ボクっ娘幼馴染に配信チャンネル乗っ取られたらバズり倒した 作:世嗣
「放浪者さま! 来ます!」
衛兵さんの声かけでプレイヤーたちが揃って武器を構える。
俺も師匠にもらったこの新しいバスタードソード、試し斬りと行こうか。
おお、なんか湖の水面が波打ってきた
ゴジラとか出てきそう
湖が揺れる。空気が
「ヒロの字、お前さんレイドの指揮の経験は?」
「全然です。いちおう俺がリーダーなのでほかの二人に指示くらいは出してます。けど、それ以上を求められると正直頼りにならないと思います」
「俺の方も正直似たようなもんだ。まあやれるだけやるしかないわな」
「っすね。一応視野は広く持つようにします」
「ヒロ出てきたよ!」
勢いよく上がる水しぶきの中目を凝らす。ヒレとうろこのある馬のような姿、前情報通り海馬……んん??
「違う……海馬、だけじゃねえぞヒロの字!
ボスキターー!
羽? 小さいけど翼ないこれ
四足の馬の姿にしっぽの場所に魚のひれで、背中には羽っぽいのまでついてんじゃん。やば
ペガサスとヒッポカムポスのいいとこどりかよww
中学生が考えたモンスターみたい(小並感)
これ空飛ぶのかね
「読み方はヌクス・ザ・ヒッポカムポス、でいいのか?」
「団員さんが言ってた『ウィスゲー・ザ・ヒッポカンプ』とは姿と名前が違うね。羽自体は大きくないし、湖から出てきたってことは基本は水の中で生きてるモンスターだとは思うよ」
「だな。でも油断はできねえ、とりあえず距離を取って―――ユウキどうかしたか?」
そんなぼーっとして。もうボス戦は始まってるんだぞ。
「いやなーんかあのフォルムに見覚えがあるというか……あれがペガサスとヒッポカムポスの合体には見えないというか……」
「はあ? いやどう見ても羽とヒレのある馬じゃんかよ」
「いやそれはそうなんだけどさ。なんとなく口の形とかすごい大きくてしゃべりそうで」
……確かに口、というか顔がでかい気もする。でもほかに特筆すべきことなんかないだろ。
せいぜい座り方が馬っぽくない膝を折り曲げた……ん?
翼があって、しゃべりそうで、膝を折り曲げたように座るモンスター?
「これさ、もしかして『スフィンクス』の馬バージョンだったりしない?」
スフィンクス!?
いやでも水場ですよ
ヒッポカムポスとかペガサスってギリシャ神話だろ。それなのにスフィンクスまざってるの変じゃない?
いやエジプトのイメージが強いスフィンクスだけどギリシャ神話にもスフィンクスは登場するんダ。あの有名な『朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か』って質問だってギリシャ神話の方のスフィンクスの話だからナ
そうなんだ!
いやそれにしたってスフィンクスってそれはさすがに――――。
『娘、よくぞ我の正体を見破った』
キャアアアアシャベッタアアアアアア!
馬の口が器用にパクパクしてるのちょっと面白いな
「ひ、ヒロほんとに話し始めたよ!?」
「いやお前がスフィンクスじゃないかって言ったんだろ」
「だ、だってなんとなくそんな気がしたってだけでほんとに当たるとか思ってなかったというか」
『娘』
「ゆ、ユウ、呼ばれてるよ、ほら前に出た方がいいんじゃない」
「ね、姉ちゃんなんで押すのさ。あ、やめて、姉ちゃん!」
なんかボスがさっきからユウキに向けて話しかけ続けてる。
周りは……あ、どうぞどうぞって感じで下がってるな。突然話し始めた馬にちょっとみんな引いてるわこれ。
『娘』
「は、はいい……」
ガクブルじゃん
そりゃ身の丈より大きな馬がしゃべってたら……
ユウキちゃんがんばれ~
『我こそは枯れ泉のロロー・ザ・スフィヌクスの三番目の子の孫……』
「けっこう血筋離れてるんですね」
『……それでも我が力に陰りなし。我、スフィヌクスの血族として勝負を申し込ませてもらう』
「勝負?」
『いかにも』
鷹揚に頷くモンスターはそのまま重苦しく言葉をつづける。
『我と尋常なる、
はい?
はい?
はい?
はい?
ああ、スフィンクスだから……
「なぞ、なぞ?」
『左様。この場に現れた我と汝らが相対する以上、それは必定』
「ボクらこの湖を解放したいだけだからあなたとどうしても戦いたいわけじゃなくて! この湖から近くに住んでいる人が飲み水を引いてるんだ! あなたがほんの少し上の方に行ってくれたりするだけで……」
『我が矮小なりし人間に気を遣うだと? 面白い冗談だな、娘よ』
「むーー」
『人の子よ、帰るがいい。我もまたこの場所が気に入っている。それに人の子が苦しむ姿は我としても痛快でな。
だがどうしてもどかしたいならば、汝らが我より上だと証明せよ。それならば汝らの頼み考えてやってもいい』
「ボクらの方が強いってわかったらどいてくれるの?」
『左様。だが我は知恵も力も一流である。汝らは、力とその知恵、すべてを以てして我に打ち勝ってみよ』
力と、知恵?
「つまり私たちに戦闘もしながらなぞなぞにも答えろってこと?」
「ええ、なんだそりゃめんどくせえ……」
「でもチャンスかもな。俺らは寄せ集めのプレイヤーで練度もまちまちだが、なぞなぞに答えながらっていうならいくらかマシになるかもしれねーぞ、ヒロの字」
まあ、確かに。
ある意味これは「戦闘だけでボス戦を解決しない」というための手段なわけか。
なぞなぞ答えられたらボーナスでバフとかかかりそう
ボスのリソースも無限じゃねーからナ。みたとこそいつは言語化エンジン、なぞなぞを出すための簡易AIまで積んでるから、純粋な戦闘オンリーボスよりはやりやすいかもヨ
「ま、どのみちこいつはそういう風に作られてるボスだし、攻略するにはこれしかないわけか」
つーわけでユウキ、乗ろうぜ、なぞなぞアンド剣のバトル。
ユウキが強くうなずくと、目の前の巨大なボスに向けて声を張る。
「やろう。この湖をかけてボクらと勝負だ! ボクらが勝ったらここで人の邪魔するのやめてもらうからね!」
『よかろう―――ならば場を整えよう』
「へ? 場って、わっ!」
うお!
なんか海馬から薄いバリアみたいなのが出てきたぞ?!
「ユウキ!」
「だ、大丈夫だよ! ダメージとかはない! けど、なんだろうこれ……バリアというか……『壁』?」
「壁……」
ぽつり、とランがつぶやく。
その視線はボスを中心に広がっていく半透明のバリアのようなものに向かっている。
「ヒロ私ちょっとユウのそばに行くから! これ私の想像通りならユウだけじゃまずい気がする!」
「ちょ、ラン!?」
ラン姉ちゃんが走っていった!
広がったバリアが止まったな。広さ的に湖の周辺一メートルくらい?
絶剣ちゃんたちがバリアの中に閉じ込められた
なんかバリアというより部屋っぽいな
『この空間は我の体力を削り作り出した『絶対回答空間』。
この中にいる限り汝らは我から危害を加えられることはないが、その代わり汝らも我に危害を加えることはできない。
汝らができることはたった一つ、我の質問に答えることだけ。正解すれば汝らには我の先祖スフィヌクスの加護がかかる』
「ちょ、お前らがなぞなぞ答えてる間俺らは何すりゃいいんだよ!」
『お面の放浪者よ、この空間は神聖。何人も犯すことは許されん。
しかしそうさな、この空間を隔てる壁、これは我の体力を削り作り出している。もしこの壁、破壊することができたならば、回答空間の外のものも回答に加わることを許そう』
「む……」
つまりこのボス戦のルールは大きく三つ。
ひとつめ、ボス戦はなぞなぞ対決と、普通の戦闘が代わりばんこに行われる。
ふたつめ、なぞなぞには回答専用の空間があり、それはボスの体力を削って作られている。空間の外のプレイヤーはなぞなぞに答えることはできない。正解した場合はプレイヤーにバフがかかる。
そしてみっつ、空間の壁は攻撃でき、もし壊せれば全員が回答権を得る。
「クラインさん、俺たちは」
「とりあえずは外から動くしかなさそうだな。まあ風林火山のやつら指揮りつつほかに声かけられそうなプレイヤーいたらそう誘導しとくわ。オメーもなんかあったら声かけろよ?」
「っす、頼みます」
やっぱ正解したらバフあったな
なぞなぞあるのは楽しそうだな
いま中にいるの絶剣ちゃんとラン姉ちゃんとプレイヤーが二、三人か
さてどんななぞなぞが来るか
「ユウキ! ラン! 俺たちは外でこの壁を壊してみる! お前らはお前らで頑張ってみてくれ!」
「まかせて! 直前で姉ちゃんが入ってきてくれたからたぶん行けるよ!」
「ユウもちゃんと考えてね、成績だけなら私に勝ってるところもあるんだから」
「えっ」
……大丈夫、だよな?
『では第一問。ひみつがだいすきな仕事ってなーんだ』
「え? スパイとか?」
『それが答えでよいな?』
「あ、ダメですダメです! いまのなし!」
『本来お手付きは認めぬ。だが、今回限り特例として許そう。次はないぞ』
……ダメかもな……一応壁の強度を試しておこう。
唸れ! 師匠にもらったバスタードソード! 両手剣単発技サイクロン!
「……ふっ、みねうちだ」
全然傷ついて無くて草
団長の剣両刃なのにみねとかあるの?
「やかましいわ。いーんだよ、そんなに柔らかい壁じゃないと分かっただけで」
負け惜しみか?
安心せいみねうちじゃ
反撃とかはなしカ。壁の耐久値はボスの頭上にあるHPバーでわかるみたいだナ
だいたいいま2割くらい削れてるか
ラン姉ちゃんだいぶ長考だなー
「ひみつが好きな仕事……基本的になぞなぞは知識よりも思考の柔軟性を試してくることが多いから恐らく大事なのは問題文をちゃんと読み込めるか……」
「なぞなぞかー、小学生の時によく本で読んだよね。『世界の中心にいる虫は何ですか』とか、ああいうの」
「あったね。答えは『蚊』で、『せかい』の真ん中にある文字が『か』だからっていうの」
『ひみつが大好きな仕事はなんですか』なあ
探偵とかスパイとかそういうストレートな答えじゃないってことだよな
あー、わかったかもナ
デジマ?
俺も完全に理解したわ(わかってない)
ヒントおしえてやろーカ?
「あーやめてくださいやめてください! いま私もいいとこまで来てるので! もう少しで解けるので!」
「姉ちゃんこういうとこちょっとムキになるよねー」
「ひみつが好きな仕事……ひみつの言いかえ? シークレット? 内緒? それとも隠し事……」
「ん? 隠しごと……
ぽん、とユウキが手を打った。
「わかった! 答えは『作家』だ!
『ほう、正解である。やるな、娘』
「あーーー! ユウが横取りしたー!」
「してないもーん! やっほー、あたると気持ちいい~!」
「次! 次は私が当てるから!」
おおー!
ヒントなしで当たった!
ラン姉ちゃん妹に負けちゃったww
ムキになってるの可愛い
ボスが空に向けて嘶きを上げると、俺たちを隔てていた壁が砕け、その破片がそのまま俺たちの体に降りかかる。
「おお、マジでバフがかかったぞ! オメーら、行くぞ!」
「おうともよリーダー! SAOサバイバーとしてかっこいいとこみせようぜ!」
かかってるバフは、攻撃力上昇に防御力上昇か。
ユナの《吟唱》ほど細かいところのサポートはできなさそうだけど、それでも癖がなくて使いやすいバフだ。
「よし、お前ら武器構えろ。俺らも攻撃に回るぞ!」
「ヒロがいるってことはバリアは壊れたんだね!」
「お前らのおかげでな。ユウキ、俺たちはこのまま前だ! ランは後ろから弓を―――」
ラン? なんでそっぽを向いて頬膨らましてるんだよ。
「……次は私が当てるから」
こ、これはラン姉ちゃんがいじけている!
レアすぎる
ユウだけじゃ危ないかもって言った後だったもんねえ
かわいい
「だぁー! いつまでそれ言ってんだ! いつも通り援護頼んだぞ!」
「……わかった」
まだちょっと悔しそうだが、ランのことだし大丈夫だろ。
『ブルオオオオオォォオオ!』
ボスが吠えると、周囲の湖の水が波打ち、こちらに向けて大きな波を作りだす。
へっ、こんなARの演出、恐るるに足りねえ!
いまそこに近づいてやる―――と、おお?
「あばばばばっ!」
「ひ、ひろーーっ!」
波に取られててすっころんだぁ!
なにやってんだよ団長ぉ!
お、クラインが助けたな
腕を引っ張り上げるクラインおじさん、武士の鑑
「大丈夫かヒロの字。ボスモンスターはARだがこの波はリアルにあるもんだ。たぶん俺たちの目の前のプールに入ると波に足を取られるようになってるっぽいぜ」
なるほど、波のプールを使った特有の演出ってわけか。憎いことするぜ。
『ブルオオオオオォォオオ!』
俺がプールの浅瀬でクラインさんに抱き起されたタイミングで、ボスが波に乗ってこちらに襲い掛かり、その巨大な足を振り下ろそうとする。
「って、容赦ねえな!」
やべ、剣のガードが間に合わ―――。
「見えた」
蒼い光芒がボスの膝を打ち抜き、ボスが足を引っ込めてそのまま波にのって湖の奥まで引っ込んでいく。
この攻撃は……!
「ふう、ちゃんと当たった。やっぱりリズベットさんの弓に変えてから命中精度がよくなってるみたい」
ラン姉ちゃん!
ほしいところで援護くれるいぶし銀
なぞなぞ正解できなくても仕事はしてて偉い
「むっ、次は私が正解しますから!」
まだ気にしてんのか……。
まあ俺は俺のやるべきことをするか。
ええと、湖は現実では波のプールで、その深さはそんなにないけど一番深いところで大人の腰下くらい? いま俺たちのいる浅瀬だとくるぶしくらいだけど、ボスが来るのはもう少し深め、すねから膝くらいのとこまでか。
うーん。ちょこちょこ動かれると面倒だな。
「クラインさん、いまボスは扇状の浅瀬の部分を周回するように動いてるっす。俺とユウキはこのままプールの左側に行くんで、風林火山のみなさんは真ん中に来たボスの反撃まかせていいっすか?」
「おお、構わねえけどよ……なら右側は?」
「あー、俺たち以外のプレイヤーはさっきのボスの攻撃を避けて右に寄ってるのでそっちは任せる……ですかね」
「おっしゃわかった。なら風林火山のやつからひとり右側に伝達出してやるよ。それで一応フォーメーションは出来上がるだろ」
サーセン、助かります。
「ユウキ、俺たちはこのまま左に行ってそこでボスにダメージを与えよう」
「おっけー! 連携はいつも通り?」
「おう。俺が前で攻撃を跳ね上げるからユウキがダメージを与えてくれ。膝くらいまでは波が来るから走り回れないとだけは思っておけよ」
「りょーかいっ! ヒロも溺れないでねっ!」
問題ない。俺には今水場の守護神ギャレンがいるからな。
「ヒロの字! 左側行ったぞ~!」
きたきたきたきた!
うお、でっか・・・
二人で行けるか~?
「問題ねえよ! おらっ! っ、―――スイッチ!」
「まかせて、バーチカル!」
蹄をはじいてそのままユウキにスイッチ。
ユウキのアニールブレードがライトグリーンの色に包まれ、膝の関節を一閃。
ボスが叫び、湖の中で起きた波に乗って俺たちの前から下がっていく。
「ナイスユウキ。久々だけど戦闘の腕はなまってねーな」
「もっちろん! と、言いたいとこだけどここはダメだね。水が足に絡んでちょー動きにくい」
「ここら辺は浅瀬だから良いけど、もう少し奥だと確かにきっちいな」
「うん。水場だから走ってボスに追いつくとかも難しいし」
AR特有のめんどくささだね
明日筋肉痛になってそう
アニブレじゃそろそろ火力きつくなーい?
ある程度はPSで補えるし好きな武器使うのが一番
もうすぐ体力バー残り二本!
お、ほんとだ。
たしか最初が体力ゲージが3本だったから悪くないペースだ。
即席のフォーメーションだったけどまあまあ悪くなかったらしい。
しばらく右、中心、左で攻撃を回していたが、2周目のユウキのソードスキルが命中した時、ふたつめの体力ゲージがすべて透明になる。
『ブォォォオオオオオ!』
ボスの体力を使って湖の中心にいるボスから半透明のフィールドが広がっていく。
二本目突入!
おー、さっきのクイズ空間出てきたな
さてさて今回ラン姉ちゃんは正解できるか?
というかまあまあ後ろで弓撃ってるけどエリア内にこれるか
エリア内……うわ、ほんとじゃん。
さっきとエリアの範囲が同じならランの場所からここまで来るのは厳しそうというか……。
「姉ちゃん! なぞなぞくるよ! ほらほら!」
「急げラン! エリア展開終わっちまうぞ!」
「え、ちょ、そんな急に言われても、間に合わないって、あっ!」
あー
エリア閉じちゃいましたね……
ラン姉ちゃんさん……
「むーっ」
な、なんだよ、仕方ねえだろ。俺は前線にいたから入っただけで別にお前から回答権を奪ったわけじゃ、ええい、だからそんなふくれっ面するなっての!
「お、ヒロの字は今回中か。頑張って答えてくれよー」
「あれ、クラインさんは中に入らなかったんすか」
「俺はそういうの難しいのパス。外で壁壊すやつもいると思ったしよ」
あ、そっか。壁壊したら回答権を得られるんだったな。
ということでラン、回答権が欲しいなら早く壁壊すしかなさそうだぞ。
「そーだね。じゃあ私クラインさんたちとも頑張ってくるよ」
「ふふーん、のんびりしてるとボクがまた正解持って行っちゃうからね!」
「むー。クラインさん行きましょう、壁を壊すんです」
「お、おお! 任せとけ、俺の刀の冴えを見せてやるよ!」
ランとクラインさんが壁際から少し離れて、武器で攻撃を始める。
さて、俺たちも俺たちでやることやりますかね。
人数は俺たち含めて10人くらい。
さっきよりちょっと多くなってるのは突発的な巻き込まれではなく自分で中に入るかどうか考える時間があったせいか。
来い馬面のスフィンクス!
『では第二問、そこにいるだけでどんどんおじいさんになる場所ってなーんだ』
年を取っていく場所
なんだそりゃ
今回はさっきよりも簡単かもナー。結構シンプルだヨ
もうわかった団員いて草
「おじいさんになる場所……? 精神と時の部屋とかか?」
「あ、ダメだってヒロ簡単に答えたらお手付きになっちゃう!」
とと、確かに。そうはいっても答えなんてパッと思いつかねーぞ。
他のプレイヤーの誰かが答えてくれるまで待っちゃダメ? ダメか。そうだよな。
なぞなぞってのはいっしゅのとんちだからナ。大事なのは思考の柔軟さだヨ
団長頭固そうだし厳しそうw
「は?????? 俺にかかれば楽勝だが????????」
無理すんなって
橘さんの加護でもそれは無理
大人しく蒼弓ちゃんが来るのまとう?
やかましいわ。見てろよ。こんな子供だましのなぞなぞに俺が止められるはずがない。
俺を止めらえるのはただ一人、俺だっ! あと藍子。そして木綿季。あとユイと母さん。
割といるな……まあいいでしょう。
さて問題は、ふむ………………よし。
「俺はわからん。ユウキ何かわかったか?」
「悩むのみじかっ」
だってマジでわからねーんだもん……。
なにこの問題……なんで速攻でわかってる団員とかいるんだよ……。
うーん、とユウキが口元に手を当てて唸る。
「確か姉ちゃんは問題文をちゃんと読むことが大事って言ってたよ。もっかい問題文思い出してみよ―よ」
「問題文……なんだっけ、私の体のどこかにあるちょっと小突くだけで体力が全損する弱点はどこでしょうとかだっけ」
「それはヒロの願望が出すぎだね。そんな都合のいい問題ではなかったよ」
まかせろ。教えてやれ、長文ニキ
自分でやらんのかい
そこにいるだけでどんどんおじいさんになる場所ってなーんだ
ちゃんと覚えてて草
そこにいるだけでどんどんおじいさんになる場所、かあ。
「おじいさんになる……たぶんここがひっかけだよね」
「だなー。なんかそこがあからさまだ。おじいさん、おばあさんでもいいのか? 時間がたつ? 成長する……」
「成長する……ん? なんかでてきそう……年を取る……」
年を取る、か。なんかそんな話仮面ライダーWにもあったよな。
仮面ライダーWは探偵である主人公たちが探偵事務所に持ち込まれる謎を解き明かしながら街の人たちを救う話だ。
その中で出てくる怪人「オールド・ドーパント」、やつは人間を強制的に老化させてしまう能力を持っており、主人公の翔太郎とフィリップも大変苦労させられたもんだ。
『そろそろ答えを聞こう』
「うんうん、この答えも案外オールドドーパントがいる部屋とか言うのだったりしてな。はっはっは、まあこんなのが答えなはずないしこんなこと言ったら間違いなく―――」
『不正解である』
「そう、不正解になる! ……ん?」
んんんんん????
あれ、いつの間になんかボスが俺をじっと見てる。
「……あのー、いまなんて?」
『不正解である。汝の答えは間違っている』
…………ちょっと待って。
「ヒロなにしてんのさ?!」
「いやちょっと待て今のどう考えても俺の独り言だったろ! これを回答扱いにするのは意地悪すぎじゃね!?」
『だが我は汝らに答えを問おうと言ったぞ』
「だとしてもこう雰囲気でさぁ!」
何やってんだよ団長!
これだからラオタは……
あーあ、ラン姉ちゃん来る前に終わらせちゃった
そういや答えは何だったんだ?
『廊下』だと思うよ
ああ、おじいさんになる『老化』と歩く『廊下』でかけてるわけね
おもろ~
「待て待て待て! いまのなし! ダメ!? よくない!? ほら、お手付き一回セーフ! みたいな!」
『残念だが回答権については第一問の時にそこにいる娘に説明はした。回答は回答である』
あ、説明?
そこの娘ってことは、なに、ユウキさっきお手付きしたの?
「てへっ」
てへではないが。
『汝らは間違いなく誤回答……が、運がよかったな』
お?
『あちらの右奥の娘子の一人がほとんど同時に正解をした。よってこの問題、一応は汝らの正解、ということになる』
おおっ! マジかよ! 誰だか知らないけど回答してくれた人サンキュー!
やったぜユウキ俺たちのミス帳消し……どうしたユウキそんな歯の間に挟まった若芽を下でとろうとしてるみたいな顔で。
「……いや、いちおう? 普通に正解じゃなくて」
『その通り。一応、である。問題は正解した。だが
「ぺ、ペナルティ? いや、そんなこと聞いてないんだが……」
『正解した時だけ加護がかかるのは不公平であろう。故に、汝らに重しをつけさせてもらう』
重し……?
ぶるるん、とボスが鼻を鳴らすと俺とユウキの腕あたりに水がまとわりついていき、淡い光を放ち始める。
え、なにこれ説明してくれないか!?
こわいこわいこわい、あ、なんか光が収まって来た……あれ?
「ここは、あれ、ヒロ君どうして」
「あら、私はさっきまで救護施設の方にいたのに……」
「ユージオさん!? ……に、ユウキの隣はさっきのシスターさん!?」
「うぇええっ!? なんでシスターさんがこんなとこに!?」
「放浪者さま! と、ユージオ
「せ、
ユージオにいさま? セルカ? 知り合いなの? というかなんで俺たち手枷で繋げられたんだ?
なにプレイヤー?
どういうこと!?
いや、イエローのカーソルがついてるしNPCだナ
団長とユウキちゃんの手にそれぞれ水の手錠みたいなのついてる
なるほどこれがペナルティってことね
おーい、この手枷なんだよ! なぜにこんなのがついてる!
『汝は誤答をした。それは我との間の『
「いやだとしてもユージオさんとシスターさんを連れてくることなかったろ!」
『否定する。そこの二人もまた我の定めし規則を破った。故に汝らに繋いだまでよ』
二人も規則を破った?
「あのー、ちなみにボクは何で一緒に繋がれてるの? ボク問題とか間違ってないような……」
『汝、近くにいたし……』
「急に理由が雑だよ!」
あ、ボス逃げた。待て! 確かに戦闘のターンだがこれに関しては説明を必要とする! ちょっと!
『ユージオ』
義兄さまらしい。ヒロの左腕に繋がってる。
『シスターセルカ』
義妹らしい。ユウキの左腕に繋がってる。
少し長くなったので後編3まで分割してます。
22:00に後編3が投稿されます。
ヒロインの中でいまのところ誰が好き?
-
ユウキ
-
ラン
-
ユイ