〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「司令官、大変なのです!」
「外が騒がしいと思ったら、どうしたの電?」
「それが、加賀さんと瑞鶴さんが……」
「やれやれ、またか。とりあえず二人を呼んで……いや、俺が行こう。案内して」
「はい!」
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「それで、また喧嘩したんだって、二人とも」
“ムッス~……”
“シラ~”
(不満を隠せない瑞鶴と、表情に揺らぎが全くない加賀。う~ん、いっそ面白いくらいの温度差)
「……だって、加賀さんが人を見下したようなこと言うから」
「事実を指摘したまでよ。五航戦の妹の方の練度の低さは明白、特に攻撃にばかり傾倒して索敵の甘さが目立ちます。そんな体たらくで“主力”を担えると思ったら大間違い、それがなにか?」
「索敵を疎かにしてるわけじゃないわよ! でも、敵を落とせなきゃ勝てないじゃない!」
「その考えが“甘い”と言っているの。まさか、一人で戦っているつもり? だとしたらとんだ思い上がりね」
「そんなつもりは……」
「私たちは一人で戦っているわけではないし、全ての役目を一人で果たす必要もない。“勝利のため”というのなら、もっと全体を見て行動なさい。艦載機で敵を沈められなくても、損傷を与えるだけで十分有利になるわ」
「でも、それじゃ反撃の危険があるわ!」
「そうね、否定はしないわ。だけど、そのために僚艦を危険に晒すのは本末転倒だと言っているの」
「ぐっ……」
「短絡的で思慮が浅い、あなたの欠点の中でも最たるものよ。猛省なさい、五航戦…の妹の方」
「そもそも、なんでわざわざ“妹の方”なんて付け加えるのよ! うちに翔鶴姉はいないんだから、分けなくてもわかるでしょうが!! 一々“五航戦”って言うのも厭味ったらしいし……名前で呼んだらどうなの、名前で!!」
「それは本件とは関係ないわ」
「ふ、二人とも喧嘩はダメなのです~」
(やれやれ、加賀の言っていることは間違ってないんだけど、言い方がなぁ……瑞鶴も煽り耐性が高いわけじゃないし)
「うちの艦隊で二人だけの正規空母なんですから、もう少し仲良くして欲しいのです」
「五航戦なんかと一緒にしないで」
「またそうやって……!」
「はわわわ……」
「はい、二人ともそこまで」
「「むっ」」
「とりあえず、瑞鶴はこの後出撃でしょ。準備をしつつ、一度頭を冷やしておいで」
「……はい」
「加賀は食堂の片付けの手伝い。それが終わり次第、また改めて話をしよう」
「わかりました。
ところで、五航戦の妹の方」
「……ねぇ、喧嘩売ってる? 売ってるのよね?」
「今回の作戦、それなりに期待しているわ。みっともないところを晒さないよう、奮励することね」
「一々一言多いのよ!」
「ほらほら、解散解散」
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「…………」
「加賀、何か言いたいことは?」
「いえ、何も。叱責は尤もですが、私一人に」
「……そういうことを瑞鶴にも言ってあげればいいのに」
「調子に乗ります」
「やれやれ……」
「慢心は足元を掬います。指導役を降ろされたとしても、この姿勢を変えるつもりはありません」
「……………………………………本当に、瑞鶴が大事なんだね」
「…………別に、そんなことは」
「加賀の方針はわかった。最初にそれを尊重するって言ったのは俺だからね、今更引っ込める気はないよ」
「ありがとうございます」
「まぁ、瑞鶴のフォローは鳳翔に頼むとして……」
「提督」
「うん?」
「……もしもの時は、私ではなく瑞鶴を」
「……唐突だね」
「以前から考えていたことです」
「理由くらいは聞かせてくれないかな」
「…………あの娘は、これからもっと強くなります」
「……」
「技術は拙く精神的な甘さも目立ちますが、それは経験を重ねるうちに乗り越えていくでしょう。優秀な娘ですから、私を超える日もそう遠くはないと確信しています。だからこそ、この艦隊の未来を思うのなら残すべきは私ではなく瑞鶴です」
「それなのに、“五航戦なんかと一緒にしないで”?」
「……はい。“
「五航戦の、か。そういえば、確か瑞鶴は……」
「昔、私たちは自らの慢心故に沈みました。ですが、それは構いません。悔いはあれど、納得はしています。あれは、当然の帰結でした。
でも、その結果私たちは多くの負債をあの娘たちに押し付けてしまった。………………恥じ入るばかりです。情けない敗残者と、軽蔑されても仕方のないことです」
「……それじゃ、“
「……我々、空母の“誇り”です。多くの戦果を挙げた殊勲艦、囮になろうとも最後まで戦い抜いた彼女と並ぶ資格は、私にこそありません」
「そんなことはないよ。なんだかんだ言いつつ、瑞鶴は加賀のことを尊敬してる。いつか絶対に見返してやるんだ、認めさせてやるんだって。君の狙い通りに、ね」
「そうでなくては困ります」
「…………」
「提督」
「……分かった、とは…言いたくないんだけどな」
「それでも、どうかお願いします」
「…………知れば、瑞鶴は怒るんじゃないかな?」
「色々なものを押し付けるのは、先達の特権です」
「違いない」
「あの娘なら、大丈夫だと信じています。まぁ……出来れば、今回は良いものを残したいものですが」
「……」
「お話が以上なら、これで失礼します」
「……………………………加賀」
「……」
「命を粗末には、しちゃいけないよ」
「鎧袖一触よ、心配いらないわ」
「そうだね。どうせなら、君を超えて“一航戦”を奪った瑞鶴を見たいもんね」
「ええ。そんな艦隊なら、ぜひ一緒に出撃したいものです。
ですが、まだまだ“
~鎮守府裏日誌~
加賀が鎮守府に着任して真っ先にしたことは、かつての戦争の顛末…特に自分たちが沈んだ後の機動部隊の詳細を確認することだったそうだよ。建造時点である程度の知識はあるらしいけど、当事者でないと詳しいことまではわからないらしいからね。
鳳翔が着任すると彼女からも話を聞いて、一時期は随分と塞ぎ込んだようだけど……自分自身の結末はまだしも、その後のことには色々思うところがあったのかな? 持ち直してからは行き過ぎなくらいに訓練に打ち込んで別の意味で周囲を心配させた加賀だけど、瑞鶴が着た頃から落ち着きを取り戻したんだ。まぁ、提督としてはそれでも気がかりではあったようだけど。
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww