〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:提督、蒼龍


「ソーリューズ・ヘル」

(あ、提督だ。何食べてるのかな?)

 

“サクサクッ”

 

(ん~…クンクン。香ばしい匂いもするし、音からしてスナック系かな? ずるいなぁ、もう!)

 

“パリパリッ”

 

「美味しそうですね、提督。私にも分けてもらえませんか?」

 

「蒼龍? まぁ、別にいいけど……」

 

「わぁっ! うれしいな~」

 

「でも意外だな。蒼龍ってこういうの好きだったっけ?」

 

「甘味はもちろん好きですけど、しょっぱい系も好きですよ」

 

「そう言う問題かな? まぁ…はい」

 

「やったぁ……………えーっと、あの…なんですか、これ」

 

「セミの素揚げうす塩味」

 

「やだやだやだぁ!?」

 

「あ、逃げた」

 

 ・

 ・

 ・

 

「……………………提督って、虫食べちゃう人だったんですか」

 

「そんなに引かなくても、あと言い方」

 

「で、でもぉ……」

 

「そんなに驚くこと? セミはあんまりポピュラーじゃないかもだけど、日本にだってイナゴの佃煮くらいあるじゃん」

 

「そうだけどそうじゃないから! もう、ビックリして九九艦爆が零れるところだったんですからね」

 

「じゃあ、こっちもやめた方が良いか」

 

「……ちなみに、それは?」

 

「何かの幼虫、ちなみに生」

 

「………………………………………」

 

「ほらほら、無言で距離を取らない。別に、無理矢理食べさせようなんて思ってないから」

 

「なんでそんなもの食べてるんですか?」

 

「ハッキリ言って、食材が足らない」

 

「へ? あ、あ~……」

 

「輸送が……というか、上がアレコレ理由をつけて渋るからさぁ。お金があっても、物がなければどうにもならないんだよ。でも、流石に“食”は“どうにもならない”で済ますわけにもいかない。だから、無いなら別のもので何とかするしかないってこと」

 

「それで、虫ですか?」

 

「虫は大抵のところにいるしね、毒には気をつけなくちゃだけど。それに、抵抗感さえなくなれば結構美味しいよ。タンパク源としても優秀だ。

 油で揚げればサクサクとした食感が小気味いいし、適度な塩分との相性ばっちり。幼虫もクリーミーで癖になる。何を食べてるかは気を付けた方が良いけどね、そこで味が決まるから。その意味では、オススメは蜂の子。

 昔、旅をしている時はすっごくお世話になったものさ。食材が手に入るとは限らなかったからなぁ、ゲテモノにも慣れたっけ……」

 

「た、大変なんですね。いや、虫の食レポ聞かされる私も大変ですけど」

 

「まぁ、この辺は嫌いな人はホントに駄目だから、これは俺用。とりあえず、畑と漁で半自給自足していく方針だから、心配しなくていいよ。準備はしてたし、畑の方は近いうちに収穫できる見込み」

 

「あ、そうなんですね(ホッ)」

 

「身体を張ってくれてるみんなにひもじい思いをさせるわけにはいかないからね」

 

「はい、それならバッチリ戦えます」




~鎮守府裏日誌~

提督は基本、“人間に食べられる”ものなら何でも食べられる人だよ。一般的には“ゲテモノ”扱いされるもの、“匂いが独特(強い)”なものetc……。積極的に食べたいかはともかく、顔色一つ変えずペロッと平らげてしまうのさ。
まぁ、流石にそれを艦娘たちにまで強要することはしたくないから、ある程度自給自足するための準備はしているけどね。とはいえ、調味料の類は中々難しいところではあるけど、幸い回りが海に囲まれているから“塩”だけはいくらでも手に入るよ。提督曰く「とりあえず塩があればなんとかなる」だって。艦娘たちは一様に「この人どういう人生送って来たんだろう?」って首を傾げてるんだ。

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww

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