幽波紋の奇妙な幻想 《Drifted Destiny》 作:右利き
12月に入れば少しは落ち着きますが、私はいよいよ人生で一番の山場を迎えるので投稿数は落ちて行くかと。ご容赦ください。
キラークイーンと別れたはたては人里の東部に降り立っていた。幻想郷全体で見れば、魔法の森と近い位置になる。彼女はここでUFO探しを行っているのだった。
妖怪だと丸分かりの翼をしまい込み、人間を警戒させないように情報収集を行っていたのだが、手がかりは全く掴めない。諦めては続行を繰り返し、彼女は昼飯として団子を頬張っていた。
「もう〜〜っ! 全っ然手がかりが見つからないわ! UFOなんて本当にあるのかしら。念写にも引っかからないし。こんなこと初めてよ」
「お嬢ちゃん、何か探し物かい? 私が知ってることなら教えてあげられるんだけどねェ」
「んーー、どうかしら。おばちゃんじゃあ、UFOだなんてハイテクなもの知らないわよ。きっと」
「ゆーふぉー…………たしかに、それは分かんないねェ……力になれなくてごめんね?」
「あぁ〜〜……いいのよ。別に。分かってたことだし」
顔に何本も皺を刻んだ店主は、力になれなかった代わりにもう一本の団子をサービスする。「あんがと」と短く礼を言って、はたては一口で3個全て呑み込んだ。
しかし、狙ったものが念写することができないなど、今までに経験の無いことである。能力か携帯のバグかと思って別のものを念写するが、どれも問題無く写る。ロボットを作るにとり、貨物船の上で遊ぶ妖精、壁に穴を空けて怒られるクリーム。全て鮮明に写る。しかし、UFOだけは何も写らないのだ。写るものと言えば、黒髪でヘンテコな羽を生やした少女か、ボロボロの木の板ぐらいなのである。
「ちぇっ、変なの。私はUFOを望んでるのに」
携帯画面に写る木の板の写真を『消去』して、はたてはため息を吐く。いよいよガセっぽくなってきた。そもそも、この情報の出どころというのが射命丸文というのがまたガセらしさを醸し出している。
ネタが無いと言うはたてに、射命丸は待ってましたと言わんばかりにUFOの情報をもって来た。記事にしないのがもったいないとまで言っていたが、それなら自分で書けばいいと答えるはたて。
それに対して文は「ヒットしない記事しか書けないから、私がネタをもって来てやった。でも正直、これでもヒットできないだろう」と言って挑発。まんまと乗ってしまったはたては、現在このネタを追っているのだ。
「フン! 絶対に見返してやるわ。UFOがガセであっても文より担がれる記事を作ってやるんだから」
記者としての腕前が自分より下だと思われているはたては、自分をバカにするために射命丸が嘘を流したと考える。それが本当であろうとなかろうと、はたては絶対に射命丸よりも注目される新聞を書くと決意した。
と、その瞬間、山の神とは別の神がその場に降り立った。
フヨフヨ……フヨ フヨ
「!? あ、あれって……!?」
人々が闊歩する大通りのど真ん中。人混みをなめらかにすり抜けながら、赤や青にまぶしく光る物体が浮遊している。それはまるで、逆さまにした茶碗。もしくはカラフルにした茶釜。はたてはそれを目にした瞬間確信する。
「ユ、UFO!?」
(嘘でしょ……こんなタイミングで見つかるなんてッ! なんて運が良い)
はたてが望んでいたもの、UFOは現れた。人々の間を縫って飛行する物体は周りの人間に認識されていないのだろうか。誰一人としてUFOを意識する動作を見せない。あれだけ目障りに発光しているというのに。
はたては呟くように「ごちそーさん」と言うと、奥へ奥へと消えていくUFOを追って自分もまた人混みをかき分けて行く。念写では分からない、質感、重量、あらゆる情報を得て新聞を作り出してやると、彼女は執拗な追跡を開始した。
(あのUFO……誰にも見えていないの? 通行人が一人も注目しない。ここから距離15mぐらい離れててもすごい眩しいのに…………)
青、赤、たまに緑と光の三原色に発光しながら左右や前後に常にフラフラするUFO。誰かにぶつかりそうになっても、意思があってか無くてか、大きく揺れて人を回避する。それでもぶつかりそうになった人は何も気付いていなかった。
自分も何とか人の群れを避けて追跡している中、そのUFOを叩き落とそうと手を振るう輩が現れる。UFOは難無く回避、輩も一回手を振っただけでそれ以上の追撃はしなかった。
「ちょっと! あんた何考えてんの!? UFO叩き落とそうとするなんてさ」
「あぁん? ゆーふぉーだとぉ? 俺はハエを叩こうとしただけだぞ!」
「ハエェ〜〜? あんた眼科行った方がいいわ!」
「な、なんだとォーーッ!?」
そんなやり取りをしつつ、はたてはUFOとの距離を徐々に縮めていく。そして残り5mほどとなったところで、UFOはいきなり右折した。はたてもつられて、UFOが入って行った路地裏へ侵入する。
UFOは路地裏からさらに移動することはなく、スピードを落としてやがて宙で静止した。
「やっと止まった……それにしても変な物体。私以外の誰にも見えないなんて…………もしかして、念写に写らなかったことにも関係してるのかしら」
不思議なことが起こっているが、彼女のジャーナリズム魂はそんなことでは燃え尽きない。まずは外見を携帯のカメラ機能で写真に収める。撮った写真をチェックするが、やはりと言ったようにUFOの姿はなく、代わりに空中に浮かぶ木の板の破片が写っていた。
「やっぱり木の板なのね……もしかして
そう考えたはたては握り拳で軽くUFOの表面を叩いてみた。反応は……無い。化け狸であれば、ほんの少し動くだとか鳴き声を上げるといった反応がある。山に住むはたて、そしてその他天狗たちはよく狸のイタズラに遭うため、彼らへの対処は知っている。その上で無反応であるため、はたてはこのUFOの正体は狸ではないと確信した。
「手触り、質量……相変わらず眩しいし、やっぱり本物……? でもUFOって宇宙人が乗ってるのよね? それにしては小さすぎやしないかしら…………」
『ニャ〜〜ン』
「!?」
『ニャッ……ニャッ!』
『ナ〜〜ン……クッ、クッ』
「……何だ…………ネコか。いや化け猫」
後ろから突如聴こえた鳴き声に驚くはたて。その正体は2匹のネコであった。尻尾が二又になっていることから、彼らは普通のネコの数倍の時を生きた化け猫だと分かる。彼らは互いにじゃれ合い、微笑ましい光景を見せていた。
そんな風にネコたちに気を取られていると、遊ぶ二匹のことを一つの影が覆う。はたてが顔を上げると、そこには明らかに人ではない存在が壁に手を突いて立っていた。青紫色の肌に、異様に長い右手の人差し指。
「!? あなたは…………!?」
「やっぱりここのネコってのは知能が高いんだなぁ〜〜。目的地にこんなすぐに着けるとは思ってなかったぜ」
「な、何者…………もしかして、宇宙人!?」
「誰が宇宙人だ!
「スタンド……あなたも…………私に何の用かしら」
「用があるのはてめぇの方じゃあない。それだ」
スタンドは左手でUFOを示す。UFOは相変わらず無反応を貫いており、常にはたての肩と同じ高さで止まっている。スタンドからUFOを隠すように動くと、はたてはスカートのポケットから携帯電話を取り出した。
「これは私が先に見つけたのよ。残念だったわね」
「先に見つけただの、後に見つけただの関係あるもんか。最終的に手に入れたやつのもんだろうが。俺はそいつが無いと困ることがあンだよ。渡してもらうぜ」
「誰が渡すもんですか。力づくで奪おうったって、そうもいかないわ。私は戦えるんだからね」
「ハンッ! 素直に渡しておけばいいのによぉ〜〜〜〜。しょうがねぇなぁ〜〜。だったら……覚悟しろよ」
カシャッ
ボグォオオン!
「先手必勝! 弾幕を使えるこっちのが有利ッ!」
はたては手に持つ携帯電話のシャッターを切る。その瞬間、スタンドのいた地点から炎が上がり、爆音を轟かせながら爆裂した。
これが彼女の弾幕。この携帯電話に自分の妖力を込めることにより、シャッターボタンを押すことで弾幕を展開する。やろうと思えば戦闘中に写真を撮ることもできるのが利点であろう。記者である彼女にとっては、だが。
立ち昇る煙は黒々としており、
「なっ……嘘……直撃したはずよッ!」
「してないから無傷なんだろうがよォーー。スタンドはそれぞれ独特の能力をもってる。俺も自分の能力で回避したわけだが、どんな能力なのか当ててみな。名前はヒントになるか? 『リトル・フィート』」
「くッ……!」
はたては再びシャッターを切る。が、またもやリトル・フィートは無傷で済んでいるではないか。
シャッターボタンのプッシュと同時に弾幕が現れるため、肉眼ではリトル・フィートが何をしていたのかは分からない。しかし、はたてだって天狗の端くれ。妖怪の山を牛耳る上位の妖怪。携帯のカメラ機能により、リトル・フィートが弾幕に当たる寸前に何をしていたのかはすぐに明らかになった。
「……これは……何かを投げてる?」
写真の中には、リトル・フィートが近付いてくる弾幕に向けて小さな木の破片を投げつけている様子が写っていた。UFOを写真に収めた時に写るものよりもさらに小さく、手の中にいくらでも入れられそうなサイズ。
まさか、そんな小さな木片を盾に使っているのか? はたては「まさか」と思いながらも再びシャッターを押した。
「無駄だぜ無駄。
「手持ち……あの妙な破片のことね!」
「お? もう気付いてんだったら、俺の能力は分かるはずだがよぉ〜〜。まぁ、どうでもいいか。今度はこっちからいかせてもらうぜッ!」
「!?」
リトル・フィートが飛び込んでくる。ここから撃った弾幕を防御される可能性は低いが、やつはかなりのスピードで距離を詰めてきた。今放てば巻き添えを食うだろう。はたては上へ逃げる。
スパァッ!
「痛ッ!」
「……
はたてのふくらはぎから血が噴き出す。裂かれた傷が長いだけで、深さは大したことのない程度。
リトル・フィートは追撃のために素早く振り返る。跳んで避けたのだから、着地地点は自分の背後であると決まっている。殺し、戦いの経験は思考よりも行動を授ける。頭で考えたその時には、すでに行動は終わっているのだ。
「! いねぇ……ッ!?」
「フン。私がただの女の子かと思った? 残念! 鴉天狗よ。私が上で、お前が下ッ!」
「あ、あいつ、妖怪だったのか………………そして、空から弾幕をッ!? まずいッ!!」
カシャッ!
ボグォオオォ〜〜ン!
ドバァッ ドバオッ ドガァアン!
「う、うぉおぉああアアァァーーッ!?」
「この! この! 調子こいてんじゃあねぇーーわよ、このツルツルテン!!」
はたてはとにかくシャッターボタンを押しまくる。ただひたすらに、視界が煙に覆われても関係ない。リトル・フィートの姿が完全に見えなくなっても、跡形もなく吹っ飛ばしてやろうと弾幕を撃ち続ける。リトル・フィートは何とか抵抗していたがやがて力尽きたらしく、木片を投げる動作をやめ、爆発に身を任せてしまった。弾幕攻撃は数十秒に渡って継続され、路地内に配置されていた木箱や樽などをいくつか破壊し尽くす結果となった。
そして、いよいよ弾幕攻撃を終えたはたては煙が晴れるのを待つ。スタンドには死ぬという現象はなく、代わりに消滅するものであると射命丸の記事に載っていた。煙の中からリトル・フィートの姿が無ければ、はたての完全勝利というわけである。そして実際はどうなのか? 煙の中にリトル・フィートは…………
「姿は…………無いッ! よし、私の勝ちね。我ら鴉天狗にケンカを売るから、そんなことになるのよ……!」
黒い煙の中にはリトル・フィートはいなかった。周りを見回すが、ボロボロに傷付いた者の姿は確認できない。邪魔者は消し去った。勝利の美酒を味わいながら、はたてはUFOを手にしようと辺りを見回す。戦いの余波でどこかへ流れて行ってしまったのか、彼女の視界には無かったのだ。
しかし、彼女はここでおかしなことに気付く。
「あれ? ここに置いてあった木箱、こんなに大きかったかしら……さっき見た時は自分の膝ぐらいまでだったと思うけど。お腹の辺りまで……」
壁際に置かれていた木箱のサイズが、自分が覚えているものよりも大きいのだ。木箱だけではない。その横に並べられていた角材も、ひび割れた花瓶や植木鉢も、不自然なほど大きいのだ。
おかしな出来事に見舞われたはたては、後退りながら状況を整理しようとする。だがそこで、突如彼女の頭上を巨大な影が通り過ぎる。思わず見上げたはたては声を上げた。
「なっ……嘘……あれ、UFOッ!? ど、どうしてあんなに大きいのよッ! いや、違う……大きいんじゃあない。ま、周りのものが大きいんじゃあなくて…………」
はたての視界がガクンと降下する。
この現象で彼女は確信した。
「私が小さくなってるっていうのッ!?」
『リトル・フィート…………ようやく気付いたのかぁ?』
「うっ!?」
UFOを押し退け、上空から巨大な顔が現れる。身長が30cmほどまで縮んでしまったはたてから見たら、それはまるで怪物。殺したと思っていたリトル・フィートは生きていた!
「あ、あんた消滅したんじゃあなかったの……!?」
『おいおいおい、ひでぇなぁーー。勝手に殺すんじゃあねぇーーよ。俺の能力は見ての通り、この指で引っ掻いたもののサイズを小さくすることができる。お前のサイズをどんどん小さくし、同時に俺のサイズも小さくする。爆発の威力で先に俺自身を吹っ飛ばし、元のサイズに戻す。そして今、だ』
「ふ、吹っ飛ばすって……自滅する可能性もあるのにやったっていうのッ……!?」
『まぁ、運も必要だわなァ〜〜。ここが壁に挟まれた狭い空間だってことが良かった。必要以上に吹っ飛ばされる危険が無かったし、後は自分が持ってたこの木片。こいつは俺がここに来るまでに小さくしといたヤツな。これを爆発に当たる直前に元のサイズに戻した。防御も完璧だった。お前、スタンドバトルにゃ向いてねぇな』
「…………ッ!」
自分の能力を理解しておくことで広がる戦略。スタンドバトルの真髄とはそこにある。仕方がないと言えばそうであるが、はたての敗因はスタンドをよく理解していなかったということだ。
はたての体はさらにもう一段階、ガクンと小さくなる。リトル・フィートはそれを見た瞬間、はたてが飛び立つよりも前に彼女の体を捕まえる。
「ちょ、何すんのッ!」
『そらッ!』
バギャァアアッ!
「ガフッ……!」
「お、落っことしたな。携帯を」
リトル・フィートは掴んだはたてを積まれた木箱の山へと投げつける。何とか腕を交差させ、頭への直撃を防ぐはたてであるが、ダメージは通ってしまう。そしてその衝撃のせいなのか、彼女から携帯電話が転がり落ちてきた。小さく笑みを浮かべるリトル・フィート、どうやらそれが目的だったようで、すぐに携帯を取り上げた。
「うわ、金ピカじゃねーかよ。俺じゃこんなん持ち歩けねぇな。恥ずかしくて」
「か、返せ……」
「弾幕を防ぐために取り上げたんだぜ? 返すわけねェーだろーがよッ!」
バキィッ!
リトル・フィートははたての携帯電話を握り潰し、地面に放ってさらに踏みつける。必要以上だと言うべきか、命を取らないだけマシと言うべきか。意見は分かれるであろう。
しかし、携帯の破壊自体はあまり効果は無いようで、チラリと項垂れるはたてへ目をやると、彼女は人差し指をこちらに向け、その先端で光る球を形成していた。自分の妖力から直接作る弾幕である。
「ナメないでほしいわ……! 弾幕なんて生きてる限りいつでも生み出せるのよ」
「…………」
グサァッ!
「あぐぅッ!?」
「木片は尽きたと言った覚えはねぇぜ〜〜っ。降伏しろ。そうした方がお互いwinwinなんだよ。分かンだろ?」
「〜〜〜〜ッ!!」
(ゆ、指で弾いた木片……当たる直前で大きくした…………肩に刺さって、腕を上げてられない……!)
「大人しくしてりゃあ、こんなことにはならなかったのになァ〜〜〜〜…………ン?」
リトル・フィートは親指でさらに小さな木片を弾き、はたての右肩を貫いた。生み出していた弾幕は消滅し、腕は力無く垂れる。さんざん口で言ってきたが、UFOはリトル・フィートのもの。はたての敗北は揺るがない。リトル・フィートの勝利が確定した。
と思いきや、リトル・フィートは路地裏の入り口へ目を向ける。苦しむはたてを横目に、気になるものがあったようである。
「…………」
(今、誰かがこっちを覗いていた気がしたが…………気のせいか?)
「ハーーッ、ハーーッ……」
「苦しそうだなぁ? 残念だが、俺が
「ま、待てぇッ……!」
「待つかよぉ〜〜……おっ、お前らちゃんとそこで待ってたのかぁ? えらいなぁ、おい。やっぱり賢いな」
リトル・フィートがUFOの方を振り向くと、3匹の化け猫が座って待っていた。まん丸な目を見開いて見上げてくる姿は本当に可愛らしい。
ネコたちはリトル・フィートの戦いが終わり、飛倉の破片回収も目前だと知るとそそくさとその場を立ち去っていった。去り姿も可愛らしい。三匹三様の走り方も、よく観察していると面白いものだ。
勝ち取ったUFOを掴み、独り言を呟く。
「ハハハ。いい加減名前付けてやった方がいいかぁ? あいつらに…………いや、待てよ。さっき3匹いたよな。俺は途中で出会ったスタンドに一匹やったはず………………何で俺のとこ」
ドグォオオオ〜〜〜〜ン!!
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「キャァアア〜〜ーーーーッ! 爆発よッ!」
「み、水だ! 早く持って来い!」
「消防団はまだか!?」
リトル・フィートがいた路地裏で巨大な爆発が起きる。それは大通りからも目立っており、人々は大混乱に陥っていた。火薬も何も無いというのに、いきなり路地裏から爆炎が飛び出してきたのだから。
大通りの人通りが忙しくなっている頃、先程まではたてが居座っていた団子屋でとある者が茶と団子を頬張っていた。彼は爆発の瞬間を目にすると、上機嫌にこう言った。
「
呟くのはキラークイーン。爆発の原因は、言わずとも知れた彼である。3匹いたネコ、そのうちの一匹はキラークイーンが故意に放ったもので、元々の飼い主であるリトル・フィートを追跡させたのだ。リトル・フィートが先程感じた視線というのは、キラークイーンが様子見に来ていた時のもの。その時に飛倉の破片を爆弾に変えていた。触れた物があれば爆発を起こす、接触弾である。
キラークイーンは茶を飲み干すと、店員の老婆に勘定を渡す。
「ごちそうさま。美味しかったよ。気分も良くなった」
「あぁ、キラークイーンさん。それは良かった。話変わるけど、私ね、あの爆発がちょっと怖いんだよ。様子を見に行っちゃくれないかい?」
「あぁ、スティッキィ・フィンガーズに連絡しておこう」
(絶対しないけど……)
「あ、あれ? キラークイーンさんは見に行っちゃくれないのかい!? おーい!」
老婆の声を完全に無視し、キラークイーンは帰路に着く。落ち着ける家のある、人里西部へと向かって歩いて行く。久々の気分だ。これまではかつての生活を再現するかのように、人知れず一般人の女ばかりを殺してきたが、邪魔になった者を消し飛ばし、平穏を再び手に入れるこの感覚。忘れかけていた殺人の感覚。とても清々しい気分である。今のこの状態、吉影が『第3の爆弾』を手に入れた時に似た、いわゆる『ハイ』というやつなんだろう。こういう気分も悪くない。
「触ったスタンドは跡形も無く消し去った。天狗の女の方は火傷ができないように設定した。
たとえ女が生きていても、さっきまで戦っていた方を調べ上げるはず。それができればの話であるが。
キラークイーンは浮かれている。いつもならばそんな自分にヤキを入れてやるものであるが、今はそんな気も起きない。自分の平穏が保たれた瞬間なのだから。爆発に気を取られた人々とは一人、別の方角へ歩いて行く。人間たちに対して、どうせ行ったって火事なんて起きないのに、とキラークイーンは心の中でほくそ笑むのだった。
そんな中、自分の脚に擦り寄ってくる者たちがいた。キラークイーンが目を落とすと、そこには3匹の化け猫たちが。
「おや……残りの2匹も連れてきたのか? まぁ、稼いでいても金はあまり使わないし、飼ってやってもいいがね」
キラークイーンは最初に自分の元へ来たネコを抱き上げ、再び歩を進める。彼の機嫌の良さはネコたちにも伝わったようで、彼らも上機嫌に鳴き声を上げていた。
「君たちの好みは何なのかな? 明後日は新年だから、特別にごちそうしてあげよう。今の私はとても気分が良いからね…………ククク……ハハハハハハ!」
キラークイーンは知らぬことだが、爆発が起こった路地裏にて発見されたものがある。全身に木の破片が突き刺さり、重傷を負った少女。そして、消滅することなく残った青紫色の謎の腕一本。
ワンダー・オブ・U、結構ユーモアがあって好きです。
定助とのやり取りが好きなんですよね。「アウトレットでナナキュッパ」
to be continued⇒
↑忘れてました……
あくまで参考までに、ということで。
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東方をよく知っている
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ジョジョをよく知っている
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東方もジョジョもよく知っている
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どちらもよく知らない