白海染まれ   作:ねをんゆう

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07.狼人と巨師

sideユキ

 

「せぇやぁ!!……っ、はっ!!」

 

今日も今日とてダンジョン10階層。

アイズさんに無理矢理連れていかれた思い出?の階層も2日目となればある程度雰囲気は掴めてくる。

ダンジョンギミックとやらも特に問題なく、正直私もリヴェリアさんの許しが得られればさっさと次の階層に行きたいと思っていたりもしていたり。

まあ、流石に昨日の今日で同じ真似はしないし、リヴェリアさんに心配をかける事もしたくは無いので、あと数日はここで頑張る予定だ。

質より量、一見無駄に見えるこの作業にも何か意味はあるはず。

 

「………キレがねぇな」

 

「そ、そうでしょうか?確かに今日はあまり思うように動けてはいませんが……」

 

「ンでもそこまで動けりゃ上等だがな、寝不足かなんかか」

 

「ええ。昨夜はリヴェリアさんのお手伝いをしていたのですが、これが意外と長引いてしまいまして」

 

「……ンで新入りがそんなことしてやがる」

 

「リヴェリアさんがとても忙しそうだったので……あの、ベートさんも手伝ってくれたりとか……」

 

「するワケねぇだろバカ女、蹴られたくなかったらとっとと次の餌探してこい」

 

「わわわ……!!」

 

ちなみに今日のパートナーは、ロキ・ファミリアの(優しい)狂犬ことベート・ローガさんである。

言動は乱暴で荒々しいが、なんだかんだと文句を言いながらも毎回こうして私の訓練に付き合ってくれているのだから、やはり内面では優しい人に違いない。

リヴェリアさんもそう言っていた。

 

ちなみに彼は、当初は私がアイズさんに近付く不届きな野郎だと警戒していたようだったが、訓練に付き合って貰ううちにその誤解も少しずつ解けてきている。

……というのが本来の理由では無く、どうやら彼は私が男だという事実を信じることができていないらしい。

『面倒だから女として扱うことに決めた』と、つい先ほど面と向かって宣言された。

女ならアイズさんに近付いていてもいい、と言う解釈をされているのだろうか……そういった感覚に疎い私なのでその判断は強ち間違ってはいないとは思うが、なんとも微妙な心持ちである。

 

それにロキ様曰く、『ユキたんの性別がバレると他の神々に弄ばれるから黙っとき』ということらしいので、きっと好都合と言えば好都合。

……狼人の感覚でも性別が分からないという事実は自分ながらに恐ろしくもあるが。

そもそも神様であるロキ様が分からなかった時点で、自分でも気付かないうちに相当なレベルまで来てしまっているのかもしれない。

本当に大丈夫なのだろうか、私は。

 

「なにしてんだバカ女!次来てンぞ!!」

 

「ふぇっ?……はっ!あぶなっ!!」

 

「チッ」

 

「もう!救いの祈りを『ホーリー』!」

 

付与魔法をかけた剣で周囲の敵を薙ぎ払う。

しかしその直後、再び安物の剣が2本とも粉々になってしまった。

ダンジョンに潜り始めて数日、これで8本目である。

本命の剣を量産できる目処が立つまではこの生活が続くのだと思うと、今後も鍛治師の皆さんには足を向けて眠れない日々が続きそうだ。

 

 

 

 

「だァから!テメェはどんだけ武器を壊すつもりだ!!いくら安物っつっても2.3振りも耐えらんねェもん使ってんじゃねェよ!死にてェのか!!」

 

「だ、だってまだお金が無いんですもん……

多少耐久がある程度では変わりませんし、本命の剣と同じくらいとなると数千万単位で必要って言われましたし」

 

「チィッ!!あんのババァ!どんだけこいつを甘やかす気だ!!こいつなら17階層に投げ捨てて来ても戻って来れんだろうが……!」

 

「いえあの、流石に初見の階層主相手に一人で放り込まれるのは……」

 

ホームへの帰り道、私はベートさんに絶賛叱られながら縮こまっていた。

原因は今日進んだ12階層から帰ろうとする最中、突如として13階層から現れた複数の冒険者達によって大量のモンスターを押し付けられたことにある。

 

複数のヘルハウンドに加えて大量のアルミラージ。

自らの命のためとは言え、戦う際に特殊装備を推奨されている様なモンスターを上層に連れてくるのは初心者冒険者達の全滅を招く。

事態を重く見た私とベートさんはその場で全てを処理することを決めたのだが、直後に12階層からもそれまでとは比較にならないほどのモンスターが出現し、そこに完全な地獄絵図が完成したのであった。

 

アルミラージはともかく、ヘルハウンドだけはこの先へ行かせてはならないと付与魔法も存分に使ってベートさんと共に大量殺戮を行なっていたのだが、最後の一体を狩り終えた時、私は計4本の剣の命を使い終えていた。

 

今回、決して付与魔法をフルで使用したというわけではない。

確かに使い方の中では斬撃を飛ばすというそれなりに負荷のかかる方法をしたのだが、それでもこの短時間で6本もダメにしてしまうのは本当に頂けない。

 

戦闘中に剣が破壊されていく光景を見ていたベートさんもこれには思う所があったらしく、こうして注意をしつつも一緒に解決法を模索してくれている。

本当に申し訳がないし、その優しさが身に染みる。

 

「……金もねえ、コネもねえ。けど実力はある、将来性もまあ悪かぁねえ。ならまあ、どうにかなんだろ」

 

「え、なるんですか?」

 

「テメェ次第だけどな、今から時間あるか」

 

「は、はい!あと2時間ほどは大丈夫です!」

 

「だったら付いて来い、アポ無しだがどうにでもならぁ」

 

そう言ってベートさんは魔石を換金した貨幣の入った袋を私に投げつけて歩いて行く。

本来ならばサポーターをしてくれていたベートさんにも4〜5割ほどは渡すべきなのに、私のお金事情を聞いたからだろうか?

……いや、ベートさんならこの話が無くとも『テメェみてぇな貧乏人と一緒にすんな』みたいなことを言って私に全額渡して来たりしてきそうでもある。

なんというか、彼のこういう隠れた優しさを知れば知るほど、私が女だったら普通に惚れていただろうなと思うことがある。

まあ男だろうと女だろうとそういった感情を抱いた事が無いので、そんな自分が何を言っても説得力は無いのだろうけれど。

きっとファミリア内にも彼のファンはひっそりと居るに違いない。

 

 

「ここは……ヘファイストス・ファミリアの工房ですか?」

 

「あァ、付いて来い」

 

ベートさんに案内されて訪れたのは、鍛冶系ファミリアの最高峰:ヘファイストス・ファミリアの工房だった。

そんな中をベートさんは勝手知ったる様に足早に歩いて行き、私もそれに置いていかれない様に付いていく。

そうして暫く歩いた末にたどり着いた一室の前で、彼はその足を止めて一瞬だけ私が付いて来ているのかを確認してから、再び扉に向き合った。

 

「おい、居るか椿!俺だ!」

 

乱暴なノックをしながらそう言う彼。

正直こういう鍛冶仕事というのは集中力がモノを言う職業だと思うので、アポも無しに尋ねるのはどうかと思うのだが、その辺りは大丈夫なのだろうか?

ベートさんの事なのでそんなに心配はしていないのだが……

 

「やっかましぃわベートローガァァァ!!」

「グボァッ!!」

 

蹴り飛ばされた扉と共に吹き飛んでいくベートさん。

やっぱり大丈夫じゃなかったらしい。

 

「テッメェこの野郎!!」

 

「なんじゃお前は!日頃は全く訪ねてこん癖に人が集中して打っとる時に限って来よって!せめて事前のアポ取りくらいせんか!」

 

「るっせぇ!どうせ年がら年中打ってんだから変わんねぇだろうが!!」

 

「変わるわたわけが!!あんまりにも生意気なこと言うようなら次の修理は後回しにしてやろうかのう!?」

 

「なっ!テメッ!それは卑怯だろうが!!」

 

やんややんやと言い合う2人。

必死な形相をするベートさんに対して、椿と呼ばれる小麦肌をした綺麗な女性は怒ってはいるものの何処か嬉しそうな顔もしていた。

彼女がベートさんのことをとても可愛がっているのだろうということがよく分かる。

とても微笑ましく良い関係だ。

見ているだけでもほっこりしてしまう。

 

「……で?要件はなんだ。主が自分から訪ねてくるなど、それなりの理由があるのだろう?武器は問題ない様だが」

 

「チッ、そいつの武器事情がどうにかならねぇかと思ってな。詳しいことはそいつに聞け」

 

「武器事情?……ふむ、初めて見る顔だが、これはまたなかなか綺麗な女子だ。ロキ・ファミリアには美人が集うのか?」

 

「そいつは男だ」

 

「………ベート。お主、いつからそんな冗談を言うようになった?」

 

「本人がそう言うんだから仕方ねぇだろうが!!俺だって扱いに困ってんだよ!!」

 

……その件に関しては本当にごめんなさい。

 

「ま、まあその件に関してはまた後々聞くとしよう。はじめましてだな、椿・コルブランドという。一応このヘファイストス・ファミリアの団長という立場を取らせて貰っている」

 

「あっ……申し遅れました、私はロキ・ファミリア所属のユキ・アイゼンハートと言います。数日前に入ったばかりの新人ですが、どうぞよろしくお願い致します」

 

あのヘファイストス・ファミリアの団長、椿・コルブランドさん。

黒髪と褐色肌、眼帯が特徴的な彼女は、非常に面白そうな目つきで私を見ていた。

 

 

 

「ほうほう、1日で剣を6本も消費したと。それはまたなんとも鍛冶師泣かせな所業だな」

 

「面目ありません……」

 

工房内にて私は椿さんと向かい合って事情を話していた。

その間、ベートさんは自分の仕事はもう終わったとばかりに立て掛けられている椿さんが造ったのであろう剣達を見ている。

普段剣は使わないベートさんでも、やっぱり興味はあるのだろうか?

もしかしたらただの暇潰しなのかもしれないが。

 

「ええと、参考になるかは分かりませんが、こちらが今日の探索で私が最後に使っていたものです。付与魔法を使用したので既にかなり消耗した状態なのですが……」

 

「っ、これは……!」

 

今日の探索で12階から帰る際に使用していた二本の剣を椿さんに手渡す。

帰り際に多少付与魔法を使用してしまったので、既にかなり脆くなってしまっている。

そのためホームに帰ったら処分しようかとも思っていたのだが、それを見た途端に椿さんの顔色が変わった。

私はそれに首を傾げる。

 

「……なるほど、これならば下手に値の張る武器を使うよりも安い武器を使い潰す方が効率的だという言い分も納得できよう。多少良いものに変えた所で末路は変わらんだろうよ」

 

「っ!わかるんですか!?」

 

「当然だ、これでも神を除けばオラリオ最高の鍛冶師と呼ばれておるのだぞ?一目見ればその武器の状態を把握することなど容易いものよ」

 

そう言ってその安物の武器を興味津々と言った様子で見回す椿さん。

何がそんなにも彼女の興味を引くのだろうか。

そんな私の疑問を、隣の彼もまた感じ取っていたらしい。

 

「おい、俺にも分かるように説明しろ。んな安物の何がそんなに面白ぇんだ」

 

「……ふむ、そうだな。主等にも分かりやすいように例えるならば、この剣は我々鍛冶師にとって最高の芸術品だ」

 

「あァ?芸術品?」

 

「うむ、ユキと言ったか。この二本の剣を譲って貰ってもいいだろうか?主神殿にも見せてやりたい」

 

「え、ええ、構いませんが……」

 

そういってまるで高い宝石ものでも扱うように丁寧にそれを布に包み始める椿さん。

それを見て更にベートさんはイライラを募らせる。

 

「クク。ベート坊もそろそろ怒り出しそうであるし、まずは説明をしようか」

 

「は、はい、お願いします……」

 

「ふむ、まずは剣の寿命というものを主等はどう考える?」

 

「あァ?剣の寿命だァ?」

 

「そうだ。基本的に物の寿命というものを考えた時、人はその物体が破損して使えなくなった時、または完全に破壊された時のことを指すだろう。だが、手前等の考える武器の寿命とはそうではない」

 

「えっと……つまり、武器の寿命を考える時、職人さんには独自の物差しがあるということでしょうか?」

 

「うむ、話が早くて助かる。手前等にとって、少なくとも手前にとっては物理的に破壊された剣の死は寿命とは言わん。死んだ、殺されたという言い方が正しい。勿論、一言で殺されたと言っても重要なのは武器にとって名誉ある死であったかどうかではあるが」

 

そういう椿さんの目には武器という存在への愛と熱意が溢れていた。

鍛冶師としての想いがそこにあるのだろう。

 

「手前等にとっての本当の武器の寿命とは、それ以上叩き直すことも切ることも出来なくなるほどに、構造や素材的な理由からも限界を迎えた真の終わりの状態のことだ。それほどになるまで持ち手によって大切に扱われ、同時に限界以上に武器そのものの力を引き出されなければ至らぬ、ある意味で武器として理想の姿。それが手前等が自身の作品に求める最高で最上の最期の在り方なのだよ」

 

「……武器の理想の最期、ですか」

 

「そうだ、その点においてこの剣は手前がこれまで見てきた中で最もその状態に近いものだと言える。この剣は剣としては下級も下級、本来ならば至らぬ初心者によって使い捨てられるだけの存在だったであろう。それがここまで力を引き出され、にも関わらず壊れることなく形を保っている。正に他の武器が羨む最期を遂げたと言えるだろうよ。もし手前が作ったものであったなら泣いて喜ぶ最期だ」

 

「はぁ……」

 

果たして、本当に自分はそこまで言われる程に大切に扱えていたのかと疑問に思ってしまう。

言ってはなんだが、自分はこの安物の剣を消耗品のように扱っていた。

その点に関しては言い訳のしようがないし、実際にこの二本も含めれば今日だけで6本もの剣をダメにしている。

大切にしているかと言われれば決してそうではないだろう。

 

しかしそんな私の思考を読んだのか、椿さんは私にその笑顔を向ける。

 

「そんな顔をするな、主は間違いなくこの武器達を大切に扱うことができている。

どんな付与魔法でここまで剣の潜在能力を引き出しているのかは分からぬが、本来ならばこの形を保てていること自体がおかしいのだ。至らぬ者が主と同じことをすれば、恐らく付与した状態で一振りすることもままならぬだろう。主の技術と思い遣りがなければ、振り切った後にもこの様に形を保つことなど有り得ない」

 

「椿さん……」

 

「いいか?確かに主は今日だけで多くの剣の命を終わらせたが、それは主の命を守るためだ。武器としての役割を果たしつつ、自身が持つ以上の能力を存分に発揮することができた。感謝されることはあれど、恨まれるようなことなど決していない。オラリオ最高の鍛冶師である手前がそれを保証しよう」

 

そう言って私の頭をぐしぐしと撫でてくれる椿さん。そんな彼女の言葉に、私は少しだけ救われた気がした。

 

最初は一振りする事すら出来なかった。

使い捨ての様に扱ってきた武器達に対して申し訳なく思いつつも、それをどうしようもない自分の未熟さに気付いた。

精一杯の努力をしながらなんとか丁寧に扱おうとしたにも関わらず、結局彼等を2.3振りするだけでどうしても壊してしまう。

その度に心が沈んだ。

どれだけ努力しても数度振り切るだけで壊してしまう状況が改善する事はなかなか無かった。

けれど今、彼女はその私の努力を認めてくれた。

私の思いを理解してくれた。

その事実が私は何よりも嬉しかった。

思わず涙が出てしまいそうになるくらいに。

 

「……ハッ、どっかのバカゾネスに聞かせてやりてぇ話だな」

 

「クク、全くだな。此度の遠征でまたダメにしたと聞いたぞ、ゴブニュ・ファミリアの所の鍛冶師共が泣いておったわ」

 

「あ、あはは、鍛冶師さんも大変なんですね」

 

どこのアマゾネスさんか容易に想像がついた私はとりあえず苦笑いで受け流した。

いい大人が泣くほどのことだ、きっと前科があるのだろう。

職人さん達にはこれからも是非頑張って欲しい。

 

「さて、主の武器の話だったか。正直こればかりは手前も不壊属性の武器を使う以外に良い意見が出せん。だが新人故に不壊属性の武器に手を出せるほどの余裕がないという話だったな」

 

「はい……聞いた話では不壊属性の武器は数億という値段がすると聞きました。先日この街に来たばかりの私ではあまりに現実的でないので、他の方法があればと思ったんです」

 

「むぅ、困ったな。流石の手前も不壊属性の武器を易々と提供することはできんし、かと言ってそのペースで武器の寿命を減らす冒険者の専属になりたがる様な物好きな鍛冶師もおらんだろう」

 

「やっぱりそうですか……」

 

考えてみればそれは当然な話。

いくら椿さんがフォローしてくれた理由があるとは言っても、こんな破壊者に武器を提供したい人間などそうそう居ない。

鍛冶師は自身の技術と魂を全力で込めてその一本を作る、なんだかんだ言っても長く使って貰いたいものだ。

その究極形が不壊属性であると考えるならば、私は正にその対極にいる存在である。

ぶっちゃけ人によっては鍛冶師の敵として認知されてもおかしくはない。

壊してしまった武器を作った職人達から白い目で見られても仕方ないだろう。

そう考えるとやはりなんだか気が重くなってしまう。

 

「……そういえばテメェ、本命の武器があるとか言ってなかったか。それはどうなんだ」

 

「へ?……あ、そうでした」

 

「む?そんなものがあったのか?」

 

「は、はい。前の主神様から頂いたものなのですが、凄く手に馴染んでいまして。できればそれを量産できる環境が欲しいと思っていたんです。不壊属性ではないのですが、私が全力で3日3晩戦い続けても壊れないくらいの代物でして」

 

「ほう?それはまた気になる話だな。主の全力使用にそこまで耐える不壊属性ではない武器とは、期待が持てる」

 

「……むしろテメェはどうやったらオラリオの外で三日三晩戦い続けるなんて目に会えんだ」

 

「あ、あはは……その、今日は持ってきていないので、また今度訪ねてもよろしいでしょうか?怪物祭の後辺りでお願いしたいのですが」

 

「うむ、あいわかった。恐らく手前等の主神殿も主に会いたがるだろうからな、日を改めるのがいいだろう。

クク、こんなにも面白い使い手を連れてきたこと、感謝するぞベート」

 

「……るせぇな。オラ、用事が終わったんならさっさと帰んぞ。腹が減った」

 

「え、あ、はい!その、椿さん、今日は本当にありがとうございました……!」

 

「うむ、またいつでも訪ねて来るといい。できれば今後も贔屓にして欲しいからな、また会えるのを楽しみにしている」

 

そう言って笑って見送ってくれた椿さんに頭を下げて、私はベートさんを追いかけた。

若干疲れ気味でいた私だったが、そんな私を見て少しだけ歩く速度を落としてくれたベートさんはやっぱり優しいと思う。

 

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