「ゴルドーからの連絡か?」
ファントムがハジメのことを追跡しているLBXのゴルドーから連絡が入ったと伝えてきた。どうやら緊急事態らしい。
「……魔人族だと?……レイダーでは無さそうだが、不意打ちと言ったところか……助けに行くにもこの檻の中では少し……」
この咲人が閉じ込められている檻もとい研究室には魔法を探知する術式がかけられていて、魔法を使った場合危険なものなら神の使徒を送るというシステムになっている。
「……そういやピカピカの実とか固有時制御発動してもバレなかったよな……」
実際概念魔法は使ってはいるが、ピカピカの実やその他の力は異能として分類するため、魔法を探知する術式に引っかからなかったのだ。
「……コピー、少し私の代わりよろしく」
「了解だ。見張りが来たら適当に誤魔化しとくよ」
「ありがとう」
自分は長い研究のせいで体調を崩したので、コピーが代わりに研究しているということにして、ファントムとともに異空間の中に入っていく。
「さて、セットアップ!」
真ん中に赤い線が入った黒い服に白い上着を着てその背中にファントムの翼が付き、それが全身を覆うマントのようになる。そして肩と腕、足にファントムの装甲に似たアーマーが付いて、右手にデモンズランスが装備される。
「このままだとバレるから……
《Vanishing Dragon Balance Breaker!!!》
ファントムの装甲が白くなり、咲人の頭にヴァーリ・ルシファーのつけていた白兜に似た兜が付けられる。
「さて、行きますか!」
オーロラカーテンを使って、グリューエン大火山に向かう咲人であった。
グリューエン大火山……そこでハジメとハジメの恋人達は苦戦を強いられていた。
ハジメはゼロワンの力を使えば勝てると思っていたのだが、灰竜と呼ばれる3、4メートル程度の大きさのドラゴンが何体もいて、フライングファルコンでは空中戦で灰竜に分があって叩き落とされ、フレミングタイガーでマグマの中を耐えながら攻撃しても極光を連射されてヒットバックしてしまい、ブレイキングマンモスを使おうとしても使うにも狭すぎて指輪から出せない。
シャイニングホッパーを使おうと思ってオーソライザーにかざそうとするのだが、どうやってフォームチェンジをするかバレてしまいフォームチェンジしようとする度に灰竜の極光で邪魔されてしまっていた。
ハジメの恋人……新たに加わった香織がいれば回復できるのだが、今は
アンカジ公国にいるため回復出来ず、ユエはハジメのフォローに時間がかかり、シアはそもそも敵が空中にいるため満足に攻撃出来ず、ティオは唯一竜化できるため戦うことができていたが、1人では灰竜相手に苦戦していた。
「……不味いな……ここの魔法が空間系ってことはわかるし、試練はクリアしたんだけどな……」
「取りに行けないのじゃ!」
「そもそも戦力外ですぅ……」
「不味い……」
「さぁ!トドメだ!灰竜よ!最大火力の極光を!!」
灰竜が極光を放った瞬間、機械の音声が鳴り響く。
《Half Dimension!!!》
「なんだ!?」
そしてハジメたちの前に障壁が形成される。
《Protection!!》
青い大きい魔法陣で出来た巨大障壁が極光を受けきったのだ。
「……これ以上、私の親友に手を出さないでもらおうか……」
咲人がハジメのピンチに駆けつけた瞬間だった。
「……咲人か?」
突然乱入した白い鎧を付けた魔導師に対して、ハジメが親友なのか?と聞く。
「そうだ。時間を稼いでやるからさっさと神代魔法を取ってこい」
「わかった。任せたぞ」
その言葉に驚いたようにうさ耳少女……シアがハジメにあることを聞く。
「え?あの人下半身不随じゃ?」
「そこのうさ耳!早く行け!」
「へ?わかりましたですぅ!」
咲人はシアに怒鳴ったあと、魔法を展開し始める。
《Demon Shooter》
デモンズランスからアクセルシューターならぬ、デモンシューターが放たれる。
デモンシューターは黒くそして丸い光弾であり、防御力が半減している灰竜に良くダメージが入る。
「貴様!何者だ!」
「……白龍皇、アルビオン」
咲人は状態がバレることを避けるため、ハイスクールDxDの白龍皇の光翼に封じられている天龍の名で答える。
「アルビオン……覚えておこう!私は、私の名はフリード・バグアー。異教徒共に神罰を下す忠実なる神の使徒である」
「生憎と私は無神論者でね!」
「我が神を信じない貴様に裁きを下そう!」
《Demonic Slash》
黒い魔力で形成された魔力刃がフリードに放たれ、フリードが極光で防ごうとするも、出力が落ちているため、極光が切り裂かれそのまま極光を放った灰竜が切り裂かれる。
「トドメだ!」
《Demonic Dragon Lance!!!》
《Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!》
Half Dimensionで減らされているにも関わらず、Divideでまたも半減され、防御力が下がり続け、その分のエネルギーをデモニックドラゴンランスに加えて放つ。
「仕方あるまい!」
空間魔法を使ってワープしようとしているところに咲人がオーロラカーテンで手だけワープさせ、もうひとつの能力を使う。
「
ドラゴンの特徴を模した槍状のエネルギーがフリードに襲いかかる。空間魔法が発動するのが遅くなっているため、避けることが出来ずに灰竜全てを殺してからフリードに当てたと思ったのだが、右腕に掠っただけで終わり、フリードは魔法を使って何かを破壊した。
「……仕方あるまいが、要石を破壊させてもらった。これでお前の仲間も……ガはァ!……一旦引かせてもらう……また会おう。アルビオン……」
要石を破壊したと言ってそのまま逃げ帰るフリードをスルーして、マグマの勢いを半減しておいてそのまま咲人も離脱した。
「これくらいじゃ、死なないだろ?ハジメ」
親友との割と嫌な信頼であった。
そしてそのまま咲人は自分の檻の元に帰って行ったのだった。