〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「それは……お疲れさまでした」
「いや、久しぶりにどっと疲れた」
「人気者は辛いですね。さ、まずは一献」
「っとと。まぁ、慕ってくれるのは嬉しいんだけどねぇ。まったく、“本土に恋人を残してる”“その人と今度結婚する”“そのために提督を辞めるかもしれない”って、どうしてそんな話になるかな……」
「ですが、青葉さんらしくありませんね。多少の誇張やデマは以前からもありましたけど、ここまで事実無根なことはなかったと思いますが……」
「うん。青葉の記事は基本的に“みんなが楽しめる”ことが前提だからね。許可を出す時に、“笑い話で済む範囲で”って言っておいたし、彼女もそれを守ってきた。
実際、今回のことも青葉の記事を読んだ娘からの伝言ゲームで誤解が広がったみたいだし」
「それは……青葉さんを責められませんね」
「そういうこと。その誤解を解くのが一苦労だったわけだけど」
「それで……」
「うん?」
「提督は結婚の方はどうお考えなんですか?」
「結婚の予定はないよ、そもそも相手がいない。“ケッコンカッコカリ”については……考え中かな」
「電さんではだめですか?」
「……意外ってわけでもないけど、間宮もそういうことに興味あるんだ」
「あら、私ってそんなに枯れてます?」
「そう言うわけじゃないよ。ただ、間宮って基本的に“
「……否定は、できませんねぇ。でも、食堂や甘味処を切り盛りしていれば、自然と耳に入ってきますから。たぶん、鳳翔さんもご存じだと思いますよ。いまはどこも、
「うへぇ……」
「ふふっ、どうぞ。今日のおつまみは“サーモンの燻製”です。響さんからのリクエストで“ウォッカに合う肴を”と」
「あの外見で有数の酒豪なのが未だに慣れないんだよなぁ……。
まぁ、それは置いておくとして、つまみとしてはオーソドックスだけど……かなり香りが強いね。何のチップ?」
「ヒノキを使っています。燻製に適さないと言われていて、ちょっと冒険しちゃいました」
「……楽しそうで何より」
「楽しいですよ。みんな美味しそうに食べてくれますし、提督が色々な食材を都合してくださりますから。毎日が勉強と発見です」
(………………もし俺の考えている通りなら、うちに…というか
大本営との繋がりは極力薄くしてきたから、ほとんど書類上のやり取りしかなかったけど、“ケッコンカッコカリ”の申請をした後もそのままでいられるかどうか……。今までにも色々な要請や抗議なんかはあったけど、それらとはわけが違う。どっちもお互いに半ば無視し合ってきたのが、曲がりなりにも“申請を出して現物を受け取る”っていうやり取りが成立することになる。それを口実に、本格的な干渉があるかもしれない)
「……考え事ですか?」
「……色々責任があるからね。戦うのはみんな任せだけど、だからこそできることはしなくちゃだから」
「あまり、お一人で抱え込まないでくださいね」
(繋がりが強まって困るのはこっちの方だ。いやまぁ、色々好き放題やって来たって言うのもあるけど、それ以上に……大和が危ない。ただでさえ謎があるのに、詳しく調査されたらどうなることか。
それならいっそ、俺の方に目が向くようにした方が良いんじゃないか? 元々目はつけられてるし、多分早いか遅いかの違いだ。二人よりは一人の方が良いし、俺に関しては手がないわけじゃない。“協会”としても、俺のことを詳しく調べられるのは面白くない筈。その場合も、俺の身の安全は保障されないけど……何を選んでもそこは変わらないだろうからなぁ)
「提督?」
「ねぇ、間宮」
「はい」
「もし、実は“ケッコンカッコカリ”が必要ないとしたら、どうしたらいいと思う?」
「…………………………私に難しいお話はわかりませんが、必要ないならしなくてもよいのではないでしょうか」
「うん……」
「もちろん、しなければ遠からず“必要ない”理由が露見することになりますけど、してもデータの提供は求められると思います。なにしろ、まだまだ実施例は多くありませんから。なら、他との比較で“必要ない”理由が浮き彫りになるかもしれません。それなら、してもしなくても同じではないでしょうか」
「…………なるほど、確かにその通りだ」
「迷いは晴れましたか?」
「うん、おかげで踏ん切りがついた」
「それはよかった」
(モリアーティとかカエサルあたりならもっと上手くやるんだろうけど、俺じゃこれが関の山だ。それでも、できる限りの種は蒔いた。それがどう芽を出して、どんな花を咲かせるかは……成り行きに任せるとしようか)
「提督、私はここが好きです」
「そうだね。はじめはどうなることかと思ったけど……いい場所になったと思う」
「その中心があなたです」
「……」
「何をお考えかは存じませんが……ご自愛してくださいね。ここには、
「まだ?」
「はい、まだ。そして、あなたのいる場所が“ここ”なんです。それを、どうか忘れないでください」
「……………ありがとう、間宮。覚悟、決まったよ」
(晴れやかな顔。でも、死を覚悟した顔とも違う。あなたは、何を見据えているのでしょう)
~鎮守府裏日誌~
立ち位置としては“スパイ”のひとりの間宮だけど、そもそもあの派閥はまとまりがないし、彼女自身帰属意識とかないからね。実質的には正しい意味での“中立”……だったんだけど、割とここの居心地がよかったからか、このころには随分と肩入れするようになっているようだよ。
決して、美味しいお酒を教えてもらったとか、それに合う肴を任せてもらったとか、色々な食材を融通してくれたからとか、そんな理由で釣られたわけじゃないぞぉ!
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww