〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「提督さん提督さん! 夕立が戻ってきたっぽい!」
「ああ、お帰り夕立」
「夕立ったら、結構頑張ったっぽい! 褒めて褒めて~!」
“チラッ”
「はい。今日の開発は夕立さんのおかげで大勝利なのです」
「そっか……頑張ったね~、えらいぞぉ~」
(滅茶苦茶手馴れているのです。司令官は犬でも飼っていたのです?)
「ぽ~い♪」
「そして喉を擽られて喜ぶって…まるでワンコなのです。夕立さんはそれでいいのです?」
「?」
(心の底から不思議そうな顔をされたのです……)
「……そうだ。電、確かクッキーの缶が棚にあったでしょ、それ取ってもらっていい?」
「あの高いお菓子なのです?」
「そうそう。それ、夕立にあげて」
「え、でも……」
「どうせ来客だっていないしね。寮のみんなで食べると良いよ」
「ヤッタ――――――――ッ! 提督さん、ありがとうございますっぽい!」
「………………………」
「で、こっちは電の分ね」
「っ! べ、別に羨ましかったわけではないのです」
「まぁまぁ…ちょうど良い時間だし、一息入れようよ」
「…………わかりました。ちょっといいお茶を淹れるのです」
・
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“はむはむ”
「しかし……」
「どうかしたのです?」
「いや、装備の方もだいぶ充実してきたわけだけどさ」
「そう、ですね。駆逐艦と軽巡にはある程度連装砲や機銃、魚雷が行き渡ったのです。まだまだ電探とか欲しい装備はありますが、上を見たらキリがないのです。とりあえずはこれで安心して…とはいかなくても、安定して任務をこなすことができるのです」
「それは良いんだけどさ……」
「何か問題が?」
「初期装備…使わなくなった単装砲とかどうしようか?」
「……一般的には“廃棄”して資材に戻すのですが」
「確かそれって、あんまり回収率良く無かったよね」
「なのです」
「だから、何か別の使い方ができないものかなぁと思ってね」
「別の使い方?」
「うん、ちょっと考えがあるから明石に時間が空いたら来てもらうよう言っておいたんだけど……」
“コンコン”
「提督、明石出頭しました」
「来たみたいだね」
・
・
・
「使わなくなった装備の活用法、ですか」
「うん。何かアイディアはないかなと思って」
「う~ん……提督のおっしゃる通り、廃棄は回収率が良くないですから気持ちはわかりますが」
「艤装に接続できる装備の数には限度があるのです。だから、使わない装備を残しておいても倉庫のスペースを圧迫するだけなのです」
「私も同意見ですね。微々たる量でも、うちの状況を考えれば回収した方が良いと思います。
それとも、提督には何かお考えが?」
「一応ね。確認なんだけど、装備は艤装と接続しないと使えないんだっけ」
「そうですね」
「例えば、有線でもいいから遠隔で装備を動かしたりは?」
(浮き輪にでも載せて持って行って、火力を引き上げるということでしょうか?)
