雷鳴は光り轟く、仲間と共に   作:あーくわん

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第15話 全国初舞台は忍者と共に

『全国中学サッカーファンの皆様、ついにこの日を迎えました!!』

 

 

 フロンティアスタジアム。フットボールフロンティア全国大会の会場となる場所だ。

 スタジアム内は今まで味わったことのないような熱気に包まれ、声援が肌を打ちつけてくる。小学生の頃の全国大会とは比にならないな。

 俺達雷門中が何故ここにいるか・・・それは当然、今から行われる開会式に参加するため。試合を勝ち進んだ代表として晴れ舞台に立つためだ。

 

 

「とうとう来たぞ・・・色々あったけど、ここまで来たら思い切り暴れてやろうぜ!!壁山!トイレは大丈夫か!?」

「さっき行ってきたっス!!」

「準備が良くてよろしい!」

 

『続いて関東ブロック代表、雷門中!!』

 

「よし、行ってこい!!」

 

 

 プラカードを持った先導の女性に連れられ、表舞台へと脚を踏み入れる。その瞬間、弾丸のように歓声が浴びせられる。最高だ、この空気・・・!

 

 

「ついに来たな、柊弥!」

「ああ・・・やってやろうぜ、守!」

 

『関東ブロックにて惜しくも雷門中に敗れた帝国学園!特別枠による参加にて王者復活を狙います!!』

 

 

 俺達に続き、帝国が入場してくる。勿論先頭は鬼道。

 俺達の横に並び、鬼道達と隣り合わせになる。守は鬼道に話し掛けたが、俺は目線だけ交わす。

 また帝国と戦える時が来るのだと思うと、今から胸が昂ってくるな。

 

 

『そして残る最後の1校、推薦招待校として世宇子中の参加が認められております!』

 

「世宇子・・・?」

「聞いたことない名だな。」

 

 

 初めて聞いたその学校の選手達をこの目で確認すべく、入退場口へと目線を向ける。

 が、出てきたのは先導の人のみ。どうなってる?

 

 

『世宇子中は本日調整の為、開会式には欠場とのことです!以上の強豪達により、中学サッカー日本一が決められるのです!!』

 

 

 調整中、ねえ。大層なことで。

 俺の記憶が正しければ、初戦は前回優勝校特別枠と推薦招待校・・・つまり、世宇子中とやるのは帝国だ。

 まあ、帝国が勝つだろうし世宇子中とやらをお目にかかる機会は無いだろうな。少し残念だが。

 さて、もうそろそろ開会式も終わりだな。そうしたら早速──

 

 

『以上で開会式は終了となります!第1回戦最初の試合、雷門中と戦国伊賀島中の試合は明日、この会場にて行われます!!』

 

 

 ・・・あれ??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆も知っての通り、明日の対戦校は戦国伊賀島だ・・・初陣を飾だが、気張っていけよ!」

「「「はい!!」」」

 

 

 開会式終了後、学校に戻ってきて最終調整、その後部室にて明日の確認をする。

 ・・・俺、今日試合する気満々だったんだけどな。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 翌日、再びフロンティアスタジアムへとやってくる。試合前の練習の時間が俺達に回ってきたので、グラウンドを広々と使って体を温める。

 豪炎寺と風丸の炎の風見鶏もいい調子、そして俺の新オフェンス、ディフェンス技も───

 

 

「うわっ!!加賀美さん早すぎっス!!」

「だろ?だけど壁山、いいディフェンスだったじゃないか。本番もその調子で頼むぞ。」

 

 

 ───いい仕上がりだ。

 これなら実践でも全然使えるな。

 

 突如、俺達が練習するフィールドに侵入者が。

 

 

「誰だお前!」

「お前に名乗る名などない。」

 

 

 突如豪炎寺のボールを奪い、俺達の前に颯爽と着地する。

 守が誰だか訊ねるも忍者みたいなノリで返される。

 ・・・いや、実際忍者か。こいつは──

 

 

「──戦国伊賀島の選手だな。」

「その通り、霧隠才次と言う。」

「・・・名乗るんだな、結局。」

 

 

 そう指摘すると名を名乗る。さっき名乗る名は無いって言ったのはどこのどいつだよ?

 ボールをこっちに蹴り渡してくると同時に、こちらを指差しながら勝負しろ、と言ってくる。

 

 

「噂は聞いている。雷の如き神速のストライカーだとな・・・本当はそっちの豪炎寺修也でも良いんだが、速さと聞いたら黙ってはいられない。さあ、勝負だ!」

「・・・断る。練習の邪魔だからさっさと失せろ。」

 

 

 苛立ちを口にする。

 実際そうだ。こいつらのアップは俺達の前に済んでいるが俺達は今現在進行形なんだ。

 それの邪魔をされては困る。

 

 

「何・・・逃げるのか!?腰抜けめ!!」

「好きに言え。俺とお前のどちらが優れているか、試合で分かるだろう。」

「加賀美・・・ここは俺が。」

 

 

 後ろから風丸が肩に手を置いてそう宣言する。

 確かに、俺にも引けを取らない、寧ろ上回るレベルの俊足だがこんな喧嘩を買う必要は無いだろう。

 ・・・面倒だし。

 

 が、結局風丸が勝負することになる。

 フィールドの反対側までドリブルで行って先に戻ってきた方が勝ち、というシンプルなルールだ。

 いざ始まってみると2人の速さはほぼ均等。なかなかいい勝負をしている。

 2人がゴール間際、別の誰かにボールを奪い取られる。

 別の戦国伊賀島の選手か。

 

 

「霧隠の無礼を謝罪する・・・」

 

 

 頭を下げるお仲間。良かった、ネジが外れてるのは霧隠だけか。

 

 

「これにて御免。」

 

 

 と言って姿を一瞬で消す。

 マジモンのジャパニーズ忍者かよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ間もなく、フットボールフロンティア全国大会1回戦、雷門中対戦国伊賀島との試合が始まろうとしております!!』

 

 

 そんな一悶着を経て、試合が始まろうとしている。

 今日のスタメンは

 FW 俺、修也、染岡

 MF 半田、マックス、少林

 DF 風丸、壁山、栗松、土門

 GK 守

 となっている。

 

 今日の鍵を握るのは炎の風見鶏。俺はそのサポートに回るとしよう。

 風丸は今日の試合に陸上部の連中を招待し、自分のプレイを見てもらうようだ。自分が続ける、サッカーを見せるために。

 そのためにも、風丸に花を持たせるとしようか。

 

 

「さあ、初陣だ!!」

「「「おう!!」」」

 

 

 修也のキックオフからスタート。ボールは染岡に渡り、染岡はサイドから上がってきた半田へパス。

 が、そこに霧隠が割り込みボールを奪う。

 先程見せた敏捷性で雷門ゴールへ切り込んでいく。確かに早いな。

 

 ボールを奪いにかかる風丸。が、風丸が捉えたのは残像だった。

 

 

「これが伊賀島流忍法、残像の術!!」

 

 

 あっという間にゴール前まで詰めてきた霧隠。そのままシュートを放つが守は正面から受け止める。

 

 

「何だ、今のは・・・」

「円堂!こっちだ!」

 

 

 素早くパスを回し、今度はこちらが伊賀島陣営へ切り込む。

 

 

「伊賀島流蹴球戦術、鶴翼の陣!!」

「承知、疾風怒濤!!」

 

 

 ボールを運ぶ半田とそれに追従する修也を中央へ誘い込む。

 そして待ち構える2人の大柄なDF。

 

 

「「伊賀島流忍法、四股踏み!!」」

 

 

 2人が地面を踏み鳴らすと、衝撃波としてそれが半田と修也に襲いかかる。

 打ち損じたボールは相手キーパーの元へ転がり、それをキャッチ。

 

 意表を突かれた俺達だったが、次第にそのプレイに順応し始める。

 これ以上奴らに手綱は握らせない。

 マックスが奪ったボールを俺が受け取り、前線に回す。今はまだ新必殺の出番はないな。

 ボールを受け取った染岡。その隣には修也。

 

 

「決めろ!!」

「おう!ドラゴン・・・」

「トルネードッッ!!」

 

 

 全国の場に紅龍が吠える。

 相手ゴールへ襲いかかるドラゴントルネード。さあ、どう出る?

 

 

「伊賀島流忍法・・・つむじの術!!」

 

 

 キーパーが二対のつむじ風を起こす。

 ぶつかり合った2つのつむじ風はより強大な風となり、紅龍を内に取り込む。

 暴風の前に為す術なく、その勢いは失われてしまった。

 ボールは再び相手へ。

 

 

「伊賀島流忍法、分身フェイント!」

「残像の術!」

「伊賀島流忍法、蜘蛛の糸!」

 

 

 連中のトリッキーな必殺技の前に中々こちらは攻めきれない。

 正確には、攻めてこそいるがこちらが翻弄されている。

 この状況、先に点をもぎ取ることが重要だな・・・

 

 

「修也!風丸と炎の風見鶏を狙え!」

「ああ!」

 

 

 それを見てか、風丸も前線へ上がってくる。この状況を打破するには2人に決めてもらう他ない。

 強くなったドラゴントルネードを止めたあのキーパーには俺のシュートが通じるかは分からない。今回の試合はシュート以外の面に重きを置いたからな。

 

 マックスからボールを受け取った風丸が上がっていく。立ち塞がる相手を抜いたと思いきや。

 

 

「伊賀島流忍法、影縫い!!」

 

 

 足元から伸びた影にボールを奪い取られる。

 すぐさま攻撃に転じる伊賀島。

 

 

「伊賀島流忍法、土だるま!!」

 

 

 霧隠が放ったシュートは表面に土を纏い、巨大な土の塊に変貌を遂げる。

 ゴール目前まで迫ったタイミングでその土の塊を叩き割ってボールが姿を現す。突然の事に守は反応が遅れる。

 

 

「熱血パンチ!!」

 

 

 反応が遅れてしまった、そんな時に役に立つのがこの瞬発力に長けた熱血パンチ。

 ボールに叩き込まれた拳。

 が、ボールの勢いには勝てず、弾かれたのは拳。

 そのまま倒れ込む守、まずいな・・・あの転び方は手を痛めたかもしれない。

 

 

『ゴール!先取点は戦国伊賀島だ!!』

 

 

 さて・・・先取点を奪われ、こちらは守が負傷の可能性。加えて奴らのペースにまだ対応しきれていないときた。

 

 こちらのキックオフから試合再開。その直後ボールを奪われ、再び攻め込まれる。

 守に無理はさせられないな・・・よし。

 すぐさま後陣へ下がる。あいつらはテクニックだけでなくスピードにも長けている。あれを上回れるのは恐らく俺と風丸のみ。だが風丸は反応しきれていない。なら、俺がやるしかないだろう。

 

 

「分身シュート!」

 

 

 選手自身だけでなく、ボールまで分身する。

 それぞれの分身がそれぞれのボールを撃ち込み、途中で合わさると威力は倍増。守へと襲い掛かる。

 その間に割って入る。

 

 

「させるかッッ!!」

「柊弥!?」

 

 

 暫しの拮抗の後、打ち勝ったのは俺のパワー。

 ボールを上に弾いたと同時に前半終了のホイッスルが鳴る。

 

 

「柊弥、脚が治った直後なんだからあまり無茶するなよ!」

「お前が言えることか?手、見せてみろ。」

 

 

 ベンチに戻り、半ば無理やり守のグローブを剥ぎ取る。

 そこに晒されたのは、真っ赤に腫れ上がった手。やはりか。

 すぐさま春奈救急箱を持ってきて秋が応急手当を行う。このチームにキーパーは守1人。続投するしかない。

 

 

「よし、全力で円堂をカバーするぞ!!」

「分かってるでやんス!」

「おうよ、絶対ペナルティエリアに入れさせないぜ!」

 

 

 意気込むDF陣。頑張ってもらうしかないな。

 さて、問題は攻めだ。

 

 

「後半、風丸と修也は積極的に炎の風見鶏を狙ってくれ。風丸が抜ける穴は何とか他でカバーしよう。俺も極力つなぎに徹する・・・行くぞ!!」

「「「おう!!」」」

 

 

 後半再開。

 初手から仕掛けてくる伊賀島。

 そうは問屋が・・・俺が卸さないがな!

 

 

疾風迅雷・塞(しっぷうじんらい ふさぎ)!!」

 

 

 雷を纏いながら伊賀島の選手の行く手を阻む。すぐさまパスを出そうとするがそのパスコースに先回り。その次のパスコースにも先回り。必殺技を出そうとしたその一瞬の隙に漬け込み、ボールを奪い去る。

 

 

「ナイスだ加賀美!!」

「おう!さあ、攻めるぞ!!」

 

 

 後ろに目線をやり、風丸が上がるのを確認する。

 風丸が前に上がりきってない今、前にボールを運んだところで奪われるのが関の山。ならばここはもう1つ手の内を明かさず、パスを回すのが懸命だろう。

 マックスにパスを回す。すると、すぐさまボールを奪われてしまった。仕方ない、相手が強いだけだ。それを見た風丸は再び後ろに。

 

 

「伊賀島流蹴球戦術、偃月の陣!!」

 

 

 陣形を組み、砂塵を巻き上げながら攻め上がってくる伊賀島。クソ、あれでは手出し出来ない!

 次々と吹き飛ばされるDF陣。俺もカバーに入らねば。

 

 陣形を飛び出し、ゴール前で睨む霧隠。

 風丸がボールを奪いに行くが、残像で躱されてしまった。

 まずい、間に合うか?

 ・・・いや、大丈夫だ。ゴール前には・・・壁山がいる!

 

 

「う、うおおおおお!!」

 

 

 霧隠のシュートを身体を張って防いだ壁山。

 今、巨大な壁がそびえ立っていたような・・・もしや、必殺技か!

 だが、弾かれたボールは再び霧隠へ。

 

 

「土だるま!!」

 

 

 再び放たれた土の塊。

 予測できないタイミングで飛び出したボールを風丸と壁山は見逃してしまう。

 

 

「ゴッドハンド!!」

 

 

 ゴッドハンドで応戦する守。が、その顔は苦痛に歪んでいる。

 徐々に、徐々に押されていき、やがてゴッドハンドは破られる。

 

 

「させるか!!」

 

 

 ゴールへ突き刺さるその瞬間、風丸がカットする。

 ゴッドハンドで勢いが弱まったところを狙って・・・ナイスだ風丸!

 

 

「風丸上がれ!俺がボールを運ぶ!」

「おう!任せた!」

 

 

 風丸からボールを受け取り、風丸を先行させ俺も上がっていく。

 左からのスライディング・・・飛んで躱す。

 右からのタックル・・・ステップで躱す。

 左右と上からの同時プレス・・・使うか、あれを!

 

 

疾風迅雷・巡(しっぷうじんらい めぐり)!!」

 

 

 再び身体に雷を纏い、縦横無尽に駆け巡る。

 雷の如き速さで、雷の如き軌道で!

 抜き去った先には豪炎寺と風丸。

 

 

「行けッッ!!」

「「炎の・・・風見鶏ィィィ!!」」

 

 

 漸く放たれた炎の風見鶏。

 炎の鳥と化したボールは一切の抵抗を許さず相手ゴールへと突き刺さる。

 

 

『ゴール!!豪炎寺と風丸が放つ必殺シュートが炸裂!!雷門中同点だ!!』

 

 

 同点からキックオフ。

 再び点をもぎ取るべく駆け上がる風丸。それを追いかける霧隠。

 

 

「このまま終われるか!!」

「ああ、勝負だ!!」

 

 

 端の方まで戦いを繰り広げる風丸と霧隠。

 サッカーはチームプレイと霧隠に告げる風丸。鮮やかに霧隠を抜いてパスを出した。

 そのパスが向かうのは・・・俺の脚元。

 

 

「轟一閃・・・改!!」

 

 

 度重なる激闘、特訓を経て轟一閃は次のステージへと辿り着いた。

 以前とは比べ物にならない程の威力、速さで相手ゴールへと轟く。

 

 

「うわああああ!!??」

 

 

 相手キーパーごとゴールへ突き刺さる。

 2-1・・・逆転だ!

 そして俺の得点を待っていたかのように試合終了・・・俺たちの勝ちだ!

 

 

「ナイスシュート、柊弥。」

「ありがとう、修也。」

 

 

 ハイタッチを交わす。

 今回のMVPと言っても差し支えないであろう風丸の方を見ると、霧隠と熱い握手を交わしていた。

 これなら、陸上部のあの後輩も風丸がサッカーを続けることを納得するだろうな。

 

 何はともあれ、1回戦突破だ。

 帝国との決勝に向けて、もっと気合い入れていくぞ!

 

原作との相違点、分かりやすいようにあとがきに書くかどうか

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