狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「…?」
ギルが全く復帰しない。大丈夫かな…
光の輪を抜けて、私達は草原に立っていた。
「……レイシフト、無事に終了しました。」
ということは、ここは1世紀…なんだね
「風の感触、土の匂い───どこまでも広い空。…映像で何度も見たものなのに、大地に立っているだけで鮮明度が違うなんて。」
「マシュは実際にこんな光景の場所に立ったことなかったの?」
「えぇ、まぁ……はい。ルーパスさんはあるんですか?」
「“古代林”って言われている狩猟地があってね?そこのエリア6と何となく似てる気がする。」
「そうなんですか…」
まぁ、現代にこういう風景ってあまりないもんね…
「…フォーウ……」
「フォウさん!?またついてきてしまったのですか!?」
「フォー、キャーウ……」
「今回も同行すると言ってるけど……移動が制限されてる中より自由に動き回れる外がいいんだって。」
「ん~……まぁ、いいのかな…?それより……」
私は空を見上げる。そこには、フランスにもあった光の帯。
「……なんなんだろう、あれ……」
〈───光の帯、ね………相変わらず解析はしてるんだけどね。全く正体が掴めない。〉
指輪からドクターの声が聞こえる。
「分からないならば今は気にする事はなかろう。」
〈……そうだね。ところで……あれ?そこはローマの都市じゃないよね?〉
「うん。完全に草原。」
〈おかしいな……ちゃんとローマに指定したはずなんだけど。〉
「多分、何かが原因で到着地点がズレたんですにゃ。上位クエストならよくあったことですにゃ。」
〈……うーん…まぁいいか。〉
「ドクター、時代の方はどうですか?」
確かに時代がズレていたら大変。直すものがない。
〈そっちは大丈夫だ、特異点のある1世紀───正確に言えば西暦60年で間違いはない。ローマ帝国第五代皇帝───ネロ・クラウディウスが統治する時代。設定した座標に降り立っているのなら、先年に皇太后アグリッピナを毒殺したとはいえ、今はまだ晩年のネロ危急の時代じゃない。工程が人々に愛されている時代の、繁栄の都ローマが……リッカちゃんたちを迎えるはずなんだけどね。〉
「…思いっきりなだらかな丘陵地帯です。羊がいないのが惜しまれるほどの。」
「ムーファとかいそうだよね。」
「あとはリモセトスやアプトノス…虫系だったらブナハブラやオルタロスもいるんじゃないかな…」
「う…虫かぁ…」
…あれ?
「ルーパスちゃん、もしかして虫苦手?」
「…うん。ハンターなんだけど、虫凄く嫌いなの…」
「にが虫や不死虫がいるというのにな…」
「嫌なものは嫌なのっ!クエスト中とか調合とかは基本的に何とかなってるけど…」
結構意外。ルーパスちゃんにも苦手なものってあったんだ。なんか言ったら失礼かもだけど、男の子みたいに外で元気に遊んでるようなイメージだったから。
「───む?」
「リューネ?」
「……何か、聞こえないか?」
リューネちゃんの言葉に私達は耳を澄ませる。
「フゥー!フォーウ!!」
「これは…戦闘音?それも足音の数と鉄を打ち合わせたような音の数から多人数。丘の向こうからだ。」
〈戦闘音、それも多人数だって?多人数戦闘とすれば…戦争か?…いや、それはおかしい。その時代、ローマ付近で本格的な話があったなんて言う話はない。〉
話がない、っていう事は───
「ふむ。それが歴史に起こった異常の一端、ということであろうよ。ならばやることは一つよ。」
私達はギルの言葉に頷き、その音の方へと走った。
走り始めて間もなく、二つの集団を視認する。
「あれは…間違いありません、戦闘中のようです。報告します、片方は大部隊、もう片方は極めて少数。意匠が多少異なりますが、大部隊小部隊共に“真紅と黄金”という色は共通しています。」
〈真紅と黄金は古代ローマで特に好まれた色彩だ。他に特徴は───っと!?〉
〈狩人!余だ、余がいるぞ!!〉
「うるさいっ!───って、え?」
ネロさんがいる?
〈少数の方だ!先頭に立つ者、あれは紛れもなく余!まさしくローマそのものである者!万能の天才にして至高の芸術!それこそがローマ帝国第五代皇帝───ネロ・クラウディウス!つまり余なのである!別に褒めてよいぞ?歓喜に震えてもよいぞ??〉
「いや私ネロのことよく知らないし。別世界の人間だからね。」
「そもそもローマとはっていうところから始まるからな。」
「地理は似てるけどローマっていう場所は私の世界にも無かったよ。」
うっわぁ…ルーパスちゃん達からの正論が…
〈ええい、そんなことは今はよいわ!それよりも見よ!余が押されている!〉
確かにネロ・ブライドさんの言う通り、若い女性が一人で敵部隊を相手してる。あの方面は…
〈早く救援に行かぬか!余がいるのは首都の方向!相手取っている敵共は首都の方へと雪崩れ込もうとしているように見える!〉
「───ドクター!この場所の名前は!!」
〈今調べる───出たぞ!“アッピア街道”、ボクらからすれば“アッピア旧街道”だ!〉
「アル、コンパス貸して!」
「あ、はい!」
アルがコンパス───羅針盤を出して私に渡してくれる。それに合わせると、ネロさんがいる方向はほぼ北西。もしここがアッピア旧街道のどこかだとするならば、首都ローマがあるのは確か北北西から北西にかけて。条件は、揃う。
〈それと、彼女にサーヴァント反応はない!正真正銘、この地に生きる人間だ!〉
「わかった───みんな、ネロさんの助太刀を…!」
「───了解。いくよ、ジュリィ、リューネ。」
「はいっ、相棒!」
「あぁ。」
ジュリィさんは大剣……大剣?を構え、ルーパスちゃんは双剣………うん?…リューネちゃんは槍を構える。……えっと。
「あの…ルーパスちゃん?ジュリィさん?リューネちゃん?」
「うん?」
「はい?」
「む?」
「…それ、何?」
多分、双剣みたいに構えてるってことは双剣なんだろうけど。……大剣みたいに構えてるってことは大剣なんだろうけど。…………槍…ランスみたいに構えてるってことはランスなんだろうけど。
「その魚…何?」
そう、全員持っているのが魚。ジュリィさんのは凍ってて、リューネちゃんのは剥製みたいになってる。…だけど。ルーパスちゃんが持ってるのってどう見ても───
「生きてる、よね?それ。」
ピチピチ跳ねてるんだよね。
「え───あぁ、“キレアジセーバー”のこと?」
「“キレアジセーバー”?」
「うん。この武器の名前。昔からある“ネタ武器”って言われる武器たちの一つだよ。外見だったり性能だったり、色々と笑えたりするものを総じてそう呼ぶの。基本的にデザイナーが遊び心満載で作ってたりするよ。ネタ武器専門で戦う人とかもいるくらい。」
へ、へぇ…
「ネタ武器、って言っても弱い物ばかりじゃないし。このキレアジセーバーだって鋭利───攻撃力280、水属性値330、精密───会心率5、最大通撃色───最大斬れ味紫っていうかなりの強武器だよ。」
「え…と、どれくらい強いの?」
「渡りの凍て地が見つかってなかった頃でカスタム強化無しの最終強化水属性双剣の1つが“ホーリーセイバー”の鋭利252、水属性値120、精密0、最大通撃色青。もう一つが“シュラムハチェットIII”の鋭利266、水属性値210、精密0、最大通撃色青だから…」
攻撃力が低めだけど属性がかなり高いんだ…
「僕が持っているのは“シャークキング”だな。鋭利230、水属性値480。精密は15の最大通撃色青。こう言っては何だが、魚系統は属性値が高いイメージが強いな。」
「それ。属性値がないボウガンはともかく、他は基本的に属性値が高い気がする。」
そうなんだ…あれ、じゃあジュリィさんのは…
「ジュリィのは“瞬間レイトウ本マグロ”ね。鋭利1152、氷属性値690、精密0、最大通撃色白。ちなみに最大痛撃色は良い順から空、紫、白、青、緑、黄、橙、赤。ま、空色武器なんて基本ないんだけどね。なんでか知らないけど近接武器───剣士型、って言うんだけど。剣士型のハンターはこの最大通撃色を瞬時に把握できるの。…って話し過ぎた。行くよ、ジュリィ、リューネ。非殺傷で。リミット・アップ」
「了解。リミット・アップ」
「はい。リミット・アップ」
リミット・アップ───そう告げると、ルーパスちゃんたちが緑色の光を纏った。緑色の光の発生源はこれまた緑色の指輪───っていうことはあれはお兄ちゃんが作った魔術礼装だね。なんでお兄ちゃんって指輪の形にしてるんだろ。
で、その後ルーパスちゃんたちは敵の集団の中に飛び込んで、その集団を撤退させた。所要時間5分とちょっと。凄い、って言ったんだけど、“いくらジュリィがいたからってモンスター相手じゃないのに5分針はねぇ…”って言われた。ちなみに5分針っていうのは5分から9分59秒までのことらしい。私には良く分からない。
“リミット・アップ”っていうのは攻撃の非殺傷化術式ですね。制限の強さを上げる……そんな感じで名付けてます。
裁「そうだったんだ…」
制限、リミッターを解除するのはリミッター・リリースかリミット・オープン、リミット・ダウンかな?フルリリース、フルオープンだったら全解除だけど。
裁「ふーん…」
あ、それと私はネタ武器好きですよ。ついでに言うと今のルーパスとリューネは95%くらいの確率でクエストを成功させます。
裁「残りの5%は…?」
100%になるのは流石に、って思ったのもあるけど、どんなハンターでも何かの判断ミスで三落ちすることはあるだろうからね。
セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、騎兵、剣士
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槍兵、狂戦士、弓兵
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暗殺者、剣士、剣士