〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:提督、妙高、那智、足柄、羽黒


「秘密と隠し事」

「……」

 

「那智」

 

「だがな妙高」

 

「確かに、提督は何かを私たちに隠しています。でも、それにはきっと何かわけが……」

 

「ああ、何かしら理由はあるのだろうさ。だがな、ここの状況を考えればそんなことを言っている場合か? 大本営からは目の敵にされ、物資の補給は半ば以上自給自足。今の我々に必要なのは、不要な疑惑の種を放置することではなく、腹を割って話し、結束を固めることではないか?」

 

「それは……」

 

“オロオロ……”

 

「羽黒。どうした、考えがあるのなら言ってみろ」

 

「わ、私は……司令官が決めたことなら」

 

「まったく、羽黒は奴に甘い。足柄」

 

「なに、那智姉さん?」

 

「貴様はどうなんだ」

 

「私? 私は別にどうでもいいわ。戦う! 勝つ! 私にはそれで十分よ!」

 

「足柄らしいわね」

 

「まったく、お前は……」

 

「足柄姉さん、カッコいいです」

 

「ふっふ~ん♪」

 

(とはいえ、那智の疑問は最も。ここは……)

 

 ・

 ・

 ・

 

「お忙しい中お時間を割いていただきありがとうございます、提督」

 

「いいよ。それで、どうしたの?」

 

「…………提督は」

 

「うん」

 

「私たちに、何か隠しておられませんか」

 

「そりゃまぁ、俺にだって隠し事の一つや二つ」

 

「提督、誤魔化さないでください」

 

「……」

 

「あなたは、明らかに私たちが知らない“何か”をご存じです。“羅針盤が何を示しているのか”、“高速修復剤(バケツ)”や“高速建造剤(バーナー)”とはなんなのか……いえ、そもそも私たち“艦娘”の正体についても、何かお心当たりがあるのではありませんか。

 羽黒は“何かお考えがある”と、健気にあなたを信じるつもりでいます。あるいは、足柄のように“戦場と勝利”の障害とならなければ興味がないというストイックな娘もいますわ。ですが、あなたに疑念を抱く子も少なからずいます。この艦隊の置かれた状況を考えれば、不和の種は……」

 

「妙高」

 

「……はい」

 

「ありがとう、苦労を掛ける」

 

「提督……」

 

「だけど、ごめん。その“聞き方”じゃ答えることはできない。“質問は具体的に”、ね?」

 

 ・

 ・

 ・

 

「失礼します」

 

「姉さん! 妙高姉さん!?」

 

「羽黒…それに」

 

「まったく、どこに行ったのかと思えば……」

 

「ズルいじゃない、行くなら私にも声をかけてくれなくっちゃ」

 

「あなた達……」

 

「あの、司令官とお話されたんですよね?」

 

「そうそう、それよそれ! で、どうだったの?」

 

「貴様、興味がなかったのではないのか?」

 

「それはそれ、これはこれよ!」

 

「……そうね。歩きながら話しましょうか」

 

「「「……」」」

 

「結論から言うと、提督は何も教えてはくださらなかったわ」

 

「なに?」

 

「那智、そう目くじらを立てないの」

 

「だがな……」

 

「何も教えてはくださらなかったけど、いくつか分かったことがあります。

 提督は、厳密に言えば“隠し事”はしていません」

 

「え? あの、それってどういう……」

 

「確かに“秘密”はある、それは間違いないでしょう。でも、提督にはそれを“本気で隠す”つもりがない」

 

「どういう意味だ?」

 

「提督は才気煥発な方ではないけれど、決して愚かな方でもありません。隠そうと思えば、もう少しやりようがあったはずです」

 

「ああ、言われてみればそうよね。バレても構わない、って程じゃないにしても、“何かを知ってる”こと自体は隠してないし。そもそもそうじゃなかったら、那智姉さんがこんなにピリピリすることもなかったはずよね」

 

「むっ……」

 

「提督は“質問は具体的に”と仰いました。おそらく、適切な問いにならばしっかりと答えてくださる筈です」

 

「例えば、“羅針盤って何なんですか”とかですか?」

 

「いえ、それではまだ曖昧過ぎるのでしょうね。もっと踏み込んで、その正体に言及するくらいでないと」

 

「だが、何故そんな回りくどいことをする」

 

「可能性の一つですけど、“言わない”のではなく“言えない”のだとしたら……」

 

「誰かに監視されてるってこと?」

 

「スパイか!?」

 

「まだそこまでは……あるいはもっと別の理由かもしれません」

 

「あ、あの……」

 

「どうしたの、羽黒」

 

「そもそも、司令官は元は一般の方なんですよね? それなのにどうして……」

 

(そう、それも提督の謎の一つ。艦娘にまつわる情報は最高機密の筈。それなのに、どうして提督はあるいは上層部でも知らないようなことを知っているのかしら? それらの情報は、いったいどこから……)

 

「要は、自力でその“秘密”とやらを暴いてみろということか」

 

「あっ、なんかそれ楽しそう!」

 

「ね、姉さんたち……」

 

「羽黒も興味あるでしょ、提督のヒ・ミ・ツ」

 

「あぅ、そ、それは……」

 

「ほどほどになさいね、あなた達」




~鎮守府裏日誌~

提督の“秘密の存在”に気付いている勘のいい艦娘は結構いるよ。でも、本当の意味でその“秘密”を看破している娘はいないんだ。情報が少ないというのもあるけど、多少の不信感があっても最終的には“何か理由があるんだろう”と考えて、そこまで本格的に踏み込もうとしないからだろうね。
元々“人間に造られた艦”だからか、彼女たちは基本的に人間に対して好意的かつ従順な性質があるんだ。曙や霞みたいなタイプも結局は指示に従うしね。

でも、それとは別に提督は結構色々なところにヒントをちりばめているから、全員で情報を持ち寄ればいいところまでは迫れるかもしれないよ。

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
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