クリスマスも近いある日に友人同士が駄弁る。
これはたったそれだけの一幕

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知らぬは本人ばかりなり

「知らぬは本人ばかりなり、か」

 

「いきなりなんだよ、和実(かずみ)

 

 僕の呟きにテレビゲームに勤しんでいる友人──富嶺(とみみね)祐也(ゆうや)が反応し、声をかけてくる。

 

「いや、ふと頭によぎった言葉を口にしただけさ──それはそうと話は変わるんだけどさ、祐也」

 

 祐也がテレビゲームをしているのと同じように僕もベッドの上で寝転がりながら携帯ゲームをしているのだが、この程度のステージならば見なくても充分だしと、僕は両手を忙しなく動かしながら、携帯ゲームの小さな画面に映る抜け出すにも苦労しそうな弾幕とそれに囲まれた自機から目を離して祐也に目を向ける。

 

「もうすぐクリスマスだが、君は何か予定でも入っているかい?」

 

「入ってねーよ」

 

 いっつもそれだと祐也がげんなりしたため息を漏らし、そんな友人の覇気のなさに僕も思わずうつむきながらため息をついてしまっていた。うつむいた時にかけていた眼鏡が少しずれたから位置を直しつつ、少し呆れたような目を彼に向ける。

 

「まったく。花の高校生ともあろうものが休日に一日中部屋に籠ってゲームなど、嘆かわしいと思わないかい? そんな暇があれば恋人の一人でも作ればいいだろうに」

 

「ブーメランって知ってるか?」

 

「オーストラリアのアボリジニが狩猟や儀式などに使っている道具だね。現在では日本でも遊具として使われているが、このご時世だ。外で遊ぶ子供も少なくなったし、人や車にぶつかったら危ないということもあるだろう、最近はあまり見かけないような気がするね」

 

「そこじゃねえよ」

 

 祐也の質問に間違いのない答えを答えたはずなのだが彼はがっくりとうなだれる。不思議なものだ。

 

「だいたい、そんな簡単に彼女なんて出来れば苦労はしねーよ」

 

「そうだろうか。君ならそこらの女などすぐに引っ掛けられると僕は思うんだが」

 

「どういう意味だ」

 

 言葉のままだ。と言ったら余計面倒くさそうだから笑って誤魔化す。だが別に冗談で言っているわけではない。そんな根拠はいくつもあるのだが、その最大の理由は僕にしか分からないだろう。

 何故ならここが()()()()()()()()だというのは、このゲームを前世でプレイしていて、この世界に転生した僕しか知らない事なのだから。

 そしてそのギャルゲーの主人公こそが今僕の目の前で項垂れている青年──地元のとある高校の二年生、冨嶺祐也だ。僕はそう、主人公の親友のサポートキャラ……とすらいえないただのモブキャラだ。

 

 彼とは所謂幼馴染というもので小さい頃からの友人。昔は公園で泥だらけになって遊んだり一緒にお風呂に入ったりもしていた仲なのだが、僕が小学校に上がる頃に親の仕事の都合で転校して、高校一年生の途中にまたこの町に戻って来て、彼とは転校した高校でたまたま再会した事になる。

 そんな経歴を持つキャラだが、そんなキャラは僕の記憶の限り原作には存在しなかった。モブでなければ所謂二次創作におけるオリ主というものだろう。だが僕は別に原作に介入する気もヒロインを奪う気もない。やるとしたらこうやって祐也をおちょくったりヒロインからの恋愛相談に乗ってあげたり祐也とヒロインが仲良くなれるように裏から手を回すくらいだ。幸いそういうコネには事欠かない生業の真似事をしている。

 

「まあ、引っ掛けるという言い方は悪かったね。だが君なら懇ろな関係になれる女子など大勢いるだろう? ほら、同じクラスの沢渡(さわたり)藍流(あいる)さんとか」

 

 沢渡藍流。このギャルゲーのメインヒロインの一人で、主人公(祐也)(と僕)のクラスメイトで明るく元気で人懐こい、そして現役アイドルというこういう学園ものギャルゲーにおいて王道ヒロインなキャラクターだ。

 明るい茶色の髪をセミロングにしており、体型は貧乳……もといスレンダーだがそれが逆に健康的な肢体を見せており、歌に踊りに元気溌剌なキャラクターで今や国民的アイドルだ。

 ちなみに原作では祐也とはゲーム開始時からの知り合いだったのだが、僕が初めて会ったのは高校に転入してからだから小学校か中学時代に知り合ったのだろうと考えられる。

 

「藍流なぁ。アイドルってやっぱ忙しそうだし、用事もないのに遊びに誘うとか迷惑じゃねえか?」

 

「放課後に誘われればデートに興じているというのに、君の謙虚さには恐れ入るよ」

 

 藍流はたしかにアイドルという職業柄、学業との両立は難しい。学業優先のスタイルを取っているとはいえ人気絶頂では仕方ないのか、放課後になった瞬間仕事に飛び出していくし仕事で学校を休むことだってある。

 しかしそんなスケジュールの合間を縫って好きな祐也をデートに誘ってるし、彼もデートと認識しているのかは怪しいが普段忙しい藍流の気晴らしになればと付き合っている。だというのにこの結果には呆れてしまうものだ。

 

「じゃあ長門(ながと)静海(しずみ)先輩はどうだい? 休日遊びに誘うとかした事ないっけ?」

 

 長門静海。彼女もまたこのギャルゲーのメインヒロインの一人、僕達が通っている学校の生徒会長でお嬢様。流石にその学校の理事長とか校長とか絶対的権力者の娘とか孫とかまではいかないものの、黒髪ロングに女性としては長身に日本人としては巨乳だが全体のバランスを崩さない造形美に華麗なたたずまいを見せる、文武両道でクールな大和撫子といったまさしく完璧超人だ。

 

「先輩はただ生徒会の先輩ってだけだっての。そんなプライベートでまで手を煩わせるわけにゃいかねーよ。ただでさえ俺は色々言われてんだし……」

 

「まったく。不器用な先輩の我儘もこなせないとは、それでも男かい?」

 

「は? 先輩めっちゃ器用だろ? あの人に出来ない事なんてないんじゃね?」

 

「……はぁ」

 

 思わずため息をついてしまう。たしかにあの人は完璧超人なのだがどうやらそれ故に恋というものをした事がないらしく、祐也に一目惚れして彼を言葉巧みに自分がいる生徒会に引きずり込んだのはいいがそこからアプローチの手段が分からないらしく、彼と話す名目で仕事を押し付けてはついつい首を突っ込んで色々言ってしまうらしい。

 所謂委員長系ツンデレキャラと言ったところか。そういったところではとんでもなく不器用なのが完璧超人と言われる彼女唯一の欠点だろう。

 

「それなら駒宮(こまみや)明子(あきこ)ちゃんはどうだい? ほら後輩の。部活中によく話してるじゃないか」

 

 駒宮明子。まあ例によってギャルゲーのメインヒロインの一人。いつもにししという感じの笑顔を浮かべており、髪は染めているらしい金髪に「肌には気を遣ってるんスよ」と言っている美白美人、あと年下にしては大きな胸や相反して年の割に小柄なロリ巨乳とかトランジスタグラマーとかいうタイプの女の子だ。

 祐也とは所属した部活のマネージャーとして後々登場するという事で接点を持つのだが、この子は所謂小悪魔系とか今風にいえばメスガキ系というべきだろうか?天真爛漫なアイドル藍流やクールな完璧超人静海先輩とはまた違うベクトルで男子から人気を集めている女の子だ。

 

「あいつはただ俺を舐めてるだけだろ? 生徒会と両立しててなかなか部活に参加できないからって」

 

「まあ、そう見えなくもないけどね……」

 

「そうとしか見えねーって」

 

 祐也の言葉につい苦笑を漏らしてしまう。たしかに彼女は生徒会が忙しくて他の部員と比べてなかなか部活に出られない祐也をやれ「サボり魔」だとかやれ「他の部員に及ばない雑魚」だとか言って挑発してくる。

 だが彼女もまた祐也に一目惚れした一人であり、そうやって挑発気味に接しては後で体育館裏やら校庭の隅にある木の陰やらそうそう見つからない場所に隠れては「またやっちゃったー」とか「調子に乗ってあんなに身体をくっつけたりするなんて恥ずかしい……」とか顔を真っ赤にして後悔している。

 小悪魔風に見えて実は純情で初心な可愛らしい女の子、それが駒宮明子という少女だ。

 

 それ以外にもバイト先の同僚女子やら他校のヤンキー女子やら留学生女子やら様々な女子をたらし込んでいるというのに本人はまったく無自覚。僕がこうやってそれとなく唆してみても彼女を作る様子なんて全く見えない。

 

「……祐也」

 

「なんだ?」

 

 そこまで考えて一つの可能性に思い至った。まさか、ギャルゲーの主人公がそんな事あるはずがない。だがここはゲームの世界によく似てはいるがまぎれもない現実。その可能性はゼロではない。

 もしもそうだったら僕は否定せずに受け止めてやることも考えなければ、そんな事を思いながら僕は祐也に顔を向けた。

 

「君、もしかして男色だったりするのかい?」

 

「いきなり何言い出してんだお前!?」

 

 思いっきり叫ぶ勢いでツッコんできた。この反応を見るにどうも違うようだ。

 

「そうでもないと説明がつかないと思ったんだが……」

 

「なんの説明だよなんの」

 

 憮然とした顔になってため息を漏らす祐也。だがそうでもないとあんなに魅力的な女の子達に好意を寄せられてそれに応えるどころか気づく様子さえ見せないのは不思議でならない。

 

「……君、好きな女の子とかいないの?」

 

なっ!? いや、それは、お前……」

 

 つい変な事を口に出してしまった。男色でなければ女子が好きなのは決まっている、そんな事わざわざ口にするまでもないだろう。

 ちらりと部屋にある時計を見ると既に五時半を回っている。ふむ、と呟いてチラリとゲーム画面に目を戻すと全然画面を見ずにやっていたがいつの間にかステージクリアしていた。とりあえずセーブしてから電源を切る。

 

「変な事を聞いたね、忘れてくれ」

 

 よいしょ、とベッドから降りて背筋を大きく伸ばす。ずっと寝転がっていたから身体が凝っているような感じがし、それがほぐれるような気がして心地いい。

 

「それじゃ、僕は帰るよ。君もクリスマスまでに恋人を作るというのは一考しておいてくれ。その時には僕にも教えてくれよ?」

 

 祐也が彼女を作ってクリスマスデートをするというのなら、僕は悲しくも恋敗れた少女達を誘って残念会兼祐也が恋人と何の邪魔もなくクリスマスデートが出来るように彼女らを引き留める兼クリスマスパーティを開く予定だ。

 だがそれには祐也が彼女を作るのが絶対条件且つ祐也とその恋人に気兼ねなどさせないようにパーティ計画を秘密にしなければならない。だというのに肝心の祐也は未だに恋人を作る様子がないわけである。

 

「まったく。あんな大勢の女子に好意を寄せられておいて……知らぬは本人ばかりなりとはよく言ったものだよ」

 

 玄関に掛けておいたベージュのケープ付きトレンチコートを着て同色のハンチング帽を被り、玄関のドアを開ける。外を吹く寒風が身体に当たり、僅かに身体が震える。

 

「さてと。帰ってクリスマスパーティの計画を立てていくか……」

 

 目標としては祐也と恋人のクリスマスデートを邪魔しないための他の女子の引き留めや残念会ついでのクリパだが、この様子では最悪の場合祐也も誘って少しでも女子達との距離を縮める事が出来るよう企画するのも手かもしれない。

 まったく世話の焼ける親友だ。そんなため息が白い靄となって口から出ていき、空気中に漂って消えていった。

 

 

 

 

 

「あいつ、マジでなんなんだよ……」

 

 俺──富嶺祐也は思わず大きなため息をついてしまう。

 何故か、それはさっきまでこの部屋にいた友人──初谷(はつたに)和実(かずみ)のせいと言っても過言ではない。

 和実は俺の幼馴染。俺達が小さい頃に引っ越したが高一の途中でまたこの町に戻って来たらしく、俺の通っている学校にたまたま転校してきた事で再会した。その事は今でも思い出せる。

 

──君、もしかして祐也かい? ほら、僕だよ僕、和実だよ。久しぶり

 

 学校だというのに何故か制服の上にベージュのケープ付きトレンチコートを羽織り、ハンチング帽を被ったなんちゃって探偵コスみたいな格好をした()()。それが俺の幼馴染だった。

 

「なんで男だと思い込んでたんだ俺……」

 

 頭を抱えてしまう。というか小さい頃一緒に遊んでた時は泥だらけになったら普通に風呂にも一緒に入っていた。そういうとこで気づいていなかった自分の間抜けさが嫌になる。

 

「いや、あいつもスカートとか履かずにずっとズボンだったのも問題だよな、うん」

 

 とりあえず自分に言い訳しておく。

 話を戻すが高校生になってから再会した和実は、当時気づいていなかった俺が言うのもなんだがとても女らしくなっているように思える。

 背は女子としては平均的だと思うが常にピンと背筋を張っている事や堂々とした立ち振る舞いを見せているせいか、身長以上に長身に見える。さらに顔立ちも所謂小顔で、切れ長の細目にクールな印象を与える眼鏡をかけたシュッとした鼻に、ぷるんとした瑞々しい唇は分かりやすいくらいの整いっぷり、けして幼い頃男だと思い込んでいた言い訳ではないが、いっそクールな男子にさえ見えそうな雰囲気すら醸し出している。

 だというのに身体つきも外出している時は大体常にトレンチコートを着ているから分かりづらいが、部屋着になるとウエストがきゅっと引き締まってるのが分かるし、それなのに胸は膨らんでいるという起伏に富んだ美しい体つきをしており、クラスメイトの藍流が「和実って結構セクシー体型だよね、ずるい……」と羨んでたのを覚えている。本人曰く「護身術も兼ねて合気道やってるんだよ」との事だから身体が引き締まってるのは多分それの影響だろう。

 

「そのくせ無防備だから正直二人きりになると目のやり場に困るんだよなぁ……」

 

 今日も遊びに来てからずっとベッドにうつ伏せに寝転がっていて、テレビゲームに集中していないとベッドのシーツに押し付けられて柔らかく潰れた胸に注目してしまいそうだった。

 

 さらに「ちょっと探偵の真似ごとを始めてね」という事で(トレンチコートやハンチング帽も某探偵を参考に格好から入ったらしい)、転校前にもいくつか事件を解決しているらしくその筋ではまあまあ有名人らしい。僕の一人称やどこか男っぽい口調も相手に舐められないためなんだろう。

 

 俺もあいつの事件に首を突っ込んでいく悪癖に巻き込まれる事は何度かあり、藍流がストーカーに狙われていると聞いた時は和実がストーカーの正体を突き止めて俺がストーカーと乱闘を繰り広げたり、先輩が誘拐された時は和実が誘拐犯のアジトを突き止めて敢えてSPを囮に俺が先輩を助けるためにアジトに忍び込んだり、駒宮がバイト先で店のお金を盗んだという疑惑をかけられた時は和実が真犯人を突き止めて逃げ出そうとした真犯人(駒宮のバイトの先輩)を俺が捕まえたりしていた。

 

「……あれ? なんか危険なこと全部俺に丸投げされてたような……?」

 

 思えば和実は推理担当で実際に動いたり危険地帯に放り込まれるのはいつも俺だった気がする。和実は和実で「これもフラグを立てるためのイベントだよ頑張れ祐也!」とか訳の分からないことを笑顔&サムズアップで言っていたことまで同時に思い出し、首を捻った。

 

「ま、男は女を守るもんだからな。そこ文句言ったって始まりゃしねえか」

 

 それに事件解決後はお祝いだと言って和実が飯を奢ってくれるし、何より惚れた女を守るために身体を張るってのは男の夢のようなものだ。それをちょっと捻った感じで実践していると思うとしよう。

 惚れた女。そうだ、あいつは事件が起きればそれの解決に一所懸命になる。俺も最初は和実に巻き込まれたのがきっかけだが、友達が困っているなら力になろうと一緒に事件解決に奔走していく中、様々な難事件を顔を突き合わせて考えたり犯人確保に当たったりしている中、いつの間にかあいつに惹かれていった。

 だってのに……

 

「あいつ、俺が男色じゃないかとか変な事言いやがって、しかも好きな奴いないのかって……俺のこと、そんなに意識してないんだろうか……」

 

 たしかに友達の藍流や先輩、駒宮達と比べたら女として意識してしまう分少し距離を取ってしまうのは仕方ない。

 だというのにやれ「恋人を作れ」だのやれ「好きな人いないのか」だの言われるのはショックを受けてしまうものだ。

 

「俺はお前が好きなんだよ……」

 

 一人の時なら口に出来る。だが和実と一緒にいる時はどうしても口に出来ない言葉。

 

「なーにが知らぬは本人ばかりなりだよかっこつけやがって……」

 

 そんな悪態が口に出てしまうがどうか許してほしい。いつかこの気持ちをあいつに伝えるその日まで。

 

 

 

 

 

「へっくし! うぅ、冷え込んできたかな……」

 

 大きくくしゃみをした和実は自分を抱きしめるように両手を自分の両腕に回して摩擦熱で少しでもあったまろうとコートを擦り、震えながら帰路を急ぐ。

 

 

 いやはやまったく。知らぬは本人ばかりなり。




《キャラ設定》
富嶺祐也:あるギャルゲーの主人公。両親は共働きで海外出張に行く事が多い仕事のため現在は一人暮らしというなんかそういうゲームでありがちな設定の男子高校生。
 年相応に捻くれたところはあるが基本爽やかで素直な好青年で、それ故か様々な女子に好意を寄せられているも鈍感なところがあって気づいていないやっぱりありがちな設定の鈍感系主人公。

 ……のはずが、高校で再会した幼馴染初谷和実と事件に巻き込まれたり首を突っ込んだりしている中で、様々な事件の解決に乗り出す彼女の姿に惹かれていった。
 本人すら気づいていなかったようだが、どうやら友人としての枠組みなら男女分け隔てなく接せられるがそれ以上の好意を向けようとすると尻込みするヘタレ属性らしい。
 現在和実ルート攻略中のような攻略されてるような。


初谷和実:あるギャルゲーの世界に転生した、主人公祐也とは幼馴染の女の子。
・幼少の頃に別れて高校生になってから再会した幼馴染
・セクシー体型
・クール
・僕っ娘
・ボーイッシュ
・眼鏡
・(自称)探偵
・鈍感
 と属性山盛りな女子。加えて鈍感に関しては(自分はヒロインではない=主人公である祐也から好意を寄せられるはずがないと無意識に思い込んでいるとはいえ)探偵として様々な事件を解決してきた経験から「自分は鋭い」と思い込んでいる有様な若干ポンコツ。そのせいで祐也から好意を寄せられているのに全く気付かず、親友として彼が恋人を作れるように色々取り計らっている。
 自分では「真似事」と評しているが高校生ながら探偵として活動しており、形から入るためにベージュのケープ付きトレンチコートやハンチング帽を常に着用。春夏秋冬トレンチコートとハンチング帽がトレードマークだが全く同じデザインの予備を何着か用意して使いまわしたり季節ごとにそれ用の生地のものを使い分けている。
 割かし社交的らしく、祐也のヒロイン達とは少なくとも「クリパ開いて誘おう」とか考える程度には良好な関係を築いている模様。

 ……ちなみに原作ゲームでもある条件をクリアすれば隠しヒロインとして彼女が登場するのだが、プレイ途中で死亡した彼女の前世及び彼女がそれを知る事はない。



《後書き》
 初めましての方は初めまして、こんにちはの方はこんにちは。カイナと申します。
 なんとなく思いついたというかなんというかでオリジナル小説を書かせていただきました。理由としては単純にタイトルにもある「知らぬは本人ばかりなり」という台詞を思いついたのでそれを題材にした感じです。
 あと叙述トリックものにしようと思ったので、そんな感じで書いてみました。和実ちゃんが最初は男の子に見えたのなら幸いです。

 まあそんな感じで、なんとなく思いついたままノリで書き上げたので特に続きは考えていません。
 こんな短編ですがご指摘ご意見ご感想などあればお気軽にどうぞ。それでは。


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