鬼舞辻無惨レ〇プ!鬼狩りと化した先輩&淫夢ファミリー   作:ジョニー一等陸佐

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第7話 空手部再会の裏技

 数時間の道のりを経て、野獣と炭治郎は鬼殺隊の最終選別が行われる藤襲山に着いた。すでに夜になり、あたりを月明りと星の光だけが照らしている。麓に辿り着くと野獣は山を指差した。

 

 「こ↑こ↓」

 

 「はぇ~、すっごい大きい…あ、見てください浩二さん」

 

 山の大きさと広さに感嘆する炭治郎があることに気が付く。

 

 「藤の花がこんなに…こんな季節じゃないのに」

 

 「そう…(無関心)」

 

 麓には山を囲むようにして大量の藤の花が咲き乱れていた。しかも季節外れの光景であり、尋常な量ではなく、むしろ狂い咲いていると言うべきかもしれない。

 炭治郎がそのあり得ない光景に驚く一方、野獣はあんまり興味なさそうだった。比較的自然と近い大正時代の人間と、あんまり詳しくない現代人の差というやつだろう。

 山の階段を上ると広場があり、何十人もの少年少女が集まっていた(もちろん少年の方が多い)。全員が最終選別のために集まったことは明らかだった。その中央には日本人形のような見た目の、着物におかっぱの少女が二人いた。どちらも頭の片方に花飾りをつけており、一人は白い髪、一人は黒髪だった。

 二人は確認するようにあたりを見渡すと、やがて交互に口を開いた。

 

 「皆様、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり、外に出ることはできません」

 

 「山の麓から中腹にかけて鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」

 

 「しかしここから先には藤の花は咲ておりませんから鬼共がおります。…この中で七日間生き抜く」

 

 「それが最終選別の合格条件でございます」

 

 「「では行ってらっしゃいませ」」

 

 二人が深々と例をすると同時に、続々と少年少女が門をくぐり山の中へ入っていく。最終選別が始まったのだ。この中には大量の鬼が潜んでいる。この中に野獣と炭治郎も入り、生き延びねばならないのだ。果たして何人が生き残れるだろうか、野獣と炭治郎は生き残れるのだろうか。だがこの試練を乗り越えねば鬼殺隊には入れないし、禰豆子を助け、仇を討つ機会は永久に失われるのだ。

 

 「…行こう、炭治郎」

 

 「はい、浩二さん」

 

 二人は頷き合うと、共に門をくぐり山の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 山の中を歩く野獣と炭治郎。夜目を凝らし、いつでも日輪刀を構えられるよう周囲を警戒しながら進んでいく。野獣が炭治郎に話しかける。

 

 「山に入ったはいいけど…鬼がうじゃうじゃいるんだよな。炭治郎、においでどこに鬼がいるか大体分からないか?」

 

 「うーん…難しいですね。藤の花の匂いがしなくなったら急に鬼の匂いが漂ってきたんですが…四方八方から漂ってきているから正直特定しづらいです…これもう分んないですね…」

 

 野獣の問いに首を横に振る炭治郎。

 感情さえも嗅ぎ分ける炭治郎の嗅覚をもってしても分かりづらい、ということはこの広大な山の中に大量の鬼がひしめき合っているということなのだろう。

 

 「とにかく二人で警戒しながら進むしかなさそうだな…」

 

 「ですね…」

 

 「ア゛ーーーーッ!!(汚い高音)ンア゛ッーーーー!!(クッソ汚い高音)」

 

 「!?」

 

 「ファッ!?」

 

 二人が話し合っていると、突然どこからか凄まじい、クッソ汚い叫び声が響いてきた。

 声のした方角を見ると、二人の人間がこちらに向かって走ってきている。一人は少年のようで、一人は青年のようだった。更によく見ると、二人を追うようにして鬼が二人走っている。

 

 「来ないでェ!やめてーッ!やめてくれよぉーーーッ!!(絶望)」

 

 「なんで逃げる必要なんかあるんですか!一緒に戦おうって言ってるのに!」

 

 「いやぁーーーーッ!死ぬ死ぬ死ぬッ!俺弱いから戦っても絶対死ぬって!それより守ってよナオキさぁーーーんっ!!」

 

 「えぇ…(困惑)」

 

 叫ぶ少年に対し叱咤激励するように青年が話しかける。

 

 そうしている間にも後ろの鬼たちがさらに凄まじい速度で二人を追ってくる。長い期間閉じ込められ何も喰えず相当空腹だったのだろう。どちらの鬼も目が尋常でないほど血走り、よだれをこれでもかと垂らしている。

 

 「久方ぶりの人肉だ!」

 

 「逃げんじゃねーよ!」

 

 いずれにせよこのままでは二人の命が危ない。そして野獣も炭治郎も危険な目に遭っている人間をそうやすやすと放っておけるような人間ではなかった。

 気付けば野獣も炭治郎もその場から駆け出していた。呼吸法により凄まじい速度で駆け寄り、鬼の前に躍り出、日輪刀の鯉口を切る。口から呼吸の音が漏れる。

 

 「ヒュゥゥゥゥ…ッ!」

 

 「ヌゥン、ヘッ、へッ、ハァ、アッ、アッ、アッ…ッ!」

 

 水の呼吸、壱ノ型、水面斬り――

 野獣の呼吸、壱ノ型、淫夢之一太刀――

 

 瞬間、二人から横合いの斬撃が同時に繰り出され、同時に二人の鬼の首をそれぞれに斬り落とした。

 首を切り落とされた瞬間、鬼の体は力がなくなったようにガクンと崩れ落ち、やがてあっという間に首も体もボロボロに崩れ後には鬼が身に着けていた服だけが残された。

 日輪刀で首を切り落とすと骨も残らずに消え去るのか――

 知識として知ってはいても、初めて直に見るとその光景はどこか哀れにも思えた。手を合わせ成仏を祈ると、野獣と炭治郎は振り返った。

 

 「二人とも、大丈夫ですか…わっ!?」

 

 「おっ、大丈夫か?大丈夫か?…!?」

 

 振り返り、助けた少年と青年の様子を見た瞬間、二人は驚愕した。炭治郎が驚いたのは突然、少年が炭治郎に泣きながら抱き着いたからである。

 

 「ありがとう、助かったよぉ~、この恩は忘れないよ~っ!」

 

 抱き着いた少年は涙と鼻水をぼろぼろに流し、炭治郎の服で拭き取らんとする勢いだ。見れば少年の髪は染めてでもいるのか立派な金髪だった。その髪型はまるでタンポポを思わせる。一方の野獣が驚いたのは、青年の顔が明らかに見覚えのある、というか顔見知りの顔だったからである。短髪に整った顔立ち。青年の方も覚えがあるのか野獣の顔を見て驚きに染まっていた。野獣は青年のことをよく知っていた。なぜなら、その顔は彼にとっては今は行方知れずの仲間であり、後輩だったからだ。野獣はその名を呟く。

 

 「…木村?木村なのか…?」

 

 「そういうあなたは…まさか、田所さん…野獣先輩ですか!?」

 

 青年…否、野獣の後輩、迫真空手部の部員木村ナオキも驚いた顔で野獣の名を叫ぶ。そう、彼こそは間違いなく野獣の後輩であり、タイムスリップしてから行方知れずになっていた仲間、木村ナオキだった。

 野獣とその後輩は思わぬ形で再開することになったのだった。

 

 

 

 

 

 しばらくして四人は焚火を囲むようにして座っていた。いったん状況を把握するのと、このまま歩き回っても仕方ないからとりあえずいったん暖を取って休息しようとなったからである。

 

 「じゃあ、先輩も僕と同じように育手のところで修行してたってことですか?」

 

 未だ再会の驚きと喜びが覚めない木村が野獣に話しかける。

 

 「うん。しかも、行方不明になっていた秋吉師匠も一緒にいてさ。いやもうキツかったっすねー鍛錬…」

 

 「えっ、秋吉師匠もいたんですか!?」

 

 「おう、俺や木村と同じようにタイムスリップして、色々あって鬼殺隊に入ったらしい。とにかく無事で良かったよ…鍛錬はきつかったけどな。師匠は変わらず師匠だったよ…」

 

 「良かった…無事だったんですね…僕も早く会いたいです」

 

 「えっと…二人はお知合いなんですか?」

 

 笑顔で話し合う野獣と木村に炭治郎が話しかける。

 木村が頷いた。

 

 「はい。僕と田所さんは大学の迫真空手部の後輩と先輩の関係で。同じようにこの時代にタイムスリップしていたところを育手のお爺さんに拾われたんです。で、この子が僕と一緒に拾われた我妻善逸君です」

 

 「どうも・・・」

 

 金髪の少年、我妻善逸が軽く頭を下げた。

 それから木村は自分の身の上やタイムスリップのこと、ここに至るまでのいきさつを説明した。

 迫真空手の稽古が終わり野獣たちとくつろいでいたところ、突然黒塗りの高級車が突っ込んできて気付いたら大正時代にタイムスリップしていたこと。行く当ても頼れるところや人もなく、途方に暮れていたところを、育手の老人に善逸と一緒に拾われたこと。ほかに行く当てもなく、生活の糧を得るためと拾ってくれた恩を返すために鬼殺隊に入ることにしたこと。厳しい鍛錬の日々、そして今日の最終選別へと至ったこと。

 

 「本当に大変だったんですよ…鍛錬は厳しかったし、最終選別に行くときなんか、善逸君、行くのを嫌がってビンタされまくって…ここまで連れて行くのが大変でしたよ」

 

 「いやだって、俺もの凄く弱いんだぜ!舐めるなよ、俺はとにかく弱いんだ、この選抜で死ぬ運命なんだ、絶対死ぬ!でなきゃ俺のこと守ってくれよぉ、ナオキさん、みんな~」

 

 「えぇ…(困惑)」

 

 善逸の臆病ぶりに困惑するばかりの木村。野獣が顎をさすりながら口を開く。

 

 「まぁ、とにかく…木村も秋吉も無事で良かったよ…てことは三浦もこの時代にタイムスリップしてんのかな?木村、何か知らないか?」

 

 「うーん、分からないですね。僕たちだけタイムスリップしたとは考えにくいけど…三浦先輩もこの時代に来て、鬼殺隊に入ろうとしているとは限らないし…今は無事を祈るしかないですね」

 

 「カンノミホ…」

 

 野獣と木村は互いの再会を喜ぶ一方で、もう一人の存在のことも思い浮かべていた。三浦智将(ともまさ)、迫真空手部員の一人にして野獣と木村の先輩である。あの日タイムスリップして以来、三浦とも別れ行方知れずになっていた。野獣や木村、秋吉もこの時代にタイムスリップした以上、あの日一緒にいた三浦もこの時代にタイムスリップしている可能性はあるが、果たして三浦は今頃どうしているのだろうか。木村と野獣が無事に再開し、秋吉の安否がわかった一方で、三浦はいまだ行方知れずだ。果たして無事なのだろうか。

 野獣と木村が未だ行方知れずの天然の先輩のことを思い浮かべる中、不意に炭治郎が鼻を引くつかせ、善逸が耳を澄ませた。

 

 「…匂いが近づいてる…でも鬼じゃない」

 

 「なっ、なんか、誰か来てる…今度はなんだよう…」

 

 「先輩…」

 

 「ああ」

 

 何者かの接近を告げる二人の様子に野獣も木村も刀を手に取り構える。

 やがて草木をかき分ける音と何者かの気配を野獣と木村も感じ取る。

 やがて気配と音は大きくなり、一人の人間が姿を現した。

 その姿を見て野獣も木村も一瞬動きをとめ、やがて顔に驚きの表情を浮かべる。

 坊主頭に薄いひげ、がっしりした体躯。どこか抜けていそうな顔。その人間は二人の知っている人物であり、まさに二人がちょうど話題にしていた人物だった。

 

 「み、三浦先輩!?」

 

 噂をすれば影とはこのことか。今まさに野獣と木村がその身を案じていた先輩の姿がそこにあった。まさか思い浮かべていたちょうどその時姿を現すとは。

 

 「…何だか煙い匂いがすると思ってきてみたら…野獣に木村じゃないか。…なんでこんなところにいるんだ?」

 

 驚きを隠せない二人に対し、当の本人、三浦はのんびりとしたどこか抜けた様子でそう答えるのだった。

 

 

 

 

 

 火を囲む人数が五人に増え、その場は少し騒がしくなっていた。それも当然だろう、あの日突然離れ離れになり行方知れずになっていた三人がこうして思わぬ形で再開し集まったのだから。

 野獣も木村も、そして三浦も、三人の顔には喜びが浮かんでいる。

 

 「いや~まさかこんなところで皆と再会できるとは思わなかったゾ~、とにかくみんな無事なようで本当に嬉しいんだゾ」

 

 「俺もまさか三浦先輩とこんなところで会うとは思わなかったっすよ…噂をすれば影って、はっきり分かんだね」

 

 「田所さんも、三浦先輩も無事で何よりです…やっぱり、こうして三人で集まると落ち着きますね!」

 

 「そりゃお前、俺たち迫真空手部は三人で一つって、それ一番言われてるから。でも三浦何でこんなんところにいるんですか?」

 

 「それを説明すると少し長くなるんだゾ…」

 

 野獣の問いに三浦は頷きこれまでのいきさつを話し始めた。ある日部室に突然黒塗りの高級車が突っ込んでき、直後、気付けば三浦は見知らぬ山の中にいたこと。彷徨っているうちに、突然猪の被り物をした少年と出会い、格闘の末、仲間になったこと。ここが大正時代であることを知ったこと。それから鬼殺隊士と出会い、襲撃・力比べ(意味深)の末、鬼殺隊や鬼などについていろいろ聞きだし、少年と共に鬼殺隊に入ることを決めたこと。育手を介さない鍛錬の末、この選別へやってきたこと。

 

 「伊之助の奴、ここに着くなり『伊之助様のお通りだ』とか『俺の踏み台になれ』とか言って真っ先に山に突っ込んでいったんだぞ、せっかちで困るんだゾ…おかげで気付いたらはぐれてしまったんだゾ」

 

 「猪の被り物にせっかちって…もしかしてあいつと知り合いなのか!?」

 

 三浦の言葉に善逸が驚いた表情をする。

 

 「知ってるのか、善逸?」

 

 「俺たちが麓に集まる前に真っ先にやってきて真っ先に入山した、せっかち野郎がいたんだ…猪の被り物をした。まさか知り合いだったなんて…」

 

 炭治郎と善逸がそう話し合う一方で、野獣が改めて感心したような様子で頷く。

 

 「それにしても育手を介さずに自己練でここまでくるなんて、さすがっすね三浦…」

 

 「いやぁ~すっげえキツかったゾ~、でもあのまま伊之助と山の中にこもっているよりは鬼殺隊に入って安定した生活を求める方が良いと思ったんだゾ。あの時思い切って伊之助と一緒にあの鬼殺隊士を襲って正解だったんだゾ、二人で一緒に刀を奪ってそれから色々ぶち込んでやったぜ(意味深)」

 

 「思い切って襲うなんて、三浦さすがっすね、その行動力…俺も見習いてぇなぁ…俺も水泳部の後輩の遠野を襲おうと睡眠薬も用意したんすけど、結局出来なかったんだよなぁ…」

 

 「いやいや、睡眠薬を準備するなんて、さすがは野獣だぞ、野獣の準備と根回しの良さを俺も見習いたいんだゾ~」

 

 「えぇ…(困惑)二人して何言ってるんですか…」

 

 「この人たち頭おかしい(ドン引き)」

 

 「浩二さん、何人襲おうとしていたんですか!?まずいですよ!」

 

 人間の屑のごとき言動を見せる野獣と三浦に対しドン引きし、突っ込みをする木村と善逸、そして炭治郎。

 それから木村が再び口を開く。

 

 「それで、再会したはいいけれど…とりあえずこれからどうしましょうか?僕らは最終選別としてこの山を七日間生き延びなきゃいけないわけですけど」

 

 野獣が顎をさすりながら考え込む。

 

 「ですよねぇ…。とりあえずずっとここに居座るわけにはいかないし。とりあえず皆で行動しませんか?人数が多ければその分戦力も高くなるし、何かあってもカバーし合えると思うんですけど」

 

 「そうですね。ここで会ったのも何かの縁でしょうし。みんなといた方が心強いですよね」

 

 野獣の言葉にうなずく炭治郎。

 

 「じゃあ俺、みんなに守ってもらうことにするから…」

 

 「は?(威圧)舐めてんじゃねぇぞ、男のくせによぉ、少しは戦おうって気概はねえのか」

 

 「うわぁ、許してください、何でもしますから!」

 

 善逸の言葉に木村がどすを聞かせた声で叱咤する。この木村という男は普段は落ち着いた常識人だが怒らせると恐ろしく怖いのだ。

 

 「それで、とりあえず移動しますか?七日間ここにいる以上、水とか食べ物とか必要になるでしょうし…とりあえず、川辺とか、水のある所に行きませんか?水を確保しやすいように」

 

 「あっ、そうだ(唐突)、水辺といえばさっき水の…川みたいな匂いがしたんです。この辺にぃ、ちょっとした川が、あるみたいっすよ。とりあえず行きませんか?行きましょうよ」

 

 野獣と炭治郎の提案に対し、三浦が待ったをかける。

 

 「あっ、おぃ、待てぃ(江戸っ子)。水辺に行くのはむしろ危険だと思うんだゾ、水の確保は確かに重要だけど、たぶん鬼達もそれを考えて、待ち伏せしているかもしれないんだゾ、それに雨が降って水量が増えて氾濫したら危険なんだゾ」

 

 「んにゃぴ…確かにそうっすね…」

 

 三浦の的を得た反論に頷く野獣たち。普段は天然で抜けたところのある三浦だが、このように時折非常に鋭いところも見せるのである。

 そんな風に五人が話し合っていると、突然炭治郎が顔をしかめ鼻を抑えた。善逸も耳を抑えおびえた表情を見せる。

 

 「っ!?何だ、このひどく腐ったような匂いは…」

 

 「ひゃーッ!?死ぬ死ぬ死ぬ!死んでしまう!!こんな不気味な音初めてだぁーーっ!」

 

 明らかに尋常ではない様子。野獣も、他の者も、尋常ではないものの気配を感じ刀を構え、警戒する。この気配は、もしや――

 気配の正体はすぐに表れた。

 ズル、ズルリ、ボコボコと。

 木々の間から何かが現れる。

 姿が明らかになる。

 それは一言でいえば、異形だった。

 横幅高さともに何メートルもある巨大な体躯。そのあちこちから太い腕が何本、何十本も生え、その巨大な体躯を守るように巻き付いている。その頭部には、腕や手の間から巨大な二つの血走った目が覗いている。その瞳は裂けている。その姿、その気配、明らかに人間ではない。明らかにそれは、巨大な、異形の鬼だった。

 

 「ファッ!?」

 

 「ポッチャマ」

 

 「やめてくれよ…(絶望)」

 

 今まで対峙してきた鬼とは明らかに違うその異形の姿に思わず慄く。緊張と恐怖が五人の間に漂う。

 異形の鬼の目玉がぎょろりとこちらを捉える。さも嬉しそうに、たっぷりの弱い獲物を前にした獣のように、おぞましい声で言った。

 

 「また俺に食われに来たな…鬼狩りのガキども」

 

 再会の喜びは一転、早速試練が空手部と少年達に降りかかったのだった。




大正イキスギィ!イクイクイク・・・アッ・・・ンアッー!(≧Д≦)話

三浦と伊之助が襲った鬼殺隊士は二人。サラサラヘアーの普通の見た目の隊士と、かませみたいな感じのする隊士だったんだゾ。かませみたいな感じの隊士が「こんな見るからに池沼な奴、俺でもぶちのめせるぜ」と言ったのに対し、三浦と伊之助は「見たけりゃ見せてやるよ(震え声)」「よし!じゃあぶち込んでやるぜ!(意味深)」と一斉に二人を襲って、鬼殺隊や鬼について聞きだしたり、日輪刀を奪ったんだゾ。
ちなみに襲われた二人にその時のことを聞こうとしたら、「色々ぶち込まれた(意味深)」「思い出すだけで尻が痛くなる」とだけ言って、黙ってしまうんだゾ。





『ガバガバ鬼滅劇場~ピンキー姉貴を鬼にしようとするも討ち死にする鬼舞辻無惨~


(bgm:風林火山)

無惨(そろそろ手下を増やすか…よしあの女を鬼にしよう)

そう思い、近くにいた女性に声をかける。

無惨「すみません、そこの人…」

ピンキー「はい、何でしょう?」

女性、ピンキーが振り向いた瞬間…


【挿絵表示】


デデドン!(絶望)

無惨「ファッ!?ウーン(心停止)」

無惨、絶望と恐怖のあまり心停止。
無惨は死んだ。鬼は滅んだ。

(bgm:討死のテーマ)





                   終





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