〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「雲龍! 雲龍! どこ行ったんや、われぇ! おらんのやったら“おらん”て言わんかい! ……って、できるかぁ!!」
「師範? どうなさったんですか、こんな時間に大きな声を出して」
「おおっ、天城か。ちょうどええ所に」
「はい?」
「雲龍見とらんか?」
「姉さまですか? いえ、今朝方隼鷹さんと出撃されて以来お会いしていません。天城は先ほどまで飛鷹さんに着艦訓練を見ていただいていましたし……確か、今の時間ならもうお戻りになっているはずでは?」
「戻っとるのは間違いない。ちょうど今しがた、隼鷹のアホを簀巻きにして転がしてきたところや」
「……え?」
「あいつら、うちのとっときの肴をくすねて行きよったんや。お~の~れ~……晩酌にあれをつまみにキュッとやるんが細やかな楽しみやったのに! それを…遠慮なく全部持って行きよって!! アレ高かったんやぞ!?」
「その、姉さまは少しマイペースなところがあると言いますか、決して悪気はなかったのだと……」
「んなもん知っとるわ。普段はポヤポヤした奴やけど、あいつに悪さするなんて発想ができるとは思っとらん、うちが相手ならなおさらや。
ま、どーせ隼鷹が唆したんやろ」
「そう、ですね。“式使い”……いえ、そもそも空母の中でも師範に悪戯できるのは隼鷹さん位でしょうし。いくら姉さまでも……」
「いやいや、鳳翔さんは別格としても、赤城と加賀もいけるんとちゃう?
まぁ、その時は一から教育しなおしたるけどな♪」
「で、ですので、姉さまにはどうか温情を頂けたらと」
「却下や」
「うぅ、任務中はしっかりしてらっしゃるんですが……」
「アホにほいほいついていく奴にも、それ相応の仕置きは覚悟してもらおか。
ただ、少しは自分の食生活を見直す気になったとしたら、それに関しては喜ぶところやけどな。せやけど、それはそれこれはこれや。ま、後輩に悪い遊び教えるド阿呆よりかは軽くしたるから安心しぃ」
「お、お手柔らかにお願いします」
「それで、雲龍の居所に心当たりないか? 天城に免じて、少しくらいは情けをかけてやってもええんやけど」
「執務室…でしょうか」
「執務って、なんでそないなところに?」
「さぁ? ただ、提督のところに行かれるようになってからちょっと悩んでおられる様子だったのが気になって……」
「? まぁええわ。とりあえず見に行ってみる。おおきにな」
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・
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「提督、いるか」
「木曾? 開いてるからどうぞ」
「遅くに悪いな。こっちに球磨姉たちが来て……」
「球磨と多摩? 夕立とここでくつろいでるけど…どうしたの?」
(………………………………増えてやがる)
「提督さん、このおつまみ凄く美味しいっぽ~い!」
「いくらでもいけるクマ」
「知ってる、これかなり高いやつにゃ」
「ビールが進むクマ~」
「………………………いや、なんで執務室で酒盛りしてんだよ。提督も、仕事は良いのか?」
「今日の分は終わり、寝るまではしばらくのんびりするよ」
「それじゃ提督も飲むクマ!」
「多摩がお酌するにゃ!」
「提督さんのちょっといいとこ見てみたいっぽい!」
「いやだから、俺そんなに強くないんだって。君らに任せると、あっという間に潰されるから勘弁して。明日も仕事あるんだから」
「……仕方ないクマ」
「にゃ~、電と大淀を怒らせると後が怖いにゃ」
「俺が言うのもなんだけどよ、これでのんびりできるのか?」
「別に吐くまで飲むわけじゃなし、三人ともそのあたり節度を守ってるから大丈夫」
「そういうもんか?」
「そうそう」
(まぁ、一部からは“ペット枠”とか言われてるし、それなりに癒し効果があるのか?)
