだからね…まぁ自業自得といえばそうなのかもだけど。」
言ってる場合じゃないと思った私は多分間違えてない。ちなみにルーパスちゃんからリューネちゃんは何か食べさせられて、そのあと少ししたら復帰した。
「えっと…私たちは自己紹介終わったから、そっちの自己紹介聞きたいんだけど…」
「あ、ごめん…えっと、じゃあ私からでいいかな。」
「いいよ?あとリューネはちょっと凹んだままだからあまり反応しないのごめんね…」
「う…罪悪感が……」
「よくあることだから。」
よくあることなの?って思ったけど、とりあえず。
「私は“藤丸 立香”。一応カルデアのマスター?らしいんだけど…」
「カルデア?」
「うん。人理保証機関、とかなんとか…」
「人理継続保証機関フィニス・カルデアです。覚えなさい。」
所長に訂正かけられちゃった…
「ふ~ん…あなたは?」
「人理継続保証機関フィニス・カルデア所長、“オルガマリー・アニムスフィア”です。一応、藤丸の上司に当たります。」
「将軍みたいなものでしょうか…?」
「総司令と同じ感じだって考えていいと思うよ、嬢。」
「なるほど!」
やばい、ルーパスちゃんの言ってることが分かりにくい…
「それで、盾を持っているあなたは…?」
「先輩のサーヴァントの“マシュ・キリエライト”です。こちらはフォウさん。
「フォウ!」
フォウくんがあいさつした…のかな
「それで、先ほどから声だけが聞こえているのが…」
〈医療部門の“ロマニ・アーキマン”だ。唐突ですみませんがミス・ルーパス、そしてミス・リューネ。あなたたちは何の英霊でしょうか?〉
本当に唐突に聞いた。
「…ミス、っていうのは“さん”とかの敬語系の意味だよね?だったらそれはいらない。敬語じゃなくていいよ。」
〈で、ですが…〉
「それと一つ確認させて。英霊っていうのは聞いた限りだと、英雄とされる亡くなった人なんだよね?」
〈え、えぇ…そうですが〉
「そして、サーヴァントというのはその英霊を使い魔として召喚したもの。そのサーヴァントが、私たちとそこにいるクー・フーリン。」
「おう。」
「…なら、私たちが“英霊”なのはおかしいよ。」
ルーパスちゃんはそう言った。その言葉に所長とクー・フーリンさんは怪訝そうな目をした。
「…だって、私たちは
「にゃ。私たちは死んでいませんにゃ。穴の調査に来て、この場所に飛ばされたんですにゃ。」
「「〈穴の…調査?〉」」
私とマシュ、ドクターの声がそろい、それにルーパスちゃんがうなずいた。
「新大陸に突如現れた謎の穴。ボウガンの弾や、スリンガーの弾、弓の矢をその穴の中に打っても返ってくることはなく、人が近づいても何も起きない謎の穴。レーシェンの“門”にも似てる気はしたけど、私たちが見た門とは少し風貌が違う気がしてた。」
「レーシェン?それって、ウィッチャーの…?」
私は結構ゲームとかやったりアニメとか見る。だから、聞いたことのある単語が聞こえて、それを口にしたんだけど…なんか、ルーパスちゃんが反応した。
「ウィッチャーを知ってるの!?」
「え…う、うん…?ゲームになってるし…」
「ゲーム…?ウィッチャーが…ゲラルトがいるんじゃなくて?」
「私の知る限り、ウィッチャーっていう人はこの世界にいないかな…」
「…そっか」
この感じ、もしかしてウィッチャーと会ったことがあるのかな。
「…ごめん、話が逸れたね。私と嬢、それからスピリスはその穴の調査、穴がどこに繋がっているかの調査に来たの。流石に近くで見ているだけじゃ分からなかったから、その穴に触れたら…」
「この地にいた、というわけです。」
「穴に触れて冬木に…?」
〈なんか、レイシフトと似てるような気がしなくもないですね。〉
それはなんとなく思った気もする。
「…あれ、冬木っていうのはこの場所の名前?」
「はい。ここは冬木。西暦2004年の日本にある冬木という都市です。」
「日本…?」
「……あれ、日本を知らない?」
ルーパスちゃんは少し遠慮がちにうなずいた。
「生きてたなら日本くらい知っててもおかしくねぇだろ?なんで知らねぇんだよ?」
クー・フーリンさんは知ってるみたい。クー・フーリンさんの言葉を聞いて、ルーパスちゃんが少し悩んだ表情になった。
「…立香、いくつか聞いていい?」
「うん?」
「……フラヒヤ山脈、アルコリス地方、龍歴院、ハンターズギルド、ユクモ村…」
唐突に何かの地名?を言い始めた。
「シキ国、ジォ・ワンドレオ、シュレイド王国……ミラボレアス。」
そこまで言ってルーパスちゃんは私を見た。
「今私が言ったものの中で、どれか一つでもいい…聞き覚えは、ある?」
その問いに、私は首を横に振った。色々なゲームをしてるけど、
「…そっか。」
「今のが何だっていうのよ?」
「…みなさん、落ち着いて聞いてください。」
「ジュリィ…さん?」
ジュリィさんが確信したような目で私たちにこえをかけた。
「…私たちは、
…………え?
「どういうことだ、それは?」
「今、私が言った地名や組織名、そしてミラボレアスという名前。これらは、結構有名な名前なの。特にシュレイド王国なんて、おとぎ話とかにもなってるくらいだから
「相棒、あそこに関しては全く情報がないのでどうしようもありませんよ…」
「そうなんだけどそれ言っちゃおしまいだよ…」
なんかよく分からないけど…
「世界が違くて、ルーパスちゃん達は調査中に召喚された、ってことでいいのかな」
「ん…まぁ私達はそんな感じだけど……リューネは?」
「…うん?」
「…まだ凹んでるの?いい加減にしなさいな。」
「あぁ…すまない」
「…いい加減スカートとかの装備にすれば?性別間違われるの嫌でしょ?」
「考えておこう…」
一応持ち直したみたい。
「それで、こちらに来た時だったな?」
「うん」
「ルル、ガルシアと共に一狩り行こうとしてたら足元に穴が開いたんだ。それに落ちていったらこの地にたどり着いた。」
「…だって。…ちなみに何狩りに行こうとしてたの?」
「む…ドスマッカオだが。最近大量発生したらしい。ベルナ村長の依頼で狩りに行こうとしていたところだ。」
「あぁ…」
なんか遠い目をしてた。なんか思うことでもあるのかな?
「とりあえず、私達から話せるのはこんな感じかな。クラス…だっけ、それは私達も分からないかな?」
「…ロマニ、霊基パターンはどうなっているかしら。」
〈…
「そう…」
〈ただ、一つだけ。〉
「?」
ドクターがジュリィさんの方に目を向けた。
〈ミス・ジュリィ、でしたね。〉
「あの…私もミスとかいりませんよ?」
〈ではジュリィさん、と。貴女の霊基パターンはキャスターです。〉
「キャスター、ですか?確か魔術師、ですよね」
「俺と一緒、ってことか?だが、魔術師要素どこにあるんだ?」
それは思った。ちなみにジュリィさんも首を傾げてた。
「…ところで、ジュリィさん達は…」
マシュが遠慮がちに声を発した。
「“宝具”は使えるのですか?」
「ん?俺の宝具は見せたよな?確か。」
「クー・フーリンさんのはウィッカーマン、でしたっけ。」
「そうだ。“
ルーパスちゃん達は首を傾げてた。
「あの…私達宝具が何か分からないんですけど……」
「はぁ?さっき教えたじゃない。」
「宝具というものが何か、じゃなくてどんな宝具を持っているかが分からないんだ。僕も、ルーパスも。」
その言葉に所長が面倒そうな顔をした。
「はぁ?リューネはともかく、ルーパスはさっき使ってたじゃない?」
「え?」
「さっきの全体射撃よ。あれが宝具じゃなくて何だというのよ。」
確かに、さっきの射撃は凄かった。けど、それを聞いてルーパスちゃんが首を傾げた。
「あれは
「…は?」
「ただただ
「ごめん、色々おかしいと思うよ、それ。」
「…まぁ、私が編み出した奥義だからなぁ…おかしいって言われても仕方ないのかな?」
「僕と一緒にいたころは
……どうやら、ルーパスちゃん達って色々とスペックがおかしいみたい。
ちなみにハンター、アイルー、ガルク、受付嬢の名前はオリジナルです。そしてクラス判明してるの受付嬢だけっていう…
さてと…あと本格的に登場してないのは“棘の生えた小さな龍を従えた謎の本を持つ少女”ですけど。冬木で登場するのは間違いないのでお待ちください。
追記:この作品では“モンスターハンター”シリーズはFateの世界に存在しないことにしてあります。
あらすじ内の用語解説
とある大陸の青い星→ルーパス・フェルトのこと。
とある村々の英雄→リューネ・メリスのこと。
棘の生えた小さな龍を従えた謎の本を持つ少女→現在未合流
大盾を持つ少女→マシュ・キリエライトのこと。
オレンジ髪の少女→藤丸 立香のこと。
銀髪の少女→オルガマリー・アニムスフィアのこと。