幽波紋の奇妙な幻想 《Drifted Destiny》 作:右利き
ジョルノ・ジョバァーナ
ウェザー・リポート
豆銑礼
「ウリャァアアアッ!」
ドガ ボゴ ドゴォオ!
マン・イン・ザ・ミラーのラッシュが襲いくる亡霊たちを吹っ飛ばす。グレイトフル・デッドと背中を合わせ、リトル・フィートが水を持ってくるまで時間を稼ぐ彼だが、殺人ウイルスに感染し、切り落とした腕は既に再生。万全の状態に治っていた。
しかし、想像以上に亡霊の数が多い。それはすなわち、彼らがこれまで殺してきた『過去の罪』を提示されているわけなのだが、彼らはそのことに関して微塵も後悔していない。後悔とは過去の否定。スタンドからすればそれは本体の否定であり、同時に自らの存在の否定となってしまう。彼らに在るのは前へ進み続けようとする気高き覚悟と、自分たちの過去を踏みにじるシビル・ウォーに対する漆黒の殺意である。
「ハァーッ! ハァーッ! こいつら…………何度ぶん殴っても起き上がってきやがるッ……!」
「マン・イン・ザ・ミラー、お前は鏡の中に入ってシビル・ウォーを殺しに行け! 鏡の世界にはこの亡霊どももいないだろう!?」
「いや…………さっき一瞬試したが……ダメだ! こいつら、シビル・ウォーのスタンドパワーによって蘇らされてるのは確かだが、
どちらか一方に向けて飛んでくる物体は、狙った者に対してしか膜として攻撃してこないようである。マン・イン・ザ・ミラーに飛んできたならグレイトフル・デッドが打ち落とし、グレイトフル・デッドが攻撃されたのならマン・イン・ザ・ミラーが、と2人は交互に防御に徹していた。
シビル・ウォーは鏡の中で飛宝が眠る倉へと向かっているが、異変に気付いたのならきっと何かアクションを起こすだろう。彼がここへ戻って来ない選択をしたとしても、その間にリトル・フィートが水を持って来れる。戻る選択をしたのなら、マン・イン・ザ・ミラーの視界に入った一瞬の内に仕留める。彼らのプランは既に出来上がっていた。シビル・ウォーが戻って来るか、あるいはリトル・フィートか、それまでに死なずにいれば、彼ら暗殺チームの勝利である。
「たしか……シビル・ウォーはこの命蓮寺全体が自分の空間だと言っていたな…………ということは、寺の中も亡霊どもで埋まってるワケだ…………」
「だが、機動力でならアイツが俺たちの中で一番だ。散々くだらねーと言ってきたが、こういう時は役に立つ! リトル・フィートは必ず戻って来るはずだ。それまでの辛抱だぜ。グレイトフル・デッド」
迫る亡霊の群れに終わりは無く、故に2人の肉体の生傷も絶えない。しかし、耐えるしか道は無い。彼らは仲間の帰還を信じ、蘇った過去の存在たちを蹴散らしていくのだった。
________________________
一方、寺の中へ侵入したリトル・フィート。グレイトフル・デッドに投げ込まれ、今は白蓮が掃除の後に一息ついていた客間に至っていた。
先程まで彼は能力によって自身のサイズを小さくしていたが、今は既に元々の大きさへと戻っていた。理由は一つ。外でグレイトフル・デッドが推察していたように、建物の中さえもシビル・ウォーの能力の影響を受けて蘇った物で溢れていたからである。いくら小さくなって動きやすくなっていたとは言え、亡霊たちは自分へ向けて雨のように降りそそぎ、飛んでくる。体が小さいと一瞬にして膜で巻かれてしまい、動きを完封されてしまう。元に戻ったのはそれを防ぐためである。
「クソっ…………寺の中も、あちこち捨てたもんだらけじゃあねぇか!」
ボロボロの銃に欠けたナイフ、まだ中身のある酒瓶。リトル・フィートもとい
触れたらマズいことはリトル・フィート自身分かりきっているが、客間を外から一直線に進めば先に廊下があり、その突き当たりは台所と繋がっている。リトル・フィートが目指しているのはそこだ。『水』の回収は、ここから先にある台所にて遂行すると決めている。他の場所から回って行くことも可能だが、遠回りにも程がある。その道を行けば、より多くの亡霊たちに襲われてしまうことだろう。危険と分かっていても、グレイトフル・デッドやマン・イン・ザ・ミラー、そして何より自分のため。この道を進むしかないのである。
「覚悟を…………決めるか…………!」
ドォオウッ!
リトル・フィートはいよいよ意を決し、淡く変色した青畳を蹴飛ばす。スタンドは浮遊することができるが、リトル・フィートはハイエロファントたちに比べると飛行自体には不慣れ。床や壁、天井を伝うか蹴飛ばすかによって推進していくしかない。
だが、それを黙って許すほどシビル・ウォーは
ドバァッ ドバッ ドバッ!
「うおッ!?」
(マ、マン・イン・ザ・ミラーの時といい、過去に捨てた物は性質もそのままに蘇ってやがるのか……! ウイルスも拳銃も…………クソ! 厄介な能力だぜッ……!)
リトル・フィートは飛んでくる弾丸を身を縮めて回避する。下手に反撃すれば、白蓮や響子がやられたように膜で捕縛されてしまうかもしれないからだ。蘇った物が膜に変化する条件は不明だが、少なくとも先程の弾丸は膜に変化せずにそのまま壁に激突、小さな穴を3つ空けた。リトル・フィートはそれを確認すると、再び台所へと向かう。
だが、それを妨げるためと言いたいかのように、さらなる障壁がリトル・フィートを襲う。
『うがぁああああ!!』
ガシィイイッ
「!」
『ぉおお前ぇええーーーー、よくも俺を殺しやがったなァ〜〜〜〜』
「……こいつ、ホルマジオが過去に殺したやつか…………
リトル・フィートの足に掴みかかる者がいた。彼の右足を両手でガッシリとホールドしてぶら下がるのは、顔面に2発分の銃創のある男。フサフサの髭を蓄えた壮年の白人男性は、彼が自ら言っているようにおそらく過去にホルマジオが手を下したのであろう。
傷跡からしてリトル・フィートは大して関係の無い人物だが、自分の邪魔をするのなら仕方がない。もう一度殺されてもらうしかない。
ズババババッ!
『うげあぁあああ〜〜〜〜ッ!』
「こっちは躊躇しねーよ。俺たちも命懸けてんだからな。それにてめー、顔面に弾丸食らってんだ。そんな裂傷今更だろ!」
『がァアアッ、離してたまるかァ〜〜ーーーーッ!』
ドッパァアア〜〜ン!
「うぅッ!?」
(しまった……! こいつ、あの膜に…………)
リトル・フィートは男の顔面を数度切り裂き、彼の捕縛から逃れようとする。痛みは感じているようであり、唸りながらほんの一瞬だけ、彼の手の力が抜けた。リトル・フィートはその隙を逃さない。すぐさま足を振って解こうとする。が、次の瞬間男の右腕は例の膜に弾けるように変化してしまった。
男の体はその後、溶けるようにどんどん膜へと変わっていく。ぐじゅぐじゅと音を立てながらリトル・フィートの右脚を登っていくのだ。状況は脱せず、解放からの後戻りである。しかし、リトル・フィートは焦らない。
彼の体はグンと小さくなり、それによって脚を掴んでいた男の腕をすり抜けて逃れたのだ。既に己の人差し指で傷付けていたため、サイズを操作するのに無駄な時間はかからない。標的に逃げられ、バランスを崩した男はその場で倒れ込む。
『うあァァアア…………』
「よし…………これでようやくこの部屋も出られるぜ。後は廊下だけだな。ここを通りさえすれば、ようやく水が手に入る!」
亡霊の男を乗り越え、リトル・フィートの足はついに廊下へ差し掛かる。客間よりも狭い一本道。邪魔物も少ない。全力疾走して向かえば水はもう手に入れたも同然である。と思われたが、彼はここで最後の関門と相対することとなる。
ブシャァアア〜〜ーーッ!
「うぐぁああ!?」
突如、彼の左肩から血が噴き出したのだ。その激しさ、まるで火山の噴火である。真っ赤な血液はドバドバと止めどなく流れ、廊下の壁や床、天井を染め上げる。血の出どころに目をやると、その傷口の異様さにようやく気付く。
何かに引っ掻かれたような、四本の細長い線が彼の肩を抉るように走っていたのだ。リトル・フィートはすぐに理解した。そういえば、ホルマジオと関係の深い獣がいたと。廊下の先にそいつの影が見えた。ネコである。
「俺を引っ掻いて……あそこまで一瞬で戻ったのかッ…………!? このスピード、普通じゃあねぇ…………まずいぜ、クソッ! 台所にある水まであと少しだってのによぉぉ〜〜〜〜っ!」
『シャァアアーーーーッ!』
ネコはリトル・フィートを睨みつけ、威嚇の声を上げる。ホルマジオはネコと関わる際、瓶詰めにしてしまうなどの歪んだ愛情表現が目立っていた。おそらくはそれによって知らず知らずのうちに死んでしまった個体なのだろう。リトル・フィートに対する殺意は確かなものであった。
「あいつの相手なんかしてられるか! 小さくなるのはマズい……強行突破! それしかねぇッ!」
先程見たネコのスピードは尋常ではない。まともに正面から戦っては、こちらが攻撃を当てる前に八つ裂きにされてしまうだろう。もともと狩猟動物であるネコに対して小さくなるというのも悪手だ。走り抜ける他無かった。
リトル・フィートは意を決し、三度に渡って床、壁、天井を蹴飛ばして台所へ突進する。ネコを翻弄するためにそうしたはいいが、肝心なネコ自身はそれを目で追っていた。天井から、次の着地点に決めた床までの長い直線上。そこに差し掛かると同時に、ネコの攻撃も開始される。
撃ち込まれミサイルを、地上から同じくミサイルで迎撃するかのように、リトル・フィートに向かって真っ直ぐネコの体は飛んでいく。リトル・フィートを叩き落とすつもりのようだ。
「こ、この野郎ォ〜〜!」
(一瞬……あいつの攻撃を避けた一瞬で、こっちも人差し指で傷付ける! やつのサイズを小さくしてしまえば、後の攻撃は大したもんじゃあない……はずだ)
『クアァァッ!!』
「ウリヤァアアーーッ!」
ネコの4本の鉤爪と、リトル・フィートの一本の鉤爪が互いを狙い合う。
ネコは真っ直ぐ飛んでくるのに対し、リトル・フィートはネコからして左側から攻撃を加える。自分の攻撃は当て、ネコは右肩と頭の間で避けようという考えなのだ。しかし…………
ドグサァアアッ!
「ガブフッ!?」
(か……こ、こいつ、加速しやがったッ!! お、俺の喉にィ…………!)
『クルルルル』
「うぐッ……こぶふっ…………ガボガボ!」
(い、息が…………血が口から出るのが止まらねぇ! マズい!! このままだと本当に死んじまう!)
ネコはリトル・フィートの攻撃が届くまでに突如加速、その突き出した前足をリトル・フィートの喉へと突き刺したのだ。深々と刺さった前足は(おそらくあると思われるが)気道を突き破り、大量に逆流してくる血液で完全に呼吸を止めてしまう。このままでは窒息、あるいは多量失血で消滅するだろう。リトル・フィートは必死にもがくが、喉の中でネコの鉤爪が引っかかり、それが釣り針の
最大のピンチである。この寺の仏徒たちは人里へ布教に出掛けている。白蓮はやられた。響子もだ。グレイトフル・デッドたちは助けに来るはずがない。リトル・フィートはこのまま、次第に次第に死んでいくしかなかった。
「絶対に…………諦めねーぞ…………俺の覚悟は……こんなもんじゃあ……ねェーー…………『覚悟』が、道を切り開くはず……だ……」
血の帯を床に描きながら、それでも尚心折れずにリトル・フィートは台所を目指す。彼の残された時間が残り僅かなものであると告げように、強烈な眠気も襲いくる。その間、ネコは徐々に『膜』へと変化していた。グルグルとリトル・フィートの首へ絡みつきながら、肩や腕を拘束していきながら、彼を消滅へと導くのだった。
「……とんでもない根性だね。これが……『覚悟』ってやつか…………」
____________________
場面はまた変わり、グレイトフル・デッドたちのいる屋外。相変わらず終わらぬ亡霊の群れをさばくグレイトフル・デッドとマン・イン・ザ・ミラーだが、ここでついに転機が訪れる。マン・イン・ザ・ミラーは自身の持つ手鏡を見てグレイトフル・デッドに叫んだ。
「! グレイトフル・デッド、ついに
「なにっ」
「ヤロォ〜〜、ついにここへ戻ってきやがった! シビル・ウォーだぜ。ここでこいつを始末すれば、この厄介な亡霊たちともおさらばだ!」
マン・イン・ザ・ミラーの鏡の世界。鏡を通して見える、左右反転した世界の中に一人存在する者がいた。シビル・ウォーだ。マン・イン・ザ・ミラーは彼の隙を突き、鏡の世界に閉じ込めたのだが、今ようやくシビル・ウォー本人がそのことに気付いたようである。マン・イン・ザ・ミラーに能力を解除させるために、彼はここへ戻って来たのだ。
2人はこれをチャンスと捉える。マン・イン・ザ・ミラーの鏡の世界は生物が存在しない。それは彼の調べにより、人間の亡霊も同様であることが分かった。それでもマン・イン・ザ・ミラーが鏡の中に入ってシビル・ウォーを始末しなかったのは、上述したように物品の亡霊は存在しているためである。シビル・ウォーの元へ行くまでに、それらの障害を乗り越えねばならない。しかし、今こうしてシビル・ウォーから近づいて来てくれたということは、物品の亡霊の邪魔を最小限に、シビル・ウォーへ攻撃できるということ。この機会は絶対に逃してはならない。
「俺も手伝うぜ。マン・イン・ザ・ミラー、
「もちろんだ。マン・イン・ザ・ミラー! 鏡の外へ出ることを、許可するッ!!」
ズギャァア〜〜〜〜ッ!
「!」
「よぉ、シビル・ウォー。数分ぶりだな。ええ、おい!」
「こ、これは……やはりお前たちの能力だったのか……!」
マン・イン・ザ・ミラーの手鏡、その鏡面が輝くと、中からシビル・ウォーの半身が飛び出してきた。マン・イン・ザ・ミラーは彼が逃げないよう右腕でガッシリと首をホールドして捕らえると、空いた左手で手刀を作りシビル・ウォーの首筋に当てる。亡霊を振り解きながら、グレイトフル・デッドもシビル・ウォーに何か攻撃を加えようと近づいて行く。
「なぁ、グレイトフル・デッド。こいつ、どんな目に合わせるのが良いと思う? 散々俺たちのことをナメくさりやがったこいつを!」
「慌てるなよ。マン・イン・ザ・ミラー。リゾットも言ってただろ。浮かれたやつから死んでいくってな。確実に息の根を止めるのが重要だ」
「それじゃあ…………このまま掻っ切ってやる!」
「ま、待て…………話を聞いてくれ……」
スパァアアアン!
「ガウッ!」
「フ、フハハハハハハハハーーーーッ! ついにやってやったぜ! これで終わりだ! ざまぁ見やがれ、シビル・ウォー! フハハハハハハ」
「…………」
シビル・ウォーが何かを口走りかけていたが、マン・イン・ザ・ミラーは気にも留めず手刀でシビル・ウォーのパイプのような喉元を切り裂いた。無機質な体であったが、中にはしっかり血液が流れていたようだ。プシューーッと噴水のように赤い液体がぶちまけられている。
マン・イン・ザ・ミラーはシビル・ウォーの攻撃を、本体への侮辱と捉えて赦さなかった。故に、今の彼はかなり興奮している。暗殺者としてどうか、という意見ももしかしたらあるかもしれないが、マン・イン・ザ・ミラーはそれ以前にスタンドなのだ。何よりも、本体の方を一番に思っている。
グレイトフル・デッドは動かなくなったシビル・ウォーを見て、「終わったか……」と一息吐く。これで亡霊の相手をしなくてもいい、と。そう思い、周りへ目をやると、亡霊たちは未だ消えていなかった。
「……どういうことだ…………なぜ亡霊が消えてねぇんだ!? こいつ、まだ生きてるんじゃあねーのか!」
「なに……そんなはずは…………喉を掻っ切ったんだぜ? もっと粉々に踏み砕くか!?」
2人は倒れているシビル・ウォーを見下ろす。ビジョンは既にボロボロと崩れ、消滅が始まっている。シビル・ウォーが死んだことは明らかである。だというのに、亡霊は消えていない。イルーゾォも、プロシュートも、その他暗殺のターゲットたちも、まだ命蓮寺周辺に
いや、しかも数が先程よりも増えている。全く見覚えのない、白いネズミが辺りを駆け回っているのだ。あれは誰の捨てたものでもないだろう。競馬用のブーツやトロフィー、三角定規や見たことのないタイトルの本まで落ちている。一体何が起こっているのか?
『私の最終攻撃は……ついに……完成した』
『!?』
「今のは……シビル・ウォーか!?」
「バ、バカなッ…………今さっきここで殺したぜ! 確かにこの手で殺して、この目でそれを見ていた!」
『お前、マン・イン・ザ・ミラー。お前はたった今、私を殺した。人は何かを『捨てて』前へ進む。
「何を…………言ってる……!?」
シビル・ウォーは生きていた。消滅したはずの彼はいつの間にか2人の前方におり、ピンピンしている。そして先程の言葉の意味。2人は全く理解できずにいた。シビル・ウォーが過去に捨ててきた物を、マン・イン・ザ・ミラーがおっかぶるだと? それはつまり……シビル・ウォーの亡霊が全て、マン・イン・ザ・ミラーの元へ行くということか? シビル・ウォーが生きているのは、この『捨てて』きた物が蘇る空間で彼を殺してしまったからということか? それでは…………まるで…………
「そ、そういうことか…………たった今、このいきなり湧いて出てきた亡霊たちは、シビル・ウォーが過去に『捨てて』きた物で、それが全てマン・イン・ザ・ミラーの元へ…………お前に全て襲いかかってくるのかッ!」
「何だと…………」
『フフフフ………………私はジョニィ・ジョースターにまんまと能力を破られてしまった。私はジョニィの『罪』も背負うことになってしまったのだ。それを全て、お前におっかぶってもらったぞ。お前の分も含めて、3人分の『罪』を引き受けたんだよ。もう、潰されて死ぬしかないよなぁ?』
「む、無敵だ……この能力ッ!」
殺せない。殺したところで、シビル・ウォーの『罪』まで背負うことになる。まさしく無敵と呼ぶに相応しいだろう。シビル・ウォーはどこか遠くへ移動することなく、グレイトフル・デッドとマン・イン・ザ・ミラーの行く末を見守るため、すぐ近くの岩に腰掛ける。無防備であるが、グレイトフル・デッドたちは一切動くことはない。動けないのだ。先程よりも、ずっとずっと多くの亡霊のたちが津波のように襲って来るのだから。
『神は…………連れていく子供を間違えた…………なぜニコラスの方が…………』
『お前がネズミを………………!! 森へ逃したせいだ…………ジョォォニィィィィィィ』
『ウイルスは許可しないィィィィィッ』
「う、うぉおおわああああああ!! やめろォォォ!!」
ブチィ ブチブチブチッ!
「あぁああがァアアアアッ!」
「マ、マン・イン・ザ・ミラー! やめろっ、くそ! テメーら離しやがれェェーーーーッ!!」
ブーツの中からは頭から血を流した青年が、割れた窓ガラスからは小太りの中年男性が、イルーゾォが、辺りから湧いてきた農民や軍人らしき人々が、一斉にマン・イン・ザ・ミラーに寄って集まる。そして彼の四肢を掴むと、それらを引きちぎるため、それぞれ外側へととてつもないパワーで引っ張り始めた。
ブチブチと悲鳴を上げる手足に構わず、亡霊たちは攻撃を緩めることはしない。グレイトフル・デッドは彼を助けようとするが、グレイトフル・デッド本人にも自分の亡霊が集まるため、中々手を出せない。その光景を見るシビル・ウォーはひどく愉快そうであった。
「フハハハハハハ! このままお前たちが死んでいく様子を見ているのも悪くないな! 鏡のスタンドが死んだら、次はお前だ。その体中に付いた目玉、全て潰してやろう」
「…………やれるんだったら、やってみやがれ。俺はお前を赦さねェ。依頼だの報酬だの、知ったことか。俺はただ、俺のやりたいことをするだけだ。
いよいよ決着。
暗殺チームトリオの、この誰も中心じゃない感は結構気に入ってます。やっぱりリゾットがリーダーですからね。3人のこの主張しすぎない感じが良いやり取りになる。
to be continued⇒
あくまで参考までに、ということで。
-
東方をよく知っている
-
ジョジョをよく知っている
-
東方もジョジョもよく知っている
-
どちらもよく知らない