《デンジャーライズ!》
《クラッシングバッファロー!ハザード!》
《This charge attack will send you flying. HAZARD》
「グガァァァァァァ!!!」
そのレイダーは禍々しかった。元々のクラッシングバッファローレイダーの赤い部分は禍々しい血のような赤に、灰色の部分は黒く、そして目は白かった。
全身から蒸気が出ていて、すぐにでも爆発しそうだった。バッファブロウと呼ばれる手に装備されている武装は劇中よりもデカく、頭部の角、レッドブルーザーは所々に棘があり、常時赤熱化していた。
「コロス コロス コロス……グガァァァァァァ」
苦しみながら身体から配線を出して周囲の魔物たちに刺して、べローサ、クエネオマギアを2体ずつ生み出す。
何故こうなったのか、それは少し前に遡る。
少し前ー
そこはオルクス大迷宮。そこで勇者一行は鍛錬という名の調査をしていた。聖剣片手に魔物たちを斬り飛ばしたりしていたのだ。だが異変はすぐ訪れた。
どういうことかと言うと90階層に降りた時、一度もそのフロアの魔物と遭遇していなかったからである。
警戒心を強めながら勇者達は進むが、
「………なんつぅか、不気味だな。最初からいなかったのか?」
龍太郎が遂に最初からいなかったのではと言い、
「……光輝。一度、戻らない? 何だか嫌な予感がするわ。メルド団長達なら、こういう事態も何か知っているかもしれないし」
雫が警戒心を強めながら、光輝にそう提案した。光輝も、何となく嫌な予感を感じていたので雫の提案に乗るべきかと考えたが、何らかの障碍があったとしてもいずれにしろ打ち破って進まなければならないし、八十九層でも割りかし余裕のあった自分達なら何が来ても大丈夫ではないかと愚かにもそう考えてしまう。
光輝が迷っていると、不意に、辺りを観察していたメンバーの何人かが何かを見つけたようで声を上げた。
「これ……血……だよな?」
「薄暗いし壁の色と同化してるから分かりづらいけど……あちこち付いているよ」
「おいおい……これ……結構な量なんじゃ……」
表情を青ざめさせるメンバーの中から永山が進み出て、血と思しき液体に指を這わせる。そして、指に付着した血をすり合わせたり、臭いを嗅いだりして詳しく確認した。
「天之河……八重樫の提案に従った方がいい……これは魔物の血だ。それも真新しい」
「そりゃあ、魔物の血があるってことは、この辺りの魔物は全て殺されたって事だろうし、それだけ強力な魔物がいるって事だろうけど……いずれにしろ倒さなきゃ前に進めないだろ?」
光輝の反論に、永山は首を振る。永山は、龍太郎と並ぶクラスの二大巨漢ではあるが、龍太郎と違って非常に思慮深い性格をしている。その永山が、臨戦態勢になりながら立ち上がると周囲を最大限に警戒しながら、光輝に自分の考えを告げた。
「天之河……魔物は、何もこの部屋だけに出るわけではないだろう。今まで通って来た通路や部屋にも出現したはずだ。にもかかわらず、俺達が発見した痕跡はこの部屋が初めて。それはつまり……」
「……何者かが魔物を襲った痕跡を隠蔽したってことね?」
あとを継いだ雫の言葉に永山が頷く。光輝もその言葉にハッとした表情になると、永山と同じように険しい表情で警戒レベルを最大に引き上げた。
「それだけ知恵の回る魔物がいるという可能性もあるけど……人であると考えたほうが自然ってことか……そして、この部屋だけ痕跡があったのは、隠蔽が間に合わなかったか、あるいは……」
「ここが終着点という事さ」
光輝の言葉を引き継ぎ、突如、聞いたことのない女の声が響き渡った。男口調のハスキーな声音だ。光輝達は、ギョッとなって、咄嗟に戦闘態勢に入りながら声のする方に視線を向けた。
コツコツと足音を響かせながら、広い空間の奥の闇からゆらりと現れたのは燃えるような赤い髪をした妙齢の女。その女の耳は僅かに尖っており、肌は浅黒かった。
光輝達が驚愕したように目を見開く。女のその特徴は、光輝達のよく知るものだったからだ。実際には見たことはないが、イシュタル達から叩き込まれた座学において、何度も出てきた種族の特徴。聖教教会の掲げる神敵にして、人間族の宿敵。そう……
「……魔人族」
誰かの発した呟きに、魔人族の女は薄らと冷たい笑みを浮かべた。
「その通り……ここがアンタらの墓場になるんだからさ?」
光輝達の目の前に現れた赤い髪の女魔人族は、冷ややかな笑みを口元に浮かべながら、驚きに目を見開く光輝達を観察するように見返した。
やっとここまで来た……
すいません追記です。前回のアンケートの咲人が使う1話限りでない能力に未現物質を書いておくのを忘れていました。
これを書いたら編集しておきます。
題名変えた方がいいですかね?明らかに物語がリメイク前と違うし……
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はい
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いいえ