〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「そういえば、そろそろクリスマスだよね」
「そうですね。先輩のところではどのように過ごされていたんですか?」
「う~ん、よっぽどのことがない限りは半ドンにして準備、夜になったらパーティとかみんなでゲームとかだったなぁ」
「私のところもだいたいは同じような感じでした。準備に関しては、飾りつけなどは12月に入る頃には済んでいましたね。大きなモミの木を用意して皆さんで飾り付けて、イルミネーションもたくさん用意して……」
「流石本場、本気度が違うなぁ」
「ですが、カルデア時代から考えればビックリするほど平和な催しでした」
「アレは……サーヴァントたちのバイタリティがあればこそだから」
「確かに。あれからもう十年以上が経ったんですね」
「懐かしいような、ちょっと寂しいような……」
「はい。私も、同じ気持ちです」
「ところで……」
「?」
「
「それは…サンタさんの正体、という意味でしょうか?」
「うん」
「そう、ですね。……一部の駆逐艦の皆さんには内緒にしていますが、基本的には」
「そっかぁ。なるほどねぇ……ふむ」
「先輩? どうかしましたか?」
「いや、うちだとみんなには特にそのへん言及してなくってさ。俺からのプレゼントとは別に、夜中にこっそり配って回ってたんだ」
「戦艦や空母の皆さんにもですか?」
「まぁね」
「それは…とてもステキなサプライズかと! 是非、このマシュ・キリエライトにもお手伝いさせてください!」
(当日は…………電たちも盛り上がるんだろうなぁ)
・
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「よくぞ集いし我が精鋭たちよ、なのです!!」
「「「Sir, yes sir!」」」
「今年も決戦の日、クリスマスがやってきたのです! 今度こそ、我々は彼のUnknown・Sを捕らえる所存。各自心して臨んでホシイ、なのです!!」
「「「Sir, yes sir!!」」」
「……ターゲットはサンタクロースを騙る不審者、仮称“サンタアイランド仮面”! あの人を小馬鹿にしたフザケタ仮面を引っぺがし、素顔を白日の下に晒した後、三日三晩庁舎の屋根から吊るし上げてやるのです!!」
「「「Sir, yes sir!!」」」
「戦いは熾烈を極めることが予想されますが、そこは司令官や仲間の写真を見ながら乗り越えてホシイ!
この戦いが終わったら“ケッコンカッコカリするんだ~”とかそーいうフラグっぽいものは振り払って、艦種・部隊の垣根を越えて伝説になってホシイのです!」
「「「Sir, yes sir!!!」」」
「私、電こと
「「「エイエイ、オー!!!」」」
「Oh jesus! 電が壊れたわ。きっと働き過ぎたのよ、ニッポン人は働き過ぎだわ!」
「助けてシスターサラ! 何あのノリ、いつもと全然違う。怖い…ニッポンのクリスマス怖すぎ、絶対無理ぃ……」
「…………Oh my got。サラ、イナヅマさんたちが何を言っているか全くわかりません。え、なんでサンタクロースをそんなに敵視しているの?」
「おい、キリシマ。ありゃ一体なんだ?」
「ご心配なく、我が艦隊の風物詩です」
「フーブツシ?」
「みなさんはもちろん、サンタクロースのことはご存じですね」
「そりゃ…まぁな」
「ですが、冷静に考えてみてください。戸締りをした他人の家屋に侵入し、中身の分からない箱を置いていく……計算するまでもなく、明らかに不法侵入。紛れもない危険人物です」
「……いや、お前何言ってんだ?」
「その気になれば家人を害することも、財産を奪うこともできます。あるいは、プレゼントが爆弾だったら……心を弾ませながらプレゼントを開けたら待っていたのは大惨事…なんて悪辣な」
「お前の頭が大惨事だよ!? サンタクロースはそういうのじゃねぇ!!」
「ましてやそんな危険人物が基地内に侵入し、我々の枕元に立つ……由々しき事態です。なんとしても拘束し、正体を明らかにしなければなりません! これは、我々の威信を賭けた戦いなのです!」
「Wow 今年もみんな盛り上がってるネ!」
「…………………………………………………コンゴウ」
「ウォースパイト、どうかしたデース? 頭抱えて、頭痛デスか? 医務室行きますカ?」
「……頭痛もするわ。あなた達、まさか本気でサンタクロースを……」
「シーッ…せっかくのお祭りに水を差すのは良くないヨ?」
「まさか、知っててこのバカ騒ぎなの?」
「Hmm……みんなにリサーチしたわけじゃないけど、それなりの娘たちは知ってると思うネ。でも、知らないフリをしてる」
「……それは、どうして?」
「頑張って隠してる相手に面と向かって指摘するなんて、そんなの“つまらない”ヨ」
「は?」
「正々堂々と捕まえて、“正体暴いたり!”って言う方がずっとCoolネ」
「……それで怪我人が出たらどうするの」
「うちの艦隊のモットーは“遊ぶ時は遊ぶ、お祭りはブレーコー”ネ♪ 日頃のストレスとか発散する丁度良い機会デス」
「あなた達……」
「日本にはこんな格言があるヨ。“踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々”、なにごとも楽しんだ人の勝ちデース。うちのテイトクなんて、大抵のことは笑って…むしろ自分から楽しんじゃいマス!」
「……そう。ニッポンは思っていた以上に奥が深いのね」
「まぁ、テイトクの場合ちょっと頭おかしいけど……」
「ちょっ! あなたがそれを言うの!?」
「いやぁ~、そこがカワイイんだけどネー♪」
「あなたは…もう。いいわ、とりあえずそういうモノと思うことにします。でも……」
「今回特別に仕入れたクレイモア地雷と対戦車ミサイルで、サンタを仕留めてやるのです!」
「「「わーいっ! 殺っちまえー♪」」」
「……あれ、やり過ぎじゃない?」
「……………………………な、何とかなるネ(たぶん)。テイトクはタフだからネー」
「タフとかどうとかいう問題かしら……?」
・
・
・
「こちら第3小隊、ターゲットを発見。軽巡寮三階から渡り廊下へと移動中、応援を求む!」
「第6小隊、了解。先回りするわ、ポイントK-2まで追い込みなさい!!」
「狙撃班より連絡! ターゲットが窓から飛びやがった! 樹を盾にして降下中、これじゃ狙えねぇ! ちっ、こんなことならアンチマテリアルライフルも用意しとくんだったぜ!」
「流石にやり過ぎかなぁとも思ったけど、そんなことなかったかぁ……まだサンタのこと、甘く見てたじゃん」
「感心してる場合か、逃がすなっ! 遊撃部隊出動! 追え、追えぇ!!」
「……ねぇ、瑞鶴。気付いてる?」
「なにが、翔鶴姉?」
「逃走に迷いがない。まるでこっちの動きがわかってるみたい、去年まではこんなじゃなかったはずよ」
「言われてみれば、確かに。いつもならほとんど行き当たりばったりなのに…まさか、協力者?」
「多分。それも、相当に優秀なオペレーターよ」
「……面白いじゃない! 絶対にとっ捕まえてやるんだから!!」
“先輩、2時と4時方向から追手が! この速度だと20秒後に発見されます。次の角を左折して7番目の窓へ。鍵が開いていますので、そこから入れます”
「わかった。でも、艦載機が上から監視してる。あれは…瑞鶴と翔鶴だ!」
“神鷹さんと大鷹さんの就寝を確認して油断しました。夜戦機まで持ち出すとは……あちらも本気ですね”
「なんの、経験なら負けちゃいないさ」
“はい。私たちのコンビネーションを見せましょう! あ、屋内から地下道に入ってください。長く潜ればいずれ感付かれますが、しばらくはこれでいけます”
「ナイス!」
「おおっと、そうはショップが降ろさないデース!」
「ふふっ、やはりこの道を通りましたね。計算通りです」
「金剛、霧島!」
“そんな!? 監視カメラの映像では、その路地にここ数十分の間で入った人はいない筈なのに……!”
「答えは簡単です。3時間前からごみ箱に入って待機していたのです!!」
「真冬の雪がちらつく寒空の下、カイロ一つで耐えるのはガッデムコールドだったネ……」
「姿が見えないと思ったら……」
「艦隊の頭脳を甘く見てもらっては困ります(キランッ)」
「サンキューデース! 愛してるヨ、霧島ー!」
「やるね、霧島。その
「おっと、メガネを揶揄するのはやめていただきましょう。そこから先は戦争ですよ? まぁ、そのルビは嫌いではありませんが。それはそれとして……さぁ、今ですお姉さま!」
「フフフフ! さぁ、シンミョーにするネ、テイト…もといサンタ! カンネンして私と聖なる夜を過ごすヨー! 大丈夫、優しくしてあげるネ♪ バーニングラーーーブ!!!」
“先輩!?”
「……仕方がないか。
「アウチ!?」
「お姉さま!?」
「大丈夫ネ。ちょっとびっくりしたけど全然痛くな…って、身体が動かない!?」
「くっ、まさかこんな奥の手を持っていたとは…想像以上です。流石サンタ、データ以上の方ですね。ですが! まだ私がいることを忘れてもらっては困ります! お姉さま、失礼します」
「ノープロブレム! 姉の屍を超えてサンタを捕まえるネ、霧島!」
「はい……とぉっ!」
「
「ふっ、理屈はわかりませんが効果は見切りました。同じ手が通じると……」
「“オーダーチェンジ”」
「あ、身体が動くようになったヨ。どうやら効果タイムは短いみたいネ。さぁ、姉妹の絆を見せて……」
“シュインッ”
「お姉さま!? いつの間に私の前に!?」
「どうして私を飛び越えた霧島が後ろにいるネ!?」
「お姉さま、避けてくださーい!」
「「わきゃぁぁぁっ!?」」
“ドンガラガッシャ―――――ン!!!”
「「キュウ……」」
「ごめんよ、二人とも。でも、クリスマスは非情なものなんだ。
それにしても…アタタタタ、久々に魔術回路を全開で回すと堪えるなぁ……」
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・
・
「…………………なんというか、想像以上に本格的ね」
「ウォースパイトさん、お手伝いありがとうございます」
「いいえ、それは良いのだけど……今のは何だったの? コンゴウとキリシマの位置が一瞬で入れ替わったように見えたわ」
「先輩はサンタ服の下に礼装を着用していらっしゃいます。あれらの現象はそれによるものです」
「魔術…だったかしら?」
「はい。とはいえ、先輩は単独での魔術行使はできません。電源から得られた電力を専用の装置を通して魔力に変換し、それを先輩の魔術回路を介して礼装に送り込むことで術式を起動させています」
「……なるほど。だから、
「そうですね。魔力の変換・供給には特別な機材が必要になりますから」
「……ところで、良かったのかしら? 一緒に行かなくて」
「……これは、先輩と第一艦隊の皆さんのお祭りですから。今回、私は裏方に徹します」
「そうですか……なら、次はAdmiralの番ね」
「そ、そう…かもしれませんね」
(その場合、他の娘たちの妨害が予想されるけど……アメリカとかドイツとかフランスとかイタリアとか。
はぁ……
~鎮守府裏日誌~
提督の影響なのか、第一艦隊は“お祭り好き”が多いよ。どのくらい好きかというと、つい熱が入り過ぎて危険物を持ち出したりするくらい。普段は割とまともな娘が多い反面、“ここぞ”というところではっちゃけるのさ。電なんか良い例だね、この機に日頃のストレスと鬱憤…だいたい提督が原因のアレコレを発散しているのさ。
まぁ、それすら提督は「元気があって結構結構」と笑うんだろうけど……うん、懐が深いとか広いとかじゃなくて、底が抜けてるんじゃないかな? でも仕方ないよ、これでもサーヴァントたちよりはまだ穏当なんだもの。年一で世界滅亡級の騒動を引き起こす駄女神とかいれば、そりゃ底も抜けるってものさ。
逆に、日常的に問題行動が多いのが第二艦隊だよ。主に提督関連で色々やり過ぎちゃったりするんだけど……人生経験が偏ってるせいか、提督は未だに世間知らずなところがあるから気付いていないんだ。
なにしろ、カルデアが解体された後はムジーク家の後見を受けつつ協会の預かりになって、(不本意にも)接点のできた国連との折衝役を押し付けられたからね。それなりに社会経験は積んだけど、場所が場所だから一般的とは言い難いのさ。艦娘たちが提督関連で暴走しがちなのも、浮世離れしたところのある提督が心配だからなんだ。まぁ、ちょっとどころじゃないくらいに過保護なわけだけどね。
ちなみに、見事サンタを捕まえると“
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww