〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:提督、電


「ケッコンカッコカリ 3/3」

「あの、司令官。人払いまでしてどうしたのです?」

 

「うん。みんなにはあとで報告するつもりだけど、電には先に個別に言っておいた方が良いかなと思って」

 

(はわわわっ!? まさか、本当に……? ま、まだ全然心の準備ができていないのです!)

 

「確認するけど、電の練度って今どれくらい?」

 

「き、昨日98になったのです!」

 

「そっか。じゃあ、本当にもう目の前か」

 

“ゴクッ”

 

「まぁ、あんまり勿体ぶるのもアレだし…電」

 

「は、はひっ!」

 

「俺、誰とも“ケッコンカッコカリ”しないから」

 

「はいっ! 不束者ですが、これからも…へ?」

 

「いやだから、誰とも“ケッコンカッコカリ”しないってこと」

 

「だ、誰とも? それはつまり、電だけではなく大和さんとも……?」

 

「大和はもちろん、他のみんなとも」

 

「でも! “ケッコンカッコカリ”すれば練度は上がるし性能も上がるし、逆に燃費は下がるのですよ!」

 

「うん、でもしない。何しろ必要ないからね」

 

「必要、ない?」

 

「唐突だけどさ、“結婚”にしろ“ケッコンカッコカリ”にしろ、どっちもある種の“契約”みたいなものと言えないこともないよね」

 

「……そう、ですね。書類は、ある意味“契約書”にも似ています」

 

「そうそう。じゃ、“ケッコンカッコカリ”は何の契約なのかな?」

 

「え?」

 

「別に、人生を共にするとかそういう意味じゃないわけでしょ。かといって、契約が成立すれば今電が言ったような恩恵を受けられる。それって、どうしてなのかな?」

 

「……わかりません。“ケッコンカッコカリ”だけではなく、私たちのことも含めてわからないことだらけなのです。司令官には、なにか考えがあるのですか?」

 

「確証も証拠もあるわけじゃないけどね。あれはたぶん、“契約の上書き”なんだ」

 

「契約の、上書き?」

 

「おそらく、艦娘にはそれぞれの提督とは別に“正規の契約者”がいる。提督は、その“契約者”の代わりなんだ。“練度”にはもちろん“艤装の扱い”だったり“本人の成長の度合い”って言う意味もあると思う。でもそれらとは別に、“代わりの契約者(提督)”との“繋がりの強さ()”でもあるんだ。そして、練度の上限が99なのは、正規の“契約者との繋がり”を『100』と仮定して逆算しているから。仮初の契約者との繋がりが正規のそれより高いのは矛盾するからね。で、それを突破するための手段が“ケッコンカッコカリ(契約の上書き)”なんだ」

 

「ど、どういうことなのです?」

 

「“仮初の契約者(提督)”を“正規の契約者(マスター)”にする、そのための儀式が“ケッコンカッコカリ”ってこと。練度の上限が99なのは、限りなく正規の契約者に近い状態まで持って行かないと上書き自体ができないからだろうね。そう考えると、色々なことに説明がつく」

 

“ゴクッ”

 

「“練度100”って言うのは言い換えれば『1』、ようやくそこからがスタート地点なんだ。提督と艦娘は、まずマイナスのところから『練度0(練度99)』を目指し、“ケッコンカッコカリ(契約の上書き)”で『練度1(練度100)』に到達する。『1と2』に大きな違いはないけど、『0()1()』は全くの別物だ。それが、燃費や耐久値なんかに影響しているんじゃないかな」

 

「で、でも! たとえそうだとしても、司令官と“ケッコンカッコカリ”をしない理由にはならないのです! そもそも、私たちはその“正規の契約者”さんなんて……」

 

(そうだろうね。()()、みんなとの契約の繋がりは感じない。だけど6年前のあの日、確かに“誰かとつながった懐かしい感覚”があった。きっと、それがこの娘たちの()()なんだ。性質としてはおそらくナーサリーに、能力的には百貌に近いんだと思う。妖精さんは……ネモかな?

