〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:提督、電、大和、響、隼鷹、千歳、千代田、霧島


「お疲れさまでした!」

「え~……改めて皆、お疲れさまでした」

 

「「「お疲れさまでした~!」」」

 

「今回の作戦(上からの無茶振り)も、一人も欠くことなく乗り切れたのはここに居るみんなの頑張りあってこそだった。主力艦隊はもちろん、敵中枢への道をこじ開けてくれた第二艦隊、露払いと支援艦隊の足止めの両方を完璧にこなしてくれた各戦隊、そして後方を支えてくれた兵站班……誰か一人でもいなければ、この結果は得られなかったと思う。まずはそのことにお礼を言いたい、本当にありがとう!」

 

「「「……」」」

 

「みんなの頑張りに対する労いとしては細やかかもしれないけど、今夜の打ち上げは心置きなく楽しんでほしい。

 最後に、こんな頼りない指揮官を支えてくれてありがとう。みんなの信頼に応えられるよう、これからもできる限りのことをしていくことを約束する。

 とまぁ、堅苦しい話はこのくらいにして……今夜は無礼講だ! 色々奮発したから残さず平らげろよ!」

 

「「「もっちろんでーす!!」」」

 

「よし! それでは…乾杯!」

 

「「「かんぱーいっ♪」」」

 

 ・

 ・

 ・

 

「千歳お姉、美味しそうなのいっぱいあったから色々もらってきたよ」

 

「あら、ありがとう千代田。ん~…この煮物、味が染みてて美味しい。お酒にも良く合うし、流石鳳翔さん。良い仕事してる」

 

「もう、あんまり飲み過ぎないでよね。お姉、すぐに酔っぱらっちゃうんだから」

 

「その分覚めるのも早いからだいじょ~ぶ~。それにしても、提督ったら本当に奮発したのね。このお酒、凄くいいものよ」

 

「まったくもぅ……はっ! まさか提督、千歳お姉を酔わせて何かするつもりなんじゃ……!」

 

「うふふ……私、提督に何をされてしまうのかしら?」

 

「お~う、呑んでるか千歳ぇ……って、なんで千代田は殺気立ってんだ?」

 

「隼鷹? さぁ、なんでかしら~」

 

「……まぁいっか。無礼講無礼講~♪ 今夜くらいハメ外しちまえばいいのさ」

 

「……よし、ちょっと提督にトドメさして来よう」

 

「そこまでだよ千代田」

 

「ぐえっ!? ちょっ、響…首、首締ま……!」

 

「丁度いいからそのまま落ちると良いよ。それが嫌なら、大人しくしているんだ」

 

「……わかったわよ」

 

「うん、せっかくの打ち上げで乱闘沙汰は無粋だ。心配しなくても、司令官が不埒な真似をすることはないよ」

 

「なんで言い切れるのよ」

 

「色香にやられる人なら、とっくの昔に鈴谷なり金剛なり、誰かしらとしっぽりやっているはずだからね。どれだけ誘惑されても“NO”と言える鋼の自制心の持主だ。仮に千歳が色仕掛けしたとしても望み薄だろうね」

 

「千歳お姉はそんなことしないわよ! …………まぁ、それはそれで頭に来るけど」

 

「やれやれ、これだからシスコンは」

 

「何か言った」

 

「いいや、何も」

 

「それにしても……」

 

「ん? あたしの顔がどうかしたのかい?」

 

「う~ん、あなたのことだからてっきりもっと呑んでるかと思ったんだけど……」

 

「あ~…そりゃ、この後のお楽しみがあるからね。いくらあたしでも、その前に潰れるわけにはいかないって」

 

「お楽しみ?」

 

「ああ、そういえば千歳と千代田は今回がうちに来て初めての大きな作戦だったっけ」

 

「そうだけど……何かあるのかしら?」

 

「……ま、そいつを今言っちまうのは無粋さね」

 

「同感」

 

「…………ところで、響の方からスゴイアルコール臭がするんだけど、あんた何飲んでんのよ」

 

「スピリタスだよ」

 

「なにそれ?」

 

「飲んでみるかい?」

 

「止めといた方が良いぞ~。それ、あたしでもきついからな~。なにしろ、度数96のアルコールそのものみたいな酒だ。前に飛鷹が一口舐めてぶっ倒れたのは傑作だったけど」

 

「はぁっ!?」

 

「隼鷹、ネタバレはよくないよ」

 

「千代田だって少しは飲むんだろ? なら、この後のお楽しみを逃すのは可哀想じゃんかよ~」

 

「むっ…それもそうだね。悪かったね千代田、薦めるならもう少し後にすべきだった」

 

「そもそもそんなもの薦めるな!!」

 

「…………あの娘、ああいう娘だったのね」

 

「あ~、響はその辺の切り替えしっかりしてるからな~。普段は真面目だけど、こういう時は思いっきりハメ外すんだ。ギャップの大きさは艦隊一なんじゃないかね?」

 

「あなたと違って?」

 

「アハハハハ! そうそう、あたしと違って! ついでに、アイツうちで一番の酒豪だよ。ザル通り越してワクだからな~」

 

「それはまぁ、あんなものをラッパ飲みしてればね」

 

「一応言わせてもらうけど、普段はジュース派だよ。偶にウイスキーも飲むけどね。コイツ(スピリタス)は特別な日のとっておきさ。こんな場所だからなかなか手に入らないしね」

 

「そ、そう……」

 

「お姉、アイツもう一瓶空けたわよ……」

 

「……………………………………飲むかい?」

 

「飲むわけないでしょ!!」

 

「……そうか」

 

「なんで無表情なのにちょっと残念そうに見えるのよ」

 

「飲んでひっくり返る千代田をぜひ見たかった。きっととても愉しかったのに」

 

「アンタ、性格悪いって言われない?」

 

「“イイ性格してる”とは言われるよ」

 

(それ同じ意味でしょうが!!)

 

「あー、あー…マイク音量大丈夫? チェック、ワン、ツー……。

はい、それではみなさん。宴もたけなわではございますが、ここで恒例の……提督チャレンジのお時間がやってまいりました――――――っ!!」

 

「「「わーいっ! 待ってましたー!」」」

 

「え、え?」

 

「何が始まるのかしら?」

 

「まぁ、簡単に言うと提督の隠し芸だよ」

 

「上手くいったら、提督が秘蔵の酒を振る舞ってくれるのさ。さぁて、今回は何を見せてくれるのかねぇ?」

 

「そんなに期待するようなものなの? まぁ、アンタたちならその“秘蔵の酒”欲しさなんだろうけど」

 

「それがないとは言わないけど、毎回中々見応えがあるからね」

 

「この前は龍田の一撃を、身代わりの術で避けたっけねぇ」

 

「提督は忍者だったのかしら?」

 

「その前が間宮作激辛羊羹のロシアンルーレット。さらにその前は、明石の作った爆弾を解体したよ……失敗してアフロになったけど。秘蔵の酒にはありつけなかったけど、アレはハラショーだった」

 

(……ホントに無礼講だってのはわかったわ)

 

「さて、今回のお題は……はい、ドラムロールお願いします」

 

“ダララララララララララララララララ……!”

 

「うふふ……みんなノリが良いわね」

 

“……ダダンッ!”

 

「奇跡の大脱出“汝、叛逆を忘れず”! 解説しますと……まず、提督を手枷と足枷で拘束します。さらに首枷もつけてっと……さあ、提督はこの状態から見事脱出できるのでしょうか!

 無事脱出できれば拍手喝采、さらには提督から秘蔵の逸品が振る舞われます。もちろん、失敗すればなし。皆さん、成功を祈って応援お願いします」

 

「「「司令官頑張れーっ!」」」

 

「「「提督ー! 失敗したら承知しないぞー!」」」

 

「いや~、駆逐艦たちを中心とした純粋な声援が胸を熱くしますね。逆に、酒飲みたちの現金なこと。

 では提督、一言お願いします」

 

「これからの脱出劇には種も仕掛けもない。刮目してみよ、これが人間の可能性だ!」

 

「良い啖呵、ありがとうございます!」

 

「……なるほど、マジックですか。本当に多芸な方なのね」

 

(よし。その手品のタネ、絶対見破ってやる)

 

「なぁ~、響~。どう思う~?」

 

「司令官のすることだからね。ただのマジックとは思えないな、ヒック」

 

「それではみなさん静粛に。それではカウント入ります。スリー、ツー」

 

「あれ、隠したりしないの?」

 

「てっきり布で隠して、とったら脱出してた…というものだとばっかり」

 

「? 司令官を見なよ、あの緩み切った顔」

 

「ウィ~…どうするつもりなのかねぇ」

 

「ワン…ゼロ!」

 

「…………アッセイ!!!」

 

“バキンッ! バキンッ! バキンッ!!”

