狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
弓「む、確かにそうであるな」
ガリアへの遠征を終えて、首都ローマに帰還する途中で、不思議な噂を聞いた。
───曰く、“地中海の小さな島に、古き神が現れた”────と。
「………噂だけにしては多すぎではないか?この短期間で四度耳にしている。」
確かに少し多い気もする…けど。
「ねぇ、ギル?神様って本当にいるの?」
気になるのはそこ。
「“いた”、もしくは“在った”が正確であろうな。奴らが思うままに振るっていた神代には確かに在ったが、現代においては自然に溶け、実体を喪っている。我等英霊よりも高次の存在ではあり───まぁ、召喚に応じることもないであろう。そう言う奴らよ、神というものは。」
「神……か。預言書に選ばれた者はそれに該当するかもな。」
「どのようなものであろうとどのように力を振るうかはその者次第よ。我もマスターのような神ならば決別させはしなかったかもしれぬがな。」
そっか…
「……というか、なぜ我が説明せねばならぬのだ。解説は貴様の担当であろう、医師。」
〈僕よりも君の方が詳しいだろう!?君は神代にいた存在だ、僕達よりも詳細を話せるはずだ!〉
「む…」
人と決別された神、かぁ…
「……よし!決めたぞ!その神がいるか否か、確かめてみようではないか!」
「ほう?」
「いいのですか?ローマに帰還しなくとも…」
「よい!古き神が何かは分からぬ、が───もしも真に神々の一柱であればだ。あり得ぬ話ではなかろう?」
「……ドクター。神様の召喚って出来るの?」
〈出来ないね。あちらがその気になったとしても、不可能に近いだろう。…堕ちた神って可能性はあるけども。〉
「ふん…神に会うか。先に言っておくが幻想や畏敬などは捨てておけ。特に自然が神となったようなものは人間が好ましく思うような美点など持たぬことが多い。」
ギルってなんか辛辣…神様に対して何かあったのかな。ギルガメッシュ叙事詩はそこまで読んでないから分からないんだよね……
「建築王たる神祖ロムルスは雷に隠れ、新しき神となったと聞く!良い神は確かに在るのだ!」
「総ての神が悪いとは言っておらんであろうが……ここには最新の神がいるのだしな。」
そう言ってギルは私の方を見た。……え?私?
「さて、それでは船が必要なわけだが……そういえばマスターはペガサスが気に入っていたか。」
「え……あ、うん…」
「ふむ…メドゥーサのやつはいるか?」
〈メドゥーサかい?さっき顔を青くして部屋に帰っていったけど…〉
「……ふむ。ならばミルドよ、海を移動できる馬はいるか。」
「馬……さっきのペガサス、だっけ。それみたいな子なら一応いるけど。」
「ならばそやつを出せ。皇帝、貴様は軍と船に乗れ。」
「うーん……応えてくれるかなぁ……あまり外出たがらない子なんだよ。」
言っちゃ悪いけど引きこもりさんなのかな?
「とりあえずこんな森の中で召喚したら動きにくいし、森を抜けようか。」
私達はそれに同意で、森を抜けて海に面したところに出た。
……まぁ、そのあと少しあって。私は黒いユニコーンの背中に乗って海を駆けていた。
「先輩、すごいです!水面が、凍って……!」
「うん……すごい……!」
ちなみに凍った水面はちゃんとミラちゃんが溶かしてくれてた。
「まるで“クザン”みたい……!」
「キリゼ、まだ走れる!?」
そう言うのは私達が通った後を炎で焼きながら私達と並ぶように飛ぶミラちゃん。“キリゼ”───それがこの子の名前らしい。
「ヒィィィィィ!」
「ん───そのまま島までお願いっ!」
「ミラちゃん!この子って何て言う名前の───?」
「キリゼは霜幻獣“キリン亜種”───またの名を“キリヘイル”。霜を操る古龍種だよ。」
この子が、古龍……?
「原種は幻獣“キリン”。キリヘイルは霜を使って海を渡るけど、キリンは水に電気を流して反発させながら渡ってるみたいなの。キリン科の子達は脚力がすごいから……」
水面走り……!?
「……着くみたいだね。」
ミラちゃんの言う通り、島の浜辺に辿り着く寸前だった。
……神様のいる島、か。
キリン亜種=霜幻獣っていうのはこの作品独自の設定で、公式設定ではありません。あと私はキリン亜種と戦ったことがありません。
裁「ないんだ……」
ない。
セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?
-
剣士、剣士、魔術師
-
魔術師、騎兵、剣士
-
槍兵、狂戦士、弓兵
-
暗殺者、剣士、剣士