あなたがサキュバスゆかりさんになってマキさんに幸せにしてもらう話 作:Sfon
四月九日(木)
あなたの魔力供給可能量が変化しているかもしれないという話が出てから一週間ほど経ち、ついに結論が出ました。あれから毎晩あなたはマキさんにキスをしてもらっていましたが、欲求がたまっていないながらも愛を伝えたいばかりにキスをしてもらったときには成長せず、精力を消費した結果せつなさに耐えきれなくなってキスをねだった日には成長していたのです。
つまり、あなたが彼女への切なさに耐えきれなくなる境目を超えて魔力を供給すれば、耐えられる供給量が増えるのです。限界を超えなければ効果が無いのは、まるで筋トレのようでした。
あれから今日までは極端に大きな魔力を消費しなかったので先日のように我を忘れるほどに肉欲を求める事態は起きていませんが、同じように魔力を使う日がいつ来るかはわかりません。彼女曰く、試験の際にはできる限界まで消費するらしいので、遅くともそれまでには許容範囲を増やしておかないといけないでしょう。もうやるしかありません。今晩からあなたの体の許容量を増やすための特訓が始まります。
特訓内容は至ってシンプルで、マキさんが魔晶石に魔力を注入し、あなたの我慢の限界の少し奥まで消費したところでキスしてもらうのを繰り返すのです。魔晶石は自分の魔力を貯蔵してデバイスに使うためのバッテリーのようなものですが、それを使えば部屋の中でも魔力を消費できます。魔晶石は比較的安価で蓄積した魔力は空中に放射することもできるため、限界もありません。
今晩も、あなた達はいつも通りに過ごしていました。夕食後、マキさんは今日勉強したことの復習をして、あなたはベッドの上で百合小説を読んでいます。彼女は制服のままですが、あなたは紫のオフショルダーワンピースとパーカーを着ていました。
先週末以来、あなたの服に対する考えはすっかり変わっていました。この部屋は下着姿で過ごしても問題ないほどに快適な室温ですから、体温調節の役割を服に求めてはいません。さらに同室にいるマキさんはあなたが誘惑したい相手ですから、選ぶ基準は自分の好みというよりも彼女の好みになっています。
そして、彼女はあなたがかわいらしくて、ちょっとえっちな服を着ていると大喜びするのです。ほとんど口には出しませんが、明らかに視線が自分の胸元や太もも、お尻に向かっているのが分かります。あなたは恥ずかしさの中に、彼女に見てもらえる快感を覚えつつありました。
その結果、あなたの部屋着は自然と肌が多く出るものに変わっていきました。さすがにベビードールなんて着ませんが、あなたが自信を持っている足はいつもむき出しにしているし、首筋や背中も場合によっては見せています。
はしたなくない範囲でそれができる服の筆頭に、結月ゆかりの公式衣装があるのですから、それを着ない手はありません。すでにマキさんには同じワンピースを数着ねだっていて、パーカーもおなじものをもう一着欲しいところです。
この服を着てベッドにうつぶせになれば、それだけで彼女の視線をゲットできるのです。ワンピースの短い裾はあなたのお尻をギリギリ隠していますが、ちょっと身じろぎするとすぐに上にずり上がり、下着がチラリと見えてしまいます。そうでなくても、あなたの柔らかそうな太ももが惜しげもなくさらされているので、マキさんは勉強の最中だというのにあなたを横目でちらちらとみるのです。
あなたはあくまでも小説を読んでいる風に装っていますが、彼女の視線を感じるとたまにふいっと彼女に顔を向けます。そして目があったとき、彼女に柔らかく微笑んであげると彼女は焦ってノートを覗き込み、首筋を赤くしてくれるのです。
彼女の勉強が終わり、一緒にシャワーを浴びるときにも最近気を付けていることがあります。常に姿勢をよくして、肩からお尻にかけてのラインをきれいに保つのです。髪を洗う時も、体を洗う時も、前に体を倒して足元を洗う時も、背中を丸めずに腰から上半身を動かします。
こうすると、あなたの体の曲線美が保たれるのです。おかげで、シャワーを浴びている最中もマキさんの視線を自分に誘導することができています。さすがにじろじろ見られることはありませんが、ちらちらと、まるで思春期の男子が気になる女の子を盗み見るような視線をくれました。
しかし、ここ数日そうして頑張って彼女を誘惑していましたが、なかなか彼女はあなたへの好意をあらわにしてくれません。彼女があなたを意識しているのは明らかなのですが、言葉にしてくれないのです。それがにじみ出てくるのはあなたとキスしてくれるときくらいで、彼女に好きと思ってもらえばもらうほど口づけが激しくなりました。
シャワーを浴び終えたあなたは今日もベビードールを着てベッドに座り、マキさんを待っています。女の子らしく、ベッドの上にぺたんと座って彼女が明日の準備を終えるのを眺めました。今日はこれから、魔力量を増やすための特訓をすることになっています。どれくらい時間がかかるかはわかりませんが、明日に支障のない範囲でたっぷり可愛がってほしいところでした。
準備を終えたマキさんは、こぶし大の透明な直方体に成形された魔晶石を片手に持ってあなたの前に座りました。
「それじゃあ、始めるよ」
なんだか緊張した面持ちで話すマキさんは、いつもの明るい雰囲気や照れて恥ずかしがっている雰囲気と違って妙な感じです。あなたが彼女の手にある魔晶石を眺めていると、やがてそれはほのかに青く光りだしました。魔力が注がれているのです。
「キスで回復できる限界まで注ぎたいから、初日の感覚を思い出してそこまで我慢してね」
より多く魔力を消費すれば、より成長できるだろう。この考えは単純ですが、割と理にかなっています。成長を目的とした魔力の使用は今回が初めてのため、マキさんはいつもよりも慎重に魔力を注いでいきました。
しばらくの間はマキさんといつも通りに会話していました。今日彼女が受けた授業の話や、あなたが読んだ小説の話、最近気になるアクセサリーなど、たわいのない話ばかりです。
しかし、数分も話していると、あなたは自分の体がだんだん熱くなっていくのを実感しました。はじめは風呂上がりのようにほんのり暖かくなっただけでしたが、ゆっくりと着実に体の中から熱が湧き出ては溜まっていきます。それはやがてあなたの顔色を明確に変え、耳まで真っ赤に染めました。
まだ意識ははっきりとしていて、理性もあります。しかし彼女との受け答えにはラグが生まれ始め、たまに彼女の話が頭に入ってこなくなってきました。耳から始まった火照りは首筋まで広がっています。薄いベビードールしか纏っていないのにじんわりと汗がにじみ、パタパタと胸元をつまんで風を中に送り込んでも一向に涼しくなりません。それどころか、あなたがそうやった瞬間に魔晶石が少しの間だけ、ぐっと明るくなりました。それに伴って、あなたの汗がブワっとわき出ました。
「ご、ごめん! ちょっと力が入っちゃった」
マキさんが魔力を注ぐ力加減を誤ったようです。彼女にしては珍しいミスで何があったのだろうと少し考えると、すぐに思い当たりました。あなたは視線を自分の胸元に向け、先ほどと同じように服の胸元をつまんで少しだけ引っ張ってみます。その状態でマキさんの様子をうかがうと、彼女はあなたから露骨に目をそらしていました。どうやら、服の胸元から中を見られてしまったようです。試しにまた何度か服をつまんで扇いでみると、彼女から「ゆかりちゃん、勘弁して……」と声がもれました。よほど彼女に効くようです。
考えてみれば、こうして襟元から服の中を覗き込めるのは、胸の小さい人ならではかもしれません。胸の大きいマキさんの格好を見ると、襟元を引っ張った程度では胸の上半分が見えるかどうか位に思えます。
貴方は思わぬところで新しい彼女のからかい方を見つけましたが、さすがにそろそろきつくなってきました。額からは汗が滴り、頬を伝って首筋に流れています。視界は狭まり、彼女の口元に釘付けになり始めました。あなたは思わず彼女の腕をつかみ、もうそろそろだと目で訴えます。しかし彼女はあなたの頭を撫でながらも魔力を魔晶石に注ぎ続けます。
彼女はここ数日のあなたの反応から本当に余裕がなくなったときの様子を把握していたのです。最大限に成長するにはまだ足りず、今彼女とキスをしてしまえばまた一からやり直しです。あなたは太ももをすり合わせながら欲求に抗いますが、だんだんと肌が敏感になり、周りの空気の動きさえ感じ始めます。首筋にはマキさんの息がかかり、そのたびに肩を震わせてしまいます。
そしてあなたはいよいよ限界だと感じ、マキさんにキスをおねだりしました。視線だけではなく、言葉ではっきりと伝えます。マキさんのことが大好きで仕方がなくて、もう気持ちを抑えきれません。今すぐにでも彼女から愛を受け取りたいのです。唾液をいっぱい注いでもらって、飲み込んで、彼女の体の一部を自分の中に取り込みたいのです。
しかし、彼女はあなたが理性を失いかけている様子を見てもなお、もう少し我慢するよう言います。
「おねだりできるならまだ余裕あると思うから、もうちょっと頑張ろうね」
そのままでは彼女に飛びついてしまいそうで、あなたは両手で口を押えます。目はどんどん潤んできて、鼻息は荒く、鼓動は限界まで早くなっていました。視界には彼女の唇しか映っていません。早くあの綺麗な唇に触れたい。むさぼりたい。そんな思考で頭の中が染めつくされます。
あなたはとうとう我慢できなくなって、唇が振れる直前まで顔を近づけて必死にお願いしました。もう本当に限界です。これ以上おあずけされたらキスだけで我慢できなくなってしまいます。自分の声が普段よりも艶やかなものになっているのを自覚しながら、彼女の目を見つめて何度もお願いします。あなたの瞳は涙で潤んでいて、今にも泣いてしまいそうです。
「もう流石に限界かな、いいよ、きて」
あなたは彼女から許しを得ると、彼女の唇を乱暴に奪いました。相手のことを考えている余裕はありません。ただ体の渇きを癒すためだけに彼女の熱を受け取ります。彼女の口の中へ舌を必死に突っ込んで唾液を吸い取り、体全体を彼女に密着させて絶対に逃がすまいと抱きしめました。口で彼女を奪いながら鼻で必死に息をすると、シャンプーやボディークリームのフローラルな香りの奥に彼女自身の甘酸っぱいにおいを感じます。あなたは胸いっぱいに心地よい香りを吸い込みながら口を吸い続けました。
彼女はあなたの限界をよく把握していたようで、キスして数分するとあなたの体は落ち着いていました。ベビードールはあなたの汗で濡れ、ただでさえフィットしていた生地がさらに張り付きます。ベッドも座っていたところがしっとりと湿っていて、あなたがどれだけ興奮していたかが残っています。
もちろん、今日はあなたを訓練するためにこうしているのですから、これで終わりではありません。マキさんは再び魔晶石に魔力を込め、あなたの体は再び火照り始めました。
結局その日は四回ほど繰り返したところであなたの体力が尽き、ベッドに倒れこんだのでお開きとなりました。終わったころにはあなたの下着も座っていた場所のシーツもすっかりシミが付いていて、次からはタオルをひかないといけないでしょう。
五月二日(土)
月が替わり、お小遣いをもらったマキさんはあなたを午前中から街に連れてきていました。あなたの今日の格好はデニムのショートパンツとTシャツ、そしてゆかり印のパーカーです。
実は週末になるといつも彼女に街へ連れてきてもらい、おいしいものを食べさせてもらったり公園でのんびりしたりしていたのですが、大きな買い物はお互い控えていました。月初めにあなたの服や身の回りのものを一気に買ったので、ご飯代を余裕もって残すと余りがほとんどなくなっていたのです。
しかし、今回のお出かけは違います。彼女曰くお金はたっぷりあり、お買い物を思いっきり楽しめるそうです。この体になってから身だしなみへの興味が強くなったあなたには嬉しい知らせでした。
「ゆかりちゃん、何か欲しいものある?」
そうやって聞いてくれました。あなたが欲しいものはいくつかありますが、真っ先に欲しいものは新しい下着でした。洗濯に出せばすぐに洗ってくれるとは言え、五日間でローテーションするとだんだん飽きてきてしまいます。それに、最初に買った下着はそれなりにシンプルなデザインなので、もっとかわいい下着を身に着けてみたくなったのです。
「…………なるほどね、わかった。じゃあ連れて行ってくれる?」
あなたは彼女のちょっとおとなしい反応と、きょろきょろと動いている目からすぐに察しました。きっと、あなたがどんな下着を買おうとしているのか判断が付き切らなくて、どこのお店に連れていこうか迷ったのでしょう。
ここ最近のあなたは彼女へのアタックを強めていて、ことあるごとに腕を組んだり、後ろから抱き着いてみたりと積極性を見せていますから、『ひょっとしたら自分から攻めたデザインの下着を買おうとしているのでは』と考えたのかもしれません。
さすがに彼女はもう自分からその手のランジェリーショップにあなたを連れていくのには抵抗が生まれたようで、その結果、向かう店をあなたに任せたのでしょう。
あなたは早速、この数週間でためた手札の一つを切ることにしました。街を歩いていた時に見つけた、学生が入ることのできる中で一番『その手』の下着の品ぞろえが多いランジェリーショップへと向かいます。
お店の中に入り、あなたは早速マキさんに声を掛けて、好みの下着を選んでもらうことにしました。彼女の趣味は何となくわかっていますが、自分が選んだ下着を好きな人に履いてもらうシチュエーションはなかなかにおいしいだろうと考えたのです。もっとも、彼女があなたに直接好意を伝えたことは結局一月経ってもありませんでしたが、だんだんと毎晩のキスに注がれる愛情が増えた気がするのでほぼ間違いないでしょう。
「わ、私が選ぶの? この中から?」
戸惑うのも無理はありません。一番おとなしいものでもレース素材で透けている部分があるのは当たり前、Tバックも当然そろえられていて、中には昼間には付けられないような布面積の紐パンや確実に「それ」目的のものまであります。
あなたは彼女に、こんな品ぞろえなんだからどんなものを選んでもしょうがない。ほかに選択肢がないのだから、恥ずかしくないと説得します。さすがに、あなたも全く恥ずかしくないということは無く、せっかく勇気を出してこのお店に来たのですからここで消極的になられても困ります。
あなたが背中を押すと、マキさんはおずおずと店内を進んで商品を眺めていきます。なかなか挑発的な下着の前を通るたびに視線が向かっているのを見ると、興味が無いわけではないようです。
あなたが「そういうのが好きなんですか?」とからかって聞いてあげると、顔を赤くして黙ってしまいました。否定されないということはそういうことなのでしょうが、逆にあなたもちょっと恥ずかしくなってしまいます。
だって今目の前にあった下着は、腰回りと太ももの付け根にしか生地がなく、肝心な部分は守ってくれないのです。彼女はあんな下着も、いずれあなたにはいてほしいと思っているようでした。
店内をぐるっと回ってマキさんが手にしたのは、白いローライズのショーツでした。確かにデザイン的には一番シンプルですが、はいた時のことを考えるとなかなかです。腰に引っ掛けるというよりは、太ももの上に乗せる感じになるでしょう。
あなたは彼女からそれを受けとってかごに入れると、さらにもう何枚か選んでもらいました。あらかじめ予算は聞いてあり、ここではその半分も使わない程度にちゃんと計算してあるので、お金が無くて買えないという言い訳は通用しません。
恥ずかしがりながらもヤケになった彼女は次々に好みの下着を渡してくれました。黒い紐パンなど、所謂セクシーな下着として挙げられるものはおおよそ揃ったでしょう。あなたは彼女の耳元で吐息たっぷりにお礼をいい、彼女に買ってもらいました。
彼女を誘惑できる手段が増えてご満悦のあなたとは対照的に、マキさんはお店を出てからすぐにくたびれた様子で息をつきました。顔中がほんのりと色づいていて、なんだか色っぽいです。
「もう……私でもあんな下着つけたことないのに。ちょっと進み過ぎじゃない? その……嫌いじゃないけどさ」
嫌いでないなら何よりでした。あなたは彼女を誘惑するためなら何でもできるのですから、もはや服に関しては来るもの拒まず、むしろ自分から突撃していくのです。
気疲れした様子のマキさんは、気分転換しようとクレープ屋さんに連れていってくれました。甘いものは疲れをどんどん溶かしてくれて、彼女も一口食べるたびに笑顔が戻ってきます。
今日の目当ては下着の調達だったので、あなたが欲しかったものは買い終わってしまいました。あなたはマキさんに何か買うものはないのか尋ねてみましたがすぐには思いつかないようで、適当にお店を眺めることにします。
服屋さんやアクセサリーショップをまわり、化粧品店で新しいリップを買うとお昼時になりました。いつものカフェでご飯を済ませた後は、公園に行ってのんびりするのがいつもの流れです。
今日も池のほとりにあるベンチに二人並んで座ります。五月になってすっかり暖かくなり、木漏れ日を浴びながら風に当たっているととても気持ちがいいでしょう。あなたは軽く目を閉じ、ベンチの背もたれに体重を預けてリラックスしました。
ふと、肩に何かの感触を感じたあなたが目を開けると、マキさんがあなたの肩に頭を預けて眠っています。ご飯を食べた後の眠気と午前中の気疲れが合わさったのでしょうか。気持ちよさそうです。
しかし、この体勢を続けていると首が痛くなってしまうでしょう。彼女には悪いですが、起こすことにしました。肩をとんとんと叩くと、彼女がゆっくりと目を覚まします。あなたにもたれかかっていたのに気づいたのかすぐに謝られましたが、あなたはむしろ彼女が頼ってくれた感じがして嬉しいのです。そして、まだ眠そうな彼女に膝枕をしてあげたいと提案してあげました。
「膝枕……うん、おねがい……」
あまり頭が働いていないのか、はっきりしない口調ながらも彼女は体をあなたの方に倒し、向こうを向いて太ももに頭をのせました。彼女の頭が生足に直接触れるのでちょっとくすぐったいですが、彼女が嬉しそうな声をこぼしたのであなたも幸せな気持ちでいっぱいです。長い髪を手櫛で綺麗に整えてあげてから、頭をゆっくりと撫でてあげましょう。
そういえば、彼女があなたに甘えたことは今までなかったような気がします。これを着てほしいなどといったお願いはありますが、彼女が不安がっているところや弱っているところは見た記憶がありません。
思えば、彼女はあなたがこの世界に来てからずっと、あなたをリードしてくれていました。女の子に慣れていないあなたを教育してくれたり、使い魔としてやっていけるように訓練してくれたり、気にかけてくれています。
あなたは彼女に報いる方法として、彼女の魔力タンクとして精一杯努力しようとしていましたが、新しい方法を見つけることができました。彼女が心の底から甘えることのできる存在になって、彼女の不安や悩みを解消してあげるのです。
あなたは帰ったらさっそく彼女を甘やかしてみることにしました。
夕方になってもマキさんはぐっすりと眠ったままで、胸がゆっくりと大きく動いています。このまま寝かしてあげたいですが、さすがにそろそろ帰らないといけないでしょう。残念ですが、あなたは彼女の肩を揺らして起こしました。
マキさんは目を開いてしばらく状況がつかめていないようでしたが、やがてガバっと勢いよく体を起こしました。
「その、ごめん! せっかく街に来たのに、午後はずっと寝ちゃってたみたいで……しかも膝枕……」
貴方は彼女にしてほしかったらいつでもやってあげるとやさしい声を掛け、ベンチから立ち上がりました。太ももにはほんのりと彼女が頭を横たえていた赤い跡が残っていますが、夕日のおかげであまり目立たずに済みそうです。マキさんも体のコリをほぐしてから立ち上がり、あなた達二人は手をつないで寮に戻りました。
夕食を食べ、シャワーも浴びたあなた達二人は部屋に戻りました。今日のあなたの格好は午前中にマキさんが買ってくれた黒いローライズのショーツに白いベビードールです。あなたはベッドに腰かけ、マキさんに声を掛けました。今度は意識がはっきりしているうえで膝枕をしてあげようと思ったのです。お昼にしたときはずいぶんと安心して寝てくれたようですから、自分の部屋で、しかもお風呂上がりの気持ちいい気分ですればきっともっと気持ちいいでしょう。
あなたに声を掛けられたマキさんは少し躊躇した様子を見せましたが、あなたが笑みを浮かべながら太ももをポンポンと叩くと、おずおずと近寄って隣に座ってくれました。あなたが今日はたっぷり甘えてほしいとお願いすると、彼女はちょっと驚いた表情を浮かべます。
「だって、その格好で膝枕ってなんか、その……」
彼女は何か言おうとしますが、結局口ごもって最後まで話してくれません。言おうとしていることは何となく予想がつきますが、あなたはそれより早く彼女に膝枕をしてあげたくてたまらないので、彼女をせかしました。
彼女は戸惑いつつも、あなたの太ももに頭をのせて横になってくれます。昼間と同じく彼女は向こうを向いていますが、この格好では彼女の顔が見えなくてちょっと不満が出てきました。あなたは少し考え、いい方法を思いつきます。
せっかく横になってもらったマキさんには申し訳ないですが一旦体を起こしてもらい、あなたはベッドの枕元に女の子座りをして彼女を呼び寄せました。そして彼女には仰向けになってもらい、あなたへ正面から頭を預けてもらいます。こうすれば彼女の顔も見れるし、頭も撫でてあげられるし、ばっちりです。それにあなたの体を彼女に見てもらうこともできます。実際、彼女の視線があなたの胸元に一度向かったので、意識してもらえたようです。
あなたが彼女の頬をなで、耳元を撫でると、彼女の表情から緊張が抜けてきました。呼吸もだんだん深くなり、リラックスしてくれているようです。目がとろんとしてきて、瞼は今にも落ちそうです。あなたは彼女にぐっすり寝てしまってもいいと声をかけ、横に寄せておいた布団を掛けようとしました。
しかし、残念ながらマキさんはここで体を起こし、あなたにも布団に入るように言います。あなたは淫魔なのだから一晩くらい寝なくても大丈夫だと言いましたが、彼女曰くむしろほかにしてもらいたいことがあるそうです。あなたは渋々布団の中にもぐりこみ、いつも通りマキさんと反対を向いて横になりました。
「その、こっちを向いてよ」
あなたがマキさんの方に体を向けると、彼女はあなたの胸元に顔をうずめて抱き着いてきてくれました。あなたが彼女の頭を優しく撫でてあげると、彼女はより強くあなたの胸元に抱き着きます。あなたの小さな膨らみが彼女の頬に当たっているのがわかりちょっと恥ずかしいですが、それよりも彼女が分かりやすく甘えてくれたことが嬉しくて胸が高鳴りました。
あなたが枕を使っているので、彼女はベッドに直接頭を横たえています。それでは寝づらかろうと思ったあなたは、彼女の頭の下に腕を差し入れてそっと胸元に抱きました。苦しくないかとあなたが聞いてみると、いつもよりゆっくりした口調でマキさんが答えてくれます。
「大丈夫。なんかこれ、安心する……」
彼女はあなたの胸元に頬ずりしたり、足同士を絡めたりして、あなたの体の暖かさを受け取ってくれます。そんな彼女がとても愛おしくなって、あなたは彼女が眠るまでずっと頭を撫で、彼女に愛を囁きました。一日遊んでくれてありがとう。今までもこれからも、ずっと大好きだと伝え、あなたも安らかな気持ちで目を閉じました。返事はありませんでしたが、彼女が体を摺り寄せてくれたのであなたの気持ちは伝わったようです。
五月六日(水)
あなたがこの世界に来てから一カ月が経ちました。毎晩の習慣になっていた魔力消費の特訓ですが、最近はあまり調子がよくありません。キスで解消できるギリギリのラインをマキさんが攻めていますが、ほとんど成長しなくなってしまったのです。まだ消費量の多い魔術が使えるほどの余裕はないので、もっと成長する必要があります。
キスで成長できないならどうすればいいか、真っ先に思いつくものはありました。キスで回復できないほどの魔力を使ってもらい、もっと激しい欲求をため込んでからそれを解消してもらえばいいのでしょう。つまり、彼女に体を触って気持ちよくしてもらわないといけないほどの魔力を供給し、イかせてもらえばいいのです。
マキさんもきっと気付いていることでしょう。成長が伸び悩んでいるここ最近、彼女はあなたにたびたび声を掛けようとしてやめているそぶりを何度も見せていました。さすがに「えっちすればいいんじゃない?」とは言い出せないようです。
お互いのためとはいえ、そもそもこの状況を作り出してしまっているのはあなたの体質で、何とかしないと困るのもあなたです。あなたも彼女に言い出すのはちょっと恥ずかしいですが、そうは言っていられないでしょう。ここは、あなたから話を切り出すしかありません。
夜、いつものようにマキさんとお風呂に入って部屋に戻ったあなたは、持っている中で一番かわいい下着と寝間着を着て彼女が帰ってくるのを待ちました。自分がこれから彼女にえっちをおねだりすると考えると恥ずかしくて顔から火が出そうですが、あなたにはこれ以外に方法が思いつきません。
これはお互いが生活に困らないためにしなくてはいけない、しょうがないことだと何度も言い聞かせます。決して自分の快楽のためにおねだりするのではなく、あくまで生活のためなのですから、しょうがないのです。
廊下からマキさんの帰ってくる足音が聞こえ、あなたはベッドの上に座って居住まいを正しました。そしてドアが開き、彼女が部屋に帰ってくるとその顔をじっと見つめます。
「じゃあ、今日もしようか」
彼女はクローゼットからバスタオルを取り出し、何回か折ってベッドに敷くとその前にぺたんと座りました。そして両手を広げ、あなたを呼び寄せます。ここまではいつもの流れですが、あなたはいつもと違い、背中を向けて彼女の前に座りました。もちろん、これではキスができません。その座り方で彼女はどうやら察したようですが、あなたは覚悟を決めて話を切り出します。このままキスを続けても成長できそうにないので、だから、成長するために、あくまでしょうがなく、もっと魔力を消費してほしいと伝えました。
魔力を消費するほど、あなたが必要とする精力は増えていきます。そしてキスで回復できる量には限度があることも彼女はわかっています。つまり、それは間違いなくあなたからえっちをしようと誘っているのと同じことでした。
「私は嫌じゃないけど…………本当にいいの?」
彼女は困惑した声色であなたに問いかけます。あなたはうつむきながら頷いて応え、彼女の手を取って自分のお腹の前まで持ってきました。
「ごめんね、私から言ってあげるべきだったね」
彼女の声は本当に申し訳なさそうで、あなたのことを大切に思ってくれているのが分かります。
「じゃあ、しようか。えっと……どういう風にしたらいい?」
意図しないで彼女に体を触ってもらったとき、あなたの理性はほぼなかったと言っていいでしょう。あの時はマキさんと離ればなれになっていたので彼女を襲いませんでしたが、もしすぐそばにいたとしたら押し倒していたに違いありません。
あなたは彼女に、自分の腕を後ろ手に縛ってもらいたいと伝えました。彼女を襲わないようにするためでもありますが、自分でいじらないようにするためでもあります。自分でいくら弄ったところで、つらさは増すばかりなのです。マキさんは微かに息をのんだ後、あなたのお願いを聞いてくれました。体を洗うのに使っているハンドタオルであなたの手首を背中で縛ります。
これで彼女を襲ったり、自分でいじったりする心配はなくなりました。次に気になったのは、彼女に顔を見られることです。きっと恥ずかしい表情をさらしてしまうでしょうから、見てほしくはありません。
手を縛ってもらったあなたは、彼女の座る位置を変えてもらいました。壁に背中をつけ、膝を広げた女の子座りをしてもらいます。そしてタオルを足の間に敷いてもらうと、彼女と反対を向いてそこに座りました。足を前に投げ出し、手が使えないあなたはもう一人で動けません。
「体を預けても大丈夫だよ。ちゃんと受け止めてあげる」
彼女の言葉に甘えてゆっくりと体を後ろに倒すと、胸とおなかで優しく受け入れてくれました。あなたのお腹に腕が回され、ぎゅっと抱きしめられます。彼女の顔が見えないのは寂しいですが、自分の顔を見られたくないのでしょうがないでしょう。それに、顔が見えなくとも彼女の体温が伝わってくるので安心感がありました。贅沢にも彼女の大きく柔らかい胸があなたの首筋にあたり、枕のようになっています。
「じゃあ、始めるね」
彼女はあなたに回していた腕を片方はずし、近くに置いていた魔晶石を手に取ると魔力を注入し始めます。魔晶石に込められた魔力量はその石の光具合でおおよそ判断でき、いつもよりも速いペースで注入されていったそれはあっという間に初日限界だった魔力量に達しました。この一か月間の特訓で、あなたの余裕は三割ほど増え、体は少し暖かくなってきたくらいで、まだキスをするほどでもありません。
そのまま魔力は注入されていき、一つ目の節目を迎えました。あなたの体は彼女に今までしてもらったキスの感覚を思い出し、早くしてほしいと訴えています。いつもならここで彼女にキスしてもらっていましたが、今日はここで止まりません。
さらに魔力が注入されると、あなたの体は次第に汗ばみ始めました。呼吸はとっくの昔に乱れていて、時折熱っぽい吐息が漏れています。まだ何とか耐えられますが、限界は近いでしょう。
そしていよいよ耐え切れなくなってきました。敏感になった体は服が擦れるだけでも快感を覚え、くねくねと腰を動かすとすっかりぬれたショーツがあなたの肌に擦れて水音を立てます。もう限界です。
あなたはマキさんに触ってほしいとおねだりしました。あなたの体は快感を受け入れる準備がとっくに済んでいて、彼女の指を今か今かと待っています。しかし、彼女はなかなか触ってくれません。
「もうちょっと、我慢すればするほど成長が早くなるみたいだから頑張ろうね」
彼女はあなたの頭を軽く撫でながら、さらに魔力を消費していきます。あなたは口を開けて必死に酸素を取り込もうとしますが、鼓動があまりにも早いせいか息苦しさを感じます。だんだん視界が狭くなってきて、意識が胸と股間に集中します。早く触ってほしいとあなたは何度もおねだりしますがそれでも彼女は触ってくれず、耐え切れなくなってしまったあなたは泣いて彼女に頼み込みます。もう頭が狂いそうで、早くイかせてほしいのです。
「ごめんね、まだどのくらいまで焦らせばいいかよくわかってなかったんだ。……じゃあ、触るよ」
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それからのことはあまり思い出したくありませんが、全体をまとめて一言でいうとすれば、自分の欲望をほんの少しも隠さずにすべて彼女に伝え、彼女はそのすべてに応えてくれたのです。
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行為が終わり、彼女はあなたの手を縛っていたタオルを解いてくれましたが、あなたの体には力が入りません。体を隠すこともできず、あなたは後ろに手を回したまま快感の波が引くのを待ちました。
気分が落ち着くと、諸々の液体で濡れた下着が肌に冷たく張り付きます。あなたはシャワーが浴びたくなり、彼女と一緒にシャワールームへ向かいました。快感で足元がおぼつかないあなたの肩をマキさんに支えてもらい、ゆっくりと歩みを進めます。
体を洗いながら、あなたはおねだりするまでなかなか触ってくれなかったことについて文句を言っていました。確かに限界に近い方が成長量は増えるのですが、それに伴ってあなたの体への負担も大きくなるのです。欲求が解消されれば特に後遺症も何もないのですが、行為中に理性が残っているかどうかはその後の気分的に大きな差がありました。理性が無くなっていたとしても、記憶まで消えるわけではないのです。恥ずかしい言葉や声の記憶はしっかり残っています。
「ごめんね。私が本当に触っていいのか不安になっちゃって、ゆかりちゃんが言ってくれるのを待ってたんだ。次からはちゃんとしてあげるから」
彼女もあなたと同じく緊張していたのでしょうが、それでも今日のはとても恥ずかしかったのです。素面の状態から発情するまでをしっかり見届けられたのですから、以前あった一件よりもさらにクるものがありました。
しかし、そんな不満があっても彼女があなたを愛してくれたのには変わらず、シャワーから上がってさっぱりすると機嫌はすっかり直っていました。ただ、すぐに機嫌を直したのがばれてチョロいとか思われても困りますから、あなたは部屋に戻ってから仲直りのキスをねだり、たっぷり堪能してから仲直りしました。
今日もあなたは彼女に腕枕をしてあげて、頭を胸に抱きながら眠りにつきました。
六月三日(水)
毎晩のキスが体の触れ合いに変わってから一月経ちました。あなたの成長はあれから目覚ましいものがあり、今ではちょっとやそっとの魔力消費では発情しない体になっています。これなら試験期間に大量の魔力を消費しても大丈夫だろうと、マキさんからも太鼓判をいただきました。
もう特訓をやめても問題は無いように思えるのですが、まだ続いているのには理由があります。あなたが気持ちいいから続けてもらっているのは本音の一つにありますが、表立ったものはほかにあるのです。
特訓では、マキさんが魔晶石に魔力を込める必要があります。最初の頃はあなたが発情するまでに大した量を込めなくて済んだのですが、最近になってすっかり成長したあなたを発情させるにはかなりの魔力消費が必要になりました。目安としては、暖房や照明、キッチンなどすべてを含めた家庭で使う魔力の丸々一月分ほどです。それだけの魔力をつぎ込むには大量の魔晶石が必要になります。
これを利用し、魔晶石のチャージを商売として始めたのです。今住んでいる寮の魔晶石すべてと学校の魔晶石倉庫の魔晶石はつながっていて、常に倉庫から魔力が供給されています。これをつかって、部屋に備え付けられた暖房や照明の魔晶石に魔力を注ぐことで寮全体の魔晶石や、学校の倉庫にある魔晶石にもチャージできるのです。
マキさんがうまく話を付けたのか学校に魔力を譲渡した分に応じたお金をお給料としてもらうことができるようになり、その出どころはあなたの精力ということで、結果的にあなたのバイトが始まりました。一回の金額はさほど多くないものの、毎日欠かさず行うので、一月もすればなかなかの額になります。今のペースでいけば一月五万円。今後さらに成長すれば、もっとお給料が上がるでしょう。
それほどまでに、あなたの支援の力は成長しているのです。マキさん曰く単純な魔力量だけで言えばすでに街一番といってもおかしくないそうで、これからさらに成長したら超エリート層のものにも匹敵するらしいのですから、これはすごいことでしょう。
今晩もマキさんにいっぱい触って気持ちよくしてもらったあなたは、ベッドの上で彼女と手をつないで仰向けに寝ていました。夜も更け、さすがにそろそろ寝なくてはいけません。ただでさえ最近はマキさんの指使いがうまくなって体力が一気に持っていかれるのに、彼女を求める気持ちはどんどん強くなっていくので行為が長引いているのです。今日も彼女の勉強が終わってすぐにお風呂に入り、部屋に帰ってくるとマキさんが帰ってくるまでに可愛い下着とスケスケのえっちな服を着て待機し、帰ってきたマキさんにたっぷり可愛がってもらいました。明日も授業があるのです。試験も近いことだし、いつものように彼女の頭を抱きながら心地よい眠りにつきました。
六月十七日(水)
今日はいよいよ中間試験当日。午前中の筆記試験はすでに終わり、今はお昼休みです。あなたは寮の自室のベッドの上で仰向けに寝かされ、裸で縛られていました。両手首を背中でまとめられ、足はたたまれた状態で片足ずつ縛られています。上半身には毛布を掛けてもらっているものの、下半身は露出したままです。そして、腰の下にはタオルが何枚も敷かれています。この格好をさせた張本人のマキさんはあなたの様子を確認して、満足げに頷ききました。
「良し、じゃあそろそろ行ってくるから。頑張って耐えてね」
マキさんが部屋を出ると、あなたは部屋に一人取り残されます。どうしてこうなっているか振り返りましょう。
今日の午後に行われる試験は魔術の実技で、各々が今行える最大限の魔術を行使することになっています。どれだけ頑張るかは強制されていませんが、より強力な魔術を用いるほど加点されるのですから、みんな全力を出し切るのです。普通の魔術師は魔力を使い切っては動けなくなってしまうので、自分の魔力量を把握できているかも採点のポイントになるそうです。
マキさんの場合、誰よりも多くの魔力をあなたから受けとることができるようになっていました。先日から今日まで毎晩ずっと交わり、あなたが気絶するギリギリまで魔力を消費するのを繰り返したおかげです。そのせいであなたはいっそ意識を失う方がマシと思えるほどの疼きを抱えながら彼女に快楽をおねだりする羽目になっているのですが、今は関係のない話でした。
ともかく、普通に考えれば適当にセーブして試験を受ければそれなりの成績を得ることができて、それで済むのです。しかし、彼女は試験でもあなたから精力を極限まで搾り取り、今可能な最大限の魔力をつぎ込んだ魔術を使おうとしているのです。
当然、そんなことをされてはあなたへの影響がとんでもないことになります。具体的に言えば、魔術を行使された瞬間強制的に絶頂を迎えて三分ほどイき続け、それから猛烈に彼女が欲しくなるのです。その欲求はどんなことをしても抗えず、もちろん自分で体を弄っても全く満たされません。
その影響自体は毎晩身をもって体験しているので程度が分かりますが、今日に限ってはどれだけ彼女におねだりしてもごほうびをもらうことができないのです。いつも食らった瞬間に彼女におねだりして快楽をむさぼっているのに、今日は彼女が試験会場から返ってくるまでずっと待たされるのです。
例年通りに試験が行われるなら、受験生は評価をその場で得てすぐ帰ることができるので、あなたが耐えないといけない時間は彼女が魔術を行使してからこの部屋に戻ってくるまでの約十分間です。たった十分でも、きっと途方もなく長い時間に感じることでしょう。あなたを部屋で自由にさせていれば、いったい何をするかわかりません。
そういうわけで、あなたは拘束されたのでした。魔術を行使した瞬間にあなたの下半身がびしょ濡れになることはわかりきっているため、あらかじめタオルを大量に敷かれているのです。
まだ魔術を行使されたわけではありませんが、あなたの胸は既に高鳴り、股間からは期待の雫がタオルに垂れていました。いつ強制的な絶頂が来るのかわからず、敗北の確定したロシアンルーレットを延々とプレイしているような気分です。そろそろマキさんは試験会場についたでしょうか。名前順なら割と最初の方に順番が来るはずだと言っていましたが、実際のところは受けるまでわかりません。
じりじりと汗がにじみ、今か今かと胸の高鳴りをこらえていると、その瞬間が唐突に訪れました。体から急激に精力を吸い取られた次の瞬間、あなたの体が宙に浮きました。あまりにも勢いよくのけぞったので、一瞬ベッドから浮いたのです。
ここまでは毎晩経験しているだけあって、何とか耐えることができました。問題はここからです。いつもならすぐにでも彼女に快楽をねだり、受け取るのですが、今日はそう上手くいきません。口は大きく開いて酸素を求め、手足は自分で何とか快楽を生み出そうと必死に動きます。早く彼女に体を弄ってほしいのに、全然来てくれません。もうそろそろ十分経ったでしょうか。いえ、まだ一分も経ってないのです。壁にかかった時計をにらみますが、秒針はあなたをイジメているのかと思うほどに遅く、ちっとも進みません。時計を見ていると時間を気にしてしまうので、あなたは目をつぶることにしました。
我慢できなくなって時計を見ると、ようやく三分経ちました。まだ三分。たった三分しか経っていません。もうあなたの下腹部はジクジクと疼き、いつもみたいに弄ってくれるのを心待ちにしています。あなたの胸の先端も彼女に弄ってもらうためにピンと立っていました。身じろぎをすると布団に先端が擦れてピリッとした快感が胸に走りますが、それも一瞬で満足できなくなりました。
もしも手足を縛っていなければ、今頃あなたは手を中に突っ込んで掻きまわしていたことでしょう。当然それで満足できるはずがないので、きっと傷だらけのズタズタになっていたに違いありません。彼女が縛ったのは正解でした。
でも、この待ち時間が死ぬほどつらいのには変わりありません。あなたは妄想の中のマキさんに体を触ってもらい、想像だけで絶頂を迎えましたが、体の疼きが加速しただけです。何もしないよりはマシなのであなたは何度も頭の中のマキさんに体をイジメてもらい、この苦しい時間を乗り越えようとしました。
不意にあなたの上半身にかかった毛布が取り払われました。目を開くと、顔を真っ赤に染めて荒い息を吐いているマキさんがあなたの脇に腰を下ろしています。
「ゆかりちゃん、さすがにそんな恰好見せられたら、私も我慢ができないよ……」
彼女は制服を着たままあなたに覆いかぶさり、乱暴に口づけました。彼女から積極的に唇を吸い、舌で舐めあげられると、早々に切り上げられてしまいます。キスでこの欲求が満たされないことはわかりきっているのです。あなたが早く弄ってほしいとねだるよりも早く、彼女はあなたに手を伸ばしました。
行為が終わったころには、すでに晩御飯の時間も過ぎていました。あなたは行為の途中で体の拘束を外してもらい、下着姿のマキさんに裸のまま抱き着いています。お互いベッドに座り、向かい合わせに抱き合いながら快感の余韻に浸っていました。
「ちょっと、今日は頑張りすぎたかな……。えへへ、ゆかりちゃん、どうだった?」
今までで最高の快楽を与えてもらえたあなたは、首筋にキスをしてから本音で答えました。快感だけではありません。彼女からの愛情が指先から伝わり、すべての面から満たされたのです。
「そっか、良かった。今日はもう疲れちゃったし、このまま寝ちゃおうか」
なにも着ていないあなたに合わせて彼女も下着を脱ぐと、二人で布団をかぶりました。いつものようにあなたが彼女の頭を胸に抱くと、彼女もあなたの体に足をからませて密着してくれます。布越しでない、素肌同士が触れ合う気持ちのいい感触を味わいながら、あなたはマキさんにたっぷり愛を囁きました。彼女は相変わらず口に出してくれませんが、あなたの胸元に何度もキスを落として答えてくれます。そんな彼女が愛おしくなって頭を撫で、ゆっくりと眠りにつきました。
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