狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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うーん……うまく行きませんでした

裁「うまく行かなかったのね……」


第80話 マスターとして戦う

「ネロォォォォォ────!!!」

 

「く───!」

 

カリギュラさんの乱打をネロさんが剣で捌く。私は宣言を止め留めたまま、そのタイミングを測る。

 

「すべてを───」

 

「───“瞬間強化”っ!」

 

カリギュラさんが大きく振りかぶった瞬間に私はスキルを宣言する。対象の指定は先に終えているから、即座に発動する。スキルの対象は、ネロさんだ。

 

「っ!」

 

「───捧げよ!」

 

「おぉぉぉぉぉ!!」

 

スキルの後押しもあってか、ネロさんの剣とカリギュラさんの拳が拮抗する。

 

「ぐ……!」

 

「ネロさんっ!」

 

「……!ふっ!」

 

ネロさんは剣を傾け、カリギュラさんの体勢を崩す。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

空中からマシュが雄叫びをあげながら盾の先を叩きつける。

 

「ぐぅっ…!すべて……!すべてを──!!」

 

「落ち着いて───せぁっ!」

 

その盾を二度振り回し、その後に体重をかけるかのような二連撃。ネロさんは後ろに退避している。

 

「あれは……“飛円斬り”、か?」

 

「すべてを──!捧げよ!!」

 

「───っ!」

 

マシュは盾の先を地面に突き刺し、棒高跳びの要領で跳躍する。

 

「そこですっ!」

 

そのまま高いところから盾の先端をカリギュラさんに突き刺す。

 

「ぬぐっ!」

 

「“急襲突き”───あれって、もしかして操虫棍の立ち回り…?」

 

「盾で操虫棍とは一体……マシュ殿本人が身軽なのだろうな。」

 

「鎧とかで重そうだけどねぇ…」

 

「それは僕たちも同じだろう。アロイやインゴットは特にだが。」

 

「……そだね」

 

ルーパスちゃん達の話からして、あの動きは操虫棍っていう武器の動き方らしい。……盾だけど。

 

「ウォォォォォ!!」

 

「さっきから疑似咆哮うるさいね~…」

 

「そうだな……」

 

カリギュラさんの攻撃がマシュに向かう。

 

「───!」

 

マシュはそれを正面から受け止め、後ろに足を置いて支えとする。

 

「盾は受け止めるだけに在らず───」

 

「捧!げよ!」

 

カリギュラさんが盾を越えてマシュに飛びかかってくる。それに対し、マシュは盾を利用してカリギュラさんよりも高く跳ぶ。

 

「ぬっ!?」

 

「盾は防御だけに在らず───!ルーパスさん直伝、“フォールバッシュ”ッ!!」

 

「いやそれ片手剣の技っ!!」

 

そのまま高いところからマシュが盾でカリギュラさんを押し潰す。

 

「ぬお………」

 

「……ルーパス、片手剣教えたのか?」

 

「いや……盾を使う技を教えて欲しいっていうから一応片手剣からシールドバッシュとフォールバッシュ見せただけなんだけど……」

 

「……片手剣のフォールバッシュにしては威力高すぎないか」

 

「まぁ操虫棍の跳躍と組み合わせればねぇ…フォールバッシュと急襲突きを合わせたようなものだろうし……」

 

「実際盾って威力それなりに高いしな…それにマシュ殿が使っているのは片手剣の小さな盾じゃなく、それこそランスなどで使われるような大きな盾だ。……というかアレ、加工したらチャージアックスになるんじゃないか?」

 

「……あー……なりそう。」

 

加工するつもりなのかな……?

 

「あっちだったら武器のデザイナー呼びたいね。多分作ってくれるよ。」

 

「武器のデザイナーか……あちらに帰れたら依頼してみようか。」

 

「そうだね」

 

そんな話を聞いていると、指輪からドクターの声がした。

 

〈これは……!リッカちゃん、気を付けてくれ!君たちのいる方に人間の反応が接近中だ!〉

 

「…マスター」

 

「アルは控えてて───」

 

私は左手を前に出した。

 

「我、契約を結びし者。契約のもと、我が声に応えよ。汝、過去に生き、未来を望むならば我が力となれ。我は未来を望むもの、破壊された未来を取り戻さんとするもの。汝、未来を取り戻さんとするならば───未来を破壊した者を許さぬとするならば───!!」

 

詠唱が完成に近づくにつれて周囲の魔力が高まっていく。

 

「終わりの天文台より今こそ来たれ、我が声と我が心の叫びに応える者よ───!!」

 

詠唱完成。同時に、強い魔力の反応が現れる。

 

「───ふふふ。思わず応えてしまったけれど、あたしでよかったのかしら?」

 

「ナーちゃん───」

 

「でも、応えたからには頑張るわ。」

 

応えてくれたのは“ナーサリー・ライム”───ナーちゃん。少しだけ苦手意識持ってたんだけどしばらくしたら大丈夫になった。

 

ちなみに今の詠唱はこちらから誰かを措定して呼ぶんじゃなくて、カルデアの方からそのサーヴァントの意思でこちらに来るっていう詠唱術式ね。

 

「───全て───すべて、捧げよ!!」

 

カリギュラさんは怯みが終わったみたいで、ネロさんに襲いかかっていた。

 

「───氷の壁よ。」

 

「───ぬ!?」

 

「即座に凍てついて───風刃を。」

 

ネロさんの目の前に氷壁。そこに殴りかかったカリギュラさんの手が氷に囚われる。さらにその囚われたカリギュラさんに風の刃が襲いかかる。

 

「───マスター。ジャンヌ・オルタを呼べるかしら?」

 

「え…」

 

アリス(あたし)の術は火が弱いの。だって火はアリス(あたし)じゃなくてありす(あたし)の術だもの。アリス(あたし)が使うのは氷と風。ありす(あたし)が使うのは火。今のアリス(あたし)なら火も使えるけれど、ありす(あたし)の火には及ばないし威力も低いわ。火を使うなら、アリス(あたし)じゃない方がいいの。お願いできる?」

 

「……分かった。来て、“ジャンヌ・オルタ”!」

 

その言葉に応じて、その場にジャルタさんが召喚される。

 

「………私で、いいの?」

 

「あたしが貴女を呼んでもらったの。マスターの力に早くなりたいのなら、実践を積むのが一番よ?」

 

それには同意だから私も頷く。

 

〈人間の反応がもう近い!もう視認できるぞ!〉

 

「あれは───連合帝国の旗!連合帝国め、余が足止めを食らっていると知って追撃に来たか!!」

 

「ネロォォォォォ!!」

 

「ネロ、だったかしら?貴女はそちらに集中しなさいな?人間の方はあたしとオルタが足止めをするわ。」

 

「アンタ───私はまだやるなんて───!」

 

「やらないと強くもなれないわ。まだワイバーン18体に苦戦しているでしょう?今の貴女なら相手にするのは人間で十分よ。」

 

「───」

 

「早くしなさいな。敵の数は多いの。油断していると、こちらに押し込まれてしまうわ!」

 

実際、サーヴァントさん達の中でジャルタさんを一番気にかけてくれてるのってナーちゃんなんだよね。

 

「この……!」

 

「ふふ……変身するぞ、変身したぞ。俺はおまえで、おまえは俺だ───こっちの方が動きやすいかしら?」

 

そう言ってナーちゃんがなったのは白髪ショートヘアの女の子。服装も変わって、黒い長袖に黒いスカート。スカートはドレスみたいな感じじゃなくてフレアスカートのひざ丈───いやフレアスカートって確か動きにくくない?結構ふわふわするからそのまま蹴り上げとかしたらスカートの中見えるよ?…確か。

 

「───えいっ!」

 

ナーちゃんは一瞬で相手に接近して一撃。

 

〈キャスターなのに物理殴打ってどういうことです……〉

 

いそうだけどね、殴るタイプのキャスター…

 

