稲荷神様に出会ってTS転生したは良いけど、ここは本当に未来の日本!?   作:エリム

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多分ほとんどの方は初めまして。
もし、放置してた作品を読んだことのある方はお久しぶりです。
仕事で電波の入らない遠くとまでは言い切れないそこそこ遠いところに約2ヶ月行ってました。(身バレ防止のため詳しくは言わない)
あらすじで書いた通り、更新話を書いているときにふと思い浮かんだので息抜きと深夜テンションの勢いで書いた作品です。なので、短編としていますがもし、何かしら反応がそれなりにあれば一応設定は考えてあるので舞い上がって続きを書くと思います。そんな単純な作者ですので、もし面白いなとでも感じていただけたら一言残していってもらえると嬉しいです。

多分誤字がそこそこあります。



転生~誕生

 「・・・んぅ」

 

 随分と長いこと寝ていた気がする。

 ・・・いや、待て。

 長いこと寝ていた(・・・・・・・・)

 

 (まずい!いくら非番とはいえ点呼に遅れたか!?)

 

 

 そう思い、飛び起きて目を開けるとそこは見知った二段ベッドの下段ではなく、霊峰の頂上と聞いたら思い浮かべそうな雲海が眼下に広がり薄霧立ち込める岩肌の上だっ「フギャ!?」た。

 

 (ふぎゃ?)

 

 「いたたた・・・。全く急に飛び起きるでない。危うく転がり落ちてしまうところだったではないか」

 (す、すみません?)

 

 思わず謝ってしまったけど声の主は何処に?

 ついでにここ何処!?

 

 (確か昨日は飲みには誘われたけど、そんなに飲めないし積みゲーの消化もしたかったから営内でお留守番をして・・・)

 

 私物のパソコンを開いて、セーブしていたグランドルートの初めをプレイし始めたところまでは覚えている。

 となると、状況としてはプレイ中に寝落ちした可能性が高い。

 つまりは・・・

 

 (夢か)

 

 確かプレイしてたやつの設定は和風ファンタジーだったし、こんな夢を見てもまぁ不思議じゃないか。

 

 「確かに夢と言えば夢かもしれんが、少なくともお主が思っている夢ではないぞ?」

 

 また声の主が見えない声。

 ついでに思っているような夢ではない?

 

 「下じゃよ。お主の座っている岩の下じゃ」

 (下?)

 

 声に従い岩の下を見ると、狐が一匹・・・いや、尻尾が九本ある狐がそこにいた。

 

 (九尾の狐?)

 「そうじゃ。それが我じゃ。このままじゃお主も見難いじゃろうし、膝の上に乗せてくれぬか」

 (え?嫌だよ?)

 「なぬっ!?」

 

 だって野生の狐とか、エキノコックスとか怖いし生で触りたくない。

 

 「ここが夢だと思ったのはお主じゃろうがー!いいから我を膝の上に乗せよ。ほれ、はよう」

 

 そう声がしつつ、足元の方にすり寄ってくる九尾の狐。

 まぁ、夢のなかだしアレルギーが出ることもないか。

 そう思ってその九尾の狐を足元から拾い上げて、膝の上に乗せると丸くなりながら俺を見上げてきた。

 その姿を見ると無性に撫でたくなったので、せっかくなので撫でてみるとこれがまた気持ちいい毛並み。ずっと撫でていられる気がする。

 

 「うむ。くるしゅうない。もっと撫でよ」

 

 本人?本狐?からもお許しが出たので、とりあえず飽きるまで撫でていよう。

 さて、ちょっと話は逸れたがこの狐は一体何なのだろうか。いくら夢の中とはいえちょっとおかしすぎやしません?

 

 「ほう。さすがに違和感はあったのか」

 

 こんな風に思考読んでくるし。

 

 「言っておくが、お主今まで言葉を発してはおらんからな?発したと思っておるならばそれはお主がそう思い込んでいるだけじゃ」

 (え?)

 

 え?マジで?

 

 「マジじゃ」

 

 もしかして思ってること筒抜け?

 

 「表層意識しか読み取っておらぬが、まあそうじゃのう」

 

 じゃあ、思うだけでいいんだ。やったー!楽ちん楽ちん。

 

 「お、おう・・・今まで何人か会ってきたが、こういう反応は初めてじゃのう・・・」

 

 そうなんだ。で?君はどういう存在なの?これが普通の夢じゃないっていうなら説明してくれるんでしょ?

 

 「急に話題が変わったのう・・・まぁその通りなのじゃが、まずはお主の見立てを聞こうか」

 

 普通の夢じゃないって、明晰夢とかそういう字面通りの意味じゃ当然ないんだよね?

 

 「そうじゃ」

 

 じゃあ、もしかして死にかけてる?

 

 「惜しいのう」

 

 てことは・・・え?死後?

 

 「正解じゃ」

 

 え?死んだ覚え一切ないんだけど?

 

 「睡眠中の急性心筋梗塞じゃからの。若くして死ぬには安らかな死に方じゃろう。実際苦しくはなかったと思うんじゃが」

 

 まぁ、死んだ記憶ないからそうなんだろうけど、じゃあ証拠はある?流石に信じられない。

 

 「なら、お主の名は?父は?母は?祖母は?親しかった者は?そもそもどこまでお主は自分の歩みを思い出せるのじゃ?」

 

 え・・・と・・・名前・・・自分の名前・・・ええい、後回し!

 父は・・・ふー・・・いや、これは確かあだ名・・・次!

 母は・・・みゃー・・・ってこれもあだ名・・・次!

 祖母は。。。ばあちゃん・・・って当たり前だろ!

 

 それから友達の名前や自分の人生を振り返ってみたけど、霞がかかったように断片的にしか思い出せなかった。

 

 「ほう。まだそこまで覚えておるのか。さすがじゃのう」

 

 さすがって何が・・・

 

 「こっちの話じゃ。それで、自分が死んでおることは飲み込めたか?」

 

 まあ・・・

 

 「ならば我が何であるかもおのずと絞られるだろう?」

 

 あの世への案内人?いや、案内獣?

 

 「おおう、そっちへ行ったか。まあ、こんななりじゃしのう」

 

 違うの?

 

 「違うわい。そもそもお主はもうとっくに三蔵の川を渡り死後裁判を受け、現世での業も償っておる」

 

 え?償ったの?思い出せる感じじゃそんなに償うほどの悪いことしてなかったと思うんだけど。

 

 「お主は生前生き物を一匹も殺さなかったのか?一度もやましいことをせんかったのか?そんなわけはないじゃろう。特にお主は料理人であったこともあったし、国の防人じゃった。寧ろ他より業は深かったと思うぞ?」

 

 えー、そんなんで地獄に行くの?それじゃあ生きてるだけで地獄行き確定じゃん。

 

 「まあのう。もっとも仏の教えのように何兆年も苦しみ続けるのは、本当に極々一部じゃ。普通に生きておれば善き行いも加味されて一日二日で刑期は終わる。その後は魂を休め、また現世での修行へと向かうんじゃ」

 

 へ~

 じゃあ、君の正体ってもしかして神様?

 

 「正解じゃ。火と風の鍛冶神にして食物の神、ついでに縁結びの神などもやっておる全国の山地に祀られている稲荷神の一柱じゃ」

 

 なんか凄いような凄くないような・・・

 

 「・・・なんか思ってた反応と違うのじゃ・・・」

 

 だって狐の神様って言ったらパって出てくるのはお稲荷様だし。ああ、そういえば玉藻の前も神様だったっけ?

 

 「そこは詳しく話すと長くなる事情があるので無視するぞ?まあ、三貴神などと比べられると流石に格下じゃが、これでもそこそこ高位の神なのじゃぞ?」

 

 だって見た目まんま狐だし。せめて狐っ娘で現れればいいのに。

 

 「む?狐っ娘が好きかの?」

 

 まあ嫌いじゃなけど。

 

 「そうかそうか。狐っ娘が好きとは良いことを聞いたのう。ちなみにこの姿はまあ我の趣味じゃ。楽なのでのう。さて、長々と話したがお主の前に姿を現した理由じゃが・・・」

 

 もしかして異世界転生?チートもらえる?

 

 「特に深い理由はない」

 

 え?

 

 「前から気に入ってた魂がこちらに来たのでのう。少々話してみたかったのじゃ。期待させて悪かったのう」

 

 ・・・まあ、そうですよね。現実なんてそんなものですよね。

 

 「やっぱりそういうものには憧れるものかの?」

 

 あんまり好きではないけど、憧れないといえば嘘になる程度には

 

 「ちなみにのう、もしちーとがもらえたら何を望むつもりじゃったんじゃ?」

 

 状況によりますけど、無制限で特に使命もないとかいうめちゃラッキー状況なら現世でお世話になった人や家族がそれなりに幸せに生きていけるようにとそこそこ丈夫な体と頭脳、クラスで2番目位の容姿と後は最低限幼少期ぐらいは安心して過ごせる家庭環境の家に生まれたい。もちろん記憶の引継ぎはありで、ついでにできれば女の子に生まれたい。こんなところでしょうか?

 

 「欲張りなように見えて無欲じゃのう。特に最初はお主に一切関係ないじゃろ」

 

 親孝行も恩返しもそんなにできなかったから。これくらいはと思って。それに特に理由のない俺Yueeee好きじゃないのでこんなもんです。

 

 「そんなものか?もう少し強欲でも良いと思うんじゃが」

 

 発展途上国とかスラムの人とかに言わせれば充分強欲だって言われると思う。

 

 「そうじゃろうか・・・」

 

 そうですよ

 

 「・・・では、我もぼちぼち行かねばならぬし、行くとするかのう」

 

 

 

 そう言って俺の膝からぴょんと飛び降りる稲荷神様。

 もう少し撫でていたかったなあ。

 

 「中々楽しい時を過ごさせてくれた礼じゃ。容姿や身体機能に関しては無理じゃが、他については我の加護ということで叶えてやろうぞ」

 

 いいんですか?

 

 「気にするでない。さっきも言った通り礼じゃ。もっとも生まれ変わるのはお主が死んでから60年から70年後・・・まあ遅くとも100年はいかんじゃろう未来の日ノ本じゃ。これくらい大した差にもなるまいて」

 

 そうですか。ありがとう・・・ございます・・・

 あれ?すごく眠たい・・・

 

 「今回は我が無理やり起こしたようなものじゃからの。本来、禊を終えた魂は安寧と幸福に包まれながら親しき魂と寄り添い次の修行を待つのじゃ。ということで、次に目が覚めるのは新たな生を受けた時じゃ。また会おうの。我が愛し児よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (ん・・・ここは・・・)

 

 暗い、けど温かくて安心する不思議な空間。

 

 (ああ、ここ、子宮の中か)

 

 なんとなくだけど、なぜか自信のある答え。

 そう確信を持った瞬間、下に導かれるような感覚に襲われる。

 

 (ああ、産気ついたのか)

 

 正直もう少し此処に居たい気もあるけど、新しい母に負担をかけるのもよくない。

 というわけで、導かれるまま頭上の光へと近づいていく。

 そして光に包まれ、薄目だけど新しい世界を見た瞬間・・・

 

 「オギャア!?オギャア!!?」

 

 うん、無事泣くことには成功したけど待って?

 確か稲荷神様、俺が生まれ変わるのは6()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って言ったよね!?

 なら、なんで周りの大人の半分くらいに角とか尻尾みたいな膨らみがある訳!?

 ここ本当に未来の日本!?

 

 「はい、お母さん。可愛い女の子ですよ」

 

 そう看護師か助産師さんに言われながら新たな母親の横に寝せられる。

 

 「ああ、ありがとう。きちんと生まれてきてくれて・・・初めまして・・・私は香織・・・あなたのお母さんです・・・貴女は紡・・・守上 紡・・・これからよろしくね?」

 「オギャア!オギャア!?」

 

 そうだね!こっちも生んでくれてありがとう!香織お母さん!けどね!?なんでお母さんのおでこにも角が生えてるの!?

 ここ本当に未来の日本なのぉ!?誰か教えてぇ!!

 

 「オギャアァ!!!」

 

 

 




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