〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「えっと…確か赤城さんが言ってたのはこの辺のはずなんだけど……“急いで来て欲しい”って何かあったのかなぁ? あ、アレかな?」
「あっ、来ましたね蒼龍。こっちですよ、こっちー!」
“鯨っぽい巨大な影をバックに満面の笑顔で手を振る一航戦の誇り”
(…………………………………………………………………なんかいる)
「いやぁ、私一人だと手古摺ってしまって……やはり慢心してはいけませんね♪ 一人の力は小さくとも、小さな力を合わせて大きな力と為す…仲間とは素晴らしいものです。蒼龍が非番で助かりました!」
「……赤城さん、それで私に何をしろと?」
「コレを捌くのを手伝ってください。私一人だとどうにも上手くいかなくて……」
「艤装…ですよね。太平洋深海棲姫の」
「はい♪ ダメ元で提督にお願いしていたんですが、この度幸運にも回収に成功したのです(フンスッフンスッ)」
「捌いて…どうするんですか? まさか、食べるなんて……」
「肉付きが好くて美味しそうですよね! 私、前々から鯨を食べてみたくって……」
「これ鯨じゃないですよね!? いや、確かにそれっぽいシルエットしてますけど!?」
「でも、昨今の国際情勢は捕鯨に厳しいとか。ほら、今の私たちって国連所属じゃないですか。そのあたりのことにも配慮しないといけませんし……以前知らずに曙にお願いしたら竿を抱き締めて“無理です、ごめんなさい、許して……”って泣かれちゃいまして。根は真面目な娘ですし、悪いことをしてしまいました」
(違う、多分そうじゃない。その竿って多分、提督に改二のお祝いで買ってもらった奴だから。そんなので鯨を釣れって、壊れる未来しか見えないから泣いたんですよきっと! というか、そもそもどうして釣り竿で鯨を釣ろうなんて思うかなぁ!?)
「そこで私も考えを改めました! 鯨を捕るのがダメでも、“鯨っぽい艤装”ならいけるんじゃないかって!」
「どうしてそうなった!?」
「まぁ、正直太平洋深海棲姫の艤装を回収できたのは出来過ぎですけどね。なんでもいいから姫級の艤装を回収できたら御の字…くらいのつもりだったんですが」
「他のも食べる気なんですか……?」
「だって、美味しそうなの多いじゃないですか。南方戦艦新棲姫ならカニ鍋、深海地中海棲姫でエビフライ……夢が広がりますねぇ(ジュルリ)」
“とことこ……”
(! クイッ、クイッ)←何かを発見して裾を引いている
(? …… )゚0゚( ヒィィ )←何をしようとしているか察して青褪めている
(キラキラ!!)←なにか面白そうなことをしていると思っている
「ススス… (;-_-))) 」←全力で目を背けながら離れていく
「? ? ?」←不思議そうにしながら引きずられていく
(今のって、
「? どうしました、蒼龍。さあ、ボーッとしてると鮮度が落ちます。急いで解体して、鳳翔さんのところに持って行きましょう!」
「それは鳳翔さんも困ると思います!?」
・
・
・
(良かった、鳳翔さんに迷惑かけずに済んで…GJ私!)
「むぅ…せっかく美味しそうだったのに……」
「なんであれに食欲が湧くんですか……」
「だって、提督ばっかりズルいじゃないですか! “ゲイザーの触手の炙り”とか、“キメラ肉の唐揚げ”とか、“センネンヤドカリのつぼ焼き”とか、“バイコーンの馬刺し”とか、“魔猪の牡丹鍋”とか…そんな珍味、私も食べてみたかったのに!」
「…………いや、流石に提督たちも別に好き好んで食べてたわけではないと思うんですが」
「ドラゴンステーキなんて絶対美味しいに決まってます!」
(くっ、それはちょっと食べてみたいかもと思ってしまった……)
「おや、アレは……失礼、レディ。なにやらお悩みのご様子ですが、如何いたしました?