 

「「「………………………………(シ~~~~ン)」」」

 

「えっと……」

 

「ほら霧島、脱出成功だよ」

 

「あ、はい。そう、ですね。確かに、その……枷は外れてますし、脱出成功…です」

 

「「「ち……力技だぁ――――――――――――っ!?」」」

 

「アヒャヒャヒャ! そっか、そうきたかぁ~!」

 

「流石司令官、私たちの予想の斜め上を行くね。ハラショー」

 

「あら~……提督って、凄い人だったのね」

 

「いやいやいやいや! 千歳お姉、どう考えたっておかしいって!」

 

「そ、それではチャレンジ成功ということで、提督秘蔵の逸品をどうぞ」

 

 ・

 ・

 ・

 

「それで、これがその?」

 

「おう。まずは何も言わず飲んでみなって」

 

「お姉、大丈夫なの?」

 

「大丈夫よ。それでは……ッ!」

 

「千歳お姉!? どうしたのお姉!」

 

“ぽ~……”

 

「お~、見事にトリップしたなぁ~」

 

「隼鷹も初めて飲んだ時は同じようなリアクションをしてたよ」

 

「しょーがねーだろー……滅茶苦茶うまかったんだからさ~」

 

「そんなになの?」

 

「とてつもなく芳醇、それでいてキレがよく後には引かない。そんなことしか言えない自分の表現力の乏しさが悔しくてならないよ」

 

「なんてお酒なの?」

 

「さあ?」

 

「さあって……」

 

「あたしも知らないしねぇ。響は?」

 

「私も知らないよ。ウイスキーともウォッカとも違うし……蒸留酒だろうとは思うんだけどね」

 

「あ~、強い割に呑みやすいんだよなぁ。それでいて悪酔いも二日酔いもしないし…ホント何なんだろうね~」

 

「ちなみに、提督のところにお中元感覚で届く代物らしいよ」

 

「そういや、ちょっとくすねようと思って忍び込んだんだけど、いつの間にか簀巻きにされてたんだよなぁ……ありゃなんだったんだろうね? なんかちっこい影が見えた気がするんだけどなぁ~」

 

 ・

 ・

 ・

 

「あいたたた……う~ん、やっぱり身体にくるなぁ」

 

「無茶なことするからなのです。さ、次は背中なのです」

 

「それにしても、どうやって枷を壊したのですか? 提督(マスター)は鍛えていらっしゃいますけど、それでも人の力でできるとは……」

 

「ああ、そこは“火事場のバカ力”ってやつ」

 

「それはあの、命の危機に晒された時に発揮されるという?」

 

「そうそう。まぁ、それそのものってわけじゃないけどね。ただ、意識的にそれに近いことをできないこともないってわけ。

あとは、筋肉の“弛緩”と“緊張”の振れ幅を大きくすることかな。出来るだけ脱力して、瞬間的に最大限の力を発揮する。準備に時間がかかるから、実用的とは言えないけどね」

 

「……さらっとスゴイこと言ってますね」

 

「それで全身筋肉痛になってたら世話ないのです」

 

“パシッ”

 

「イタァッ!? 電、もちょっと優しく……」




~鎮守府裏日誌~

「提督秘蔵の酒」

秘蔵なだけあって、そんなに量がないから滅多に振る舞われない逸品だよ。基本的にはこういった大規模作戦後の打ち上げとか、新年みたいなおめでたい時くらいだね。間宮も、毎回試行錯誤してこの酒に負けない肴を用意しているから、普段あまり飲まない艦娘もこの時ばかりは羽目を外して舌鼓を打つのさ。
とはいえ、銘柄はおろか主原料が何かすら不明っていうよくよく考えなくてもすっごく怪しい代物だけどね。口当たりと喉越しが良いから飲みやすいんだけど、実はかなり度数が高いから酒豪でもないとすぐに酔いつぶれるのさ。まぁ、その割に二日酔いにはならないんだけど。
そんな謎の銘酒の正体を明らかにしようと、この酒が振る舞われた時は白熱した議論が交わされるとかされないとか。

ただ、一部の吞兵衛はちょろまかしてやろうと提督の私室に忍び込もうとしては、翌朝庁舎の軒先に簀巻きにされた状態で発見されるんだけどね。
いやぁ、彼女たちも懲りないねぇ。誰が、とは言うまでもないから言わないけど。

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
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