〈艦これ×FGO〉神機残響海戦 七大洋 ~天地人の狭間~   作:やみなべ

99 / 105
キャスト:提督、暁、コマンダン・テスト、?


「輝くばかりの」

「え、チケット? 暁に?」

 

「ええ、一緒にどうかしら。とても評判のいいステージのチケットなのだけれど……」

 

「でも、どうして暁に?」

 

「元はRichelieu(リシュリュー)と行くつもりだったの。でも彼女、運悪く急用が入ってしまって……」

 

「それで余ったチケットを? でも、それなら第二艦隊の人たちの方が良かったんじゃないかしら? あ、嫌なわけじゃないのよ! でも、その…あんまり話したこともないし……」

 

「ええ、だからよ」

 

「はへ?」

 

「誰か非番の娘を探そうとした時、それならせっかくだから普段あまり接点のない娘を誘おうって思ったわ。そこで第一艦隊のリストを調べていたら、あなたの名前を見つけて“これだ”って思ったの」

 

「暁を?」

 

「ええ。一人前のレディは、芸術にも親しむものですもの。いかがかしら、mademoiselle(お嬢さん)?」

 

「そ、そういうことなら一緒に行ってあげても良いわ! 暁は一人前のレディですもの!」

 

「ふふっ、Merci beaucoup(ありがとうございます)アカツキ」

 

「こ、こちらこそ…ありがと。レディとして、お礼を言うわ」

 

 ・

 ・

 ・

 

“ドキドキ!”

 

(ス、ステージって聞いたから前に司令官がプレゼントしてくれた一張羅を出してきたんだけど、変じゃないわよね? でも、コマンダン・テストさんはすっごく素敵だし、自然体だし……)

 

「あら、アカツキもしかして緊張しているの?」

 

「そ、そんなことないわ! いつも通りの暁よ、何も違わないわ!」

 

「そう。それにしても……とってもmignon(可愛い)、私も鼻が高いわ」

 

「みによん?」

 

「かわ…コホン、“優雅”という意味よ」

 

「優雅…そうよね、暁は一人前のレディだもの」

 

「そのワンピースはあなたが? それとも姉妹からのプレゼントかしら?」

 

「あ、これは司令官が選んでくれたのよ! 暁には黒もよく似合うって!」

 

“ピシッ”

 

「? いま、何か音がしなかったかしら?」

 

「……さぁ、どうかしら」

 

「……気のせい、だったのかな」

 

(フフフフフ……アカツキの可愛らしさを引き立てつつ、少し大人びた雰囲気を演出する……司令、良いセンスをしているわ。頑張って背伸びをするアカツキの思いを汲んでいるのもポイントが高い。

流石は提督のパートナーを務めていただけのことはあります…侮れない相手ね。でも……まさか、提督のファッションにまでは…いいえ、無いとは言い切れない。それに、このセンスでコーディネイトされた提督…くぅ、悔しいけど見たいと思ってしまう!! 十年前の提督……見たい、ぜひ見たい! ああ、どうしてわたくしはその当時に存在していないかったの!?)

 

(どうしたのかしら? とても難しい顔をして悩んでいる様子だけど……)

 

(…………………………………今度提督を連れ出して…いえ、そんな悠長にはしていられません! ネット通販で見繕って、片っ端から購入、時間を作ってファッションショーを! でも、お金の問題が…そうだわ! みんなにカンパを募ればいいのよ! 思いは同じ、みんなこぞって貢いでくれるに違いないわ!)

 

「……あれ?」

 

「どうしたの、アカツキ」

 

「あれって、司令官じゃないかしら?」

 

「司令? そういえば、司令も今日は非番だったはずだけれど……あら、本当。それに、あの花束は……」

 

「わぁ、綺麗! 淡い紫色で、あんなに大きな花束……ステキ」

 

「でも、誰に渡すつもりなのかしら?」

 

「……え?」

 

「だってそうでしょ。あんなに立派な花束ですもの、誰かへのプレゼントじゃないかしら」

 

「い、言われてみれば……」

 

(定番と言うならやっぱり恋人? それならそれで私たちにとっては願ったりかなったりだけど……)

 

「あ、暁にコマンダン・テスト? 二人ともどうしたの?」

 

「し、司令官!? これは、その…お、お日柄もよく……」

 

「あ、それ着てくれてるんだ。うん、我ながらいいチョイスだった。良く似合ってる」

 

「と、当然よ!」

 

「今度は小物も揃えてみるといいかもね……そうだ、コマンダン・テストに手伝ってもらうのはどう?」

 

「コマンダン・テストさんに?」

 

「そうそう。迷惑じゃなければなんだけど、凄くセンスが良いみたいだしさ」

 

「でも、迷惑じゃないかしら?」

 

「いいえ、アカツキ。そんなことはないわ、あなたの魅力を最大限に引き出すアクセサリーを選んばせてちょうだい」

 

「本当に! や、約束よ!」

 

「ごめんね……」

 

「いいえ、大変名誉なお役目を任せていただいて、とってもやりがいがありますもの」

 

「そっか……コマンダン・テストなら安心だ。それに……」

 

「他にも何か?」

 

「いや、流石と言うかなんというか……うまい言葉が見つからなくてさ。シンプルにまとめてるはずなのに、誂えた様だったから。月並みだけど、すごく可愛いと思うよ」

 

「むぐっ!」

 

「あ、司令官。コマンダン・テストさんに失礼よ。こんなに綺麗なのに“可愛い”だなんて…ちゃんとレディとして接しないと紳士じゃないわ」

 

「ごめんごめん……」

 

(可愛い、ワタシが可愛い? 綺麗だとか美人だとか言う言葉は正直聞き飽きていたのに、まさかワタシを“可愛い”だなんて…くっ、悔しい! ワタシは提督一筋なのに! 一瞬でも面食らってしまったのが悔しい!?)

 

「でも、珍しい組み合わせだね」

 

「コマンダン・テストさんが誘ってくれたのよ。フィギュアスケートのステージがあるんですって!」

 

「あ、もしかしてこれ?」

 

「司令官も同じチケットを持っているのね。それじゃ一緒に……」

 

「待って」

 

「「コマンダン・テスト(さん)?」」

 

「それ、まさかアリーナ席? 倍率500倍以上の!? どうしてそれを……!」

 

「あ~……主催者と知らない仲じゃないというか、なんというか……あ、俺ちょっと楽屋に用があるから先行くね」

 

「楽屋って普通は入れない筈じゃなかったかしら!?」

 

 ・

 ・

 ・

 

「あ、それステージ衣装? イメージは白鳥かな…綺麗だね」

 

「手垢のついた賛辞ね、もう少し捻りを利かせなさい」

 

「……手厳しいな。でも、公演おめでとう。

 はい、これいつか言ってたやつ。遅くなってごめん」

 

「仕様のない人。あんなにも前のことを覚えているなんて……両手いっぱいの、鮮やかな紫の花…覚えていて、くれたのね」

 

「約束だったからね」

 

「いいわ、許してあげる。

ねぇ、私のアルブレヒト。今日は特別に、あなたのために舞ってあげる。その目に焼き付けて…たとえこの手が離れても、決して忘れないように」

 

「もちろん」




~鎮守府裏日誌~

ちなみにこの後、ステージにいたく感動した暁が「私もあんなステキなレディになって見せるわ!」と言い出すんだけど…提督は難しい顔で「メル…Λはやめた方が良いと思うなぁ」とこぼしたとか。まぁ、パフォーマーとしての彼女は比較的マイルドだけど、それでも割と邪悪だからね。仕方ないね。
実際、提督が見に来てなかったらこっそり観客から経験値搾り取る気でいたみたいだし。

ところで、興味本位で提督の持っていた花束について調べた暁はビックリ仰天。

「へぇ、アレってアマリリスって花なのね……え? 紫のアマリリスってそんなに高いの? でも司令官、それを花束で……ええっ!?」

驚きのあまり周りに漏らして「提督に恋人が!?」「お相手は今を時めく謎のフィギュアスケーター」って青葉が大々的に取り上げたものだから、これまた一騒動があったんだって。
コマンダン・テストはどうしたのかって? 彼女は正真正銘の淑女だからね、興味はあっても他人の色恋沙汰を周りに吹聴するような無粋なことはしないのさ。ただし、調べていないとは言っていない。

ネタバレ上等の設定集、いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことより続きはよっ
  • 全部晒してしまえwww
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。