〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~ 作:やみなべ
「先輩、こちらにいらっしゃると電さんに伺ったのですが……」
「マシュ? どーぞー」
「失礼します。実は、ご意見を伺いたいことがあって……ああ、絵を、描いていらっしゃったんですね。すみません、お邪魔でしたか?」
「いや、そろそろ休憩しようと思ってたところだから」
「……これは、ゲルダさんですね」
「うん。もうずいぶんと昔のことだから、手探りしながらの下書きでちょっと自信がないんだけど…どうかな」
「とても、よく似ていらっしゃると思います。そうでした、ゲルダさんは……こんなにも可憐だったのでしたね」
「……記憶は、どんどん薄れていくからさ。正直、みんなの声も話し方ももうあんまり思い出せないんだ」
「そう、ですね。カルデアから持ち出せた霊基グラフにもあの頃の記録は保存されてはいますが……」
「容量に限度があったからね。写真みたいな映像とか、音声とか、そういうのはほとんどなかったし」
「だから、絵を?」
「素人仕事で悪いんだけどさ。それでも、遺したかったんだ。忘れないように……いや、違うな。思い出せるように、だ。“なかった”ことになんてしたくなかった、みんなは確かに生きていたんだって。この十数年、何度も…何度も」
「他にも?」
「うん。絵だったり文章だったり、思いつく限りの方法で。まぁ、初めの頃は本当に下手でさ、ちょっと改めて見直す勇気が湧かないんだけど」
「いえ、ぜひ見たいです! 私は、それすらして来ませんでしたから」
「仕方ない…って言うのもなんだけど、俺とマシュじゃ立場が違ったんだ。旅をしてるか山で隠遁してるかだった俺と違って、マシュには色々な目が向けられてたでしょ。その状況じゃそういうわけにもいかないよ」
「……ですが、今はだいぶ自由に動けるようになりました。せっかくですので、私も挑戦したいと思います。よろしければ、教えていただけませんか?」
「もちろん、喜んで」
「提督ーいるー?」
「秋雲さん、こんにちは」
「あれ、副司令もいる。どしたの、二人で?」
「強いて言うなら……昔語り?」
「そうですね。先輩の絵を見ていたら、つい懐かしくなってしまって」
「提督の絵っていうと……ああ、それ。そっか、そういえば二人は昔一緒に色々やってたんだもんね。これもその頃の?」
「そうそう。北欧でね、会った子の絵なんだ。いやぁ、あの時も大変だった。神様とか巨人とか出てきてさぁ」
「オフェリアさんもいらっしゃったので、色々な意味で一筋縄ではいきませんでしたね」
「神様に巨人て、もろファンタジー…なんだけど、提督たちの場合マジなんだよね」
「はい」
「さわりくらいは何度か話したことあったはずだけど……その顔は信じてなかったな」
「いやいやいやいや! 普通ホントのことだなんて思わないでしょ!?」
「それは…確かにそうですね」
「まぁ、俺も少し冗談っぽく話したしなぁ」
「そうだそうだー! あ、でも巨人とか怪物のイラストは描きたかったなー! ねぇねぇ、そういうのの絵描いてよ提督」
「なんで?」
「次回作…にはちょっと間に合わないけど、そのうち参考資料にしたい!」
「はいはい」
「あと、さっきの昔語り? って言うのも参加希望! 提督たちの昔の話とか超聞きたいんですけど!」
“チラッ”
“コクン”
(普通に目で会話してる。熟年夫婦か、アンタらは!? 金剛さんとかもだけど、第二艦隊の面々がいなくてよかったぁ~)
「さて、じゃあどこから話そうか……」
「あ、待って。その前に……」
「「?」」
「曙~、霞~! そんなとこ隠れてないでさ、二人も聞きに来なよ~。興味あるんだろ~」
「げっ!?」
「バカ! シーッ! シーッ!」
「……何やってんの、あの二人」
「たぶん、今までさんざん提督に噛み付いてた手前、色々バツが悪いんじゃないの~?」
「ああ、そういえば“クソ”とか“クズ”とか色々言ってたっけ」
「そうなんですか? 私は特に聞いたことがないのですが……」
「こっち来た頃には提督の経歴もある程度知ってたからねぇ~。そりゃ、思うところが山盛りになるってなもんでしょ」
「別に気にしなくていいのに……ほら、曙も霞も、そんなところにいないでおいでよ」
「……どうする?」
「あたしに聞かないでよ……」
「間宮に羊羹貰ってるんだけど」
「「っ!?」」
「クスッ…では、お茶を淹れてきますね」
「ごめん、お願い」
(う~む、なんか不思議と絵になるんだよねぇこの二人。イラスト描きたーい…んだけど、今は昔の話の方が興味あるし、なによりバレるとホーネットとかが煩そうだからなぁ。ま、二人のイラストはまたそのうちってことで)
~鎮守府裏日誌~
多芸過ぎて趣味らしい趣味がない提督だけど、割と“絵を描いている”ところはよく見かけるよ。ただ、特にモデルや資料を用意したりすることもなく、時々目を瞑って何かを再確認しながら描いているから、秋雲なんかは「自分の中のイメージを描き起こしている」と思っていたようだけど。
そして、その正体がコレだ。かつて出会い別れたもう会えない人々の姿、あるいは彼らのIFの姿、それらを提督は描いていたのさ。
ネタバレ上等の設定集、いる?
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いる
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いらない
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そんなことより続きはよっ
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全部晒してしまえwww