『あたしの本質は絵本だから、姿を変えたとしてもそこまでの力は出せないわ。現に今だってそこまでの威力は出ていないの。』

 

『絵本……』

 

『絵本というものにマスター達が好きな戦闘ものっていうのはないでしょう?この姿はただのイメージで組み上げたもの。もしもありすが近接戦闘をしていたら───そんなあり得たかもしれない可能性、かもしれないわ。』

 

可能性、か……

 

『マスター?もしかしたらあたしとオルタの二人がかりでも分が悪いかもしれないわ。そのときはもう一人───そうね。無力化できるような人がいいかしら。』

 

無力化できるような人、か───

 

「おいでませ、トランプで出来た兵士達!」

 

ナーちゃんがトランプで出来た兵士を召喚する。その数、約40───

 

〈トランプ兵───“ふしぎの国のアリス”ですか。彼女は“ナーサリー・ライム”、本来固定した姿を持たない彼女の姿形の大本になったのはもしかして“ふしぎの国のアリス”なのでしょうか……〉

 

ルナセリアさんがそう呟く。その間にそのトランプ兵は人間の兵士達に倒されていく。

 

「なによこいつら……!弱いだけで使えないじゃない!」

 

「越えて越えて虹色草原───白黒マス目の王様ゲーム。走って走って鏡の迷宮───」

 

そういった途端、ナーちゃんから魔力が溢れる。

 

「───みじめなウサギはさよならね。物語は永遠に続く。か細い指を一頁目に戻すように───あるいは二巻目を手に取るように。」

 

〈なんだ、これは……!?宝具反応───ナーサリー・ライムを中心に時空間が歪んでいる!?〉

 

え……?

 

「その読み手が、現実を拒み続ける限り───さぁ、もう一度最初から、始めましょう?───“永久機関・少女帝国(クイーンズ・グラスゲーム)”───」

 

その途端、相手の兵士達が吹き飛ばされ、トランプ兵が全員生き返るのが見えた。

 

「な───」

 

〈トランプ兵───完全回復!?一体、どうやって───〉

 

「───時間の巻き戻し」

 

アル?

 

「アルターエゴの言う通りよ。彼奴は自身とトランプで出来た兵士の時間を巻き戻した。それこそ詠唱に在ったように、“一頁目に戻すように”な。やろうとすれば世界そのものを巻き戻すことも出きるであろうよ。」

 

そんな宝具が、ナーちゃんに…

 

〈しかし…押されているね。数の差かな?〉

 

「…無力化。ルルさん、無力化って言ったら何が思い付く?」

 

「無力化ですかにゃ?にゃら、睡眠とかはどうですにゃ?」

 

「睡眠───なら」

 

心当たりがある───わけでもないけど、その人を呼ぶことに決める。

 

「お願い、“アマデウス・ヴォルフガング・モーツァルト”!!」

 

私の声にアマデウスさんが召喚される。

 

「───ここで僕なのかい!?通信聞いてたけど睡眠なんて適任がいるだろう!?一体何をさせようっていうのさ!」

 

「睡眠に導く子守歌───眠りに誘う旋律。相手は1人じゃなくて大人数───なるべく即効性のある睡眠導入旋律をお願いできる?」

 

「───そういうことか。止まらないなら眠らせろ。サーヴァント単体ではなく、ここに向かってくるあの兵士も巻き込めと。なるほど、対単体のアサシンとかには不利か。いいだろう、リクエストにお答えしようじゃないか。」

 

その対単体のアサシン、って十中八九対象を殺さない?それは睡眠は睡眠でも永遠の睡眠だよ?

 

「さぁ───聞くがいい、天才の旋律を!」

 

「全状態異常無効くらい吹いておこうっと…」

 

アマデウスさんが指揮棒を振るい始めると同時にルーパスちゃんが笛を吹く。……え、そんな旋律あったの?

 

「そこは強く……そこは弱く。さぁ、君を誘う眠りに溺れるがいい。」

 

「すべて……を……ささ……げ、よ……」

 

一番近くにいたカリギュラさんがまず落ちる。

 

「…あら?眠ってしまったのだわ。」

 

「……そうね」

 

続いて敵兵の人達も眠ったみたい。

 

「……ふぅ。こんな感じでいいかい?」

 

「ありがと、アマデウスさん。」

 

「別にいいさ。じゃあ僕は帰るよ。」

 

そう言ってアマデウスさんは戻っていった。次いで私は旗を支えにして立っているジャルタさんを見る。

 

「お疲れ様、ジャルタさん。」

 

「お疲れ様……ですか。雑魚に手こずる私に対しての嫌味ですか?」

 

「嫌味?」

 

私は首を傾げる。

 

「嫌味以外の何物でもないでしょう?先程の睡眠───あれがあれば私を呼ぶ必要なんてなかったはず。無様な姿を見せただけではないですか。」

 

「……うん。そうかもしれない。だけどね、ジャルタさん。人っていうのは基本的に最初は弱いものなんだよ?」

 

「……」

 

「それに、勝ったでしょ?それだけで大丈夫だよ。」

 

「…勝った、ですか……」

 

「生きていれば勝ったも同然。勝てば生きる、負ければ死ぬ。自然というものはそういうもの───そうなんだよね、ルーパスちゃん。」

 

その言葉と同時に振り向くと、ルーパスちゃんが頷いた。

 

「今はまだ弱くてもいいんだよ。言ったでしょ?一緒に強くなろうって。」

 

「……はい」

 

「…ん。じゃあ、カルデアに戻ったらゆっくり休んでね。休息も鍛練の内、ってね。」

 

「……はい。失礼します。」

 

そう言ってジャルタさんはカルデアへと戻っていった。

 

「…あたしも戻らなくちゃ。オルタが心配よ。」

 

最後に来たのはナーちゃん。黒いドレス姿に戻ってる。

 

「ジャルタさんのこと、ありがとね、ナーちゃん。」

 

「ふふふ、なんでかしら、気になるの。じゃあ、失礼するわね?」

 

そう言ってナーちゃんもカルデアへと戻っていった。

 

「……さて。後の問題はカリギュラさんだけど。その前に……」

 

私は衣装替えの指輪を起動させる。

 

魔術礼装変換(コーデチェンジ)、“魔術礼装・魔術協会制服”、主人技能稼働(マスタースキルアクティベート)、“全体回復”。」

 

それによってマシュとネロさんの傷が癒える。

 

「おぉ……すまぬな、リッカよ。」

 

「いえ…」

 

そう言った瞬間、カリギュラさんの姿が掻き消えた。

 

「ぬっ!?伯父上が消えた!?」

 

〈霊体化による離脱ですか……睡眠中に出来るようなことじゃないと思いますけど、反応が遠ざかっているのは事実ですね。〉

 

〈ただ、バーサーカーができることじゃない気がする……まさか、マスターがいるのか?〉

 

ルナセリアさんとドクターが声を発すると、ネロさんが怪訝そうな表情をした。

 

「む?先ほどから声はするが姿は見えぬ男と女がいるな。魔術師の類いか?」

 

〈私達のことは補給部隊とでも思っていただければ。〉

 

「そうか……よし、ローマへと行くぞ!」

 

「ミチ、ミツル、お願い。」

 

ミラちゃんの言葉でタマミツネ達が私達が乗れるように体勢を低くする。それに私達が乗ると、ローマの方に向かっていってくれた。




ちなみにナーサリーさんの近接化は適当に組んだものです。

弓「ふ…そうで…あったか」

ギル───!?

弓「あの程度軽い……数倍は持ってくるがいい…!」

何言ってんのこのバカ!正のアーチャー!

正弓「ん~…ってえっ!?」

ギルの治療お願い!

正弓「え、あ、うん!何してるんですかギルガメッシュさん……!」


ギル:剣が刺さって出血中

セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 剣士、剣士、魔術師
  • 魔術師、騎兵、剣士
  • 槍兵、狂戦士、弓兵
  • 暗殺者、剣士、剣士
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