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エイリア学園、ジェミニストームと2度目の対面。
前回は世宇子戦の疲労のせいもあって思い出したくないくらいに圧倒されたが・・・今回は万全の状態だ。
前のようにはさせない。
今回のフォーメーションはこうだ。
FW・・・俺、修也、染岡
MF・・・鬼道、一之瀬、風丸
DF・・・壁山、土門、塔子、栗松
GK・・・守
塔子の加入によりDFの層が熱くなったので攻守両方を柔軟にこなせる風丸をMFとして起用した。早い話がこの前のSPフィクサーズの時と同じようなものだ。
何度見ても異質な雰囲気を漂わせるジェミニストームの面々。余裕を感じているのだろう、その表情には薄ら笑いが浮かんでいる。
「柊弥、実は・・・」
「ん?どうした?」
修也が試合開始直前話し掛けてくる。が、「何でもない」と誤魔化された。
・・・嘘だ。何でもないはずがない。自分から話そうとしてきたのが良い証拠だ。
けど、修也本人が語らない以上は何を悩んでいるのか分からない。
まさか修也に限って「不安だ」などと行ってくるはずが無い。
本当のことを言えば、今すぐに肩を揺らしてでも問い正したい。だが、それをしては目の前の敵に集中出来なくなる・・・そんな気がする。
きっとそれを考慮した上で修也は口から零れかけた言葉を呑んだんだろう。
その思いを無下にする訳にもいかない。黙ってやるべき事をやろう。
「さあ皆!気合い入れていこうぜ!!」
「「「おう!!」」」
いつもは守のその声にハッキリと応じるはずだ。今回はやはりと言うべきか、その声色すらも暗い。
・・・切り替えろ。集中するって言ってるのにいつまで引きずってるんだ、俺は。
俺はこのチームの副キャプテンだ・・・俺がしっかりしなくてどうする。
『さあ、豪炎寺のキックオフで試合開始!!』
修也からボールを受け取り、染岡へ。
中陣は全員攻め上がる。それを見て染岡は風丸へ、風丸は鬼道へパスを回す。そして鬼道はフリーの修也へパスをだすが──
『おっと雷門中、ボールを取られた!!』
──修也がボールを受け取ることは無かった。
相手が想像も出来ない挙動でボールを奪いに来たのもあるが・・・敢えて見逃したようにも見えた。いや、まさかな。
相手のパス回しに追い付けず、あっという間にゴール近くまでボールを回される。やはり速いか・・・!
守と対面するのは相手11番。
ボールをけったその瞬間、そのボールは
必殺シュート・・・いや違う。単純に速すぎて消えているように見えるだけ。
その証拠に守はボールごとゴールへ押し込まれた。ボールが守に触れたタイミングでようやくボールを視認出来たのだ。
『なんという速さ、エイリア学園開始
実況のその声に思わず絶句する。
開始30秒、と言ったのだ。そんな短時間で無抵抗のままゴールを許した。
万全の状態でも、ここまでの差があるってのか・・・!?
「・・・まだまだ1点、取り返していくぞ!!」
その声に皆が応じる・・・ただ1人を除いて。
こちらのキックオフ。しかし気付いた時にはボールは奪われていた。走行、跳躍どの動きを取っても異次元の速さだ。俺達は全く反応出来ない。
そしてゴールは1点、また1点と奪われていく。
あちらからしたらただドリブルしているだけでも、こちらにとっては驚異となりうる。ドリブルの際に巻き起こった旋風が俺達の身体を打ち上げる。時折意図的としか思えないボールが腹にめり込んでくる時もある。
身体の奥から嫌な音が鳴るのを聞いた。
「よし、今度こそ・・・」
酷にも、そう意気込む守はボールに自分から触れることすら出来ない。
ボールに触れられるのは反応出来ないところにボールを撃ち込まれた時だけ。
1点、また1点とジェミニストームに加算されていく。
『エイリア学園が更に追加点!既に得点は0-10!!』
無論、10点を取っているのはヤツらで俺達は0点。
シュートを撃とうにもボールの支配権を握ることすら出来ない。
それだけヤツらのドリブルは、パス回しは速い。
俺にはまだ奥の手はある・・・だが、消耗が激しすぎるこの試合で更に消耗する手段を取ればどうなる?消耗し切ったところを痛めつけられ病院送りが関の山だ。
そう思いながらも迫る敵の前に立ち塞がる。そしていとも簡単に抜かれる。
何か反撃の糸口はないのか・・・と、その時だった。
「ふッ!!」
鬼道がパスをカットしてみせた。
あのバカみたいな速さのパス回しを見切ったのか・・・!?
前線でフリーの修也へパスを出す。そのまま修也はファイアトルネードの構えへ。
「ファイアトルネード!!」
が、そのシュートはゴールポストに掠り、相手を動かすことすらなかった。
"ミスキック"
鬼道が作り出したチャンスを、修也は逃してしまった。
普段の修也ならそんなことはないはずだ。
「加賀美、次に俺が取ったら上がってくれ。」
その指示を風丸、修也にも出した。
やはり何かを掴んだのか、鬼道。
だが、今の修也に撃たせるのは少々不安だ。俺が積極的に最前線に上がろう。
そしてその期待に鬼道は行動で答えてくれた。
またもやパスをカットして見せた。そしてボールは風丸へ。
「風丸!」
風丸にも声を上げてパスを求めるも、風丸は近くにいた修也と同時に上がっていった。
ボールを同時に蹴り上げ、高く飛ぶ。
「「炎の風見鶏!!」」
放たれた炎の風見鶏。
だがボールはまたゴールを逸れた。そして修也は受け身に失敗し地面と衝突。
・・・やはり。
『ここでホイッスル!!0-13と、エイリア学園が大きなリードで前半終了です!!』
前半終了。ベンチへ戻る。
そこで鬼道はパスカットの種を明かす。
単に鬼道は相手の攻撃パターンを見抜いただけだという。相手が決まった行動を取るのなら、そこに漬け入るだけ。
全員で情報を共有し、次の攻めの一手に活かすことにした。
「修也。」
「・・・何だ?」
「理由は聞かない。だが、何かあるのなら・・・この試合は俺に回してくれ。頼む。」
汗を拭う修也の元に歩み寄り、耳元でそう呟く。
修也は拒むことなく、小さく頷いた。
言い方はどうかと思うが、今の修也ではゴールを奪うことなど到底出来ないだろう。なら俺、あるいは他の皆に任せてもらった方がまだ可能性はある。
「皆聞いて。確かにジェミニストームの攻撃には一定のパターンがある。けれどあなた達、自分がどんな状態か分かっているの?」
「・・・状態?」
そう首を傾げる。
状態・・・大きく点差をつけられているだとか、そんなことでは無さそうだ。
「今のあなた達じゃ敵のスピードに着いていけない。攻撃パターンが分かったくらいで倒せる相手じゃないのよ。」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「こちらのディフェンスを前線まで押し上げて、全員で攻撃するのよ。」
そう言って瞳子監督が示した場所は、俺達FWと同じくらいのラインだ。それが指し示す事実はただ一つ。守りを捨てての全員攻撃。
「ですがそれじゃ、相手に抜かれでもしたらお終いじゃないですか!」
「なら、抜かれないようにすることね。」
そう監督は言い切る。
どんな意図が・・・ダメだ分からない。鬼道なら分かるだろうか・・・いや、怪訝そうな表情を浮かべている。ゴーグルで目元が見えなくてもそれが分かるのだから相当だろう。
「まあまあ、SPフィクサーズに勝てたのも監督の作戦だったしさ。やってみようぜ!皆!」
そう守に言いくるめられる。
確かに、前の試合では監督の手腕が光ったが・・・今回に至っては本当に読めない。
そんな疑問に満ちたまま後半を迎えることになった。
『後半戦が始まりました!』
開始のホイッスルと同時にキックオフシュート。
前線まで押し上げられた全員反応出来ずボールはゴールへと襲い掛かる。
当然のように守も反応出来ず、ゴールネットは揺らされた。
「・・・皆!ボールをキープして攻めるんだ!!」
すぐさまキックオフ。
鬼道の指示で全員で上がる。
が、ボールはすぐ奪われゴールへ叩き込まれ。
無情にも相手の点数だけが増えていく。
このままでは守が持たない、このままではダメだと次々鬼道に指示を求める皆。
が、鬼道は黙りこくったまま監督を見つめていた。
そうしている間にも試合は動く。
ボールは奪われまたも守へ迫る。が。
「ゴッドハン──」
力を溜める余裕も無かったが、一瞬守がボールを捉えた・・・そんな気がした。当の俺は全く捉えられていないが。
が、これでジェミニストームは31点目・・・どう足掻いても覆すことの出来ない点差だ。
この試合、勝つことから意識を変えるのが吉だろう。
・・・ん?勝つことから意識を変える、つまり勝つことを目的としない。
そこに監督の意思が・・・?
ダメだ、考えても分からない・・・とにかく、1点でも取ることを考えよう。
「皆、1点だ・・・何がなんでも1点取りに行くぞ!」
「「「おう!!」」」
が、そんな意気込みはすぐさま潰されることとなった。
ボールはもはや当たり前のように奪われ、ゴール前のレーゼへと渡る。
「地球にはこんな言葉がある。"井の中の蛙大海を知らず"・・・己の無力さを思い知るがいい!!」
レーゼが足を引く動作でボールに回転を掛けたその時、凄まじいエネルギーがボールに集中する。
恐らくは、アフロディのゴッドノウズよりも、俺の化身シュートよりも高い威力を誇るだろう。
エネルギーの収束が空気を揺らす。そして放たれたシュートは大地を揺らす。
「アストロブレイクッ!!」
地面を削りながらレーゼの必殺シュートは守へと迫る。
守は、ここで初めてボールを見据えた。
「マジン・ザ・ハンドォ!!」
光に満ちた魔神が咆哮を上げる。
凄まじい力を秘めた腕を迫るボールに向ける。
が、ようやく顕現した魔神はボールに触れた瞬間に砕け、その姿を消す。
魔神を打ち砕いたシュートはゴールネットを突き破り、後ろの壁にまでクレーターを作った。ボールはその負荷に耐えきれず弾けて消えてしまった。
あまりの威力に誰しもが言葉を失った。
『ここで試合終了!!エイリア学園、32-0で圧勝です!!』
その実況の一言で我に返る。
ゴール前に倒れる守。その姿を視界に入れた瞬間に俺は駆け出していた。
「守ッッ!!」
それに着いてくるように皆も守を囲む。
肩を揺するが何も反応はない。気を失っているのか・・・?
紫色の光が辺りに満ちたと思ったら、エイリア学園はその場から既に姿を消していた
あの数分後目を覚ました守を連れ、俺達はキャラバンに乗りシカ公園まで戻ってきていた。
木々の間に射し込む夕陽に照らされながら、俺達はさっきの試合を振り返っていた。
「ごめんよ皆、あたしが一緒に戦おうなんて言わなければ・・・こんなことにはならなかったんだ。」
「塔子のせいじゃない。俺達にも力が無かったんだ。」
その風丸の言葉を聞いて、思わず拳を握りしめる。
さっきの試合、俺は何も出来なかった。
鬼道のようにボールを奪うことも、守のようにゴールを守ることも、修也や染岡のようにシュートを撃つことすら出来なかった。
自分の無力さを嫌でも痛感させられる。
「円堂、大丈夫だろうか・・・」
「かなりシュートを喰らっていたからな・・・」
0-32と言う点差が守の負担を物語っているだろう。
少なくても32本、あんなシュートを受けたんだ。大丈夫なはずがない。
「クソッ、納得いかないぜ・・・今日の監督の指示は。ディフェンスをあんな所まで上げて、どうぞ点を取ってくださいって言っているようなもんじゃないか!折角鬼道が攻撃パターンを見抜いたってのによ!」
「結果としては前よりも惨敗と言えますね・・・」
監督に対する不信感を募らせる皆を落ち着かせようと声を上げる。が、皆聞き入れてくれない。
ここで鬼道が助け舟を出してくれた。
前半で既にボロボロだった俺達が後半あのまま試合を続けていたらどうなったか皆に問う。
「・・・俺達も病院送り、ってところか。」
「加賀美の言う通りだ。確実にな。」
「じゃあ、監督は俺達を守るために・・・?」
一之瀬が漏らした声に、監督の評価は持ち直しかけた。が。
「けどよ、本当にそれでいいのかよ。どんな状況でも全力で戦う。それが俺たちのサッカーだろ!?」
土門の一言でそれも振り出しに戻る。
それを受けて染岡が再び否定を述べる。
「それは違う!!」
そこで守がキャラバンから降りてきて口を挟む。
監督はヤツらのシュートを止めるため、守に実際に受けさせることで特訓させたのだという。
・・・確かに、それなら俺が試合中に抱いた疑問にも納得出来る。
今回は捨て、次を見据えた采配だと。
そして最後の最後、少しだけシュートが見えたという守の一言に浮つく皆。そこに監督がやってきた。
そして、その口から飛び出したのは予想できるはずもない一言だった。
「豪炎寺君、貴方にはチームを離れてもらいます。」
「待ってくださいよ監督、この先修也無しで・・・宇宙人達に勝てると思うんですか!?」
「私が作る地上最強のチームに、豪炎寺君はいらないということです。それ以上の説明は必要ありません。」
「納得出来ません!もしかして、今日のミスが原因だって言うんですか!?修也は、修也は今日たまたま調子が悪かっただけです!!次の試合では、きっとゴールを決めます!!」
「加賀美君。何度も言わせないでちょうだい。これはもう決まったことなの。」
瞳子の言葉に真っ先に食いついたのは柊弥だった。
柊弥とて、瞳子が豪炎寺にチームを離れろと言った原因が分からないわけでも無かった。今日のミスの数々・・・あれは豪炎寺の調子云々の話ではなく、何かの圧力によるものなのではないかと薄々勘づいてはいた。
試合中にふと目に入った怪しい3人組・・・その3人組を試合中に豪炎寺が幾度も見ていたことから、何かしたのはその3人組だと容易に理解出来た。
だがそれでも、同じストライカーの・・・親友の脱退を頷くことは出来なかった。
「ですが監督──」
「いい加減にしなさい。副キャプテンの貴方がそんな聞き分けのないことを言って、チームの皆にいい影響があると思う?聞き分けなさい。これは監督命令です。」
「────ッッ!!」
「・・・良いんだ、柊弥。」
そう言って、豪炎寺は雷門イレブンに背を向けどこかへ歩き始めた。
その背中を追いかけたのは、柊弥と円堂だった。
「豪炎寺!お前、本当に行っちゃうのかよ!?」
「そうだ、あいつらに負けたまま・・・このままどこかへ行くって言うのかよ!?」
「・・・」
豪炎寺は何も答えない。
3人の間には沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは豪炎寺だった。
「すまない円堂、柊弥。俺は・・・お前達と一緒に戦えない。」
「修也・・・」
そう言った豪炎寺の瞳は、夕陽に当てられたせいが潤っていた。
そして顔を前に向ける際に、雫が舞ったのを円堂と柊弥は見逃さなかった。
2人には、もうその背中を引き止めることは出来なかった。
その涙に隠された何かを感じ取ってしまったが為に。
「豪炎寺!!絶対帰ってこいよ!!」
「俺達、待ってるからな・・・修也!!」
その言葉に豪炎寺は何も答えない。
その背中が小さくなり、見えなくなるまで2人はその場から動かなかった。
「・・・柊弥、皆のところに帰ろう。」
「悪い、守・・・ちょっと一人にしてくれ。」
円堂はそう言ってうずくまった柊弥を連れていくことが出来なかった。
幼い頃からの付き合いである柊弥がここまで落ち込んでいるのを、円堂は見たことがなかった。
円堂が、雷門のメンバーが知る加賀美 柊弥という男は、誰よりも仲間を大切にするような男だ。
だからこそ、その仲間が欠けた今・・・誰よりもショックを受けているのだと円堂は理解した。
「・・・分かった。先、行ってるな。」
そう言って円堂は柊弥に背を向け、待っている皆の元へと戻って行った。
柊弥は、1人沈み行く夕陽をぼんやりと眺めていた。
数十分、柊弥はそうしていた。
そしてその柊弥に、声を掛ける者が現れた。
「加賀美 柊弥君、だね?」
それが悪魔の囁きであることを、その時の柊弥は理解していなかっただろう。
不意に投げ掛けられた声に柊弥は不可抗力で顔を上げる。
そこにいたのは、オレンジのジャケットに身を包んだ自分と同じくらいの歳であろう赤い髪の少年だった。
「・・・誰だ?」
「俺は・・・グラン。」
一瞬、グランが見せた迷いを柊弥は見逃さなかった。
が、それを追及する気力など無かった。
明らかに日本人離れしたその名前に疑問を抱く気力すらも。
「・・・何の用だ。」
「実はね、君に協力して欲しいと思って・・・
その一言で柊弥の表情は無気力なものから一気に険しいものへと変わった。
すぐさま立ち上がり、目の前の男への警戒を強めた。
「凄いな、あんな項垂れた状態からそんなにピリピリ出来るなんて。」
「・・・何故俺に近付く?俺が雷門とは知らないなんて言わせないぞ。」
「よく知ってるからこそだよ。君のその力を貸してほしいと思って。」
そう言って笑みを浮かべながらグランは柊弥へと近付く。
それに対して柊弥は後ずさり。
そして気付く。
「───ッ!?」
「何だ、気付かれてしまったか。」
「そんな所に立っていたら気づくんじゃない?ガゼル。」
振り向いた先にいたガゼルと呼ばれた白髪の少年とグランに挟まれていたことに気づくと、瞬時に双方から距離を取ろうと柊弥は動いた。
が、その瞬間、何者かが自分の肩に腕を乗せていることに気づいた。
「ったく、めんどくさいことしないでさっさと連れてっちまえばいいんじゃねぇか?」
「そう言うなよバーン。折角お喋りしてたんだから。」
自分の肩に腕を乗せたその男の名はバーンだと柊弥は理解した。
が、そんなことは半ばどうでもよかった。
明らかにグランの仲間・・・エイリア学園が3人も現れた。自分の前に。
その現状に頭が追いついていなかった。
「何が、目的なんだ──?」
「言ったじゃないか。」
グランが柊弥の視界から姿を消す。
いや、柊弥のすぐ目の前に移動しただけだった。
「協力して欲しいだけだって。」
そう言ってグランは柊弥の口にハンカチを押し当てる。
するとたちまち柊弥の意識は朦朧とし始める。
(誰か、誰か呼ばなければ。)
「んだよ。自分でお喋りとか言いつつ、結局強行手段かよ。」
「手っ取り早くて良いじゃないか。」
「そういうこと。彼には無理矢理にでも来てもらわないとだからね・・・豪炎寺修也と違って。」
親友の名を呼ぶ声に反応せずにはいられなかった。
身体に力を込めるが、意識がはっきりせず身体が言うことを聞かなかった。
(春奈───)
柊弥が意識を失う間際、心の中で呟いたのは・・・知らず知らずのうちに惹かれ、想いを伝えようとしていた人の名だった。
「柊弥先輩!いつまで──って、あれ?」
円堂から状況は聞いたものの、あまりに遅い柊弥を呼びに来た音無。
が、そこには柊弥の姿は無かった。
不思議に思って少し歩くと、足元に落ちている物体に気が付いた。
「これは・・・柊弥先輩の携帯───!?」
刹那、音無の脳裏には最悪の予想が過った。
その瞬間に音無は駆け出していた。
【原作との相違点】
特になし
ジェミニストームに二度目の敗北、そして豪炎寺の脱退。柊弥の音無への胸中が明らかになったところでマスターランク組により誘拐・・・という所で今回は終わりです。
露骨に意味ありげに書いていたので予想していたという方が多いんじゃないかと思います。
では、次の更新でお会いしましょう。