シスコンな双子の兄が姉になりたい妹のために弟になった話   作:名も無き二次創作家

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サブタイが!うまく付けられない!
誰かいい感じのサブタイ思い浮かんだら感想か何かで教えてくだちい……。
良いかも! って思ったら採用させていただくかもしれません。

単行本の最初によくある人物紹介

ジュン
ココアのことを最高の姉だと心から思っているため、彼女の発言には基本的に肯定で返す。口癖は「さすが姉さん」。

ココア
ジュンの双子の姉(戸籍上は妹)。長女のモカに憧れて“よい姉”を目指している。ピンときた人間を妹(弟)にしたがる。全然関係ないけど女の子にも性欲はあるよね。関係ないけど。


サブタイが思いつかないくらい(彼らにとって)平凡な日常

「ふんふふふ~ん♪」

 

喫茶店ラビットハウスの2階。

小綺麗な部屋の中には、ベッドに転がり漫画を読んでいるココアがいた。

そして、部屋の主であるジュンは床に座り、ベッド側面に腰掛けて別の漫画を読んでいた。

 

『妹はいいものだ』『姉妹サンド』

 

どちらもきょうだい愛をテーマにした名著であり、彼等の愛読書である。

 

1人で静かに過ごすのが性に合わないココアは、よくジュンの部屋に遊びに来る。

今回は漫画を読んでいるため比較的静かな彼女だが、どうやら読んでいる漫画で気になったことがあったらしい。

顔を上げてジュンに話しかける。

 

「ねえ、このシーンなんだけどさ」

「?」

 

彼が愛読書を丁寧に閉じて振り返ると、そこには“ソファーに座った妹が、目の前の床に座ってテレビを見ている兄の両肩に足を置いているシーン”があった。

家庭によっては兄妹に限らず家族間でよくある光景だ。

同じ空間で暮らしていると相手が邪魔で足を上に置いたり、邪魔ではなくても寝転がっている家族の上になんとなく座ったり。

 

「それがどうかしたの?」

「これ、きょうだいっぽいと思わない?」

 

たしかに友達でもこんなことは滅多にしないだろう。

 

「まあ、きょうだいっぽいけど……」

「チノちゃんとやったら距離縮まるかなと思って」

 

つまり、彼女はチノに「私を踏んでくれ」と言おうとしているのだ。

 

「うーん、そういうのは自然にやるものであって、「やって欲しい」って言ってやるものじゃないと思うよ? それはただ“足蹴にされて喜ぶ変態”になっちゃうんじゃないかな」

「は!? た、たしかに……」

 

ココアは、チノにドン引きされる自分の姿が容易に想像出来た。

 

「でもいい着眼点だと思うよ。チノは素直じゃないから口ではなかなか認めないだろうけど、内心で姉だと認めてくれたら自然とそういうスキンシップをしてくるんじゃないかな。それを1つの目標にするのもいいかもしれないね」

「私を姉だと認めてくれたらしてくれるの?」

「たぶんね」

「……ジュンくん、してくれたことないよね?」

「え……?」

「だから、ジュンくんは私にそういうスキンシップしてくれたこと無いよね。肩に足をかけてきたりとか」

 

それはそうである。

一般的な兄妹なら、例えば兄が寝転んでいる妹の上に座ったりすることもあるだろう。

しかしジュンは重度のシスコンだ。

ココアが嫌がりそうなことはしたくない。

 

「姉さんに足を乗せるなんてとんでもない。大切な姉さんにそんなこと、できるわけがない」

「さっきと言ってること違うよ?」

「じゃあ、姉さんがやって欲しいんならやるよ」

「……さっきと言ってること違うよ?」

 

討論の末、まずはココアがジュンの両肩に足をかけることになった。

ジュンが乗り気ではなかったので、まずココアからやってその後ジュンがやることにしたのだ。

ちょうどベッドの上に転がっていたココアは身体を起こし、これまたちょうどベッドの側面にもたれているジュンを見る。

そのまま彼女は足の間にジュンを入れるように座り直して足を上げ、ジュンの両肩に足をかけた。

 

漫画では床に座っている兄が少し離れていたため、妹は兄の肩に足首をかける形になっていた。

 

しかしジュンはベッドに直接背中が当たっていたため、近すぎて漫画のようにはならなかった。

具体的に言うと足首では無く膝裏がジュンの両肩に乗っかっていた。

 

ジュンの頭の横にある膝までは白いニーハイソックスで覆われている。

足、とくに足の裏は人体の中でも汗腺が集中しており汗をかきやすい。

足の裏から出るその汗は本来なら無臭だ。

しかし靴下などで蒸れると雑菌が繁殖し、臭いの原因の1つとなる。

しかも、足を覆う部分が多いほど通気性が悪くなり雑菌が繁殖しやすい。

 

まあ、ココアの足は良い匂いがしたのだが。

少なくともジュンはそう感じた。

 

「どう? 姉さん」

「えへへー、楽しい♪」

「じゃあしばらくこうしてよっか」

 

ぶらぶらと足を揺らすココア。

その振動も、両肩にかかる足の重みも、楽しげなココアの鼻歌も。

なにもかもが愛おしく思うジュンは、姉の優しく包み込むような匂いにだんだんと意識を薄れさせていく。

この街に来て数週間。

慣れない環境の中で疲れがたまっていたのかもしれない。

 

「(あれ、ジュンくん寝ちゃいそう……? ここはお姉ちゃんとして子守歌を歌ってあげよう)ねんねんころーりよーこおろりーよお~

「……んぅ……心す……匂い……」

「……に、臭い!!?」

 

瞬間、ココアが足をがばりと上げてジュンの肩から外す。

いきなりの大声と振動で眠りから覚めたジュンは、目をこすりながらココアに訊ねる。

 

「どうしたの姉さん。急に」

「い、いやあ。なんでもないよ?あははは……」

 

今日一日履いていた白のニーハイソックスを脱ごうとして、しかしなにかに気付いて脱ぐのをやめた。

たしかにニーハイは蒸れて臭いの元になるが、今更脱いでも臭いが拡散するだけだからニーハイで足にフタをしたままのほうがいいと考えたのだ。

 

「今度はジュンくんの番だよ! はやくはやく!」

「あんまり乗り気はしないけど姉さんがして欲しいんならなんでもするよ」

 

さらっと「なんでも」と言ったジュンだが、今更なのでココアにはスルーされた。

ジュンも特に気にすることなくベッドに上がり、下にきたココアの両肩に膝の裏を乗っける。

 

筋肉が少ないからなのかなんなのか、女の子は触ると見た目以上に華奢に感じるため、男は驚くものだ。

昔からココアに触れてきたジュンは今更驚くことこそないものの、華奢な姉に足をのっけていることに僅かな罪悪感を覚えていた。

 

しかし、それだけでは無い。

自室で大好きな姉とスキンシップを取っている。

彼はそんな状況がなんだか嬉しくなってきたのだ。

そして揺れる足。

普段ならそんな行儀の悪いことはしないが今は姉弟水入らずの空間。

リラックスしている彼は無意識にそんなことを行っていた。

本人達は気付いていないが先ほどココアも同じ事をしていた。

まさに双子である。

 

「クンクン……、これがジュンくんの足のにおい」

「ちょっ!?」

 

こんどはジュンが足をはずそうとする。

だが一瞬早くココアにホールドされてしまった。

こうなったら力ずくで──なんてことは彼にはできない。

思いっきり振り払えば、ココアに痛い思いをさせる可能性があったからだ。

彼は足に力を入れるのをやめて、なんとか言葉で説得しようと試みる。

 

「そんなに臭うんなら放して、姉さん。恥ずかしいから。姉さんも嫌でしょ?」

「嫌じゃないよ?ジュンくんくさいだけー!」

「臭いんじゃないか!」

「そういう意味じゃないよ」

「兎に角放してくれない?恥ずかしいから」

「だーめ♡」

 

放すどころか逆に、彼の足がさらに強く抱きしめられた。

 

 

 

むにょん

 

 

 

長い説明は不要。

横乳である。

 

ココアは気付いておらず押しつけたままだが、ジュンは慌てて心頭を滅却しだす。

 

「(落ちつけ、僕。いつも一緒にお風呂に入っているし、医療行為とはいえ生で触っているじゃあないか。この程度なんてことないさ)」

 

大事な姉を邪な目で見たくないと思っている彼は、ココアに関するすべてでオナニーを禁止している。

どころか、勃起することすら許していない。

例え一緒にお風呂に入ろうが、例え胸を生で揉もうが、である。

 

彼とて性欲旺盛な10代男子。

いくら家族といえども女の子の身体に触れて興奮しないはずが無い。

しかし、そのすべてを家族愛で封殺してきたのだ。

 

ところで今は他人の家に下宿中。

そして、今ジュンが使っている部屋には鍵が付いていない。

鍵のあるトイレで抜いたとして、すぐに誰かが入ると大変不味い。

ましてや部屋で堂々とシているところにチノが突撃してきたら大事件である。

 

つまり今の彼には溜まった性欲を処理できる安全な空間すらないのだ。

 

 

なにが言いたいのかというと。

 

 

どんなに我慢強い人間でも限界があるという話だ。

 

 

にょき

 

 

「急に黙ってどうしたの?」

 

心頭滅却に忙しくて急に喋らなくなったジュンを心配して、ココアが彼の顔をのぞき込む。

 

ジュンはベッドの上にいて。

ココアはジュンの足の間にいて。

しかも床に座っており。

後ろ側にジュンがいる。

 

そんなジュンの顔をのぞき込むためにはココアが胸を張るようにして頭部を真後ろに倒す必要がある。

 

 

コツン

 

 

彼女の後頭部がジュンのムスコに当たる。

そしてその刺激で余計に大きくなる。

 

一瞬「?」となっていたココアだが理解して茹で蟹のように真っ赤になった。

全ての元凶たるジュンの足を解放してゆっくりと首を戻し、何事もなかったかのように振る舞おうとするも

 

「ちょ、調子が悪いんならお姉ちゃんに言うんだにょっ」

 

振る舞えなかった。

 

「……ごめん姉さん。ほんっとごめん」

 

顔を羞恥や罪悪感などで真っ赤にしたジュンが謝罪する。

 

「で、でもどっちも触ったわけだからおあいこだよ!」

「た、たしかに!」

 

問題は触ったうんぬんではなく実の姉に勃起したことなのだが、ココアのズレた発言もすかさず肯定するジュン。

 

「それにジュンくんは男の子なんだし、しょうがないよ。よしよし──」

 

そう言って慈愛に満ちた目をしながら彼の頭を撫でるココアの姿はまさしく“姉”。

そんな姉の雰囲気に包まれて、ジュンは照れくさく思いながらも段々と落ち着いていくのであった。

 

 

 

「やっぱり姉さんは世界一の“お姉ちゃん”だね」

「? でっしょー!」

 

ベッドの上まであがってきていたココアの膝に頭を置く。

彼はそのまま、小さな子供が大好きな姉に甘えるように眠ってしまった。

 

 

 

◇◇

 

 

 

「ジュンくん、エクステやってくれないかな」

「姉さんのクラスは今日体育なかったはずだし、いいよ。すぐに食べてとりかかろう」

「ありがと♡」

 

早朝。

香風家のダイニングルームで食事をとりながら会話をする双子。

 

「エクステ……。ご実家からそんなもの持ってきてたんですか」

「チノちゃん知ってるの? 凄いねえ」

「いえ、聞いたことはありますが詳しくは知りません。ウィッグの一種だとか」

 

ヘアーエクステンション。

略してエクステ。

エクステンションとは「延長する」「継ぎ足す」の意で、つまりエクステは自前の髪の毛に後天的にくっつける“付け毛”である。

 

例えば髪の毛が肩までしかない人がいて。

エクステを付ければあっという間にロングヘアーになれるのだ。

前髪や襟足など幾つかの種類があり、ポニーテールやお団子などのパーツもある。

 

ちなみにエクステは地毛につけるものなので、元から髪の毛がない人には使えない。

 

「そして、人間の髪の毛を切って加工した人毛製品と化学繊維製品がある」

「へー」

「へー……て、ココアさんも知らなかったんですか?」

「聞いた気がするけどあんまり覚えてないや」

「流石姉さん。知識マウントをとらない上品な受け答え、勉強になるよ。さっきまでの自分が恥ずかしい」

「その解釈は無理があると思います」

 

急いで朝食を終えた双子はジュンの部屋へ行き、カーペットに座らせる。

位置関係はこの前にやった漫画の真似事スキンシップと同じである。

ジュンがベッドに座りその足の間にココアが腰を下ろしている。

そしてその前には座卓(ざたく)と置き鏡。

 

ジュンはココアの髪に丁寧に櫛を通していく。

間隔の荒いこの櫛は、髪の毛に摩擦や静電気などのダメージを与えにくい。

まずはこれで軽く|梳〈す〉く。

 

「よし、付けるね」

「お願い」

 

ジュンが取りだしたのは()()()()()()()()()()()()()の毛束だった。

それもそのはず。

 

なぜならそのエクステは昔、ココア・ジュン・モカ(2人の姉)の3人が切った髪で作ったものだからだ。

 

 

ウィッグ全般には、人間の髪の毛を切って加工した“人毛製品”と“化学繊維製品”がある。

つまり、量と長ささえあれば誰だって自分の髪をエクステに加工して貰えるのだ。

 

姉の髪を傷つけないよう真剣にエクステを付けていく。

 

彼は姉の髪を弄るのが好きだ。

その髪はぱっと見茶色であり、周囲の人も大抵が茶色(そう)だと思っている。

だがよくみると濃いめのストロベリーブロンドであり、そこから立ち上るのはほのかな甘い匂い。

この匂いを嗅ぎたいがために、思わず髪の毛を下からすくい上げて顔を(うず)めたくなる。

そう考えてしまう彼を責めることが誰にできようか。

 

 

彼女は弟に髪を弄られるのが好きだ。

なにが楽しいのか、まるで視力検査のようにじっくりと髪を見つめてくる弟が可愛いからだ。

その上髪の扱いがとても丁寧で、自分のことを大切に思ってくれていると毎秒実感できる。

本来なら姉として弟の世話になるのは不本意なことだ。(端から見たらなにを今更と思うかも知れないが本人の矜持の問題なのでスルーして欲しい。)

しかしこの時間だけは特別だ。

彼のその手つきが自分に「愛おしい」と語りかけてきて、そんな彼自身を愛おしいと感じる心地よさ。

彼女にとってこればかりは、この心地よさにだけは抗うことが出来ない。

 

相手に足を乗せるよりも、相手の上に座るよりも繊細で真剣な、愛に溢れたこの双子らしいスキンシップである。

 

「よし、良い感じに出来た」

 

ジュンはココアに襟足のエクステを付け終わり、それを専用の櫛で地毛となじませた。

 

2人にとっての至福の時間が終わった。

そこで何気なく視界に入った時計に目を向けると、遅刻寸前の時間であった。

 

「うわ、もうこんな時間だ!」

「え!? ほんとだ急がなきゃ!」

 

ガタガタと音を立てながら慌てて荷物を手に取り、忘れ物が無いかチェックする2人。

 

「そういえば今日は少し肌寒いらしいよ」

「ジャージ羽織ってるから大丈夫だよ」

 

そう言って先に部屋を出て行ったココアは確かにジャージを羽織っていた。

男物の。

 

「(それ僕のなんだけど……)」

 

一分一秒が惜しいこの時に、わざわざココアの部屋にジャージを取りに行く余裕はない。

冷静にそう判断したジュンは、姉のどことなく嬉しそうな顔を思い出して「まあいいや」となるのだった。

 

 

 

 




チノ「そういえば、お風呂の後に鍵をかけてしばらく自室に籠もるのが日課みたいですが……。いつもなにをやっているんですか?」

ココア「え!?ななな、なにもやってないよ?///」

チノ「どうしてジュンさんの方を向いてもじもじしているのですか?あ、ところでゴミを出すときに毎度ウエットティッシュが山のようだと父が──」

ココア「私暑がりなんだよね!///」



『妹はいいものだ』『姉妹サンド』
内村かなめ先生の作品で、どちらも実在します。


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