〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:間宮、明石、大淀


「女子会」

「それでは、今週もお疲れさまでした」

 

「「かんぱ~い」」

 

 ・

 ・

 ・

 

「それで大淀、提督の弱みの一つでも握れたの?」

 

「そうですね。それか、“例の件”で何か進展はありました?」

 

「明石、間宮さんも……一方的に情報引き出そうとするのやめてくれません?」

 

「だってさぁ」

 

「はい、私たちは大淀さんほど提督と接点があるわけではありませんし」

 

「確か、私たち三人の立場は対等だと、着任前に確認したと思いますが……せめて、交換材料くらい出してください」

 

「そうは言ってもねぇ……」

 

「大和さんが建造できた理由、まだわからないんですか?」

 

「残念ながら。妖精さんたちの話を聞く限り、資材のレシピにおかしな点は何も」

 

「間宮さんは? 電や大和さんが何か漏らしていませんでした?」

 

「いえ、今のところ特に何も。私たちのことを警戒しているのか、そもそも何も知らないのか……」

 

「……まぁ、私も今のところ特に進展はないので、お互い様ですか」

 

「「「はぁ~……」」」

 

「勘弁してほしいですよね。インテリの大淀はともかく、私と間宮さんはただの趣味人なのに」

 

「はい。こんな密偵紛いのことを任されましても……」

 

「いまさら言っても仕方がないでしょ。というか、私だって別にそういうことが得意なわけじゃありませんし」

 

「その割には、提督の通話記録やら通信記録を洗ってるわよね?」

 

「うぐっ!?」

 

「教練を通して信用も勝ち取っていますし、スパイの才能があるのでは?」

 

「やめて、ホントやめてください……本気で感謝される罪悪感で圧し潰されそうなんですから」

 

「「わかる、提督無防備すぎ」」

 

「少しくらい警戒してくれたら、こっちも良心の呵責が減るのにねぇ……」

 

「本当に。危うく立場を忘れて忠告してしまいそうになります」

 

「上も上ですよ。よりにもよって、どうして私たちにそんな役目を負わせますかねぇ。いや、普通の人間を派遣する方が怪しまれる可能性が高いので、妥当な采配ではあるのですが」

 

「ま、どこの派閥もまさか私たちがお酒飲みながら情報共有してるなんて思ってないだろうけどねぇ」

 

「……でも、“革新派”の明石さんと“中立”の私はともかく、“保守派”の大淀さんはバレたらまずいんじゃありませんか? あちらは、艦娘に対するあたりが相当キツイと聞きますよ」

 

「二人が漏らさない限り、その心配はいらないでしょう。良くも悪くも、ここには提督以外に人間はいませんし、私たちと電以外はみんな上との接点自体がないんですから。提督を監視する私たちを監視する立場になり得る人はいません」

 

「まぁねぇ……」

 

「信用されている…のではなく、単にさほど期待されていないだけですけど」

 

「あとは、そもそも重要視されていないということでしょうね。提督の身辺は精査済み、もしかしたら国連への交渉材料が手に入るかもしれないから念のため…というくらいでしょうから」

 

「ま、だからこそこうして気楽にしてられるわけだけどねぇ。そうじゃなかったら、今頃上にせっつかれてお互いに牽制し合ってたかもしれないわけだし」

 

「派閥には属していても帰属意識はないも同然ですからね、私たち。間宮さんなんて特にでしょう?」

 

「そうですね。私は給糧艦、食事を通してみんなの心を支えるのが本分。中立派…というか、各々の利益重視の考えには全く共感していませんし、そもそも派閥としての纏まりもないも同然ですから。艦娘の端くれとして指示には従いますが、そこまでですよ。私の喜びは料理とみんなの笑顔、それに勝るものはありません」

 

「わかる。私も究極的には機械弄りができればそれでいいし。ああでも、できればロマン兵装とかバンバン開発したいなぁ。ここは上からアレコレ言われ難いし、環境的には最高なんだよねぇ」

 

「それは流石に無理でしょう。本土からの補給は十分とは言えませんし、電は着任早々の資材枯渇が若干トラウマになってますから」

 

「うふふっ、それなら私も色々挑戦してみたいお料理があるんですよ。提督にお願いして、珍しい調味料とか食材を仕入れられないでしょうか」

 

「あっ、間宮さんズルい! それを言ったら私だってあのメーカーの最新鋭機材とか、新式のオイルにバーナーに……欲しいの一杯あるのに!」

 

「あなた達!!」

 

「そう言う大淀はないの? せっかくハメ外せるんだしさ」

 

「そうですよ。真面目なのは大淀さんの長所ですけど、時には…ね?」

 

「私は、あなたたちほど熱中できるものがあるわけじゃありませんし……というか、二人とも話を逸らそうとしてません?」

 

(実は通常レシピの他に試験管みたいなものを投入して、妖精さん曰く「最高にハイになったぜ!!」ってことだけど、詳しいことがわかるまでは伏せておきたいのよね。スゴ技の気配というか、技術屋垂涎の謎技術の気配がするというか)

 

(提督にこっそり味見させてもらった秘蔵のお酒、凄く美味しかったんですよね。大きな作戦の後に振る舞うおつもりらしいですし、アレに合うおかずや肴を手掛けると思うと…ふふふっ、腕が鳴りますねぇ)

 

(怪しい…絶対何か隠してる)

 

「……はぁ、じゃあ少しだけ。提督、妙に艦娘の建造やドロップ(サルベージ)について理解があるというか……予備知識なしの素人にしては、順応性高すぎると思うのよね」

 

「それを言ったら、私たちについても同じではないでしょうか。お料理をすることも、お食事を取ることも、睡眠や入浴……それらを楽しむことを極自然に当たり前のものと認識していらっしゃいます。かといって人間との区別がついていないという風でもありませんし」

 

「まぁ、それなら電とかが戦いに出ることに抵抗感があるはずよね」

 

「ない、こともないようですが、この短期間ですでに折り合いはついているようです。折り合いがつけられる方は多くの場合、食事などといった形が必要なことを訝しまれたり、“人間のようにふるまう”ことに違和感を持たれたりするものですが……」

 

「……私も似たようなことを思いました。羅針盤や高速修復剤(バケツ)の説明をしても、特に疑問はないようで」

 

「それって素人さんにありがちな“何がわからないかがわからない”じゃなくて?」

 

「違う、と思います。今のところ根拠はないのですが、“わからない”とは違うような……」

 

「まさか、国連から何かしらの情報を得ているとか?」

 

「少なくとも、鎮守府に着任してからはあり得ません。というか、提督就任の打診以前から電子的・物理的な情報のやり取りは監視されていましたが、そこでもこれといって不審な点はなかったそうです」

 

「じゃあ、やっぱり情報をリークされていたってことはなさそうか」

 

(あるいは、それよりももっと以前に何らかの情報を得ていた? 金銭面や経歴面で多少の不審点はあるけど、国連がそこまで肩入れするほどの理由があるとは……)

 

「さっ、お二人とも。新しいお料理が出来ましたよ。お酒と試作の肴もあるので、どうぞ召し上がれ」

 

「待ってました♪」

 

「……」

 

「大淀さんも。難しい話はまた今度、ということで」

 

「……はぁ、確信の持てない話はするべきじゃありませんね。強めのお酒、いただけます?」

 

「はい♪」




~鎮守府裏日誌~

三人はそれぞれ異なる派閥から送り込まれたスパイだけど、本人たちは派閥闘争とかには興味がないよ。むしろ、同じ秘密を抱える者同士だからこそ気軽に接することができるみたいだね。だから、こうして頻繁に三人で飲んだりしているんだ。
根が善良だから、罪悪感とかストレスが嵩んで駄弁ってないとやってられないんだろうね。特に、提督は変に無防備なところがあるからなぁ……。

それはそれとして、提督は怪しいサイトにちょくちょくアクセスしてるんだけど、そのことを大淀は知らないよ。どうしてだろうね?

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
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