「ぽい? 雲龍、さっきから飲んでばっかりだけどどうしたのかしら?」
「……………………」
“ノシッ”
「おおっ!? 大迫力クマ……」
「提督の膝に乗せたら太腿まで見えなくなったにゃ……」
「ちょっと憧れるっぽ~い」
「どうしたの雲龍、何か悩んでるみたいだし……俺でよければ相談に乗るけど?」
(あのどでかいのを乗せられても動じないって、ある意味スゲェよな。
つーか、絵面がヤバいだろ。正面に座って膝の上に胸乗せるって……見る角度によっては“
「リュ……」
「りゅ?」
「リュウリュウ……」
「「「……」」」
「提督も、一緒に呑んでほしいリュウ」
「「「……」」」
“カァ……///”
「……どうしよう木曾、よくわかんないけど雲龍が凄く可愛い!」
「や、やめて……今のは気の迷い。そんな、マジマジと見ないで……」
「……鼻血吹くかと思ったクマ」
「木曾が寝言で“お姉ちゃん”って言った時以来の衝撃にゃ」
「はぁっ!?」
「二人ともそこんとこkwsk!!」
「夕立も気になるっぽ~い!」
「「あれは、夏の暑い日のこと(クマ/にゃ)」」
「姉さんたちはとりあえず黙れ!!」
・
・
・
「……つまりなんだ? 最近よく一緒に入り浸ってる姉さんたちと夕立が“語尾”を使ってるから、自分も使ってみようと思ったと?」
“コクン”
「仲間外れみたいで寂しかったのかな?」
「んなわけあるか!!」
「……うん。でも恥ずかしいから、お酒の力を借りてみたの。やっぱり恥ずかしかったけど」
「……そうだった。普段のコイツは結構天然だった」
「何が恥ずかしいのか全然わからんクマ」
「まったくにゃ。恥ずかしいと思うから恥ずかしくなるにゃ。堂々としてればいいにゃ!」
「よし、姉さんたちは引き続き黙っとけ」
「でも、なんで“りゅう”だったのかしら?」
「そこ掘り下げてやるな!!」
「……まぁ、無理はしなくていいんじゃないかな。別に、そんなことで仲間外れにしたりなんてしないし」
「……そうね。改になって頭から角っぽいものが出て、なんだか三人に対する親近感が強くなったのだけど……私は私よね。提督は、こんな私でも傍にいていい?」
「いちゃいけない理由こそ思いつかないんだけど?」
「……そう、あなたはそういう人だったわ。きっと艦載機がなくても、艦娘でなくなっても、提督の私を見る目は変わらない。それが嬉しくもあり……少し悔しい」
「にゃ~、鈴谷がムキになるのもわかるにゃ」
「ねぇ、提督は私に何かしてほしいことはないの? あなたになら、いろいろしてあげるわ」
「あっ、それじゃ……」
・
・
・
「雲龍、おるか! うちの肴勝手に持ち出した落とし前、着けてもらおうや、ない…か……?」
「お~……これはなかなか」
「提督さんズルいっぽい! 次は夕立の番!」
「多摩にも触らせるにゃ!」
「木曾は触らなくていいクマ? あれは、見た目以上にすごいクマよ」
「……いや、俺は別に」
「ソワソワしながら言っても説得力ないクマ。実はカワイイもの好きって、お姉ちゃんは知ってるクマ」
「“お姉ちゃん”なんて言ってねぇ!」
「…………なんやこれ?」
「……提督、気持ちいいかしら?」
「刈りたての高級羊毛にも負けないこのモフモフ感……控えめに言って最高!」
「相変わらずよく分かんねぇキャリアしてんなぁ……」
「でもすごいボリュームっぽい。いつもどれだけキツく結ってるの?」
「だから毎朝大変よ。湿気が多いともっと膨らむし」
「「「へぇ~」」」
「木曾、木曾。これ一体何事や」
「龍驤さんか。いやな、提督が雲龍に髪解いて欲しいって頼んだんだよ」
「あ~……雲龍の髪は見た目以上にボリュームあるからなぁ」
「ああ、それに驚いたら“触ってみる?”って流れになって……」
「絶賛“モフモフ大会”開催中っぽ~い♪」
「うむ、雲龍に語尾はないけど代わりにモフモフがあることが分かったにゃ」
「ここに、第四のペット枠として認定するクマ」
「「異議なし(にゃ/っぽい)」」
「よろしくお願いするわ」
「……なんや、ペット枠って。つーか、それでええんか自分ら」
「……気にしなくていいと思う。とりあえず、悩みは解決したらしいしな」
「はぁ?」
~鎮守府裏日誌~
というわけで、ペット枠が増えたよ!
おや? 初代ペット枠の怪猫がアップを始めたけどこれはどうしたことだろうね?
ところで、雲龍が頻繁に業務時間外の執務室に出入りするようになって、金剛をはじめとした面々の提督に対する監視の目がきつくなったんだよね。球磨は特にだけど、夕立も多摩もスタイルが良いとはいえどちらかといえば「可愛い系」ということでそこまで危機感はなかったようなんだけど、流石に雲龍は色々ご立派過ぎたようだ。
まぁ、慌てているのは周りばかりで、相変わらず提督の理性は微塵も揺らがないんだけどね。
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww