〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:提督、電、瑞鶴


「遠き日の思い出」

「司令官、これは?」

 

「あ、それは陰干しで」

 

「はい、なのです」

 

「悪いね、せっかくの非番に手伝ってもらっちゃって」

 

「大丈夫なのです。司令官のところには面白いものがいっぱいあって楽しいのです……ぴゃっ!? な、なんなのです、この不気味な人形は!?」

 

(ジル君人形か……まぁ、当然の反応だな、うん)

 

「ブサカワではないのです。ただただブッサイクなのです!」

 

「いる?」

 

「いらないのです!!」

 

「ちなみに、こんなのもあるけど?」

 

「お、おっきいのです! 可愛いのです! 暁ちゃんと響ちゃんと雷ちゃん、四人で乗っても大丈夫なのです!」

 

「今度乗ってみる?」

 

「良いのですか!?」

 

「似たようなところだと…バステニャンX号なんてのもあるよ」

 

(こんな大きなものどこから出してくるのか不思議ですが……それはそれとして、これも楽しそうなのです!)

 

「他にも、マペットとかヤギのぬいぐるみとかもあるし」

 

「そう言えば、いつも三つセットなお人形とぬいぐるみもあったのです。司令官は、そういうのがお好きなのですか?」

 

「嫌いではないけどね。昔……助けてくれた人たちからの贈り物なんだ」

 

「大事なもの、なのですね」

 

「……うん」

 

「でも、そんなに大切なもので遊ぶのは……」

 

「飾ってるだけっていうのも寂しいから。大事に扱ってくれるなら、少しくらいはね」

 

「あ、ありがとうございます、なのです♪」

 

「提督さん、いる? 今日は部屋の掃除をしてるって聞いてきたんだけど……」

 

「瑞鶴? ど~ぞ~」

 

「失礼しまーす……って、何事?」

 

「いやぁ、着任してからこっち、ずっと忙しくて部屋の掃除もままならなかったからね。この機に、掃除と虫干しでもと思って。そうしたら……」

 

「電もその手伝い?」

 

「なのです。あとで間宮を奢ってくれることに…はわわっ!? こ、これは秘密なのでした!」

 

「へぇ~、いいこと聞いちゃった。ねぇ、提督さん?」

 

「はいはい。秘密にして、なおかつ手伝ってくれるなら瑞鶴にも奢るよ」

 

「やりぃ!」

 

 ・

 ・

 ・

 

「そういえば、何か用があったんじゃないの?」

 

「ん? いや、瑞鶴も非番だったんだけどさ……やることなくて、暇潰しに付き合ってもらおうかなって」

 

「だから趣味とか持ちなって言ってるんだよ」

 

「そうですね。ここは絶海の孤島で、司令官と私たち(艦娘)しかいないから娯楽も少ないのです」

 

「は~い。そういう提督さんは多趣味よね。そういえば、あの飾ってある油絵とかチョコみたいな石って提督さんが?」

 

「玉髄ね。残念、アレも貰い物」

 

「あっちのボトルシップもですか?」

 

「中の人形は手伝ってもらいながら作ったけど」

 

「ホントに色々やってるわね」

 

「まぁ、多趣味って言ってもどれもパッとしない、器用貧乏の見本みたいなものだけどね。それでも初めのキッカケくらいは教えられるから、何でも聞いてくれていいよ」

 

「ま、その時は頼りにさせてもらうわ…って、これ木刀? それに、こっちのは鉄扇ってやつ? またニッチな武器を……」

 

「正確には木剣が正しいかなぁ。ちなみに、飾っておくと風水改善と邪気避けの効果があります。あと、キョンシーにも有効だね」

 

「はぁ?」

 

「そういえば、お面とメガネもあったのです」

 

「派手なベルトをはじめ装飾品各種。ちょっと意外、提督さんってこういうの持ってるんだ」

 

「これは…記念コインでしょうか?」

 

「うわっ、何この布。滅茶苦茶手触りイイ……」

 

(なんだかんだ言いつつ、楽しんでるなぁ)

 

「これは香炉、ってやつかしら? こっちのは…黒い棒? なにこれ?」

 

「見てください! 猪の被り物があったのです!?」

 

「かと思えば唐突にワイヤーと救急セット……脈絡がないにもほどがあるでしょ」

 

(この箱は奥に、と。流石に、銃器や宝剣なんかは人がいない時に手入れしよう。あ、始皇帝からもらった薬も隠しとこ)

 

 ・

 ・

 ・

 

「本当にあとからあとから……特に意味不明だったのがあの“ウィッグ”ね。あと、手枷。まさか提督さん、そういう趣味が」

 

「ないよ!?」

 

「電も、ここまでとは思わなかったのです」

 

(ジャンヌファンクラブの会報誌を隠すのが間に合って良かった……)

 

「ねぇ、さすがにスイーツ一品じゃ割に合わないと思うんですけどぉ~」

 

「まあまあ」

 

「あれ? 司令官、この箱は良いのですか?」

 

「ん? ああ、それは……」

 

「っ! はは~ん……もしかして、瑞鶴たちに見せられないものでも隠してるんじゃないの?」

 

「し、司令官に限ってそんなことはないのです!」

 

「わかんないわよ~。提督さんだって、ねぇ?」

 

「まったく……気になるなら、開けてみれば?」

 

「で、では……」

 

「む…随分厳重というか、丁寧に包装してあるわね」

 

「司令官、これは?」

 

「テテテテッテテ~♪ あいぎす・えくりぷす~(某青ダヌキ風)」

 

「コホン……弓、なのです?」

 

「……洋弓よね。そっちは詳しくないんだけど」

 

「スルーはやめない?」

 

「司令官、狩猟セットの他に弓まで持っているのです?」

 

「電まで……( ノД`)シクシク」

 

「ちょっと、いじけてないで説明」

 

「今度お饅頭ふかしてあげるのです」

 

「……まぁ、そうは言ってもね。見たまんまだよ。強いて言うなら……」

 

「「言うなら?」」

 

「俺には“引けない”ってこと」

 

「「は?」」

 

「瑞鶴、興味があるなら引いてみる?」

 

「普通の人用の弓じゃ壊しちゃいそうなんだけど……それに私、洋弓の使い方なんて知らないわよ」

 

「引くだけなら大丈夫じゃないかな。それに、壊す心配もいらないよ。絶対に、壊れないから」

 

「? よくわかんないけど、そういうことなら……ん? 妙に手に馴染むわね」

 

(薄っすらとだけど反応あり、か。やっぱり、艦娘の基礎技術の一部は……)

 

「さて、どんなものか…あれ? ぐ、ぐぎぎぎぎぎぎぎ!!」

 

「瑞鶴さん?」

 

(ナニコレ!? どれだけ力を込めてもピクリとも動かない! どんだけ重いのよ!)

 

「どう?」

 

「だぁもう! いったい何でできてるのよ、これ!? って言うかそれ以上に欠陥品でしょ! 私に引けないってことは、どんな艦娘にも引けないじゃないの!!」

 

(まぁ、当然だよね。何しろこれは“軽く”高度500キロに届く神造兵装、いくら瑞鶴でも相手が悪い)

 

「確かに、馬力なら大和さんをも上回る瑞鶴さんでもまったく引けないとなると……」

 

「むっ、今カチンときた。こうなったら意地でも引いてやるんだから、見てなさいよ!」

 

「えぇ!?」

 

「ははは、頑張れー」




~鎮守府裏日誌~

提督の部屋はシャワーはもちろん、ベッドやタンスといった必要なものはないのに、よくわからないものは意味不明に豊富だぞ。なにしろ、明らかに部屋の収納に収まりきらない筈なのに、普段は綺麗に整頓されているんだ。どうしてかな?
でも、「なんか面白そう」ということで入り浸る艦娘も多いのさ。ぬいぐるみを愛でる者、木剣などを拝借しに来る者、秘密のお宝がないかあさりに来る者、etc……。だけど、彼女たちの誰もが気付いていないんだ。気軽に入り浸るそこに、歴史的・文化的、あるいは宗教的に割とシャレにならない代物がゴロゴロしていることを。

おい瑞鶴、お前が今気軽に手に取った弓な? それ、大英雄の鎧を使って鍛冶神が造ったマジモンの神器だぞ? それと電、マジマジと見ているウィッグはやめておけ。それを被ったりなんてしたら、あらゆる道理を無視して精神的キモ面が現界してきかねないぞ。キモイからそいつ、伊達男だけどそれを損なって余りあるほどに超キモイから!!
というか提督、刃物や銃器以外にもヤヴァイもの一杯あるから! ちゃんとしまっとかないと危ないから!!

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
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