〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

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キャスト:提督、大和、武蔵、電、????、???


「幕間 “原点回帰”」

「改二おめでとう、武蔵。こんなに立派になって……優秀な妹を持てて私も(お姉ちゃん)鼻が高…高い、わ……ひぐっ、えぐっ……ダメね、せっかくの晴れの日に涙なんて。

 でも、このセリフだと自分を抑えられる自信が……ちょっと内容を変えてみようかしら」

 

(これは…不味いところに居合わせたのではないか?)

 

「改装おめでとう、武蔵。私も姉として、身が引き締まる思いよ。あなたに続いて、私も早く改二に…改、二に……ふぇ…どうして、どうして私にはいつまで経っても改二が来ないのぉ~っ(泣)」

 

(……うむ、焦れていたのは知っていたが、まさかここまでとは……)

 

「くっ! やっぱり、“改二”とか“改装”と入れてしまうとどうしても感情の昂りが抑えられない! それに、今の流れだと喜ぶよりも羨んでいるみたいだわ。気にしているみたいでみっともないから避けたかったけど、ここはもう少し遠回しに…あとは、もっと厳しい姿勢で姉としての威厳で涙を抑える!

 こほん……勇壮な姿になったわね。凄いわ、武蔵。でも、慢心は禁物よ。これからも、日々の精進を忘れないように。……………よし、行ける。危ないところだったけど、これなら何とか…でも、ちゃんと褒めてあげたいよぉ~( ノД`)シクシク」

 

(よし、困った時の相談室だ)

 

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「提督よ、何とかならんか」

 

「大和、そんなに思い詰めてたんだ……」

 

「ですが、あまり気になさる必要はないのではないでしょうか。クリロノミアの力を完全に使いきれてこそいませんが、その効果もあって“改”のままでも大和さんは私たちの最大戦力です。それは、武蔵さんが“改二”になったとしても……」

 

「うむ。明石に見せてもらった設計図と概算数値を見ても、現状の大和には一歩及ばんだろうことは想像に難くない。それが悔しくもあり、二番艦として誇らしくもある。だが、当の本人がそれで納得できるかどうかは別問題だ。

 私に先を越された…というのは言い方が悪いな。“改二”という発展の可能性がありながら、未だその“光”が見えてこないことに対する焦りなのだろう。練度や資材の関係で見送らざるを得ないのであれば諦めもつくし、あるいは足りないものを補うべく奮起することもできる。だが、大和の場合はそのどちらでもないからな」

 

「それに、大和は責任感も強いからね。“素直に妹の成長を喜べない”ことが許せないんだろうなぁ……」

 

「……なるほど。喜びたいのに“焦り”が邪魔をして喜べず、それが自己嫌悪につながっていると」

 

「一番手っ取り早いのは大和が“改二”になることだけど……」

 

「現状、日本からそう言った情報は公式に発表されていません。秘密裏に実現されている、という可能性もなくはないですが……」

 

「俺のこともあって日本とは距離を置いてるからなぁ。他の国の場合、そもそも大和の大規模改装の研究自体する必要がないし」

 

「ああ。芽があるとすれば明石を筆頭とした工廠組か、国連の研究機関だろうが……」

 

“おやおや、これはいよいよ私の出番かな? 練度も上がってクリロノミアも随分と馴染んできたようだし、そろそろ頃合というやつだね♪ いやぁ、やはりできる『花の魔術師』はどんな時代でも引っ張りだこで困ってしまうねぇ”

 

“フォーウッ!”

 

“ブハァッ!?”

 

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(あれ、ここは……私、何をしていたんだっけ?)

 

「グッナイ! ようこそ、マーリンお兄さんの夢の世界へ!」

 

(…………………………………………………あなたは、だれ?)