よろしければ、私がご相談に乗りましょう。非才の身ではありますが、お力になれるかもしれませんよ」
「「あなたは……」」
・
・
・
「お待たせしました、レディ。こちら、“海魔のゲソ焼きバター醤油ソースがけ”でございます」
「わぁっ!」
(…………………………どうしてこうなった!)
「続きまして、“翅刃虫の羽のフライ”です。一部サーヴァントより、“チップス感覚で良いツマミになる”と好評を博しておりました」
「パリパリとした触感が小気味いいですね。薄い塩味との相性もばっちりです」
(……これに比べれば、提督のセミの素揚げは可愛いものだったなぁ)
「あ、これは何ですか、
「はい。世にも珍しい“虚数の海”より捕れた食材の数々です。今回は我が祖国ブリテンの現代料理に倣い、素材本来の味を楽しめる“ゼリー寄せ”でご賞味ください」
「ゼリー? というか、イギリス料理には嫌な思い出が……」
“ぶつ切りにされた虹色に煌めく肉塊がゼラチンで固められている”
「わぁっ、綺麗で食欲をそそりますね~」
「“The騎士”って雰囲気に騙された私が馬鹿だったぁ―――――――――っ!? 全部全部提督のせいなんだから――――――――っ! 提督なんてよくわかんないもの食べて食あたりになっちゃえばいいんだ~」
「レディ蒼龍はなぜ泣いておられるのでしょうか?」
「さぁ? あ、おかわりください。まさに珍味! という感じでご飯が進みます」
「赤城さんもどうしてそんなの平然と食べられるんですか!?」
「蒼龍、この世には“食べられるもの”と“食べられないもの”しかないんですよ? ですから、食べられるものを食べるのは当然ではないかしら?」
「なにを“当たり前のことを”みたいに言ってるんですか!?」
「いえ、レディ赤城の仰る通りかと。我が王も“栄養は ゲテモノ肉でも 変わりません”と仰せでしたよ」
「至言ですね。ところでベディヴィエールさん、ムシュフシュ…というモノはないんですか?」
「申し訳ありませんレディ。アレには毒が含まれておりますので……マスターであればそのままお召し上がりいただくこともできましょうが、正しい手順で毒腺を除去できる料理人なくして、アレを調理することはできないのです」
「そうですか…残念です」
(提督、ごめんなさい。きっと仕方なく食べてたんですよね、それなのに私“変なものばっかり食べて”とか思って……)
「……でも、何とか毒とか抜けませんかね?」
「毒を抜く、ですか?」
「日本には“フグの卵巣の糠漬け”というモノがありまして……」
「フグ…確か、毒を持った魚でしたね。なんでも、内臓に毒をため込むとか…そんなものを食べるのですか?」
「はい。二年以上糠につけることで毒が抜けるんです」
「ほぉ、それは興味深い。どういった理屈なのでしょう?」
「さぁ?」←分毒の原理は解明されていません
「……まぁ、食べられるのなら問題ありませんね! 物は試しです、ムシュフシュやドクヤドカリで試してみましょう」
「もうヤダこの人たち………………助けて提督――――――っ!」
~鎮守府裏日誌~
この後、
「でもあなた達、生の卵も食べるのよね?」
「そうだけど?」
「加熱処理しないと、サルモネラ菌とか危ないと思わないの?」
「どういうこと?」
「日本人って、十分ゲテモノ喰いだと思うわよ」
「なんでぇ!?」
発酵食品の類はどこの国も他所からすれば「なんでそんなものを」扱いされがちだけど、これはねぇ……。実際、ベディヴィエールですら生卵を食べると聞いて「正気ですか?」と尋ねてきたし、フグの卵巣の糠漬けにしたところで「日本人の食への飽くなき探求心、感服いたしました。流石はマスターの祖国、お見事です」と敬服したほどだからね。
ちなみに、提供された食材は時間の流れすらない虚数空間に保管されていたモノだよ。賞味期限? ないよ、そんなもの。良くも悪くもね。
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww