幽波紋の奇妙な幻想 《Drifted Destiny》   作:右利き

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お久しぶりです……!!
ようやく復活!
ということで東方神霊廟編、再会していきます。



96.見えないヤツがある

 『芳香』と呼ばれていた者のワイヤーが消え、敵は空中に佇む青娥ただ一人。これで二体一となった。しかし、周囲の雨の刃は未だ健在であり、またハイエロファントも回復し切るにはまだ時間が必要である。よって、これから行われるのはサイレント・ウェイと青娥の一対一(サシ)である。

 

「フ……」

 

「…………」

 

「ウフフフフ……!」

 

「な、何だ……どうして笑っているんだ」

 

 いきなり笑い始める青娥。そんな彼女を見て、ハイエロファントは呟く。

 仲間が倒され、孤立してしまった彼女は間違いなく不利になっている。時間をかければハイエロファントが復活することも考えれば、それは尚更だ。だというのに、彼女は笑う。今の状況がそれほど可笑しいのか。

 あるいは楽しいのか。

 

「楽しくなってきたわ…………これよ、私がしたかったのは! これが私のしたかったスタンドバトル!」

 

「……追い詰められておかしくなったか? 楽しんでいる余裕なんて、すぐに無くなる。貴様を切り刻み、そこらのカエル共の餌にしてやる」

 

()()()()()()()が本当に楽しいわ。弾幕戦は所詮"お遊び"。スタンドバトルは弾幕には無い危険性(スリル)があり……そして奥深く、神秘的なの。人間の精神の具現化だなんて、弾幕よりもずっと美しいものになると思わない?」

 

「興味ないな」

 

 サイレント・ウェイはバッサリと青娥の質問を斬り、空中へ飛び出す。だが、そんな彼を目にしたハイエロファントは息を呑む。青娥は仮面で表情が見えないものの、覗き穴からしたり顔が見えるようだった。

 なぜなら、まだ空中には固定された雨粒がある。

 触れただけで肉体を切り刻む、見えない刃が無数に存在する。生身で飛び込んだなら、きっと無惨に…………

 

「よせっ、ダメだサイレント・ウェイッ! そのまま飛び込んだら死んでしまうぞ!」

 

「……フフッ、来なさいな……」

 

 ハイエロファントが彼の背中に叫ぶが、止まらない。

 サイレント・ウェイは青娥に飛び込んで行く。彼女は余裕綽々といった様子で、無防備をアピールするように両腕を広げ、後にバラバラになって飛び散るであろう彼を受け止める姿勢を取った。

 何か考えがあるのか。サイレント・ウェイはそんな青娥の挑発的な態度を受けて尚、他の動きを見せなかった。雨粒の刃など関係ないと、そう言いたげに。

 

 

ジュウゥゥ……

 

 

「!」

 

 

ジュウ ジュウ ジュワァ

 

 

「何だ……? この音、サイレント・ウェイから聞こえてくる。彼にぶつかった雨粒が、()()…………しているのか……!?」

 

 サイレント・ウェイは雨粒に触れたであろうその瞬間、奇妙な音が響き渡る。ジュウジュウと何かが焼ける、あるいは水が蒸発するような音だ。しかも、白い蒸気まで彼の体から上がっている。

 スタンド、『イン・ア・サイレントウェイ』は音を固める能力である。触れた水を蒸発させるなど、できないように思う者は多いに違いない。だが、スタンドは使いようによって強くもなり弱くなるように……使いようによって、不可能に思うことでも可能となる。

 では今回の場合は。サイレント・ウェイを見下ろす青娥がハイエロファントよりも早く、彼の異変に気がつく。

 

(なに……? 体に何か、貼り付いている……?)

 

 サイレント・ウェイの体に、『ジュウ』『ジュワァ』などの文字の形をした、板かシールのような物が大量に貼り付いていた。雨粒がそれらの文字に触れた瞬間、高速で沸騰して消えていく。彼の能力によって固められた音が、雨を蒸発させていたのである。

 固めた音は、その音の通りに触れたものを破壊する。『ザクザク』の音に触れたなら刻まれて破壊され、『メラメラ』の音に触れたなら燃える。しかも()()()()()という音の性質も消えず、水中でも薄い地面の層であっても貫通できるのだ。加えて、自身の近くで発生した音を取り込み形にするため、何をしているのかさえ見られなければ、相手には気が付かれない。

 ハイエロファントの頭上に、黒焦げになった小さな棒切れが落ちてくる。

 

「! これは……マッチか?」

(サイレント・ウェイの能力は『音を形にすること』……まさか、火をつけたマッチの音を固めて、それで雨粒を防いでいたのか!)

 

 サイレント・ウェイは火をつけたマッチを体に押し付け、その『焼ける音』を固めていた。それが青娥にもハイエロファントにも気づかれなかったのは、音を取り込むという性質上見られさえしなければバレない。周りから陰になっている部分で行われていたため、二人にはバレなかったのである。

 これで雨の刃がサイレント・ウェイに効かないことがわかった。しかし、トリックが判明したところで、彼の青娥までの距離は拳が届くところまで迫っている。

 

「ウリャアアアアアッ!」

 

「くっ!」

 

 青娥にサイレント・ウェイのラッシュが迫る。彼女は雨に体を溶け込ませて高速で繰り出される拳を回避しようとするが、分解した体の一部分は攻撃の餌食となってしまう。拳にも『ジュウ』『ジュワァ』の文字が貼り付いており、触れてしまった青娥の体も火傷を負うことになった。

 後退し、体を再構築する彼女は火傷に顔を歪めつつサイレント・ウェイを睨みつける。

 

「ううっ……! なるほどね……面白いわ。さっきのハイエロファントさんよりも、ずっと面白い能力と戦い方してる。まだよく分からないけれど、私を完封したとは思わないことね!」

 

「……!」

 

 サイレント・ウェイが青娥を見やれば、彼女の左腕が無い。さらに顔の下部も抉り取られたように欠損している。思えば、先程の彼女の声も今現在彼女が浮かんでいる方向から聞こえてきたわけではなかった。背後からだ。

 つまり……とサイレント・ウェイが振り向けば、そこには歯を剥き出しにした口が。口だけが浮かんでいた。

 反射的に拳を繰り出そうとするサイレント・ウェイ。だが、ある考えが彼の脳内を巡る。左腕はどこだ?

 

 

ドスゥゥッ

 

 

「ぐうっ……!?」

 

「サイレント・ウェイ!」

 

 口はデコイだった。本命の左腕は雨の刃を掴んでおり、それをサイレント・ウェイを守る蒸発する音の間を縫って彼の体に突き立てたのである。

 傷口から血が噴き出る。だが、この程度でサイレント・ウェイが止まるようなことはなかった。腕を振り抜いて青娥の左腕を叩き落とそうとする。しかし、『ブオン!』という音だけを残し、標的を捉え損ねて空振り。

 

「ウフフ……まだ完全に形勢は逆転してないってことね。それに、貴方の能力も分かってきたわ。どんどん貴方は不利になる!」

 

「…………」

 

 一撃入れたことで調子が戻ったのか、先程よりも青娥の口調が軽快になっている。しかし彼女の言葉に嘘は無く、実際サイレント・ウェイが固めた音は、触れなければどうとでもなるという判断の下で対策されてしまった。

 それに対しサイレント・ウェイ。彼は冷静に、出血を気に留めもせず、腕を振るった際に発せられた音を固める。彼の体とほぼ同じ大きさの『ブオン』という文字を、サイレント・ウェイは鎧か盾かのように身に寄せた。『ジュウ』で蒸発させられないなら、別の音で壁を作り防ぐというのである。

 

 

ドバババァッ

 

 

 再びサイレント・ウェイのラッシュが青娥を襲う。

 青娥は先程と同じように雨の中に体を溶け込ませ、体を一片一片分離させて拳を回避。しかし今度はサイレント・ウェイを雨粒の刃で襲うことはせず、縦横無尽に動いて彼を翻弄する。

 動き回る青娥を捕捉し切れないからか、サイレント・ウェイは滅多矢鱈にラッシュを繰り出す。拳は空を切り、雨粒を蒸発させ、あるいは自分の纏った音の壁にぶつかりもした。青娥には一発も入れることもできず、自身から距離を取られて落ち着かれてしまう。

 加えて、雨の勢いまで増してくる。

 

 

ポツ ポツ サァァァーーーー

 

 

「あらあら……天はまるで私に味方しているよう。私のこの仮面のスタンドは雨天じゃないと使えないのだけれど、今日は本当に運がいいようね」

 

「…………」

 

「……サ、サイレント・ウェイ…………!」

 

 何かの意思が働いているのかとも思ってしまうほどの"偶然"。雨の勢いが強くなるということは、その分青娥が利用できる雨粒が多くなるということ。変わりかけた形勢は、元に戻ってしまう。

 ハイエロファントは二人の攻防を見上げ、固唾を飲むしかなかった。傷は治りかけてきているものの、雨のこともありサイレント・ウェイの手助けができるかも分からない。加勢も絶望的だと言える。

 しかし、サイレント・ウェイは狼狽しない。不利に見えるこの状況下で、彼はスタンドパワーを静かに爆発させていた。

 自分が散々振るった腕、拳が発生させた音。さらにそれらがぶつかった音が固められ、『ブオン』『ドギャッ』『ドガン』『グォォン』と、さまざまな音が視覚化される。

 

「フン!」

 

 サイレント・ウェイは固めた音を青娥に向けて投げつける。正確には放るようにして周りに配置し、青娥に対するトラップとして仕掛けられた。

 降ってきた雨はサイレント・ウェイの『ジュウ』『ジュワァ』の音に当たり蒸発していく。白い蒸気に包まれる彼はそれを暗幕代わりに使いつつ、青娥の奇襲に対策して再び動き出した。

 

「無駄よ。この降り注ぐ雨の中、貴方の音の能力は私には届かないわ。こうして……雨を固定すればね」

 

 青娥はキャッチ・ザ・レインボーの能力で周囲の雨を固定する。すると、サイレント・ウェイが固めた音はその位置に固定された雨にぶつかって動きを止めてしまう。まるでほぼ透明な壁だ。青娥は雨を固定し、自分に向かってくる()()()()を次々と止めていく。だが、サイレント・ウェイもこれで攻撃を終えはしなかった。

 降ってくる雨が自身にぶつかる音『ポツポツ』を固め、それを青娥に投げつける。その音にぶつかった場合にどのような破壊が伴うのか、それは分からないが、少なくともサイレント・ウェイからすればこれは攻撃。きっと何か考えがあるはずだった。

 

「ずっと音を投げつけてばかりだけど、何か考えがあるのかしら? こうして音を止め続けたら、いずれ私と貴方の間に壁ができてしまうわよ」

 

「…………」

 

「サイレント・ウェイ……!」

(一体……何を考えているんだ……!? 僕には分からないが……時間をかけるのは悪手だぞッ!)

 

 ハイエロファントは心配と不安に駆られる。

 サイレント・ウェイは青娥の言う通り、先程から音を固めて投げるだけである。もし自分が彼ならば、彼と同じような能力を持っていたと仮定し考えたとしても、今の彼の行動にどんな意味があるのか。それは全く分からない。

 だが、そんなサイレント・ウェイにヤキモキしているのはハイエロファントだけでなかった。

 

「ウッ……!」

 

「ん、何だ……? どうしたんだサイレ…………」

 

 

ボタッ ボタボタッ

 

 

「うっ!? 生温かい……! これは血か……!? 大丈夫なのかサイレント・ウェイッ!」

 

 蒸気に覆われた彼から、ハイエロファントの頬に血が垂れてきた。雨に混ざって降ってくる血は確かに生温かく、しかも降ってくる勢いは雨よりも激しい。揺れる蒸気が一瞬晴れた時、チラリと見えたのは、サイレント・ウェイの首筋に青娥の腕が雨の刃を突き立てていた光景だった。

 蒸気はサイレント・ウェイの行動を見えづらくするだけでなく、ハイエロファントの視点から青娥の動向すらも隠してしまっていたのである。

 

「そろそろ新しいものも目にできそうにないようね……もしまだ何かあるなら、早いところ見せてくださいな? そうしないと、死ぬからね」

 

「くっ……! サイレント・ウェイ、手を貸すぞ! エメラルド……!」

 

「撃つなッ!!」

 

「なっ……!?」

 

 両掌を合わせ、スタンドパワーを収束させるハイエロファント。しかし、それを察知したサイレント・ウェイが彼を止める。

 首に刃を突き刺され血が止めどなく流れ続ける状態で、彼は尚も防御や回復に応じようとしなかった。それどころか、ずっと雨の音を固めることにスタンドパワーを集中させ続けていた。刃が段々と体の内側に食い込む中、サイレント・ウェイはようやく青娥に向けて言葉を放つ。

 

「……さっき俺の能力を理解したと……そう言ったな。試しに一度説明してもらおう……と言いたいところだが、生憎こんな状態じゃあ悠長にしてられない。だから……これだけは言っておこう」

 

「……何かしら」

 

「早くトドメを刺した方がいい……俺の攻撃は……今…………完了する。手伝ってくれたことについて、礼を言うぞ女」

 

「? 何言って……」

 

 サイレント・ウェイは蒸気の中から両腕を突き出す。彼は何かを持っていた。

 その手の中から、固めた音がいくつも覗いていた。それを見た瞬間、青娥は分離させていた腕に力を込める。

 嫌な予感がした。サイレント・ウェイの謎の自身、あの音の固まり、自分の首を切られかけているというのに攻撃にだけ集中しているその姿勢。彼の言葉はハッタリではない。間違いなく、何か仕掛けてくる。そう感じたのである。

 サイレント・ウェイはハイエロファントの方へ向かず、言った。

 

「ハイエロファント、もし俺がこの一撃で仕留め切れなかったら、後は頼んだぞ」

 

「!」

 

「くっ……! さ、させないっ……!」

 

 雨粒の刃がさらに深く突き刺さる。傷口から不完全な栓をされた噴水のように血が噴き出るものの、サイレント・ウェイは怯まない。むしろ、音の固まりをどこに投げ飛ばすのか。その算段をつけ、狙いを定めていた。

 狙うのは、青娥本人ではない。彼女が先程まで散々防ぎ、空中で止められた音の固まりたちである。だが、それが何故なのか。青娥にもハイエロファントにも分からなかった。

 そしてついにサイレント・ウェイは音の固まりを、それらに向けて投げつける。ぶつかった音の固まりは、雨の音、刃で刺されたような音、硬いもの同士がぶつかり合う時に出たような音を炸裂させた。

 

 

ポツ! ポツ! ドスゥゥ! ドギャァァッ!

 

 

「ど、どこへ向かって……!?」

 

「知っているか? 音は空気の振動だ」

 

「!」

 

「空気の振動で、波でもある。本来波状に広がる音は、その波形(タイミング)が合えば音同士がぶつかり合った時に増幅する。さらに、音は認識できるものが全てではない。例えば超音波のように、耳には届くが音自体は認識できなかったり、単純に周りの音でかき消されてしまっているので聞こえなかったり……」

 

「いきなり何の話!? 今の状況と一体何の関係が……」

 

「……俺の攻撃の説明をしてる。今言ったことが全てだ。音と音は調整してぶつければ大きくなること、そして、聞こえる音が全てではないこと……雨が降っているから、()()()()だろう?」

 

「っ……!?」

 

「俺の勝ちだな」

 

 

ドッバァァ〜〜〜〜ッ

 

 

 サイレント・ウェイが勝利を確信すると同時に、青娥の脇腹が爆発するようにして血を噴いた。そして彼女は断末魔さえ上げず、力無く地面に落下。固定していた雨粒も動き出し、青娥と共に地面に向かい始めた。

 何が起こったのか。サイレント・ウェイが既に説明した通りであるが、より簡潔に述べるのであれば、彼が固めた音の中に()()()()()()()()()()。サイレント・ウェイの説明の中にあったように、人間に聞こえる音が音の全てではない。彼の能力で例を挙げるならば、聞こえない音は見えないのである。一見何の考えも無しに放られていた音の固まりの中には見えない音もあり、全ての音を可視化したなら、止められた音の固まりたちは、まるで青娥にまで攻撃を届かせるトンネルのように配置されていた。

 見えない音と止められた音は壁と道の役割を。それに対し、止められた音に音の固まりがぶつかった際増幅して生まれた音は武器である。増幅した音もまた見えず、だからこそ青娥に防御を掻い潜り彼女の体に届いたのだ。

 聞こえなかった、見えなかった音。それらはおそらく、今が雨天だからこそ起きた現象なのだろう。雨にかき消されたのだ。青娥は天を味方につけたと嘯いたが、その天をより利用したのは、結果的にサイレント・ウェイだったと言えるかもしれない。

 

「……これで、終わったな……」

 

「サイレント・ウェイ! 大丈夫かっ!?」

 

 サイレント・ウェイは首筋の傷口を手で押さえ、ゆっくりハイエロファントの前に降り立つ。彼は最後の攻撃をする際には完全に防御を捨てていた上、その時からも少し朦朧としていた。フラつくサイレント・ウェイの肩を支えたハイエロファントは、刺激しないように気を払いながら彼を座らせる。

 

「すまない、サイレント・ウェイ。君が来てくれなかったら、僕は今頃彼女に倒されていたことだろう……殺されていたかは分からないが、少なくとも無事ではなかったはずだ……」

 

 青娥はスタンドに異常なほどの興味を抱いていた。

 実際、ハイエロファントを痛めつけた後で彼を連れ帰り、色々なことを試してみようとしていた。さらに戦闘でもスタンドの力を使い、またその目で見るため、あえて自身の能力と弾幕を封印して戦ってもいた。サイレント・ウェイに詰められても尚約束を破って弾幕や能力に逃げなかったところ、彼女は思ったより真面目なのか。それともそんなことを忘れてしまうほどにスタンドに興味津々だったというのか。

 ハイエロファントの礼には応えず、サイレント・ウェイは青娥が落下した位置に顔を向ける。そこには腹から出血した青娥がいる……はずだったが、雨に流されかけている血溜まりがあるだけで、そこに青娥はいなかった。

 

「……仕留め損ねたか……」

 

「なんだって……? ハッ、青娥の姿がない! 姿を消したのか? どこに消えたというのだ……!?」

 

「…………おそらく、逃げたはずだ。あのケガだ。命に危険がある中、傷を放っておいてわざわざ追撃してくるとは思えない……」

 

 サイレント・ウェイはそう考える。

 とにかく、青娥を退けることには成功した。一抹の不安は払拭できたと言えよう。後やることは負傷を治し、先に進んだ霊夢や魔理沙、チャリオッツに加勢しに行くこと。この先の霊廟には複数のスタンドの反応があった。まだ中にも青娥のような人物もいることを踏まえると、早く向かった方がいいだろう。

 だが、それも簡単にはいかないようだ。

 邪魔をする者はまだ残っていた。

 

 

ボンッ ボンッ グニュゥゥ〜〜ッ

 

 

「ム……」

 

「これは……!」

 

『まさかミス青娥を下すとは……しかも、あのゾンビ娘とスタンド能力を持っている彼女を…………』

 

 忘れていたヤツがいた。

 青娥の前にハイエロファントが相手した、霊廟の番人をしていたスタンド。この時を狙っていたようで、二人の周囲から長い釘や、古い鉄器などが風船のように膨らみながら浮かび始める。青娥との戦いを見ており、まだ逃げていなかったようである。

 チューブラー・ベルズだ。スタンド能力で膨らまされた金属は、バブル犬やバブル鳥に形を変え、ハイエロファントとサイレント・ウェイを空中から睨みつけている。

 

『邪魔な彼女は消えた世界だ。これで私はお前たちを再び攻撃できる。チューブラー・ベルズの処刑の世界ッ!』

 

「番人としての仕事は全うしようというんだな……いいだろう。サイレント・ウェイ、ここは僕に任せてほしい。一度追い詰めた相手だ。君は回復に集中してくれ」

 

「あぁ……任せた」

 

 サイレント・ウェイは墓石にもたれかかり、ハイエロファントとチューブラー・ベルズの戦いに不干渉の姿勢を見せ、言われた通りに回復に集中する。

 どうしてチューブラー・ベルズが番人としての職務にこだわるのか。それは分からない。この異変の元凶との関係も未だによく分かっていないものの、とにかく彼はハイエロファントたちを先に行かせないように体を張っているのは事実である。ならば、全力で応戦するまでだ。ハイエロファントは掌にスタンドパワーを集中させる。チューブラー・ベルズは第一の標的として、再びハイエロファントに金属のバブル動物たちをけしかけた。

 

『改めて死刑宣告の世界だ! 我が能力は防御シールドにして、お前へのギロチン処刑を兼ねた世界ィィーーーーッ!!』

 

「エメラルドスプラッシュ!!」

 

 

 

 




休んでいたおよそ十ヶ月で構想を忘れてしまいました……
また地道ではありますが投稿していきますので、温かい目で見守ってくださると嬉しいです……


to be continued⇒

あくまで参考までに、ということで。

  • 東方をよく知っている
  • ジョジョをよく知っている
  • 東方もジョジョもよく知っている
  • どちらもよく知らない
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