狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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あー……そういえば、以前の花と石の事話してないですね。

裁「石言葉と花言葉だっけ。」

そ。サファイアは“成功”、“誠実”、“慈愛”。カリフォルニア・ポピーは“私を拒絶しないで”。カンパニュラは“後悔”、だね。まぁ、一例だけど。


第85話 叛逆者

「歓喜!」

 

剣が振るわれる───それを自身に筋力強化をかけて硬度強化をかけた杖で払う。

 

「感謝!!」

 

「風よ…!!」

 

剣が振るわれる───それを風圧をぶつけて逸らす。

 

「君という圧制者がいたことに、君という圧制者に出会えたことに感謝を!!」

 

『リッカさん、ゴメンっ!“圧制”って何!?』

 

『えっと、えっと……!!“圧制とは、権力をもつ者が、その権力や暴力を使って、他人の言動を無理におさえつけること”!!』

 

権力や暴力で他人を押さえつけること───私には覚えがないけど…!!

 

 

「さぁ!わが愛を受け取るがいい───!!」

 

凄い笑顔で、すごい筋肉量で迫られるのは怖い───!!!

 

 

side リッカ

 

 

「ちょっと、スパルタクス!相手は小さな女の子なのよ!?少しは自重しなさいっ!?」

 

「ははは!!どのような姿であろうと圧制者には変わりなし!さぁ、起源なる圧制者よ!鋼気煌々!(コケッコッコー!)

 

「意味分かんないからっ!!」

 

「…駄目だこりゃ。ねぇ、聞くけどさ。あの女の子、有名な女王様だったりするのかい?」

 

ブーディカさんが私達に向けて聞いてくる。

 

「いえ…一国の王女としか聞いたことはありませんが…」

 

「私も聞いたことない。リューネは?」

 

「特には……ん?まて。ミラ殿は確かシュレイド王国の王族の末裔…だったな。」

 

そのリューネちゃんの言葉に私は頷く。

 

「…ルーパス。シュレイド王国がどんな末路を辿ったか───いや、違うな。シュレイド王国がまだ存在していたころの話。古代文明の伝承、って覚えているか?」

 

「古代文明の…伝……承………」

 

古代文明?

 

「…造竜技術と、竜大戦───約30の龍の命から1の命を造る禁断の技術とそれに激怒した古龍と人類の世界大戦。」

 

それって…技術で生命を造り出したってこと?それと……

 

「ねぇ、ルーパスちゃん。シュレイド王国って…?存在していたってどういうこと?」

 

「…言葉の通りだよ。“シュレイド王国”はもう存在していないの。シュレイド王城跡地───狩猟地名称“シュレイド城”。そこを境にして、シュレイド地方は西と東に分かれてる。シュレイド王国っていうのは、昔栄えていたという王国。……文献の中に、こんな言葉がある。曰く───地は揺れ、木々は焼け、小鳥と竜は消え、日は消え、古の災いは消え───これらが続いて数か月後、シュレイドは消えた───」

 

「地は揺れ…木々は焼け…小鳥と竜は消え……日は消え……古の災いは消え………その数ヵ月後に、シュレイド王国が消えたの……?」

 

「“大いなる龍の大災厄”と呼ばれているものですね。近年では、シュレイド王国そのものが創作のものではないかとも言われていますが……」

 

「……違うだろうな」

 

「うん……私もそう思う。」

 

あれ……?ルーパスちゃんとリューネちゃんが震えてる…?

 

「…何度対峙しても恐ろしい。あの禁忌の龍達は。」

 

「……黒龍ミラボレアス、紅龍ミラバルカン、紅龍ミララース……そして、祖龍ミラルーツ。何度勝利しても、何度戦っても。あの龍達の存在感には慣れることができない。煌黒龍アルバトリオンと煉黒龍グラン・ミラオスはまだいい。だけど、あの4体の龍だけは…どれだけのクエストをこなしても、あの龍達と戦っているときは、常に死の淵に立たされている気分。」

 

「相棒……」

 

「……禁忌の龍と呼ばれるミラボレアス、ミラバルカン、ミララース、ミラルーツ、アルバトリオン、グラン・ミラオス。彼らは、他の古龍に比べて再生力が強いのですにゃ。故に、生息地に赴けば必ず龍達は目覚めているのですにゃ。」

 

「目覚める…って?」

 

「古龍種というのは私達の手で完全に滅することはできにゃいのですにゃ。古龍種と対峙するクエストクリアの条件は、“古龍の活動停止”にゃのですにゃ。」

 

「これは最近分かったことなんだけど…古龍達は活動停止後3分くらいで移動・飛翔くらいなら出来るようになるみたいなの。その移動で安全な場所まで移動して、そこで本格的な再生をする───その再生の際、体の大きさを作り替えることが稀に在る。」

 

体の大きさを作り替える…

 

「本当に稀なんだけどね。“目覚める”っていうのは再生が終了すること。禁忌の龍はそれが凄まじく早い。恐らくだけど、私達と戦うときにそこまで力を出してない。本気で向かってきたときが怖いね……それはそれとして、話を戻そうか。何故ミラが圧制者とされたのか───」

 

気になるのは確かにそこ。

 

「…例えば、だけど。古代文明の造竜技術。これを、龍達に対する圧制だと考えられたなら……もしくは、彼女が使役するミラボレアスが古代文明を滅ぼした龍そのものでその行動が圧制だと考えられたなら……古代文明に携わっていた人たちの血がミラに流れているとするなら…その血やその存在で圧制者だとされた可能性はあるかもしれない。」

 

〈……それから、召喚というものの特性、でしょうか。召喚は自身に忠実な存在を喚ぶものです。ですが、それですとマスターであるリッカさんが狙われなかったのが分かりませんが…〉

 

…現状では分からないことだらけ。今はミラちゃんの戦いを見守ることしか出来ない。

 

 

 

side ミラ

 

 

 

キィン!

 

 

何度目かの剣と杖の交差の時、私の杖が弾き飛ばされた。

 

「…っ!」

 

「フハハハハ!さぁ、圧制者よ!今こそ我が抱擁を受け入れよ───!」

 

「お断り───開いて、アイテムボックス!我が手に来たれ、護身の槍───“試作護身長槍”!!」

 

空間が歪み、そこから一本の槍が飛び出す。その槍を手にし、柄の方で男を突く。少しの間合いを取ってから槍を構え直す。

 

「あの持ち方って……“スピア”!?」

 

武器カテゴリ“スピア”───それなりに扱うのは久しぶりだけど……!

 

「それでこそ。それでこそ圧制者。それでこそ起源!」

 

「筋力強化、硬度強化、撃種打撃、方向反転───はぁっ!」

 

その魔法をかけながら私は槍を振る。

 

「ぬっ!」

「ええっ!?」

 

驚いている声が聞こえる───まぁ、そうだよね。たった一振りで相手が吹き飛ばされるなんて。でもこれは方向反転の効果。勢いはそのままに、相手の力の方向を反転させる魔法。力で吹き飛ばしたわけじゃない……!

 

「そうでなくては!そうであれば圧制のしがいがあるというもの!見よ、圧制者!この世界は既に我が闘技場となり果てた!我が愛を受けるがいい───!」

 

「……」

 

私は戦いながら相手を視る。

 

「ふはははは!愛を!!愛を!!叛逆こそが我が人生!」

 

「…なるほど、ね」

 

叛逆者…か。

 

『リッカさん、この人ってどういう人?』

 

『戦闘中に聞くことなの…?ええっと……トラキアの闘剣士、第三次奴隷戦争の指導者!必ず逆転によって勝利する英雄!!』

 

『必ず逆転によって、か…』

 

確かに攻撃らしい攻撃、傷らしい傷をつけてない今でも相手の方が強くなり始めてる。あってる、かもね。刃を潰した護身シリーズでも打撃ダメージは入っているはずだし。

 

「おおおおおお!彼方の圧政者よ!!刃をもって汝を打ち砕かん!!!」

 

〈まずい───宝具か!?〉

 

「圧制者ァァァァァ!!」

「ミラちゃん───!!」

「待ちなさいスパルタクス───!」

 

飛びかかってくる相手。私を呼ぶリッカさんの声。相手を制止しようとするブーディカさん。それに対し、私は───

 

 

 

「────第一リミッター、解除。」

 

 

 

そう、呟く。直後、膨れ上がり私の外に漏れた魔力が相手を吹き飛ばした。

 

「第一リミッター、稼働」

 

それを確認してからもう一度リミッターをかけ直す。

 

「───ぬぅん。」

 

その相手は吹き飛ばされた場所で起き上がり、こちらを見つめる。

 

「何故だ、圧制者。」

 

「…」

 

「何故、害さぬ。武器を持ちながら、それだけの力を持ちながら。叛逆せしものを何故。」

 

「…害する理由がないから。」

 

「………何?」

 

「貴方は私が圧制の頂点と言った。圧制の起源と言った。だけど、私はみんなに洗脳なんかかけてない。私が力を振るうのは何かを護るためだし。それと───」

 

私は手を相手に向ける。

 

「私はたとえ叛逆者だとしても味方につくのならば味方としてきちんと迎え入れると決めてるの。圧制───この世を虐げる者に叛逆するというのなら。今は私達がここで争っている場合じゃない。まずは、このローマの地を虐げるものに叛逆しなさい。」

 

「……ぬぅ。」

 

「貴方が私に叛逆したいのなら好きにしなさい。だけどその前に総てを終わらせなさい。───私は認めましょう。龍と共にある世界にいた王女として、その叛逆を認めます。ですが、それの実行にはまだ早い。今はこの地を圧制者から取り戻しましょう。総てが終わった暁には───本来ならば既に消え去っていたこの命、この首───差し出したとしても別に構わない。無論、抵抗はするけれど。」

 

「……」

 

「頂点に挑むのなら、起源に挑むのなら───それに挑む資格を得なさい。資格を得たその時こそ───私は全力で対峙しましょう。」

 

そもそも私は叛逆というものに興味がない。味方なら味方、敵なら敵と考えているからって言うのもあるけど…実際、王族だとしても王族の仕事だったり民達の仕事手伝ったりしてるだけだし。あんまり叛逆するような人いなかったからね…

 

「…道理。頂点に挑むのならば頂点に挑む資格を得ろ。なるほど、筋は通る。究極な者というのは総てを超えた先で待つもの。総てを超えずして挑むのはあまりにも無謀。たとえそれが遥か古の究極だとしても、現在にて超えられるものではないあらゆる龍に見初められた者に今挑んでも敗れるのみ。」

 

……見初めるってなんだっけ。

 

「ならば私は総てを超えよう。総てを超えた先で待つ君に届くように、愛を溜め続けよう。この世に蠢く圧制者を超えよう。君を抱擁するときまで我が愛は不滅。」

 

そう言って、彼は剣を下ろした。それを見て私も槍をアイテムボックスに戻す。

 

「うっそぉ……」

 

〈スパルタクスをほとんど言葉だけで鎮めるってどんだけだい……どんなカリスマだ…〉

 

「無事でよかった…!」

 

リッカさんが涙目になってた。心配させたみたいだね…ごめんなさい。




本当はここで運命の選択いれようか迷った。

裁「そうなんだ……」

セプテムって分かりにくい……それとスピアと護身シリーズに関して少々。


武器種“スピア”
槍。盾を持たず、両手で保持する細身の長槍。突き、薙ぎ、叩きつけ、振り回しが主な攻撃手段となる。


護身シリーズ
護身用の武器群。総ての武器において刃を潰してあるため、打撃ダメージ以外入らなくなっている。逆を言えば打撃ダメージのみであるお陰でスタンが非常に取りやすい。あくまで護身用の武器であるため、攻撃力は低め。銘は生産段階で“試作護身○○”、強化すると“ガード○○”となり、最終強化で“正規護身専用○○”となる。

セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 剣士、剣士、魔術師
  • 魔術師、騎兵、剣士
  • 槍兵、狂戦士、弓兵
  • 暗殺者、剣士、剣士
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