 言うなれば、艦娘のオリジナルとも言うべき英霊がハブになる形でつながっているんだろう。直接的なつながりを感じない理由も、それなら説明がつく)

 

「そもそも、どうして司令官はそんなことを……。っ! まさか……」

 

「あくまでも仮説だよ。答えは……たぶん、すぐに出る」

 

「一つだけ、教えて欲しいのです。司令官、あなたはいったい何を知って……いいえ、私たち艦娘とは何なのです?」

 

「……ごめん。今はまだ言えない」

 

(今までなら、答えられない質問には『その聞き方じゃ答えられない』と言っていたのに……それはつまり、これが司令官の抱える“秘密”に直接関わることだから)

 

「意地悪で言わないんじゃないよ」

 

「わかっているのです。司令官は、そんなことをする人じゃないですから」

 

「……うん。今回の場合、単純にタイミングが悪いんだ。あ、電じゃなくて俺のね。

 もう少し前だったら、たぶん全部話してた」

 

「……いいのです。今回のことは、自分でたどり着いたわけじゃないですから。これはノーカンなのです」

 

「…………ありがとう」

 

「………………………帰って、来るのですよね?」

 

「……」

 

「電たちを置いて、どこかに行ったり、しないのですよね」

 

「………………………………………俺に何かあったら、後のことは電と大和に任せる。多分、二人が一番俺の考え方とかやり方を理解しているだろうから」

 

「司令官!?」

 

「でもまぁ、二人だけで決めないで()()()()()()()()()()()ね。人が変われば視点が変わる、きっと一人では見えないもの、知らないものが見えてくるだろうから」

 

「…………………………………………………………………………」

 

「さ、この後も出撃だろ。気を付けて行っておいで」

 

「……はい、なのです。失礼します」

 

“キィ…パタン”

 

(……ごめんよ。

でも、君たちは“何も知らない”ままじゃないといけない。今回はちょっとヒントを出し過ぎたけど、それでも()()()()()。艦娘は本質的に人間に対し従順だ、問い質されれば…それこそ“軍令”を持ち出されれば答えないわけにはいかなくなる。でも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 活路はそこだ。一人じゃ無理だ、二人でも足りない。でも、みんなで協力すれば……きっと、たどり着ける。まぁ、流石にすべての解答を…とはいかないけど、“答えを知る者”には届く。あとは……成り行き任せ、かな。みんなは多分大丈夫だけど、俺に関しては……今までの行い次第、なるようになるさ。

 ああでも……大淀はあんまり気に病まないと良いなぁ。別に彼女が悪いわけじゃないし、ただ真面目に職務を果たすだけなんだから。出来れば、大淀も肩の力を抜けると良いんだけど、こればっかりはな……)

 

 

 

―――電の練度が100に到達するのは、これより一週間後のこと。

 

―――そして、大本営より『出頭命令』が下されるのは、さらに3日後のことだった。

 




~鎮守府裏日誌~

六年前、深海棲艦が現れてしばらくたった頃、提督は何かを感じたことがあったらしいね。出来ればすぐにでも動き出したかっただろうけど、その時の彼の立場でできることはないに等しかったんだ。だから、彼はじっと六年間待ち続けたのさ。誰にも、何も語らずに……かつて、十年に渡って一人走り続けた人に倣ってね。

「英霊 ●●●●●●(〇〇)
深海棲艦という脅威を前に流石に放置は悪手と重い腰を上げた魔術協会からとある“特殊資材”が国連に貸与されたんだ。それによって召喚された、近代における“〇〇の概念の集積”であり、“極めて霊基が不安定な英霊”が()()だよ。ああ、ちなみにクラスは“ライダー(騎兵)”だね。
自我は薄い…というよりも混濁していたというのが正しいかな? 自発的な行動も発言もしないし、ただただ命ぜられるまま…ではなく、命令がなければ動けなかったのさ。とはいえ、その力は当時ほとんど人型を為していなかった深海棲艦を薙ぎ払うには十分過ぎるものだった。そうだね…戦い方は戦艦〇級をイメージするとわかりやすいかな。だけど、彼女を常用するにはいくつもの問題点があったんだ。
その最たるものが、彼女に引きずられるように徐々に人型を為し、戦力を劇的に向上させつつあった深海棲艦の存在さ。鬼級や姫級といった強力な人型深海棲艦が確認されるようになったのは、彼女が召喚されてからのことだね。早い話が、ビビッて手を引っ込めたのさ。それと、彼女一騎に対し深海棲艦の数は膨大、とてもでじゃないけど手が回らないというのもあるね。それらの事情から反攻作戦はいったん凍結されることになったんだ。
でも、そこへ別方面から更なる技術提供があって、最終的には対深海棲艦は“艦娘”という形で落ち着き、各方面に配備され現在に至ったのさ。

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
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