鬼舞辻無惨レ〇プ!鬼狩りと化した先輩&淫夢ファミリー 作:ジョニー一等陸佐
あっそうだ(唐突)みんなさっそく活動報告にアイデアを投稿してくれてありがとナス!これで執筆がますますはかどるゾ~(投稿速度が速くなるとは言ってない)
皆も何かアイデアがあったら活動報告に投稿してくれたら、俺も嬉しいんだよな。というわけでお願いします、何でもしますから!(何でもするとは言ってない)
狭霧山。
その麓にある小さな家屋の近くで一人の男が鍛錬に勤しんでいた。
白い空手の胴着を着込み、黙々と正拳突きを繰り返す。
腰の黒帯、鍛え上げられた肉体、そして何よりも隙のない動きと構え、人間離れした突きの速さと勢いが、彼が相当な実力の持ち主であることを示していた。
不意に男がその拳を止めた。
空を見上げると一匹の鴉がゆっくりと舞い降りてくる。
その足には白い紙が結ばれていた。手紙だ。結びをほどき、紙を開き、書かれている文章に目を通す。
『略啓
鱗滝左近次殿 秋吉殿
鬼殺の剣士になりたいという少年と青年とそちらに向かわせました。
丸腰で私に挑んでくる度胸があります。
身内を鬼によって惨殺され、唯一生き残った妹も鬼に変貌していますが人間を襲わないと判断いたしました。
この三人には何か違うものを感じます。少年のほうは鱗滝殿と同じように鼻が利くようです。また、青年のほうは秋吉殿と同じような迫真空手の動きと呼吸を見せていました。あくまで勘ですがもしかするとあなたと同じような人間かもしれません。
もしかしたら、“突破”し“受け継ぐ”ことができるかもしれません。どうか二人を育てていただきたい。
手前勝手な他の身とは承知しておりますが何卒、御容赦を。
お二人共、御自愛専一にて精励くださいますようお願い申し上げます。
怱々
冨岡義勇』
家屋から天狗の面を付けた初老の男が出てくる。道着姿の男が手紙を見せた。文章に目を通す。
それから二人共しばらく考え込んだ後、うなずき合うと簡単に身支度をし、二人は家屋を後にするのだった。
野獣と炭治郎、禰豆子の一行は青年の言葉を頼りに鱗滝左近次と秋吉なる人物の待つ狭霧山へと足を進めていた。
一刻も早く狭霧山へと行きたい一行はしかし青年の禰豆子を絶対に日の光に当てるなという言葉から、途中炭治郎は道中で出会った農民から要らない竹や古い籠を分けてくれと頼み、中に光が差さないよう細工し補強した籠を作り、この籠の中へ禰豆子を入れて運ぼうとした。
「・・・さすがに人が入るにはその籠小さい・・・小さくない?」
「でも禰豆子が鬼になった時、体が大きくなりましたよ。もしかすると逆もあり得るんじゃないんですか?・・・禰豆子、この籠の中に入れるかい?昼間も先に進みたいんだ。俺が背負っていくからさ・・・あの時お前からだ大きくなったろ?逆に小さくできないか?」
「・・・」
しばらく籠をじっと見ていた禰豆子だったが、もぞもぞと頭から入り込み、しばらくもがいた後で徐々に彼女の体小さくなり籠にすっぽりとはまった。
「おおっ、すごい。偉いぞ禰豆子」
「はえー・・・すっげぇ小さい・・・でもこれでみんな移動しやすくなったってはっきり分かんだね」
「そういえばちょっと前までは禰豆子もすごい小さかったよな・・・それがあんなに大きくなって・・・」
「おーい、炭治郎早くしろ―(ホモはせっかち)」
「あっ、はい」
妹の思い出にふける炭治郎に野獣は声をかけ、一行は再び狭霧山へと向かう。
「そういえばお前さ炭治郎さ、さっきヌッ・・・籠作ってた時にさぁ、禰豆子の奴なかなか(穴から)出てこなかったよな?」
「そうですね・・・」
野獣と炭治郎が竹や藁を使って籠を補強し作り上げている最中、禰豆子はずっと近くの洞穴にいた。しかも、その中に更に穴を掘ってその中に引きこもっていた。
「すごく顔をしかめてました・・・よっぽど日に当たりたくないみたいですね・・・」
あの青年は何があっても禰豆子を日の光に当てるなと言っていた。禰豆子の日中の様子を考えても、単純に嫌がるだけではないようだ。おそらく、禰豆子やそして鬼にとって日光は大変害のあるもののようだ。
長時間歩き、日も暮れ辺りも暗くなったころには、とある山の麓にまで来ていた。地元の人に聞いてみれば狭霧山に行くにはこの山を越える必要があるという。
この周辺、この時間帯には人が消えている、気を付けろという忠告を受けながらも、少しでも先を急ぎたい一行はもう少し歩くことにした。
山道を歩きながら野獣は少し考えこむ。
「なぁ、たしかあいつは狭霧山の鱗滝と秋吉っていう二人を訪ねろって言ったよな?」
「はい、二人には手紙も出すって・・・どうかしたんですか?」
「俺、この時代に来る前はさ、大学で空手部と水泳部掛け持ちしていたんだけどさ・・・空手部の顧問が秋吉って名前なんだ。あいつが言ってたのと同じ名前だ。で、秋吉師匠、何か事件に巻き込まれでもしたのかここ最近行方不明になっていてさ・・・その行方不明になった場所が狭霧山なんだ」
野獣がタイムスリップする以前所属していた迫真空手部の顧問、AKYSこと秋吉。野獣やその仲間たちにとっては厳しく、そして頼りになる師匠だった。だがその秋吉は狭霧山に修行しに行ったきり、そのまま行方不明になってしまった。そして、冨岡義勇が訪ねろといった人物と場所も、秋吉と狭霧山であった。・・・これは偶然の一致というべきだろうか?
「・・・まさかとは思うけど。秋吉師匠も俺みたいにこの時代に来ちまって狭霧山にいるなんてことはないよな・・・?」
「うーん・・・流石に偶然じゃないですか?浩二さんみたいに未来からくるなんてそうそうないと思いますし・・・」
「ですよねぇ・・・」
炭治郎の言葉に野獣も流石に偶然、思い違いかと考え直す。炭治郎の言うとおり、タイムスリップなどそうそうあるものではない、というよりまずありえないことだ。名前と場所が一致していたのは多分、偶然だろう・・・そう、偶然だ・・・
「あっ、浩二さん見てください」
しばらく山道を歩いていると炭治郎が何かを見つけて指をさした。
その先には古く小さいお堂がぽつんと建っていた。中に誰かいるのか、中から明かりが灯っているのが見える。
「お堂がありますよ。明かりが漏れてるから誰かいるみたいですけど。ちょうどいいからあそこで一晩過ごしましょう」
「おっ、そうだな」
これ幸いとそのままお堂の中への入ろうとして不意に炭治郎が足を止めた。鼻を引くつかせている。何か嗅ぎ付けたようだ。
「・・・!血の匂いがする!」
「血の匂い?誰か怪我人がいるのか?」
「多分。この山は険しいから誰かが怪我をしたんだ。大丈夫ですか・・・!?」
「ファッ!?」
炭治郎がお堂の扉を開けたその時、中にいたのは一行が予想したような怪我人の姿ではなく。
壁と床一面に散らばったおびただしい量の血。床に転がる数人の男女の血まみれの死体。そして、そのうちの一人の腕に噛み付き一心不乱にその肉を貪り食う一人の男だった。
男がじろりとこちらに目を向ける。
血走り殺気のこもった、獣のような瞳。肉食獣のように鋭くとがった歯、鋭くとがった爪。
眼前に広がる光景から野獣と炭治郎は瞬時に察した。鬼だ。人喰い鬼だ。
死体をむさぼっていた男、否、鬼が口を開く。
「なんだ、おい?ここは俺の縄張りだぞ?俺の餌場を荒らしたら許さねぇぞ」
突然の出来事、眼前に広がる惨状に二人は過ぎには動けずにいた。禰豆子に至っては死体から流れ出る血を見て、息を荒くし、竹の口枷からぼたぼたとよだれを垂らし、体を震わせている。鬼と化した禰豆子にとっては御馳走が転がっているようなものだ。それをまだ残っている理性で必死に抑えている風だった。
身動きが取れずにいる一行を見て鬼が首を傾げる。
「それにしても妙だな・・・ひょっとしてお前ら・・・人間か?」
次の瞬間。
野獣の隣を何かが凄まじい速度で擦過した。
遅れて先ほどの鬼が人間離れした速さで跳躍し炭治郎を襲ったのだと認識する。
慌てて後ろを見ると、炭治郎の上に鬼が覆いかぶさり血しぶきが舞っていた。
嫌な予感が野獣をよぎったが、すぐにその血が炭治郎のものではないと悟る。炭治郎の右手には血の付いた斧が握られていた。襲われた瞬間咄嗟に持っていた斧を振り、鬼の首を切り裂いたのだ。
鬼が後ろに跳躍する。
その首は斧の斬撃で裂け、中の肉と骨が丸見えになり、大量の血が噴き出していた。普通ならまず即死の傷。だが相手は鬼だ。
「!?」
「はは、斧か。やるな・・・でもこんな傷、すぐ治る。ほら見ろ、もう血が止まった」
見れば既に血が止まり、切り裂かれた肉が繋がるように傷がふさがっていき、血も少しずつ消えて行っている。
驚愕する炭治郎と野獣に、鬼は嘲笑う。
傷が完全にふさがると同時に再び鬼が素早く炭治郎に襲い掛かった。瞬間炭治郎は鬼に組み伏せられる。
野獣は禰豆子を一瞬ちらりと見た。鬼の食糧である人の死体とその血を前にしてぶるぶる震えて固まっている。人としての理性と鬼としての本能がせめぎ合っているのだ。あれでは動けまい。炭治郎も鬼に組み伏せられ、身動きが取れずにいる。いずれにせよ野獣を含めここにいる全員が危険に晒されている。どう動くべきだ?
「さあ、このまま頸をへし折って・・・」
「ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
瞬間野獣は雄たけびを上げ鬼に向かって突進していた。
そのまま鬼に掴みかかり地面に組み伏せようとする。炭治郎も鬼の力が緩んだ一瞬のスキをついてその拘束を逃れると、野獣に加勢し斧の柄を使って鬼を地面に押し付け拘束しようとする。だが――
「へっ、馬鹿野郎お前、人間二人程度で鬼に勝てるわけないだろお前!」
「ぐっ・・・!」
「ウーン・・・」
鬼の力は明らかに人間の力をはるかに上回っていた。拘束しようにも跳ね返されてしまう。一転攻勢、次の瞬間には野獣はその体を吹き飛ばされ、炭治郎は元のように地面に押し付けられ組み伏せられてしまう。
鬼がその首をへし折ろうとしたその瞬間、何かが襲い掛かり鬼の首を吹き飛ばした。吹き飛ばされた頸がボールのように宙を舞い地面に激突する。
先ほどまで固まっていた禰豆子が素早く駆け付け、凄まじい力で鬼の首を蹴り上げたのだ。その力は首を吹き飛ばすには十分だった。
首のなくなった鬼の胴体ががくんと力をなくし、血を吹き出しながら炭治郎の倒れ掛かる。
ぎょっとする炭治郎。
殺したのか?
だが次の瞬間、鬼の腕が再び動き出し、炭治郎の体を引き裂こうとする。
禰豆子が胴体を蹴り飛ばす。
首をもがれても動くというのか。
吹き飛ばされた首のほうを見れば、なんと怒りと憎悪のこもった表情でこちらを睨みつき喋っていた。
「クソっ!やっぱり一人鬼だったのかよ!妙な気配させやがって、なんで鬼と人間がつるんでるんだ、クソッタレ!」
首のない胴体が立ち上がり、禰豆子に襲い掛かろうとする。
「やめろっ、禰豆子に触れるなぁーっ!」
胴体に掴みかかる炭治郎。
野獣が首のほうを見ればなんと、腕を生やしつつあった。下手をすればあのまま胴体も再生させかねない。
野獣は転がっていた斧を掴むとそのまま首に向かって駆けだした。
同時に腕を生やし終えた首が野獣に襲い掛かる。
鋭い爪を生やした両手が野獣の肩を掴み、鋭い歯が斧の歯に噛み付く。
「ふざけんじゃねぇよ、何お前首だけの癖に腕生やしてんだよ・・・!」
野獣に怒りの感情が燃え上がる。高ぶった感情と危機的状況は人間に大きな力を発揮させる。野獣は斧の柄を首に引っ掛け力ずくで引きはがすと、そのまま渾身の力を籠め斧を振り回し木の幹に叩きつけた。
斧の柄と木に引っ掛かり首は身動きが取れなくなる。強く斧が食い込んだのと生えた腕も短いため、斧を引きはがすこともできない。しばらくは身動き一つとれまい。
「炭治郎!!」
野獣が振り返った先には胴体と取っ組み合い、蹴り飛ばされる炭治郎と禰豆子の姿があった。
野獣は急いで駆け出すと、勢いに任せ、そのまま飛び蹴りを喰らわせた。
胴体が宙を舞い、そして消えた。
何が起こったのか見てみると、眼前には断崖絶壁と落下する胴体が見えた。
あのままだと炭治郎と禰豆子は胴体に蹴り飛ばされて崖から落下していたかもしれない。
鬼の胴体はやがてグシャッと地面に激突し無残に散らばった。
「ギャッ」
引っかけられた首が短く悲鳴を上げそのままぐったりと意識をなくした。胴体をやられたからだろうか。
いずれにせよ何とか助かった。
「・・・大丈夫か、お前・・・?」
「はい・・・禰豆子も・・・大丈夫です。間一髪でしたね・・・でも・・・」
炭治郎はちらりと斧で引っかけられたままの首を見る。
「あれ・・・どうします・・・?」
「とどめ指すしかないでしょ?・・・ていうか、あの鬼お前の家族を襲った奴じゃないのか・・・?」
野獣の疑問に炭治郎は首を横に振る。
「いえ・・・家に残っていた匂いと違いました。やったのは別の鬼です・・・でも・・・とどめを刺さないと、また襲うかもしれませんよね・・・?」
「・・・やるしかないな」
炭治郎は短刀を抜き。
野獣はそこら辺に落ちていた大きめの石を持つ。
おそらく鬼はこれ以外にも大勢いるはずだ。
これはそのうちの一人にすぎない。今は首だけになり意識を失っているとはいえ、死んだわけではない。微かに息がある。止めを刺さねばまた人を襲うだろう。
だから、自分たちがやるのだ。
そう、頭ではしっかりと理解していた。
しかし首に近づくたび、その短刀を、石を持つ手が震える。もともと荒かった呼吸がさらに荒くなる。
止めを刺す、つまり殺す。
必要なことだとは二人とも分かっていた。
だが、殺すとは本来異常な行為。たとえ必要なことでも一般人ならまず忌避し、戸惑う。鬼相手とはいえ、はじめてその手で直に命を奪うことに戸惑わないはずがない。
だがやらねばならない。
二人はうなずき合うと、震える手を振り上げそして――
その手を誰かが掴んだ。
「そんなんじゃ雑魚鬼も殺せねえぞ、お前ら」
「!?」
「ファッ!?」
振り返ったその先には、二人の男が立っていた。
一人は頭巾に天狗の面を被った男。かろうじて見える白い頭髪が、彼がある程度の年齢であることを示していた。
もう一人は黒帯に白い道着姿の男。精悍な顔つきに六尺以上はあろうかという長身の偉丈夫だ。
彼らは誰だ?
音もなくいつの間にか背後に忍び寄っていた二人の存在に野獣も炭治郎も驚いていた。だが恐らく、野獣のほうがその驚愕の度合いは大きかったかもしれない。何しろ二人のうち一人は、野獣の見知った顔だったからだ。
野獣は目を見開いてその名をつぶやく。
「・・・秋吉、師匠・・・?」
AKYSこと秋吉。
迫真空手部の顧問、野獣たちの師匠。行方不明になっていたはずの男。
白い道着姿の男は紛れもなく秋吉その人であった。
「手紙を見てまさかとは思ったが・・・久しぶりだな、野獣」
驚く二人とは対照的に秋吉はふっと笑ってそう言うのだった。