〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「あ~、ガングートさん良い飲みっぷりですねぇ~」
「何のことだ? これは
「そうですね~、ポーラが飲んでるこれも
「ほぅ、南の水か。興味がないと言えば嘘になるな」
「ポーラも北国のお水に興味津々です~、ヒック」
「ふむ。では、私の水と交換してみるか?」
「いいですね~」
「ポーラ、飲み過ぎよ」
「ザ~ラ姉さまだいじょうぶ、ポーラが飲んでるのはお水ですから~」
「それのどこが水なのっ!」
「お水はお水ですよ~」
「……どっちも“水”を意味するってだけじゃないの」
「あの様子だと、そのうち“ウィスキーも水”と言い出しかねないな」
「アーク、近いわ。もっと離れてちょうだい」
「そう邪険にするなビスマルク、私とお前の仲じゃないか」
「どんな仲よ!? いいから、私の半径5ⅿ以内に近寄らないで!」
「むぅ…聞いてくれ、レディ。ビスマルクがまた私を除け者にしようとするのだ。これが世に聞く“イジメ”というやつなのか?」
「もうビスマルク、昔のことを持ち出してアークをイジメないで。過去の遺恨は持ち込まない、初めにそれを口にしたのは貴女でしょう?」
「ええ、その通りよ。でも、アークに執拗に追いかけ回されたのはトラウマなんだから! そのあたりちょっと配慮して欲しい、切実に!」
「だそうよ、アーク」
「そうか…まぁいい。今は共に肩を並べる戦友同士、時間が解決してくれるのを待つとするわ。
なに、タフさではビスマルクに一歩及ばないが粘り強さには自信がある。私は諦めん、覚悟しておけビスマルク」
「ええ、それはもう身を以て知っているわ。とりあえず、そのギラギラした目でこっち見ないで。夢見が悪くなるから」
「お姉さま、しっかりしてください!?」
「ふっ、いずれはホームパーティに招待する間柄になってみせよう」
「大変です、お姉さま! 私、聞いたことがあります。とりあえず根菜をマッシュしたり、ぶつ切りにしたウナギを臭みも取らずにゼリーで寄せたり、パイ生地に魚の頭をぶっ刺したのがイギリス料理のスタンダードだって」
「……絶対行かない」
「あら、なんだか物凄い風評被害を被った気がするわ」
「うむ、流石に心外だ。チョイスさえ間違わなければ、割と何とかなるというのに」
「言っておくけど、普通そこまで盛大な外れなんて早々引かないわよ」
「皆さん、お疲れ様です。今回の作戦も皆さんのおかげで無事に乗り切れました」
「あら、Admiral。この私がいるのだもの、当然の結果よ。でも、もっと褒めてもいいのよ?」
「はい、今回もビスマルクさんは大活躍でした。ウォースパイトさんにアークロイヤルさんも、ありがとうございます」
「当然のことをしたまでよ。全ては皆さんの健闘がなしえたこと。そうよねアーク?」
「ああ。それに、Admiralの指揮もよかった。次の作戦も期待しているわ」
「いえ、私なんてまだまだで……」
「提督~、飲んでますか~。ポーラ? ポーラはご機嫌で~す」
「待ちなさいポーラ! 申し訳ありません提督、ポーラったらもう……」
「あ~、なんか熱くなってきた~。提督も飲んで脱ぎましょ~」
「ポーラ」
「なんですか~、ビスマルクさ……」
「羽目を外すのは良いけど、節度は守りなさい。アルコールの強要は立派なハラスメント、隊内規則にも載っているでしょう!」
(そんな項目まで作ってたのか)
(流石ドイツ、規則にうるさい)
「え~、でも~」
「特に提督にはダメ、絶対! この人、一口どころか一舐めしただけで記憶をなくすくらい弱いのよ!」
「「「え?」」」
「……はい。実はそうみたいで、飲んだ記憶もないんです。ビスマルクさんからも、くれぐれも飲酒は控えるようにと」
「……」
「なにか言いたことでも、ウォースパイト」
「……いえ、そんなに弱いのならあなた達のことだからてっきり提督を酔わせて何か不埒なことを考えるんじゃないかと……」
「失礼ね。紳士協定云々以前に、そういうことは合意の上ですべきよ。既成事実は別にいいけど、なし崩しにずるずると行くのはお互いのためにならないわ」
「本当に……あなたって、変なところで真面目というか」
(だがレディ、そういうビスマルクがまとめ役だからこそ、今までAdmiralの貞操は守られていたのではないか?)
(それもそうなのだけど……)
「なにより……手に負えないのよ」
「「は?」」
「……そうですね。あの時は大変でした」
「以前、一度提督がお酒を飲んだことがあるのよ」
「提督、ちょっと酒乱の気があって……」
「詳しいことは提督の名誉のために伏せるけど、取り押さえるのに苦労したわ」
「そんなにか?」
「艤装なしだと私たちじゃ手に余るわね」
「ビスマルクお姉さまも、何度も無造作に放り投げられてましたもんね」
「待て、提督にか? あの細腕で?」
「Oh……ちょっと、信じられないわ」
「気持ちはわかるわ。でも、まぎれもない事実。だから、くれぐれも提督にお酒は……」
「ほわ~、なんだかふわふわしマシュ~」
「誰っ!? 提督にお酒飲ませたの! ポーラ、あなたの仕業!?」
「え~、違いますよ~」
「じゃあ誰!」
「あの、ビスマルクさん」
「ザラ?」
「私が見ていた限り、提督はジュースしか飲んでいなかったと思うのだけど」
「間違えてジュースみたいなお酒を飲んだとかでしょうか?」
「いや、提督の近くにあるのはどれもジュースだ。アルコールは含まれていない」
「……ねぇ、ビスマルク。なんだかやけにアルコール臭くないかしら?」
「言われてみれば……」
「つまりだ、私は社会主義そのものにはさほど拘りはないのだ。社会主義は完璧なシステムだったが、生き残るのは“強い”ものでも“優れた”ものでもない、“適した”ものだ。それは制度も同じ。今の時代、今の世界に共産主義は適さなかった、それだけに過ぎん。まぁ他の同志たちは別の考えかもしれんが、私は帝政ロシアの生まれだからな。ブルジョワだのなんだのと細かいことを言う気はないぞ、アメリカ艦」
「ね、アイオワ。そんなに警戒しなくても大丈夫ですから」
「Hmm……まぁ、サラがそう言うなら」
「ヒック、大切なのはいつだってこれからだ。私は諸君らとも真の同志となりたいと思っているぞ。うぃ~」
「これが酔っ払いの戯言でなければ、だけど」
「ちょっとガングート、あなたが飲んでるそれって……」
「ん?
「まさかっ!?」
「気化したアルコールで!?」
「えっ、Admiralったらそんなに弱いの?」
「なるほど、これは確かにビスマルクが禁止したのもうなずける」
「そんなこと言っている場合じゃないわ。プリンツ!」
「はい!」
「あなたは艤装の準備を。その間、私たちで何としてもAdmiralを抑える!」
「……………えっ、私も!?」
「まぁ、そういうことだろう……いや、待てビスマルク」
「だからアーク近い、離れて」
「そんなことはどうでもいい。アレを見ろ」
「見なさいこの手の震えを、どうでもよくは……あら?」
「提督さん、寝てませんか?」
「もしかして、酔いが深くなると寝ちゃうタイプなのかしら?」
「そこらへんどうなのだ?」
「……わからないわ」
「前の時は、一口舐めてフラフラしだしたのを支えようとしたら投げ飛ばされて、あとはその繰り返しでしたから、酔いが深くなったらどうなるかは私たちも……」
「まさか、こんな簡単なことだったなんて、あの時の苦労はいったい……」
「お姉さま、そんなに気を落とさないでください」
「プリンツ……」
「ん~……しぇんぱい~。わたひ、さびしぃでふ。もういちど、あい、たい……」
「ビスマルク、先輩ってなにか…ヒッ!?」
「「〈●〉〈●〉」」
「おい、どうしたビスマルク、プリンツも。なんというか…凄い目をしているぞ」
「お姉さま、男ですか? 男なんでしょうか?」
「お、おおおおおおおおおおお落ち着きなさい、プリンツ。ま、まだそうと決まったわけじゃないわ」
「でも、でも!? 提督はフリーだと思ってたのに……!」
「大丈夫よ! もしそうだとしても、今提督の側にいるのは私…たちなんだから!」
「いま“私”って言おうとしたわよね」
「ああ、内心で何を考えているか窺えるな」
(どこのだれか知りませんけど)
(提督の貞操……ゲフンゲフン、提督は私がもらうわ!)
「お姉さま、これはみんなで共有すべき情報です」
「ええ、私たち全員で目を光らせるべきことよ」
「ねぇアーク、私…顔も名前も知らないけどその“先輩”さんに同情するわ」
「私もだ。厄介な連中に目をつけられたな」
「提督に近づく男に」
「「「慈悲など要らぬ!!」」」
「どこから湧いて出た、あのアメリ艦」
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・
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“ゾワッ”
「どうかしたのです、司令官?」
「いや、なんかいま背筋に悪寒が。俺、近々死ぬかもしれない」
「馬鹿なこと言ってないで、キリキリ次の書類を決裁するのです。でないと、また夜中まで残業なのですよ」
「は~い」
~鎮守府裏日誌~
提督は相変わらずお酒に弱くてねぇ……以前、勧められるままに一口舐めたら、それはもう大変なことになったんだ。
基本、人間よりも強靭な体を持っているはずの艦娘たちを、意に介すことなくポンポン放り投げて大暴れ。朝提督が目覚めると、そこには死んだように倒れ伏す艦娘たちと、空き巣にでも入られたかのように荒れ果てた店だけが残っていたという次第なのさ。もっと飲ませてしまえば、そんな苦労しなくて済んだんだけどねぇwww
以来、艦隊では「Admiralにアルコールダメ、絶対」が暗黙の了解になったんだ。
ちなみに、滅茶苦茶お酒に弱い提督だけど、二日酔いとかには別にならないよ。
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww