研究者の異世界での日々

研究者、クローン？を作る

「クローンを作りたい……というか整理する奴が欲しい……」

「……再生魔法と魂魄魔法、変成魔法を使うことでどんな動物、果てやどんな人間を作ることが可能……なら試してみようか？」

休暇で色々な街に向かいながらゼロワンドライバーの開発、そのほか太陽炉の製造、新魔法の制作、そして先程から咲人がブツブツ話しているクローンの製造。色々な研究を開始し始めた咲人は休暇そっちのけで研究を始めていた。

「ハジメの人体錬成を魔法技能図書館から持ってきまして〜遡及、合成、分解を実施、同時にゼロワンドライバーの開発、魔力回復薬開発、新魔法研究、クローン作成に必要な魔法検索を同時に行おうか……」

魔法、技能をフル稼働させ、先程咲人が言った咲人を同時に行う。物を動かす時は重力魔法、空間魔法を使って動かし、ゼロワンドライバーのパーツを変幻自在にコアメタルを使って作り出す。そして魔力回復薬の調合を重力･空間･昇華･再生を使って行う。

クローン作成に必要な魔法を検索するのは自動ではない。超演算領域を使って、ゼロワンドライバーに1個、魔力回復薬に1個、新魔法研究に1個、検索に1個、魔法演算領域と脳の働きを分ける。

クローン作成に必要な魔法は、魂魄魔法、生成魔法、変成魔法、ハジメの技能の一つである身体練成、身体の素材は空間魔法で必要な臓器や肉体を犯罪者が死刑で死んで放置されている場所から取ってくる。勿論無許可だ。まぁ犯罪者の死体なんて気にする人はいないが。

それでも足りないならダンジョンで死んだ人間から取ってくる。

「オェェ……」

死体の腐臭に思わず吐いてしまう咲人。吐いた物は全て空間魔法で亜空間に出されるが。研究用に作られた換気魔法で腐臭をも亜空間に出す。

必要な素材が全て集まるとそれを身体練成で繋ぎ合わせる。骨等はコアメタルを使用、変成、生成、錬成を使ってコアメタルで代用できない部位を色々な鉱石を使う。ヒトの構造の知識を頼りに、記憶を頼りに使って人間を作成している。

だが記憶が途中で無くなり、作成が止まる。ヒトの構造の記憶が終わり、臓器全て、作成途中だった物が全て分離する。

「……記憶か……仕方ない。記憶喚起魔法を作って記憶を再現出来る魔法を作るか……」

「…………記憶喚起は魂魄、再生、それと魂魄魔法の派生……」

「記憶再現は魂魄魔法の遡及、魂魄、再生の複合……それ全ての複合かな…………」

魔法を、技能を、知識を全て使って完成させる。それこそ、解放者達7人の合作、《概念魔法》に辿り着くほど。概念魔法を作る、作りたいとは思わなかったが、自然と肉体を空気から、材料無しになんでも作り出す、そして記憶からデータを持ってきて、それ通りに作る2つの概念魔法が作成される。

記憶再現　　　　　　　コアメタル創成

この2つの魔法、記憶再現は記憶から読み取り、記憶から抜き取ったものを再現する魔法。コアメタル創成は材料無しにコアメタルを作り出す魔法。いや創り出すが正解だ。

「記憶再現……発動。記憶の読み取り開始、コアメタルを創成」

「コアメタル変幻自在、材質、形状変化。材質は肌のように、形状は人間体。記憶再現、臓器、人間の身体の仕組みを創造、生殖機能は省く。魔法付与発動。魔力タンク設置、神代魔法付与」

「武装付与、魔法付与」

咲人はこれを作っている時思った。これクローンじゃねぇや……機械生命体だわ……と。

そうこうしているうちに機械生命体第一号が完成し、次の工程に移る。

「……明日にしよう。そうしよう」

次の工程に移る前に久しぶりに異空間から出てキリアの元に向かい、宿に二人用に取った部屋に入ってそのまま談笑したあと久しぶりに寝た。