 

「よしよし、良い具合にノンレム睡眠だね。大変結構、深度の深い眠りは大切だ。脳と身体、そして精神の休息に不可欠…なにより、私にとって都合がいいのが最高だ!」

 

(わからない……何を、言っているのか、まるで、頭に、入ってこない。でも……凄く、胡散臭い、気が、する)

 

「おおっと、初対面だっていうのに辛辣な。こんな人の好さそうな男を捕まえて“胡散臭い”だなんて」

 

フォフォウ、フォーウ(大正解だろ、この馬鹿ナイトメア)!」

 

「んん……」

 

「あ、こら! そんなに騒いだらレム睡眠まで浮上するじゃないか!」

 

フォウフォウ(お前の邪魔とか最高だね)フォシャール(思いっきり無様にポシャると良いよ)

 

「……仕方がない。キャスパリーグがいてはあることないこと吹き込めやしない。もう少し揶揄って楽しみたかったところだけど……本題に入ろう。君は“改二”…正確には、“自身の向上”を望んでいるね」

 

(そう…私は、今度こそ、みんなを、提督(マスター)を、守らないと……)

 

「君はちゃんと守れているさ。まぁ、むざむざ彼を連れて行かれてしまったことを悔いる気持ちはわかるけどね。

 さて、そんな君に朗報だ。“私が手を貸そう”。幸い、星の巡り、月の満ち欠け、その他諸々悪くない。今ならチャンネルを“多め”に開けそうだ」

 

(チャン…ネル?)

 

「これから君の精神は肉体と魂を離れ、ある英霊の精神世界に移動する。

 “鋼鉄の艦たちの混沌”、“近代における軍艦という概念の集合体”。そして“始まりの艦娘”。そんな英霊の内面世界……君たちが“かつていた場所”さ」

 

(私、たち、が……?)

 

「そこで何をするも君の自由だ。会話して和解するも善し、戦いねじ伏せるも好し、なんなら元の形に“同化”するのも良いだろう。どんな形であれ、君は“艦娘”として一歩先の領域へと踏み込むことになる。

 まぁ、そうなった君が“今の大和(キミ)”のままでいられるという保証はないのだけど」

 

ファッフォー(お前、そういうとこだぞ)

 

「……とはいえ、私としてもどうせ見るならハッピーエンドの方が望ましい。中でも、親愛なるマイ・ロードに関わることとなれば尚更にね」

 

フォウフォウ(他の連中に知られたらフルボッコ確定だしね)!」

 

「ぁ、いや……うん、確かにそれもそうか。君に何かあったら彼も黙ってはいないか……うん、やっぱりチャンネルを多めに用意しておいて正解だったなぁ! というわけで、“ガイド”も一緒に送っておくから、二人で協力して事に臨むと良い。君はビギナーだが、相手はベテランだ。大いに頼ると良いよ!」

 

フォ―――――ウ(結局丸投げか、この野郎)!!」

 

 ・

 ・

 ・

 

「提督よ! 急ぎ来てくれ、大和が……!」

 

「武蔵さん!?」

 

「電か…提督はどこにいる? 急ぎの要件なのだ」

 

「それが、その……」

 

「? どうした、お前がそんな顔をするなど一体……」

 

「……司令官が、目を覚まさないのです」

 

「なに!?」

 

「いまは副司令が見てくださっているのです。何か、心当たりがあるらしくて……」

 

(これは、偶然なのか? 提督と大和、二人が同時に昏睡するなど……)

 

「そういえば、武蔵さんはどうしたのです? 大和さんに何か?」

 

「……大和が目覚めん」

 

「えっ!?」

 

「騒ぎを聞きつけた明石が検査してくれているが……」

 

「そんな……眠っているだけ、ということはないのです? ちょっとほっぺを叩いたりとか、鼻を摘まんでみるとか」

 

「いや、そんなことはないだろう。なにしろ思いきり顔面を殴り、鼻にワサビのチューブを捻じ込んでも起きなかったからな」

 

「武蔵さんは鬼なのです!?」

 

「失敬な。一通り試した上での強硬策だ。まぁ、結局効果はなかったがな。

私には、二人の昏睡が無関係とは思えんのだ」

 

(いったい、二人に何が起こっているのです……)




~鎮守府裏日誌~

夢の世界で出会うのは、細分化し派生していった彼女たち艦娘の“原点”。降すにしろ取り込まれるにしろ、これで彼の英霊は本当の意味での目覚めを果たすだろう。

うん? それが何をもたらすのかって? そうだねぇ……強いて言うのなら「最後の一押し」かな。

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
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