白海染まれ   作:ねをんゆう

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R-17.9999…


34.狩猟

「なんだユキ、まだ起きていたのか?」

 

「んぅ……えへへ、リヴェリアさんを待ってまひた」

 

「はぁ、全くお前は。ほら、まだ髪が濡れているだろう、拭いてやる」

 

汗を流したリヴェリアが戻ってくると、2つあるベッドの片方でユキがぽつんと腰掛けているのを見つけた。

大分酔いは醒めてきているようではあるが、眠気もあってか今もまだ"ぽ〜っ"としており、濡れた髪も拭き切れていないように見える。

 

「……♪」

 

仕方ないとばかりにリヴェリアはユキの後ろに座り濡れた髪の手入れをしてやるのだが、途端に嬉しそうな顔をするものだから悪い気はしない。

アイズの世話をしていたこともあって、他人の髪を乾かすのも慣れたものだ。

今ではアイズだけではなくティオネやティオナまで偶にせがんで来るのだから、本当に仕方ないというか何というか。

 

「お前は普段は私に世話を焼かせてはくれないからな。こういうのも偶には……っ」

 

……ただまあ、こう、背後から人を見下ろした時というのは、実は色々と問題があることでもあって。

 

具体的に言えば、よく見える。

 

それこそ頸から首筋、場合によっては胸元にまで目が行ってしまい、特にユキが寝巻きを上手く着れておらず緩くなっているその辺りが本当に危うい。

湯上り特有の雰囲気はどうしてこうも扇情的なのだろうかと、本来ならば男性が女性に抱くような気持ちをリヴェリアは抱いてしまう。

もちろん、女性が女性に対してそう感じてしまう事も往々にしてあることではあるが、そんなことを知らないリヴェリアにとってはなんだかその事実すらも背徳的に感じてしまって。

 

(余計な事は考えずに、さっさと終わらせて眠ってしまおう……)

 

これ以上はよろしくない。

本当によろしくない。

他の者の裸体はまあ生活の上で見ることは多少はあったが、どうしてユキにだけはこうも過剰に反応してしまうのだろうか。

……ただ、過去の2度の経験を活かして、もう絶対に同じ過ちは繰り返さないと。

リヴェリアはそう決めたのだ。

だからこんな事に負けたりなんかしない。

よくよく考えれば同じ屋根の下で異性と夜を共にするということ自体が色々とどうなのか?という話はあるが、そんなことはもう今更だ。

気にするものか。

さっさと眠って明日に備える、今自分が考えるのはそれだけでいい。

 

……そう思っていたにも関わらず。

 

「リヴェリアしゃん、リヴェリアしゃん。私、そのまま後ろからぎゅ〜ってして欲しいれす♪」

 

「ゔっ」

 

瞬間、リヴェリアの脳内で先程下で食事をしていた時のユキの言葉が蘇る。

 

『あぁ、でも……リヴェリアさんに後ろからぎゅ〜ってされるのは好きれす、えへへ』

 

そんなことを聞かされていたのに、そんなことを言われてしまったら、しない訳にはいかないではないか。

むしろもう、ここでしない理由が無い。

というか、しなければ逆に不誠実と言えるまである。

だから決して自分は悪くない。

それにこれは別にやましい事では無いのだから。

そんな風に何重にも予防線を張りつつ、リヴェリアはユキを背後から抱き締める。

 

「こ、これでいいか……?」

 

「んぅ……もっと強めにしてくらはい。身動きが取れなくなるくらい強いのがいいんれふ」

 

「あ、ああ……その、前々から思っていたのだが、ユキは強めにされるのが好きなのか?」

 

「……秘密れす、ふふん♪」

 

ユキは何故か得意げな顔をしてそう言う。

そのあまりのあざとさに思わず押し倒してしまいそうになりながら、一度は留めた自分をリヴェリアは褒めたくなった。

 

……なんとなく、なんとなく分かっていたのだ。

基本的にユキはされる方が多いが、それはユキからリヴェリアに誘惑や挑発をするからこそ、そうなってしまうのだと。

『だめ』『許して』などと口にはするが、決して『嫌だからやめて欲しい』とは言わない。

むしろ少し言葉で責めて焦らしてやれば『ほんとはもっとして欲しい』と簡単に崩れてしまうし、それが本音なのだと言うことは直ぐに分かる。

 

リヴェリアがユキに自分のものだという印を付けるのを好むように、ユキもまたリヴェリアに支配された証を欲しているのだ。

リヴェリアに支配して欲しい、自分の事だけを見つめて必死になって欲しい、理性を無くして自分にだけ欲に駆られた姿を見せて欲しい。

実際にそう考えていなくとも、ユキの無意識下でそんな思考が働いているのだろう。

 

……と、以上のことをその明晰な頭脳を用いて一瞬で導き出したリヴェリア。ここまで考えてしまえば、もう一つの思考しか浮かんでいない。

 

『それならば望み通りに支配してやろう』と。

 

結局のところ一度は思い留まったものの、リヴェリアはユキをベッドの上に仰向けに押し倒し、腕を掴み、しっかりと目と目を合わせて上から覆い被さったのだ。

欲に動かされるがままに。

もう3度目にもなる間違いを、仏の顔すら無視して行使した。

 

「ひゃんっ!?あ、あの、リヴェリアひゃん?あ、そんな、お腹見えちゃう……」

 

「こんな風にロクに前も結ばずチラチラと見せつけてくれれば、こうなるのも当然の話だろう……ああ、そうだ。いつも首や耳ばかりでは芸が無い、今日はこっちを虐めてやるとしようか」

 

「あっ、あっ……だ、駄目ですよぅ。私、お腹は弱くて……ひぅっ!?」

 

「ふっ、ダメダメ言いつつも期待した顔をしているのはどこのどいつだ。……この際だ、こうした事も試してみるか」

 

「えっ、えっ……あ、あの……」

 

それまで剥き出しになったユキの腹をさすっていたリヴェリアは、突然ユキの首に掛かっていた拭き布を取り上げた。

そうしてそのままそれを使って、その白く細い両手をベッドの頭部分に縛り付けていく。

ユキの反応を見ながら、その気になれば自分から解ける程度に加減しながら。

 

一方で縛られるユキはと言えば、途中から自分が一体何をされるのか気付いていたにも関わらず、特に抵抗することも無く大人しくその光景を見ていた。

自分が縛られ身動きを封じられていく光景を、困惑する様な声を出しながらも、むしろ身体中から力を抜いて、されるがままに。

……やはり、ユキは嫌がっていなかった。

それどころか自分の両手がリヴェリアに縛られている所を見るその顔には、期待の2文字が浮かんでいたようにすら見える様な気もする。

それを知ってしまったリヴェリアから段々と容赦や躊躇いというものが消えていくのは当然の話でもあって。

 

「……さて、これでもう身動きは取れないな?これから私がユキに何をしようとも、お前は抵抗できないわけだ」

 

「あ、あぅ……な、なにをするつもりなんれすか」

 

「なに、怖がる事はない……ただこの雪の様に真っ白な腹を少しばかりいじめてやるだけだ」

 

「ひんっ!?」

 

ユキの腹に手を這わせ、脇腹辺りに差し掛かった所で親指に少し力を入れて指圧してやる。

するとユキはビクンッと体を跳ねさせ、目と口をギュッと瞑って感覚を堪える。

どうやら、お腹が弱いというのは本当の話だったようだ。

たったこれだけの事でこれ程までに反応してくれるのならば……リヴェリアの背を背徳感の波が登っていく。

 

「ああ、全く……少し押しただけでそんなに気持ちがいいのか。これでは先が思いやられるな」

 

「ぁ……ぁっ……ご、ごめんなさい……」

 

「ふふ、あまり動いてくれるなよ?これからお前のことを、徹底的に調べ尽くしてやるのだから」

 

「ぇ、やっ、ひぁあっ!?あ、やらぁっ!ら、らめれす!そんないっぱい押ひたら、んぅうぅぅう!!」

 

「なんだ?どうした?少し脇腹を指圧してやっただけでもう我慢出来ないのか。やれやれ、これでは調査にならないな」

 

リヴェリアの指が動く度にビクビクと身体を跳ねさせるユキの姿は、それはそれでリヴェリアを愉しませるものであった。

言葉攻めも調子が良い。

 

……だが、やはりこれだけでここまで反応されてしまうと次に困るものだ。

ユキがその気になれば、こんな手の拘束は簡単に外れてしまう。

今はユキが無意識に結ばれている状態を保持しているが、反射的にそれが取れてしまえば雰囲気が台無しになる。

故に、ある程度はコントロールして快楽を与え続けなければならないのに、これではここから先どうレベルを上げていけばいいのか分からなくなる。

 

(……それに、気付かせるのもまだ早い)

 

ユキが自分で自分を縛り付けているということを自覚させるのは、最後の最後で無くてはならない。

最高の快楽に最高の羞恥心を同時に当ててやってこそ、ユキの心は満たされるのだろうから。

そしてその瞬間に同時に、リヴェリア自身の支配欲と征服欲も最高に満たれるに違いない。

 

「ユキ、へそは嫌いか?」

 

「ぇ?いえ、その……」

 

「そうか、ならば……んぁ……」

「ふぇ!?リ、リヴェリアさん何を!なっ、なっなっ!まままま待ってくらさい!リヴェリアさんそれは……!」

 

「ふ、ふふ、あまり動いてくれるなよ?私とて今一瞬でも冷静に戻れば羞恥心で頭がイカれてしまいそうなんだ。暫くはこの熱に浸らせてくれ……ん」

 

「やっ、やぁぁあ!」

 

ユキのヘソの窪みへと溜めた唾液を垂らし込み、そのあまりに焦った反応にリヴェリアは笑う。

だが、これで終わりでは無い。

そのまま見せ付けるように突き出した自身の長い舌を、他でもないユキが見ている前で、その淫靡に揺れる唾液だまりの中へと突き入れる。

 

「んっぅうっ!?」

 

……瞬間、ユキの体が弓の様に反り返った。

 

下半身の上にリヴェリアが乗っており、腕はユキが必死になって縛りが解けない様にしているため動かないが、その両端からの衝撃が全てユキの胸部へと集められている。

少し浮いた背中に頭を仰反らせ、腹部から横目にしか見えないリヴェリアからはユキが今一体どんな顔をしているのかは分からない。

ただ、舌を少し動かしてやるだけで全身をビクビクと大きく震わせるその姿はなんともリヴェリアの情欲を掻き立てる。

 

言葉を発しないのは単に我慢しているからか、それともそんな余裕が無いのか、それとも既に意識を飛ばしているからなのか。

それは分からないが、分からないなら確かめればいいとばかりにリヴェリアは舌の動きを早くしてユキの腹部を追い詰める。

 

「………っ、ぅっ……ひっ……ふ、ひぅあっ!?あ、ああぁ……やっ、り、りゔぇ……さ……ま、まって……」

 

「……ふふ、却下ら」

 

「や、やぁ……な、なんれぇ……」

 

どうやら、本当に一瞬の間だが意識を飛ばしてしまっていたらしい。

流石に絶え間ない快楽に苦しくなってきたのか、息も絶え絶えで目尻に涙を浮かべながらユキは懇願するが、リヴェリアは決してその液壺から舌を引き抜こうとはしない。

むしろこんな状態にあっても手の拘束が解けない様に頑張るユキが、健気で、可愛らしくて、愛らしくて……足の指先をピンと伸ばしたり、何とか舌から逃れようと捻らせるユキの下半身を、興奮のまま少しばかり強引に元の位置に戻してしまったりした。

 

「ぅ、ぅあぁぁ……ぬ、ぬいへ、ぬいてくらさいよぉ……わ、わらし、ほんとにおかしくなっちゃいますよぅ……ぐすっ、うぅ……」

 

逃げ場もなく無理矢理身体に与えられていく快楽に、限界が来てしまったのだろう。

どれだけ身体を動かしても決して引き抜かれる事のないリヴェリアの長い舌が辛いのか、ユキは泣き顔のままに懇願し始めてしまった。

 

……あのユキが泣いている。

いつもあれだけ優しく笑っているユキが、今は泣き顔で自分を見つめている。

そんな事実に、リヴェリアは一瞬思考と共にそれまで潜り込ませたり練り回したりしていた舌の動きを止めてしまった。

そして、そんな風に止まった自分の体の内から、また熱く黒い熱が込み上げてくる。

 

「……んぁ」

 

「ひぅっ!?……り、リヴェリア、さん?」

 

リヴェリアは暫く入れたままにしていた舌を水音と共に漸く抜き出すと、そのまま身を乗り出して自分の顔をユキの顔に近付けた。

自分を狂わせる様な舌の動きから解放され、大好きなリヴェリアの顔が近くに来たからなのか、ユキの顔は泣き顔から安堵の表情へと変わっていく。

それまで、あまりに激しい攻めを受けたのだ。

これで暫くは休憩できる。

次はきっと優しく自分を愛してくれる。

……ユキがそんな勘違いをしてしまったのも、仕方のない事だった。

 

「ぃっ!?ぎっ……ぁっ!」

 

ユキの首筋に痛みと快楽が走った。

予想もしていなかった突然の感覚に、ユキはまたもや身体を跳ねさせ、目を見開く。

これで終わりだと思ったのだ。

これでお終いにしてくれると思っていたのだ。

……だが、ユキは気付いていなかった。

ユキが泣いて何かを懇願する姿など、リヴェリアを余計に興奮させるシチュエーション以外の何物でも無かったということを。

そして、そんな自分を昂らせる泣き顔を簡単に消えさせる筈が無いということを。

 

「ぁ、が……ぃぎ、ぃぃぃ……!」

 

「っはぁ……あまり動くな、ユキ」

 

「そん、な……ぁあ"あ"!」

 

突き立てた歯を暫く唾液と共に傷痕に馴染ませると、ヌチャリとわざと音を立ててそれを引き抜く。

するとまた次の別の箇所に歯を突き立て、吸い上げ押し当てを繰り返し、暫くするとまたそれを引き抜く。

突き刺す度に声にならない悲鳴を上げ、引き抜く度に微かな声で名残惜しさを主張し、繰り返せば繰り返すほどにユキはリヴェリアの熱を高めていく。

泣いても、嘆いても、その口から『やめてほしい』という言葉が出ない限りは終わらない。

 

緩やかだった筈の手の拘束でさえも、今やリヴェリアが右手で直接ユキの両手を押さえ付けていることで、本当の意味でユキの動きを拘束している。

リヴェリアが馬乗りになっていることで、下半身や足もまた動かすことは出来ない。

 

今やユキは本当に身体の動きを封じられて、まるで強姦されているかのように襲われていた。

無理矢理という言葉がこれ以上に似合う光景もそう無いだろう。

これでは恋人同士の愛し合いではなく、野生動物の狩りだ。

違うのは襲われている側が本気で助けを求めている訳では無いというくらいで……

 

「ぁ……ぅぁ……」

 

そうして数分、数十分とそれを繰り返し続けると、ユキが荒い息を立てて口から唾液を溢す程に力が抜けた頃には、リヴェリアの理性と思考は完全に吹き飛んでいた。

ただ目の前で自分の体液に塗れた肌を晒す無防備な獲物の存在に、これをしたのが自分だという背徳感と、愛される彼女を支配していると支配欲の2つの快感を刺激される。

目線も虚に息をするその様は本当に好き勝手に貪られたという様相で……

 

「ん……」

 

「っ……ぁ、きす……やめたら、やぁ……」

 

「駄目だ、もうお預けだ」

 

「ぅ、うぅ……」

 

「ふふ、本当に可愛いなぁお前は。そんなに私のことが好きなのか?ん?」

 

「は、はぃ……好き、れす……」

 

「どれくらい好きなんだ?」

 

「…………あたま、おかひくなっちゃう、くらい?」

 

「〜〜っ!ああもう駄目だ、抑えきれない。ユキ、壊すからな。お前のことを、本気で壊すからな」

 

リヴェリアの欲が尽きることは無い。

どれだけ疲労困憊しようとも容赦なく、その後もユキが完全に気を失うまで繰り返し愛し続けた。

……いや、どころかユキが気を失った後にも、彼女は反応だけは残すユキの身体を弄び続けていたかもしれない。

朝になって自分の姿を見たユキが真っ先に浴場へ駆け込んで全身を堅く着込んだのも、その好き勝手にされまくった惨状を見れば仕方の無い話だった。

リヴェリアは満足そうに眠っていたが。

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