「それは、艦娘がですか?」
「いや、できれば俺の方で動かせると良いな」
「えっ!?」
「なんでまたそんなことを……」
「ほら、ここの基地って実質人間俺だけじゃん。もしもみんなが出撃して手薄になっているところに攻められたりしたら防衛戦もままならないから、何とかならないかなぁって」
「……なるほど、基地防衛に活用するのですね」
「ああ…他所の鎮守府とかなら他の艦隊もいるし、なんなら通常装備もありますからある程度何とかなりますけど、うちはそうはいきませんからねぇ」
「どうかな? 単装砲だけでも動かせれば、少しはマシになると思うんだけど。
それに、そうなればみんなも安心して出撃や遠征に出られるしさ」
「発想は面白いと思います。ですが、やっぱり装備を艤装と接続せずに動かすのは無理ですね。詳しくは解明されていませんけど、装備は艤装を介して“
「そっかぁ。じゃあやっぱり、艦娘ありきで考えないとダメか」
「他にも何かアイディアがあるのです?」
「うん。みんなに欠ける負担が大きくなりそうだったから次善の案だったんだけどね」
「それはどんな?」
「艦娘とつながっていないと使えないならさ、延長コードみたいなものとか作れない? ほら、コンセントの差込口がいくつもついてるようなの」
「……………………まさか、それで複数の装備を一度に使えるようにしようと?」
「なんなら、離れた場所から遠隔操作もできないかなぁって」
「そ、そんな無茶な……」
「…………………………………詳しく聞かせてください」
(あ、明石さんの目が輝いているのです……)
「一番いいのは出撃に持って行ける形かな。装備を小舟みたいなのに乗せて曳航するなり自走させるなりして使えれば、単純に火力が上がるでしょ」
「そうですね。それができれば戦力不足もだいぶ解消されます……でも、正直望みは薄いと思いますよ。似たような研究は本土でもしてたって聞いたことがありますけど、上手くいかなかったらしいですから」
「上手くいかなかった理由ってわかる?」
「連装砲なんかを見ればわかる通り、砲塔一つ一つの角度を変えて撃つことはできます。三連装砲なら装備を三つ使っているようなもの、とある意味言えなくもありませんからね。
なら、複数の装備を繋げて使うこともできるんじゃないか…そう考えて研究が始まったそうです。ただ、実際にやってみると“やることが多過ぎた”んですよ」
「やることが多過ぎた?」
「複数の装備を扱うのは、私たちにとっては右手と左手を別々に動かすようなものです。出来ることは出来ますが、意識的に動かしているというよりも無意識下で色々なことを処理している感覚ですね。でも、艤装に仕様以上の装備を接続するとなると、“左右の手”どころか“10本の指”を別々に動かすようなものです。
提督、全部の指に筆を付けてそれぞれで別々に字を書くことってできます?」
「無理。あ、いや、訓練すればできるのかもしれないけど……」
「可能か不可能かで言えば可能性はあります。でも、そのためには膨大な時間と訓練が必要になります。しかも、それをしながら海を進むとなると……」
「走りながらやるようなものか……砲塔の角度とか相当繊細だろうし、下手したら味方に当たるか」
「加えて、曳航しながらっていうのも多分歓迎されません。自走が可能だったとしても……」
「そのあたりどう、電?」
「……正直、回避とか難しくなりそうなのでやりたくないのです」
「なるほどね……でも、基地防衛としてならどうかな」
「…………固定砲台として使うなら、曳航の問題は解消されますね。やってみます? あんまり複雑な操作はできないと思いますよ」
「それでも打てる手は打っておかないとね。予算組むから、研究を始めてくれないかな。電には悪いけど……」
「はぁ……仕方がないのです。幸い、ベースは使い道のない装備ですから、元手があまりかからないのが救いなのです」
「あと、大和を補佐につけよう」
「大和さんを?」
「うん、他のみんなは出撃が多くて時間取れないしね。大和も、やることがあった方が良いでしょ」
「わかりました。でも、あんまり成果が出なくても許してくださいね」
「無茶を言っている自覚はあるからね。まぁ、使い物になれば御の字…ってところかな」
「了解です。お任せください」
(明石にはああ言ったけど、大和に任せるのはそれだけが理由じゃない。時間だけじゃなく、“身体”の方も色々融通が利く可能性が高い。他の娘には無理でも、大和ならあるいは……)
~鎮守府裏日誌~
提督の発案で始まった“装備の間接操作”の研究だけど、結論を言えばあんまり成果は上がらなかったね。まず無線が無理なのはすぐに分かったから有線一本。それで何とか艤装に接続したり、遠隔操作したりはできたけれど、細かなコントロールができなかったんだ。
大和でさえ、発射の合図と砲の向きを大雑把に操ることしかできなかったのさ。射角の調整なんてほとんどできないし、向きにしたところで右か左か正面か、というレベルときた。時間をかければそれなりには調整できるらしいけど、とても実戦的とは言えないね。加えて大和曰く、“もの凄く神経を使う”“何度も動かしてると頭が痛くなる”と呻いていたほどさ。
まぁ、アトラス院の錬金術師じゃないんだから十以上の装備を動かせばその反応も当然かな。他の艦娘たちの場合だと、5つ動かせたら上出来だったんだから。直接装備するよりも、有線とはいえ遠隔操作する方がずっと大変なのは当然のことだよね♪
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww